2020年1月15日 加筆修正
車検や故障・定期的な整備など、「維持費」を安く抑えるための第一歩はディーラー以外のお店を探すことです。
「ディーラーは高い」と言い切っても良いほどディーラーの整備は高額です。
しかし、ディーラー以外のお店に愛車を持ち込むのは勇気がいるものです。
そもそも普通のお店にBMWを持ち込んで良いものか悩んでいる方も多いでしょう。
あるいは、ディーラーとの付き合いをなくすことに不安を感じている方も多いでしょう。
この記事ではディーラー以外のお店との付き合いの始め方、そしてその後のディーラーとの付き合い方、最後に良いお店の選び方を紹介しています。
この記事では、ディーラーとそれ以外のお店を区別するため、ディーラー以外のお店をまとめて「ショップ」と呼称します。
ディーラー以外のお店の探し方
まず始めに、ディーラーで新車・中古車を購入した方のためにディーラー以外のお店(以後「ショップ」と表記)の探し方を紹介します。
これは、「元々ショップで車を購入したが、他のショップを探している」という方にも参考になると思います。
ショップ探しの3つのポイント
ポイント1 BMWの整備はどこでも出来る
例えば、住宅街にあるような小さな車屋さんや町の整備工場にBMWを持ち込んで良いものでしょうか?
答えは、「持ち込んでも良い」です。
BMWの整備は特別難しいものではありません。
整備を嗜んでいる人であれば、ボンネットを開ければ何がどうなっているか一目でわかる程度には整備性は良いです。
国産車と比べると使用しているボルトやナットのサイズが少し特殊ですが、国産車で全く使われていないサイズではありません。
自動車整備を仕事にしているのであれば、工具がなくて整備ができないということはないでしょう。特殊と言っても、小さなホームセンターでも揃う程度のものです。
つまり、街にある一般的な整備工場などでも問題なく整備可能ということです。
もし「工具がなくて整備ができない」と断るようなショップがあれば、それは整備技術に不安があるため拒否しているなど、なにか別の理由があります。
そうしたショップは珍しいですが、無理強いせず諦めましょう。
ポイント2 BMWの部品はどこでも入手出来る
ポイント1を補足する形になりますが、ディーラーを除く一般的な整備工場であれば、自動車の純正部品や社外部品を部品商から購入します。
部品商は国産車・輸入車の隔てなく部品を取り扱っており「輸入車の部品を仕入れられない」というショップは基本的に存在しません。
もし存在するとすれば、ポイント1と同じように「輸入車を扱いたくない」理由が何か別にあるのでしょう。無理強いせず諦めましょう。
ポイント3 BMWや輸入車への知識の差
車の整備は、単純な整備書上の情報だけでは成り立ちません。
長く・何台も同じ車を整備することで、様々なノウハウが蓄積されます。
例えば車種によって異なる壊れやすい部品のこと、壊れにくくするための対策、安価な修理方法、信頼のおける安価な社外部品のことなどです。
こうしたノウハウのあるショップに車を任せることで、将来の故障を未然に防止出来たり、安価に車を維持することができるわけです。
つまり、輸入車もしくはBMWに強いショップに任せる方が、車をより安価に不安なく維持することができるというわけです。
ショップを変えるタイミング
以上3点のポイントを踏まえると「お店はどこでも良いが、BMWの知識が豊富な方が維持費が安く済む可能性がある」ということがお分かりいただけたかと思います。
次に「どのタイミングでショップを変えるのか?」という点に注目してみましょう。
今この記事を見ている方は、遠からず車検や修理などを控えている方が多いと思います。
車検や修理など、目に見えた整備項目があるのであればショップを変えるチャンスです。
もちろんオイル交換などの定期的な整備のために新たなショップを頼る方法もあります。
しかし、オイル交換などの簡単な整備はリスクも低く作業工程も少なく、機械的に作業が終わってしまうことがほとんどです。
良いショップを判断するには、ショップの方とのコミュニケーションが重要です。
作業にあたり、相談が必要となるような故障の修理や車検を依頼する方が良いというわけです。
良いショップの条件
良いショップの条件は以下の通りです。
- 顧客にあった提案ができる
- BMWの整備経験・知識が豊富
- 自身の利益と顧客の利益のバランスが取れている
良いショップの条件1:顧客にあった提案ができる
ディーラーのように、マニュアル通りの提案をし、メーカー純正部品を使って整備することは誰にでもできます。しかし、故障には緊急度や優先度があります。
【参考】【BMWの維持】オイル漏れ発覚!すぐ直さないといけない? - 格安中古BMWに乗ろう!
