電車や自転車、バイクでの釣りではロッドの持ち運びが悩み所です。近年ではロッドのモバイル性能が重視され始め、高性能なモバイルロッドが各メーカーから発売されているのをご存知でしたか?バリエーションもなかなか豊富で、スピニングリール用だけではなくベイトリール用もあるんです。更に、繊細なアジングやトラウトフィッシング用から、パワフルさが求められるシーバス用まで幅広く用意されています。
「振出(テレスコピック)のルアーロッドがあることは知っているけど、性能悪いでしょ?」
と思われている貴方。そんなことはないんです。
まずはじめにこの記事で主に紹介したい高性能なモバイルロッド・パックロッドを紹介します。
ここでは振出モデルの定価20,000円以上かつ仕舞寸法70cm未満という条件で絞り込んでいます。なお、フラッグシップクラスのロッドにもモバイル性に富んだモデルが存在しますが、それらは振出ではなく継数を多くすることで短い仕舞寸法を得ている傾向があります。これらは振出モデルの後にまとめて紹介しています。
更に、定価20,000円を切るモデルについても最後に紹介しています。
振出タイプ
始めに振出タイプのロッドを紹介します。
振出タイプでは、1ピースや2本継ぎなどに比べてロッドとしての性能が落ちるものの、非常に優れたモバイル性があり、とにかく持ち運びが便利です。ここで紹介する定価20,000円を超えるモデルであれば、性能に関しても大きな不満を持つ人は少ないでしょう。
DAIWA B.B.B
仕舞寸法40cm台と言う圧倒的なコンパクト性が売りのDAIWA B.B.B(トリプルビー)です。バリエーションは6'3"(1.9m)から6'10"(2.1m)の4タイプが用意されています。長さの違う柔らかいLが3タイプ、少し硬いMLが1タイプです。重量も115g~120gと優秀。ベイトモデルも用意されています。
バス用とされていますが、長さ・硬さ共にトラウトやメバリング、アジングへの流用もできそうです。
DAIWA ワイズストリーム
DAIWA ワイズストリームは、DAIWAのトラウトロッドです。元々短い傾向にあるトラウトロッドですが、その中でも更にモバイル性を高めた振出モデルが存在します。
DAIWA レイジー
DAIWA レイジーは、DAIWAのシーバスロッドで、その中にT76ML-6とT86ML-6という振出モデルが存在します。長さ2.6mのT86ML-6であっても重量は135gとなかなか軽量と言えます。硬さはMLで、7~35gという主だったシーバスルアーに対応できる適合ルアー重量を持っています。
振出タイプ以外のロッド
ここまで紹介してきたロッドはすべて振出(テレスコピック)タイプのロッドです。
仕舞寸法が短いロッドには、振出以外にも継数の多いロッドがあります。近年では海外遠征などを考慮した「ツアーモデル」などと呼ばれる性能を可能な限り落とさず、継数を増やすことでモバイル性能を高めたモデルが存在します。
DAIWA ブラックレーベル XP
DAIWA ブラックレーベル XPはバスや雷魚、海外の淡水に生息するモンスターフィッシュを釣りあげるために作られたロッドです。その中でも61SH-3と64H-3は海外遠征を考慮した3本継ぎとなっており、60cm台の仕舞寸法を実現しています。
SHIMANO ワールドシャウラ ツアーエディション
SHIMANO ワールドシャウラ ツアーエディションはSHIMANOの誇る高性能ロッド「ワールドシャウラ」の継数を増やしてモバイル性能を高めたモデルです。ロッドは2m~2.3m、スピニングとベイトモデルが存在し、継数を4本あるいは5本とすることで仕舞寸法を50cm台に抑えています。繊細なトラウトフィッシングにも対応できる適合ルアーウェイトが2g~8gの2650FF-4から、90gのジグまで投げられる1652R-4までバリエーションが幅広いのが特徴です。
Abu Garcia ワールドモンスター
Abu Garcia ワールドモンスターは、上記DAIWA ブラックレーベル XPに近い性格のロッドです。その名の通り雷魚や海外のモンスターフィッシュを釣り上げるためのロッドで、海外遠征用の継数を増やしたモデルが設定されています。
DAIWA シルバークリーク
DAIWA シルバークリークはDAIWAのトラウトロッドです。
DAIWA 月下美人 MX M72L-S・K
DAIWA 月下美人はDAIWAの誇るメバリング・アジングロッドです。その中でも継数を増やしたM72L-S・Kは仕舞寸法50cmとかなりコンパクト。振出に比べるとモバイル性は落ちるものの、その分ロッドとしての基本性能は限りなく2本継ぎロッドに近い性能を持っています。
DAIWA モアザン モバイル
DAIWA モアザン モバイルはDAIWAのフラッグシップシーバスロッドであるモアザンの継数を増やしたモデルです。長さ3mを超える100ML/MS-5ですら仕舞寸法67cmと短く、重量は182gと長さとパワーと考えると非常に軽量に仕上がっています。
DAIWA ソルティスト MB SB
DAIWA ソルティスト MB SBは、DAIWAのシーバスロッドソルティストの継数を増やしたモデルです。長さは2mから2.8mの3タイプが存在し、硬さは汎用性のあるML。重量は110gから165gと十分軽量な仕上がりになっています。
SHIMANO ディアルーナ MB
