輸入車に挑戦したい車好きにBMWをオススメする理由
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2020年1月15日 加筆修正
この記事は輸入車(外車)に興味はあるけどなかなか手が出せない車好きの背中を後押しするために書かれています。
特に国産車は十分遊び尽くしている方や、物足りないと感じられている方に向けて書かれています。
輸入車に関する基礎知識
輸入車、正確には海外メーカーの車を購入、維持するにあたり、最低限の理解しておくべき知識を紹介します。
これは統計データではなく、私の実際の経験に基づいた内容です。
少なくとも日本国内では有用そうなデータを見つけることができませんでした。
以下の2点をしっかり理解したうえで、車を選びましょう。
国産車にはない楽しみが確かにあります。
1.故障が多い
これははっきりと言えますが、故障が多いです。
もしあなたが輸入車について既に調べているのであれば、「故障が多いのでなく部品の交換スパンが短いだけ」というような意見を見かけたことがあるかもしれません。
それは一部では正しいです。
部品の耐用年数(距離)を経過したにも関わらず部品を交換しないために起きる破損は確かに存在します。
しかし、決してそれだけではないことを忘れてはいけません。
耐用年数が規定されていないもの、特にユーティリティ系、電装系の部品の故障は確実に多いといえます。
故障が多い理由は、部品の品質の低さです。
これも明言しておきますが、部品の品質が低いです。
日本メーカーの部品の品質が高すぎるとも言い換えることができます。
設計、材質、製造のいずれをとっても言えることです。
実際の例をあげてみましょう。
- 熱の影響受けやすい部品を対策なしに熱源の近くに配置する
- 振動に弱い部品を振動対策せずに配置する
- 熱や振動に弱い部品に対策をするも対策部品の耐久性が低い
- 樹脂の品質が低く、経年や摩擦、熱で容易に破損する
- ゴムの品質が低く、経年や摩擦、熱で容易に劣化する
これらは定番とも呼べる故障の原因であり、決して珍しいものではありません。
部品の設計に問題があるケースは徐々に改善していっているようですが、国産メーカーにはまだまだ及びません。
樹脂とゴムの品質については、同様に徐々に改善はみられるのですが、明確に国産メーカーに劣っています。
しかし、ここ10年ほどは少なくともBMWに関しては品質がグッと向上している印象を受けます。
現在、10年落ちの車両を見てもゴムが明確に劣化している車両はほぼ存在しません。
10年落ち程度であれば、ほとんど故障知らずで乗られている車両も珍しくありません。
ゴムの品質が低いということは、エンジン周りに使われているOリングやパッキンが劣化し、オイル漏れも起きやすいということです。
更に言えば、エンジン周りのセンサーなどの電装品が漏れ出したオイルによって故障することも珍しくありません。
例を挙げるときりがないので、詳細はこちらの記事をご参照ください。壊れやすい部品が一通り列挙されています。
とにかく不動車になってしまう可能性が高いエンジン周り、特にラジエーター周りの部品は定期的に交換すること、そしてそれ以外の突発的な故障にも余裕をもって対応する器量が求められます。
もちろん大半の故障は日頃から点検を欠かさなければ事前に予兆が発見できるものです。
普段ボンネットを開けない方には定期交換をオススメしたいところですが、整備も趣味の一つだという方には余計なお世話かもしれません。
意外かもしれませんが、こうした部品の品質(耐久性)の面ではドイツ車を始めとした欧州車よりもアメ車の方が優秀です。
基本的にアメ車、特にピックアップやSUVは頑強に作られています。
また、こちらの記事も意外と壊れないけど必要なところには気を配ろうということを解説しています。
2.維持費が高い
故障が多いということは、自ずと維持費が高くなります。
部品代も国産メーカーに比べると高額になる傾向があります。
実際にはほぼ変わらないか数割増しのケースが多いのですが、国産車にはないような先進的な装備や、快適装備に関しては高額になる傾向があります。
なお、ドイツ車に関しては維持に必要なほとんどの部品が、安価に手に入ります。
詳細は後述します。
輸入車の中でBMWをオススメする理由
さて、故障が多く維持費が高い輸入車のなかでBMWをオススメする理由をあげたいと思います。
1.走る楽しさ
もしあなたが車に走る楽しさを求めるのであればBMW以上の車はあまりありません。
残念ながら、現在すべてのモデルに走る楽しさがあるか?と聞かれるとそうとは言い切れないのが残念なところなのですが、少なくともセダンベースの3シリーズや5シリーズには間違いなく楽しさがあります。