例えば、オイル漏れが発生したとしましょう。
次の車検で合わせて整備した方が良いかもしれません。
周りにそろそろ交換時期の部品があるかもしれません。
OEM部品や社外部品、中古部品、部品修理という選択肢もあるでしょう。
こうした付加価値のある、そして顧客にとって有益な提案ができなければいけません。
※ディーラーでも次の車検に合わせるくらいの提案はしてくれます。
もちろん、最も信頼性が高い整備はディーラーが行うような故障個所を丸ごと純正部品に交換する整備方法です。
だからこそ、「信頼性は高いが高額な修理」「信頼性は低いが安価な修理」「様子見」など様々な選択肢を顧客に提案すれば良いのです。
しかし、こうした提案はある程度顧客とショップの信頼関係がなくては出来ないという事実もあります。先ほど述べた通り、「最も信頼性が高い整備は、故障個所を丸ごと純正部品に交換すること」です。どれほど良いショップであろうとも、初めてきた客に対してリスクのある提案はしない場合が多いでしょう。
この条件の見極めには、ショップとの信頼関係の構築が求められます。
まずは色々なお店のお世話になってみて、感じが良いと思ったところと関係を続けてみると良いでしょう。
良いショップの条件2:BMWの整備経験・知識が豊富
BMWには、ディーラーや部品商から仕入れることができる「BMW純正部品」以外にも、OEM部品や社外部品が存在します。
簡単に言うと以下のような差があります。
信頼性:BMW純正部品 ≧ OEM部品 > 社外部品
価格:BMW純正部品 > OEM部品 > 社外部品
詳しくは以下の記事で紹介しています
【参考】BMWの部品の種類と購入方法
「この部品ならこのメーカーのものが良い」「この部品はここだけ調整すれば直る」といった実績から来る知識があるだけで、選択肢は広がり、修理費用は大きく異なってきます。
中古部品の採用や部品の修理、汎用品の採用など応用力と知識や経験がなければできない選択肢が数多く存在します。
特に高額な部品の故障には、中古部品や部品修理と言う選択肢ができるだけで維持費は大きく変わってきます。
店先にBMWを並べているだけではなく、きちんと整備ができるお店を探す必要があります。ネットでBMWの専門店を探し、整備実績をブログであげているようなお店はある程度信頼しても良いと思います。
【参考】【BMWの維持】有名&安心なBMWショップ - 車検や整備を任せられるディーラー以外ショップまとめ
良いショップの条件3:自身の利益と顧客の利益のバランスが取れている
整備工場ももちろん会社ですから、しっかりと利益をあげなければなりません。
工賃や部品代にマージンを乗せる行為はまったく正当なものです。
しかし、第一・第二の条件で述べたように、維持費を抑えるためにはいくつか別の方法も存在します。こうした方法は、顧客の支払総額が下がる訳ですから、会社の利益も減る結果になります。だからといって、最も会社に利益がでる選択肢だけを提示するのはいかがなものでしょうか?
特に知識に乏しいオーナーにとっては、請求される金額がどれだけ正当なものかどうかわからないでしょう。そんな時は当ブログにお問い合わせいただければ、回答させていただきます。お問い合わせはメールにて受け付けております。
【メールアドレス】oldbmw200000@gmail.com
【参考】【BMWの維持に関する真実】国産車との違いはたったの2つ!BMWの維持に対する不安を晴らそう。 - 格安中古BMWに乗ろう!
