クロダイといえばクロダイが旬の季節。
年間を通じて堤防から狙うことができる人気の釣りの対象魚です。水質の変化に強く、淡水域や工業地帯にも住み着くことができます。餌釣りはもちろんのこと、最近ではルアーを使ったチニングと呼ばれる釣りのジャンルが生まれています。
そんなクロダイを食べる際の注意点と食べ方を、定番のものから一風変わったものまで紹介していきます。
クロダイを食べる際の注意点
アニサキス症
アニサキスは海洋生物全般に寄生する寄生虫です。孵化後はオキアミなどに寄生し、それを食べた魚類の内臓内で更に成長します。その後、魚類を食べた哺乳類(イルカやクジラ)の体内で成虫になり卵を産みます。人がアニサキスを食べた場合には、アニサキスは人の体内では成長できないため数日で死ぬか排泄されます。症状は数時間で現れ、激しい腹痛と嘔吐があります。治療方法は開腹や内視鏡による摘出が行われます。正露丸がアニサキスの動きを抑える効果があるというのは有名な話です。対策は、60℃・1分間以上の過熱や24時間以上の冷凍が有効とされており、よく噛んだり薬味を加えたりする対策は効果が見込めません。
クロダイのさばき方
さばくのは簡単な部類ですが、鱗が硬く大きいため少し力が必要です。また様々な餌を食べるため、釣った場所によっては内臓が非常に臭いことがあります。
クロダイの定番の食べ方・レシピ
刺身
種類を問わず多くの魚に合う食べ方で、クロダイにも良く合います。魚の鮮度や処理が重要で、特に釣り上げてから時間が経過していない、もしくは丁寧に処理して保管していた魚は、まず刺身にしてみると良いでしょう。魚そのものの味を存分に味わうことができます。しょうゆ、塩、ポン酢、あるいは色々な薬味を組み合わせて好みの食べ方を探すのも面白いです。寄生虫(主にアニサキス)のチェックも肝要です。アニサキスは魚の種類を問わず寄生しますから、青物やイカなどに限らずチェックすることをオススメします。
塩焼き
手間いらずで魚そのものの味をシンプルに味わえる塩焼きもよく合います。切り身にしてからでも構いませんが、内臓だけ取り除いて塩をたっぷり振って焼き上げればそれだけで十分美味しく頂くことができます。
煮付け
甘辛い味のじわっと染み込んだ煮つけもクロダイによく合います。面倒くさいとか難しいと思われがちですが、要領さえつかめばとっても簡単なのでオススメです。肉と違って魚の場合には、煮込み時間もそれほど必要ありません。煮込み時間によって味以上に魚の触感が変わります。煮込みすぎるとパサパサになりますから、好みの硬さになるように火加減を調整して煮詰めるのがコツです。また、味が薄い場合にはしょうゆではなく砂糖を足すと良いでしょう。
ムニエル
白身魚だけでなくどんな魚にでも合うムニエルは、クロダイにもピッタリです。釣りをされている方ならご存知の通り、同じ魚でも時期や処理の仕方、あるいは個体差と言っていいのかわかりませんが、個体によって味が変わります。ちょっと今日の魚は臭いなぁ、脂っぽいなぁなんていう時には、とりあえずムニエルにすると臭みや味の悪さにごまかしが利いて美味しく頂くことができます。
カルパッチョ
刺身でも美味しいクロダイはカルパッチョにしても美味しく頂くことができます。刺身上にさえすれば、あとはドレッシングをかけるだけなのでとっても簡単です。刺身を作り過ぎた場合や、臭みが気になる場合にはカルパッチョにしても良いでしょう。私の場合はドレッシングがうまく自作できないので、いつも市販のカルパッチョドレッシングを使っています。
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クロダイの意外な食べ方・一風変わったレシピ
唐揚げ
身に臭みがある黒鯛の場合には、味が濃い目の下味をつけるか唐揚げ粉を使った唐揚げがオススメです。
三杯酢
同じく身に臭みがある場合や、小物が多かった場合には手軽に内臓だけとって三杯酢漬けにすると楽においしく処理出来ます。
鯛めし
特に小物が釣れた場合には、内臓だけとって鯛めしにすると良いでしょう。炊きあがってから身をほぐして骨を取って混ぜ込むとなお美味しく頂けます。