【解説】3シリーズ(E46)の維持費や難易度を徹底解説!100万円以下が当たり前の3シリーズは買いか?
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2020年1月15日 加筆修正
今回は、100万円以下が当たり前の3シリーズ(E46/1998年~2007年)に注目してみたいと思います。
安く買って安く維持することに着目して各部をチェックしていこうと思います。
3シリーズ(E46)の概要
3シリーズ(E46)は、1998年に登場し、2002年のマイナーチェンジを経て2007年まで販売されていたミドルクラスセダンおよびワゴン、クーペ、カブリオレです。
モデルコードは、この3シリーズまで、派生モデルのコード分けは行われていなかったため、ワゴンやクーペなどもすべてE46というコードで統一されています。BMWにおいてはワゴンは「ツーリング」と呼ばれています。
エンジンは、2Lの4気筒エンジンを搭載する318i、2Lの6気筒エンジンを搭載する320i、2.5Lの6気筒エンジンを搭載する325i、3Lの6気筒エンジンを搭載する330iなどがラインナップされたました。各国に合わせた特別なグレードや流通量の少ないグレードは割愛しています。
トランスミッションは、主に5速ATおよび5速MTが搭載されています。MTの選択肢が多く残されていた最後の3シリーズとなります。
この3シリーズは2002年のマイナーチェンジを境に外装がガラリと変わって好みがわかれるところです。また、4気筒エンジンに大きな変更が加えられています。詳細は割愛しますが、マイナーチェンジ前はアナログな装備の旧来のエンジンであり、マイナーチェンジ後は環境対策や静粛性、出力などを高めた新型のエンジンへ置き換えられました。環境性能や出力、スムースさなどが向上している一方で、マイナーチェンジ前のエンジンは非常にシンプルでDIYを嗜むユーザーにはとてもやさしいエンジンです。旧来の保守的な外観を貫いていたBMW最後のモデルです。
維持費で考える狙い目のグレード
オススメのグレードは318iもしくは325iです。
2つのグレードを選ぶのには理由があります。
この3シリーズはすべてのグレードが完成されており、甲乙つけがたいです。正直なところどのグレードを選んでも後悔することはないでしょう。
車両価格もほぼ最低ラインまで落ちており、どのグレードも価格差はほぼありません。
特別な理由がない限りはマイナーチェンジ後の出来るだけ年式の新しい車両をオススメします。
あえてマイナーチェンジ前を選ぶとすれば、外観とシンプルな4気筒エンジンです。
外観は言葉通りです。
シンプルな4気筒エンジンとは、マイナーチェンジ前の318iに搭載されていたM43型4気筒エンジンです。マイナーチェンジ後からはN42あるいはN46という新世代の4気筒エンジンが搭載されています。
N42やN46はDOHC、可変バルブタイミング、可変バルブリフトなど様々な装備が加わり、スムースでパワフル、燃費も良いエンジンに仕上がっています。一方でM43エンジンは、1960年台に端を発するM10エンジンから改良と熟成を重ねた名機で、高い信頼性とシンプルゆえの整備性の良さを誇ります。
特にDIYを趣味とする人や車好きなら琴線に触れる何かがあるかもしれません。
維持の観点から各部をチェック
エンジン
本来であれば、部品点数が少なく故障時の部品代や工賃が抑えられる318iをオススメするべきです。
なぜ6気筒の325iを含めたかというと、エンジンの信頼性です。
先述の通りマイナーチェンジ後の3シリーズ(E46)に搭載されたN42およびN46エンジンは6気筒エンジン以上にスムースで静か、ふけ上がりも良くパワフルで軽量、高い環境性能を誇ります。実際に国際的な賞も受賞したほどの優秀なエンジンです。
しかし、このエンジンはいくつか不具合が起こりやすいポイントがあります。
ここでは詳細を割愛しますが、タイミングチェーンガイドの破損、オイル消費、ヘッドカバーやオイルフィルターハウジング、オイルレベルゲージ、可変バルブタイミング機構からのオイル漏れなどが散見されます。
このエンジンは多くのBMWの車に搭載されたエンジンです。そのために不具合の報告が多いという点は否めません。しかし、実際に20万km近く走行したE46の318iではオイル消費が増えるケースが多いです。
私は実際にE46の318iを大変気に入り、 17万km以上になるまで乗り続けたことがあります。その車両もオイル消費が多く、硬いオイルを使いつつ定期的にオイルを継ぎ足していました。
しかし、部品点数の多さを考えると維持費は6気筒の325iなどとそう変わらないでしょう。