SHIMANO ディアルーナ MBは、SHIMANOのソルトルアーロッド「ディアルーナ」の継数を増やしてモバイル性を高めたモデルです。競合するDAIWA ソルティスト MB SBと比べると、柔らかめのLを2タイプ用意しており、アジング・メバリング、エギング、トラウトなど繊細な釣りにもギリギリ対応できる汎用性を持っています。
低価格モデル
ここまで紹介したロッドは、すべて定価20,000円以上のモデルです。
特に振出以外のモデルでは定価50,000円を超えるようなフラッグシップクラスのロッドもちらほら。ここからは定価20,000未満かつオープン価格商品以外のロッドを紹介します。
※オープン価格に設定されているロッドは、例えばDAIWAのリバティクラブなどの性能もそれなりのロッドになってしまうため除外しています。
DAIWA モバイルパック
DAIWAの主力パックロッドのDAIWA モバイルパックです。
定価は12,600円から19,500円。柔らかい1.7mほどのロッドから、MHの硬さを誇る3m近いロッドまで幅広いバリエーションがあります。ベイトモデルも2タイプ用意されています。例えば汎用性の高そうな806TMSは、2.4mの長さで仕舞寸法が54cm、自重は120gと一昔前の2ピースロッドとそん色ないような重量に抑えられています。
DAIWA クロスビート
DAIWA クロスビートはDAIWAのエントリークラスルアーロッドです。モバイル性を特別重視しているわけではありませんが、振出タイプということで比較的仕舞寸法は短めに抑えられています。ここで紹介するロッドの中では価格が特に安く、最も高いタイプでも定価12,800円となっています。
DAIWA ピュアリスト
DAIWA ピュアリストはDAIWAのトラウトロッドで、その中でもモバイル性を高めた3ピースロッドが49L-3・Vおよび53UL-3・Vです。
SHIMANO フリーゲーム
SHIMANO フリーゲームは、エントリーモデルの汎用ロッドで、DAIWA クロスビートと価格的には競合します。クロスビート同様、本記事内で紹介しているモバイル性の高いロッドに比べると仕舞寸法はやや長めですが、振出と言うことで比較的短い仕舞寸法を実現しています。
Abu Garcia クロスフィールド(オススメ!)
Abu Garcia クロスフィールドはAbu Garciaのエントリールアーロッドです。その中でも3タイプの振出モデルが存在します。DAIWA クロスビートやSHIMANO フリーゲームなどと同様に、モバイル性を特別重視していないため仕舞寸法はそこまで短くありませんが、比較的短い仕舞寸法を実現しています。
追記
2018年、Abu Garcia クロスフィールドに振出ではない4本継ぎおよび5本継ぎのパックロッドが登場しました。定価1万円ほどですが、価格に見合わぬ性能を持ったロッドで私自身購入し、ショアジギングを中心にバイクでの釣りに大活躍しています。
詳しくは以下のレビュー記事でどうぞ。
【レビュー】超いいぞ!アブガルシア クロスフィールド XRFS-935M-MB - パックロッドを持ってバイクで釣りに行こう! - ドリリウム
Abu Garcia ソルティスタイル カラーズ
Abu Garcia ソルティスタイルカラーズは、Abu Garciaのルアーロッドで、先ほど紹介したXROSSFIELDより上位モデルにあたります。トラウトからシーバスまで対応する幅広いバリエーションと、振出ではなく継数を増やすことで短い仕舞寸法を実現しています。継数を増やして仕舞寸法を短くする手法は比較的高価なモデルに限られているなかで、Abu Garcia ソルティスタイルカラーズは定価15,500円~17,500円という稀有な例です。
モバイルロッドの雄「DAIWA」
以上、17アイテムのモバイルロッドを紹介しました。
おそらく2018年11月時点ではほぼすべての商品を網羅していると思います。特に仕舞寸法が50cm前半ともなると、リュック・バックパックにほとんどすっぽり収まってしまいます。私自身がバイクで釣りをするなかでモバイル性の高いロッドを探し始め、そこで得た知識をここにまとめてみました。
感想としては、とにかくDAIWAが頑張っているなぁと感じました。
振出ロッド=安物というイメージから、高性能な振出ロッド、特にルアーロッドはあまり開発されてきていなかったように感じます。継数の多いロッドも良いですが、やはり携行性を考えると振出ロッドが一番ですから、今後もっともっと振出ロッドは良くなる可能性を秘めていると感じています。
一方でシマノは高価なモデルのツアー用として4本継ぎや5本継ぎのロッドが存在しますが、それ以外はあまり充実していません。手頃な4本継ぎや5本継ぎのパックロッドとしてトラスティックが存在しますが、これも10年以上モデルチェンジせず売られ続けており、SiCガイドさえない古い時代のロッドです。
2018年のオススメはアブガルシア クロスフィールド
記事内でもオススメしていますが、2018年に登場したクロスフィールドの4本継ぎおよび5本継ぎモデルがオススメです。
まず始めに定価1万円前半という価格。
パックロッドはどうしても持ち運びや収納の都合上、破損させるリスクが高いです。通常のロッドより壊れやすいのだから、安ければ安いだけありがたいですね。
そして最新の技術を投入しているだけあって他の古いモデル達より1歩も2歩も有利です。1万円台のパックロッドではシマノ トラスティックと比較する方も多いかもしれませんが、シマノ トラスティックは10年以上前のモデルで装備や性能もかなり劣ります。
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