国産車にもスポーティな車がありますが、はっきり言って別格です。
方向性が違うという言い方もできるかもしれませんが、私は国産車のスポーティな車の方向性を理解できなかったがために輸入車に乗るようになりました。
例えばトヨタ・86、日産・フェアレディZ、マツダ・RX-8、スバル・WRX STI。時代を遡れば更に多くの候補が挙がるでしょう。
いくら言葉を尽くすより、もし興味があれば一度試乗していただきたいです。
正直なところ、最近の車のトレンドとしてどんどんフィーリングは薄味になっており、走る楽しさという点において現行3シリーズが2世代前の3シリーズ(E46)に及ぶ点はないとはっきり明言できます。
だから本当は、2世代前の3シリーズあるいは3世代前(E39)の5シリーズに乗ってほしいです。
抜群のフィーリング、地を這うボディ、地面を指でなぞるるかのような情報量、ボディは硬くサスペンションストロークは長く決して乗り心地は悪くない。
ツーリングも峠道も楽しめる。そんなセダンとして完成形がそこにあります。
残念ながら2000年代初頭にBMWは変わってしまいました。
よく言われるデザイナー云々という話ではなく、本当に経営陣がガラッと変わって車もガラッと変わってしまっています。
走る楽しさはブランディングのために、少なくとも一部の車種には残っていますが、薄れる傾向にあるのは事実です。
詳しくはこちらの記事で詳細に語っています。
2.無料の部品表がある
BMWの部品表は、公式ではないもののインターネット上に公開されています。
手順はこちらの記事で詳しく解説しています。
自身で車の整備(カスタムではなく修理)を経験したことがある方であれば、「ここの部品が欲しいけど名前も部品番号もわからない!」 ということに煩わしさを感じたことがあるのではないでしょうか?
無料の部品表を使うことで、図面上でどの部品が何という名称で、部品番号は何なのかを知ることができます。
BMWと付き合っていくうえで、メンテナンスは欠かせないポイントです。
ディーラーやお店にすべてお任せするのでなければ部品表が確実に助けになるはずです。
3.部品の選択肢が豊富で安く修理できる
BMWの部品を買う場合には、大きく分けて「純正部品」「OEM部品」「社外部品」の3種類から選択することになります。
特に国産車のカスタムを中心に経験してこられた方には、「社外部品」=「カスタムパーツ」のことかな?と思われるかもしれませんが、全く違います。
BMWには、純正部品と全く同一の形状・機能の部品が、多数のメーカーから製造・販売されているのです。また、その価格も「純正部品」>「OEM部品」>「社外部品」と明確な差があります。(品質にも同様の差があります)
BMWに関して言えば、維持に必要なほぼすべての部品がこの3種類から選択することができるでしょう。
また、価格差もおそろしいほどあります。
「純正部品」の10分の1の価格で「社外部品」が手に入るケースも多々あります。
もちろんそんな「社外部品」は品質の面で信頼できませんが、必要に応じて選択することで、維持費を安く抑えることができます。
また、特別なショップやサイトではなく、Amazonやヤフオク、楽天市場で豊富な品ぞろえがある点も嬉しいですね。
例えば冒頭で例に挙げたクーラントホースでいえば、純正部品を選ぶと1~2万円のところが、OEM部品を選ぶと1万円弱、社外部品ではピンキリですが、安いものでは3000円を切ります。
こうした部品のバリエーションについては以下の記事で詳しく解説しています。
うまく取捨選択しながら修理することで、維持費をかなり安く抑えられるというわけです。
4.整備の情報が豊富
BMWはメジャーなメーカーです。
そして、車好きが選ぶ傾向にあるためか、整備の情報が豊富です。
BMWの専門ショップがブログで膨大な整備の知識を日々更新していたり、一般オーナーがみんカラや個人ブログで整備に関する情報を公開しています。
当ブログでも整備手順までは解説していないものの、定番の故障個所やその重要度などを解説しています。
BMWのオイル漏れが発覚!修理が必要?緊急度や添加剤、安価な修理方法をご紹介
5.DIYerにとにかく優しい
ここまで紹介した通り、BMWは無料の部品表があり、国産車以上に部品の入手性が良く、部品が安く、整備の情報が豊富です。
これがいかにDIY好きにとって良い環境か、おわかりいただけると思います。
インターネットで部品の図面と部品番号をチェックして、Amazonやヤフー、楽天市場で部品を購入し、インターネットの情報をもとに修理をすることができるのです。
この点は以下の記事で詳しく解説しています。
DIY派に中古BMWをオススメする5つの理由 部品の調達がとっても簡単!