そしてなにより、このE46に搭載された6気筒エンジンは、BMWの直列6気筒エンジンのなかで最高傑作との呼び声の高いエンジンです。素晴らしいフィーリングはもとより、長年の改良と熟成により耐久性も高いです。多くの車両に搭載されたエンジンですから部品供給も豊富です。
維持費の観点でエンジンをまとめます。
4気筒の318iは、走行距離が伸びるとオイル漏れやオイル消費が増えがちです。
6気筒の325iなどは、オイル漏れやオイル消費には悩まされないものの、その他のふいの故障時に必要とする部品点数が多く、工賃もやや高額になるでしょう。
トランスミッション
トランスミッションには定番のZF社製の5HPが搭載されています。
既に登場から20年以上経過していますが、目立った不具合は報告されていません。
3シリーズ、5シリーズ、Z4など多数の車両に搭載されており、セッティングは異なるものの同じ5HPが数えきれないほど多数のドイツ車に搭載されています。
タイヤ
タイヤは318i、325i共にスタンダードなモデルであれば16インチです。
非常に経済的で、よくBMWオーナーに選ばれている高いコストパフォーマンスを誇るピレリ社のCinturato P1で見ると、1本あたり僅か7000円です。
ブレーキ
この3シリーズ(E46)は現在の3シリーズと比べると軽量で、現在の1シリーズに近い車重です。
減りが早いと言われるBMWのなかでも、その軽量故にブレーキの減りが少ないのも嬉しいです。ブレーキの減りは使い方に大きく依存しますが、渋滞の少ない道や高速道路を主体とする場合には10万km経っても交換せずに済む場合もあるほどです。
ブレーキは他モデルとの共通化が進んでおり、例えば先代の3シリーズやZ3、Z4など多くのモデルと共通しています。流通価格も安く、社外品の定番のDIXCEL社製で見てみるとブレーキディスクが1台分で3万円ほど、ブレーキパッドは1~2万円ほどと 国産車とそう違わないほどの安価です。
サスペンション
3シリーズはとにかく販売台数が多く、部品の流通量が豊富です。
ブレーキ同様サスペンションについても調べればいくらでも選択肢がある状況です。
例えばビルシュタイン製のショックアブソーバーは1台分で7万円を切る価格で流通しており、手頃なモンロー製であれば4万円ほどでそろえることが出来ます。
ショックアブソーバーは気にならなければ交換する必要がない部品ですが、信頼できるメーカーの商品がこれだけ安価に手に入るのは嬉しいです。
その他
この時代の3シリーズにはこれといった近代的な装備が備わっていません。
BMWだけに限った話ではないのですが、エンジンやサスペンションといった走るために必要な装備と言うのは比較的安価に修理できます。しかし、ナビを筆頭に最近の車では増えた液晶モニターやコンソールを使って様々な情報を表示するディスプレイ。その他、快適性を高める高級装備の類はとにかく部品代が高額です。
基本的には車の内装部品と言うのは電子機器やシート、パネルなどすべて高額と考えてよいでしょう。
そうした余計な装備がないこの3シリーズは、維持の難易度をグッと抑えてくれます。
購入後の維持費と注意点
通常のセダンやワゴン(ツーリング)は、2006年式が最終モデルとなります。
モデル末期の車両を選んでも既に10年以上経過しているため、それまでの使われ方や維持の仕方によっては状態の悪い個体も増えてきているでしょう。
車選びの際には是非以下の記事も参考にして、「アタリ」の個体を探してみましょう。
ポイントは走行距離に捉われないことです。
近所の買い物に使われていた車より、高速道路ばかり乗っていた車の方が車の状態は間違いなく良いです。
少なくとも「ハズレ」の個体を選ばない限りは、それほど維持に苦労することは少ないでしょう。下記のよくある故障4パターンも参考にしてみてください。
不安があれば、当サイトでも相談をお受けしています。このままページを下にスクロールしていただくと連絡方法が記載されているので、困った時には是非ご活用ください。
BMWにおいて故障と言った場合には主に以下の4パターンです。
- オイル漏れ
- 水漏れ
- センサー類の故障
- 点火装置の故障
これら以外の故障は、耐久性や頻度をとっても国産車とそう変わらず、あえて心配することはありません。もちろんいずれ故障するでしょう。例えば国産車でも20年経った車でエアコンが故障しているのは珍しくありませんね。
上記4パターンを簡単に説明していきます。
オイル漏れについて
オイル漏れについては、以下の記事で細かく解説しています。
BMWのオイル漏れが発覚!修理が必要?緊急度や添加剤、安価な修理方法をご紹介
結論から言ってしまうと、オイル漏れと言っても基本的に緊急度が低いケースが多いです。修理を年単位で先送りにすることもできますし、そのまま乗り続けることもできます。