良いショップを探すのは難しい
ここまで説明した通り良いショップを探すのはとても難しいです。
最低でも何度か整備を依頼したり、相談を持ち掛けるなどして、関係を構築する必要があります。
過去に、以下の記事で有名どころのショップを紹介しました。
【BMWの維持】有名&安心なBMWショップ - 車検や整備を任せられるディーラー以外ショップまとめ
しかし、これらのショップがすべて貴方にとっての「良いショップ」とは限らないのです。
実際に有名なショップを体験しようと、筆者自身が先ほどの記事で紹介した内のいくつかのショップには行ったことがあります。「あえて純正部品しか採用しない」と明言しているショップ、原因がわからなかったのに診断料だけ取るショップ、整備した場所からまた故障が発生したショップ。こうしたショップが実際にありました。
しかし、実態はわからないのです。
なぜなら、初めてきた客に完全に親身になった提案などできません。どんな客かもわからないのに、社外部品の提案なんてできません。お店と客の関係がしっかり構築されて、初めてそのショップの善し悪しがわかるのです。
案外、あなたの近所の整備工場が、あなたにとって最良のショップかもしれません。
まずは色々なショップのお世話になってみて、感じの良いお店を見つけ、そのお店と関係を築いていくことから始めてみるのが良いでしょう。
良いショップの選び方
ここまで説明した通り、良いショップの大前提は信頼関係が築けることです。
今のショップやディーラーに信頼が置けない・維持費が高いと感じるのであれば、是非色々なショップを試してほしいと思っています。その中で「なんとなく感じがいいな」というショップと付き合いを始めてみれば良いのです。
上記記事でおすすめしているショップの中で近場のお店があればそちらに、電話やWebの問い合わせフォームから気軽に相談してみましょう。
返答がイマイチだと感じたら、また別のお店を探すと良いでしょう。
繰り返しになりますが、貴方にとっての良いお店を私が正確におすすめすることは出来ません。色々なお店を試して、信頼関係が築けそうなお店を探してみましょう。
ディーラー以外のショップとの付き合いの始め方
それでは実際にディーラー以外のショップを付き合いを始めるにはどうすれば良いでしょうか?ディーラー以外のショップとこれまで縁がなかった人は、どんな風にショップにコンタクトをとって、訪れると良いのかイメージが持てない人も多いでしょう。
ステップ1:ショップを選ぶ
前の項目で紹介したショップの中に、ちょうど良いショップがあればそちらにまずは連絡してみると良いでしょう。もし近場のショップが見つからなかったのであれば、インターネットで「BMW 市町村名あるいは都道府県名」で検索してみましょう。ディーラーや中古車が検索されてしまうかと思いますが、主要なショップは検索結果の1ページ目~2ページ目に掲載されているはずです。
ステップ2:ショップに連絡する
いきなり訪れても構いませんが、まずはショップに連絡をしてみましょう。
電話でも構いませんが、今時はメールやWebサイトの問い合わせフォームから連絡ができる場合も多いです。
信頼関係を築くための第一歩です。現状を素直に伝えましょう。
「これまでディーラーのお世話になっていたが、高額だし頼りないことがある。今〇〇の調子が悪いため整備をお願いしたい/車検をお願いしたい」
ショップによって日付を決める流れになるか、あるいはいつでもどうぞという話になるでしょう。もしこの時点で印象が悪ければ別のお店に切り替えていきましょう。なお、この時点ではショップ側も親身と言うよりはある程度機械的に対応する場合が多いです。
ステップ3:ショップに訪れる
事前に連絡をしたショップに訪れてみましょう。
ここでは今抱えている問題や、維持の不安などがあれば素直に話しておきましょう。先述した通り、まずは信頼関係が築くことが良いショップと出会う大前提です。色々と車のことについて会話をしてみましょう。車検であれば見積り、故障修理であれば診断と見積もりの流れになるはずです。基本的な流れはディーラーと変わりません。
予算に限りがあれば素直に伝えましょう。
ショップ側も、予算の制限がなければ最良の提案をしてくるものです。
最良の提案とは、信頼性は高いが高額な提案と言うことです。
整備士やショップの担当者との会話が生まれますが、ここでの印象を重視しましょう。いまいち頼りない、感じが悪い、不明瞭な説明をされる、自分が伝えた意図を無視される。そんな風に感じた場合には別のお店に切り替えていきましょう。
お店を変えた後のディーラーとの付き合い方
ディーラーは、はがきや電話を通して連絡をしてきます。
もしディーラー以外に整備を依頼しているのであれば、無視して構いません。別のショップに切り替えたことを伝えても構わないでしょう。全く珍しいことではありませんから、残念がられはするでしょうが、それだけです。
ディーラーを離れるリスクってあるの?
ディーラーを離れた場合のリスクは全くないと言って良いでしょう。
例えばリコールが出た際には、一律オーナーにはがきが届きます。このはがきを持ってディーラーを訪れるわけですが、当然ながらディーラーとの関係が皆無であってもリコールには全く同じ流れで対応してもらえます。
中古車ショップで購入して、ディーラーとは無縁でBMWを維持していようとも、その点は変わりません。
また、万が一どうしてもディーラーに整備してもらいたくなった場合には、ディーラーに持ち込んで構いません。一度他所のショップで手を入れたからといって、ディーラーが断るようなことはありえません。
新車保証についても、他所のショップが手を入れたからといって保証が無効になるようなことはありません。