BMWの選び方
続いて車の選び方を解説したいと思います。
最終的には試乗とみなさん自身の調査のうえで選択していただきたいと思いますが、私なりの大まかな方向付けをしてみたいと思います。
走る楽しさと快適性
まず第一に走る楽しさと快適性のどちらかを選ぶ必要があります。
走る楽しさと一言でいうと誤解が生まれがちです。
軽自動車やファミリーカーでも、運転するのが楽しい人にとっては、十分な走る楽しさを提供してくれます。
ここでいう走る楽しさとは、豊富な路面からのインフォメーション、意のままに操れるハンドリング、頑強なシャシー、追従性がよくストロークが豊富なサスペンション、そうしたダイレクト感のある車を操る楽しさを言っています。
具体的には2000年代前半以前のBMWは走る楽しさがあると言えます。
2000年代後半以降のBMWを悪いとは言わないのですが、比較してしまうとあまりにも露骨にダイレクト感がなくなっているのです。
これは悪いことではなく、正常進化だと思います。豊富過ぎるインフォメーションは大多数にとって余計でしかありません。
しかし、2000年代前半以前の車に快適性がないわけではありません。
国産車でスポーティというと、ストロークが短い硬いだけのセッティングが、現在においてもあたりまえです。シャシーの歪みをサスペンションが補っており、その結果が乗り心地の悪さです。
例えば30年以上前の3シリーズですら、現代の国産車のスポーツモデルよりは快適といえるでしょう。
そして2000年代後半以降のBMWはダイレクト感が薄れた、と述べましたがこれこそが快適性です。
余計なインフォメーションはなく安楽な移動手段を提供してください。
もちろんダイレクト感が薄れたと言っても、他メーカーの車と比較すれば十分に楽しい車に仕上がっています。
ここで2000年代前半以前と2000年代後半以降の2つに分類することができました。
修理のしやすさ
ここでも2000年代前半以前と2000年代後半以降の2つに分類することができます。
BMWを含め、多くのメーカーに言えることですが大体これくらいの時期を境に、電子制御の占める割合が増えていきます。
電子制御された部分は、基本的に素人が手を加えることはできません。
修理するとしても、新しい部品と入れ替える程度しかできないことが大半です。
基本的な整備性は良く、少しでも車をいじっていたことがある人であれば、ボンネットを開ければ何がどうなっているか一目でわかるでしょう。
昔から整備性が良いというのはBMWの魅力のひとつです。
価格と故障と年式
冒頭でも言った通り、BMWは故障が多いです。
価格と故障、年式から分類してみましょう。
故障が嫌な人は5年落ち以降をオススメ(200万円~)
特に2000年台後半以降のモデルは信頼性がグッと向上しているように感じます。
5年落ち程度の車両であれば、よほど酷い扱いをされた車でもなければ故障知らずで乗ることができるでしょう。
良い状態の車を買って、長く乗りたいという人にはオススメできます。
5年落ちともなれば当たり前のように新車の半額以下です。
新古車やほぼ新車の車であれば2~3割落ち、そこから5年落ちにかけて半額以下に値落ちします。初回の車検(3年落ち)で半額を切る車種も少なくありません。
故障は出来るだけ避けたいけどもっと安く、という人には7年落ち(100万円~)
3回目の車検を迎えた7年落ちの車です。
ここまでの車であれば、見た目もまだまだ古臭さを感じず、シビアコンディション+整備不足だった車を除けばまだまだ故障を気にせず乗ることができます。