予算と相談しながら、修理するのであれば車検やその他の修理とセットにすることで工賃を節約すると良いでしょう。
水漏れについて
昔からBMWのゴムや樹脂パーツが弱いとは言われていますが、段々と改善が重ねられ、品質も向上しているようです。しかし、10年もすると劣化が顕著に進んでいるケースが多く見られます。
購入時に水漏れがないことを確認するほか、過去の整備記録のなかで水回りの部品を交換しているとラッキーです。
少なくとも交換から7年は大丈夫。10年経ってもだいたい問題なし。
それ以上は気にかけた方が良いでしょう。
水漏れに関してはオイル漏れと違って先送りするのは賢明ではありません。
しかし、一般的なホース類やタンクの交換であれば、せいぜい3~4万円程度です。DIYであれば1万円もあれば十分に部品が手に入るでしょう。
決して怯えるようなものではありません。
10年壊れないことも珍しくない部品が、せいぜい3~4万円で直るわけです。
センサー類の故障について
センサー類の故障は症状が多種多様で偏には語れません。
20年近く壊れないものもあれば、5年で壊れるものもあり、運の要素が強いです。
主要なセンサーの部品代は数千円~1万円程度のことが多いです。詳細は以下の記事で解説しています。
点火装置の故障について
エンジンの燃焼のキッカケとなる点火装置については、不思議と昔からイグニッションコイルの故障が多いです。細菌の車両でも、整備記録を眺めると新車から数年のうちにイグニッションコイルを新車保証で交換しているケースがしばしば見られます。
残念ながらイグニッションコイルの故障は運の世界です。20年近く壊れないものもありますし、3年で壊れることもあります。故障しても不調は出るものの走行不能にはなりません。詳細は以下の記事で予防法と合わせて紹介しています。
まとめ
BMWの歴史の集大成ともいえる1台、それが3シリーズ(E46)です。
軽快でコンパクトな車体は乗りやすく、電子制御がまだそれほど増えていないエンジンは維持も難しくありません。「駆け抜ける喜び」という点においては、この3シリーズ(E46)と同年代の5シリーズ(E39)は今なお高く評価されています。
車両価格は非常に安価で、50万円以下で購入できる車両も多いでしょう。BMWの良さを知りたい、旧来のBMWの保守的なデザインが好きだという方にはオススメできる車です。
これから乗ることを考えると、車齢が15年、20年を迎えるケースも出てくるでしょう。
15年を越えて維持をする上では、故障はどうしても避けられません。出来るだけうまく故障と付き合い、快適に維持できるよう当サイトでも維持のコツを紹介しています。
グーネットからオススメの中古車をピックアップ!
当サイトでは、中古車サイトのグーネットに掲載されている中古BMWのなかからオススメの車両をピックアップして紹介しています。
1シリーズ、3シリーズなど車種ごとのオススメ車両や、100万円以下など予算ごとのオススメ車両など、ジャンルごとにオススメ車両をピックアップしています。
ここで紹介している3シリーズ(E46)のみをピックアップした記事はありませんが、3シリーズのみを紹介している記事のなかでE46も扱っていますので参考にしてみてください。
その他のモデルの解説記事
車種 | 年式 | 予算 | リンク |
---|---|---|---|
1シリーズ(E87) | 2004~2011 | 50万円 | 解説ページを開く |
1シリーズ(F20) | 2011~ | 100万円 | 解説ページを開く |
3シリーズ(E46) | 1998~2007 | 40万円 | 解説ページを開く |
3シリーズ(E90) | 2005~2012 | 70万円 | 解説ページを開く |
3シリーズ(F30) | 2012~2018 | 150万円 | 解説ページを開く |
5シリーズ(E39) | 1996~2003 | 40万円 | 解説ページを開く |
5シリーズ(E60) | 2003~2010 | 70万円 | 解説ページを開く |
5シリーズ(F10) | 2009~2016 | 150万円 | 解説ページを開く |
6シリーズ(E63) | 2003~2010 | 100万円 | 解説ページを開く |
7シリーズ(E65) | 2001~2009 | 100万円 | 解説ページを開く |
7シリーズ(F01) | 2009~2015 | 160万円 | 解説ページを開く |
X1(E84) | 2009~2015 | 100万円 | 解説ページを開く |
X3(F25) | 2001~2017 | 170万円 | 解説ページを開く |
X5(E70) | 2007~2013 | 150万円 | 解説ページを開く |
Z4(E85) | 2003~2008 | 100万円 | 解説ページを開く |