くれぐれも安易に走行距離が少ない車を選ばないようにしましょう。
車の見分け方や選び方は後述します。
7年落ちともなると100万円を切る車も増えてきます。
国内の中古市場では走行距離や年式の影響が大きいです。
例え状態が良くとも、走行距離が増えれば価格が下がるのです。つまり、7年落ち10万km走行のお買い得車が見つかればラッキーです。
7年で10万kmは全く適当な走行距離だからです。
もちろん、走行距離で車両の良し悪しを判断せず、状態を見極める必要があります。車の選び方は後述します。
故障とも付き合えるという人には10年落ち~25年落ち(10万円~)
10年落ちを超えると、車の価値はほぼなくなります。
100万円以下の車が当たり前になり、状態による価格差も僅かです。
故障とも楽しく付き合える人であれば選びたい放題です。
先述した通り、状態が良い車を選ぶと10年落ちでも大して壊れることはありません。
基本的な消耗品さえ交換していれば、そのまま乗ることだってできるのです。
しかし、目利きを誤ればそうはいきません。
状態の良い車の選び方
最後に、最も重要な状態の良い車の選び方です。
これは大変難しく、プロでさえ完璧に良い車を目利きすることはできません。
本当に状態の良い車を引きたいのであれば、BMWに強いショップと良好な関係を築き、良い車を探してもらうしかありません。
これでも良い車にあたる保証はないのです。
そんななかで素人がどうやって選ぶことができるか、それを2点に絞って解説します。
その1 きちんと走行距離を重ねた車を選ぶ
中古車市場では走行距離が少ない車ほど価値があがる傾向にあります。
しかし、頑強な日本車ならいざ知らず、輸入車をその基準にあてはめるのは難しいものがあります。
車とは動いていてこそその状態を維持できるものです。
- 近所への買い物ばかり
- 渋滞路ばかり
こうしたシビアなコンディションで使われていた車は、どうしてもあらゆる点において劣化が早く進みます。
過去の整備記録を見ながら、きちんと距離を重ねてきているかどうかを主眼において確認してください。
その2 適切に整備されてきた車を選ぶ
整備記録があるのであれば、適切な整備が施されていた車かどうかを確認します。
ただし、これはある程度経験や知識がなくては判断できないポイントです。
最低限、車検やその他の整備の記録があることを確認してください。
更に、以下の記事で車のチェックポイントやチェック手順を紹介しています。
実際の車をチェックして車の現状を知ると良いでしょう。
車種ごとの維持の難易度とポイント
当サイトでは、100万円前後で買えるいくつかの車種について維持の難易度やポイントを紹介しています。
1シリーズ、3シリーズ、5シリーズ、6シリーズ、7シリーズ、X1、X3、X5、Z4など主要な車種を網羅しています。以下の記事で各車種へのリンクをまとめています。
グーネットから厳選したおすすめの中古BMW
当サイトでは毎月、中古車サイトからピックアップしたオススメ車両を紹介しています。
まとめ
この記事の内容をまとめると以下の通りです。
- 故障と付き合う覚悟をする
- 5年落ちまでは大して故障しない
- 7年落ちくらいでも大丈夫
- 10年落ちだと車の使われ方による
- 15年落ちや20年落ちでもなければ意外と故障しない
- ただし車選びは慎重に。悪い車を引かないように。
- DIYが簡単
- DIYなら安い部品を使って安く修理できる
- とにかく楽しい
以上、輸入車に挑戦したい車好きにBMWをオススメする理由でした。