ドリリウム

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DIYにおける無垢材の「反り」対策まとめ【無垢材 × DIY】

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DIYや趣味の木工では、丈夫で扱いやすい「集成材」や「合板」が多く使用されます。

一方で「無垢材」は多くの魅力が詰まっている反面、欠点が多く敬遠されることが多いです。

無垢材を扱った経験の少ない方が「扱いが難しい」と情報を発信しているケースも多く、経験に基づいた 無垢材 × DIY の情報が少ないのが現状です。

 

こうした無垢材の欠点、敷居の高さや不安を解消し、もっとDIYに無垢材という選択肢を増やすために【無垢材 × DIY】と題して不定期で情報を発信しています。

【無垢材 × DIY】のすべての記事はこちらからご覧いただけます。

 

さて、今回取り上げるのは無垢材の数ある欠点のなかで代表的な「反り」です。

この記事では、私のDIY経験をもとにした無垢材の反りの基礎知識から対策や予防策をまとめています。

2つの「反り」

はじめに、単に木の「反り」と言っても2つの段階に分けることが出来ます。

 

1つ目は、木を伐採して製材し、乾燥する間に生じる「乾燥時の反り」です。

2つ目は、乾燥後に周囲の湿度に応じて生じる「乾燥後の反り」です。

 

それぞれ解説していきます。

乾燥時の反り

木材は、伐採されて「丸太」になり、製材されて「角材」や「板材」へと姿を変えます。

「角材」や「板材」には多量の水分が含まれており、この水分量は「含水率」という言葉で表されます。

 

伐採・製材したばかりの木材は100%以上の含水率があります。

一方で、ホームセンターや材木屋さんで販売される乾燥済みの木材の含水率は20%以下です。

一度乾燥しきった木材の含水率は10%台で推移し、湿度の高い時期は上がり、湿度の低い時期は下がるという、いわゆる「木の呼吸」を繰り返します。

 

この100%以上の含水率が20%以下まで低下する間にはどのような変化が起こるでしょうか?

水分が抜けるに従って、果物がドライフルーツになるように、生魚が干物になるように、木も形を変えていきます。(果物や魚ほど目に見えて大きく形が変わることはありませんが)

 

ここで木の「反り」が発生します。

これが「乾燥時の反り」です。

 

100%以上の含水率が20%以下まで下がるわけですから、大きな反りが発生します。

逆に言えば、乾燥時に大きな反りが発生するからこそ、木は乾燥した後に販売されるわけです。

 

なお、乾燥時に生じた大きな反りはカンナ掛けをして削り取って平面を出します。

昔は手作業でカンナ掛けを行っていたのでしょうが、今では自動カンナ盤という機械で一気に削って平面を出します。

 

余談ですが、乾燥は屋外で数か月~数年かけて行う「自然乾燥」と、機械で短時間に行う「人工乾燥」の2種類があります。

2種類の乾燥方式は、趣味で扱う時に気にするほどのものではありません。

「自然乾燥」は「天然乾燥」や「AD」などと呼ばれることもあります。

「人工乾燥」は「強制乾燥」や「KD」などと呼ばれることもあります。

乾燥後の反り

木材は製材後の乾燥が済み、店頭に並んでいる時や家具や建築材として使用された後も呼吸を繰り返します。

周囲の空気中の水分を吸いこんだり、吐き出したりするわけです。

 

そのため、乾燥時ほど大きな変化はしませんが常に含水率が変動し僅かな形の変化が続いています。これは木が朽ち果てるまで続きます。

この変化は木の「反り」という形であらわれます。

 

今回の反り対策や、無垢材を扱う上での「反り」と言えばこの「乾燥後の反り」を指すことが多いです。

「反り」の根本的な対策は存在しない

無垢の家具作りにおいて施される「反り」対策とは反りをなくすことではありません。

プロであっても、反りを一切発生させない対策を施しているわけではないのです。

 

どんなに高価な無垢の家具を購入しても、反りは絶対に避けられません。

これは無垢材の家具を持つ上で避けては通れないポイントです。

 

それでは反り対策とは一体何をしているのでしょうか?

ポイントは以下の2点です。

  1. 反りを妨げない
  2. 行き過ぎた反りを抑える

要するにちょっとの反りは許容して、大きな反りは抑えてやろうというわけです。

実は簡単な反り対策

反りを妨げず、行き過ぎた反りは抑える。

難しそうだと感じるかもしれませんが、実は超簡単です。難易度は低く、素人DIYでも全く問題なく行うことが出来ます。

反りの力が強く、反りが目立つ大きなテーブルの天板を例に考えてみましょう。

▼こちらは私が過去に制作した作業机です(制作時の記事はこちら

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この机を例にとって解説していきます。

長穴加工

反り止め加工で最もベーシックな対策が、この「長穴加工」です。

この作業机では、脚にコの字型に組み合わせた角材を使っています。

▼脚と天板の接合部

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金具はアクセントのために使っただけなので無視してください。

ポイントは天板と脚と固定しているこの2つのボルトです。

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デザインによって、脚と天板の接合方法は多種多様ですが、これは最もシンプルな固定方法のひとつでしょう。天板には鬼目ナットが埋め込んであります。

 

幅広のワッシャーを使っているため隠れて見えませんが、この脚側のボルト穴はこのように長穴になっています。

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天板が反った場合、この長穴の分だけ天板が自由に反ることができるわけです。

また、長穴のサイズを超えて大きく反ろうとした場合には反りを抑えてくれます。

 

長穴加工は、ドリルで2つ穴をあけ雪だるまのような形を作ります。これをノミなどでつなげて長穴を作ることで簡単に長穴が完成します。

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反り止め

続けて天板の反り止めとしてよく採用される方法です。

適当な角材を用意し、先ほどと同じように長穴をあけます。

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好みのデザインで仕上げます。

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これをボルトや木ネジで天板裏に固定します。

木ネジを使う場合にはタッピングネジを選択し、ローゼットワッシャーと組み合わせて使うと良いでしょう。

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このような反り止めを2~3本も追加すればOKです。

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 参考:樟と槐のデスクに反り止めを追加

▼こちらは樟の1枚板で制作したダイニングテーブルの反り止めで、同じ方法です。

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 参考:自作したダイニングテーブルに反り止めを追加しました

理屈としては、先ほど言ったように「反りを妨げず、行き過ぎた反りは抑える。」だけです。

ですから、反り止めの方法は多種多様です。

溝を彫って木組みする場合、木の代わりに金属を使う場合。アイディア次第で様々なデザインの反り止めが可能になります。

 

ちなみにこうした反り止めの木材は市販されており、ホームセンターのDIYコーナーに置かれていることもあります。

また、この反り止めの金属版とも言える商品もあります。

 

天板止金具

ここまで紹介した方法では、「長穴加工」が必要でした。

手順は先述の通りドリルとノミを使えば簡単に実現できますが、もし難しい場合には専用の金具が販売されています。

脚や幕板と天板を、このような金具で固定すれば長穴加工をせずとも反り止めを行うことができます。

L字になっているものや、平らなもの、縦穴や横穴といくつかのバリエーションがあります。

ニス塗装

私は好んでオイルを使っていますが、ニスなどの塗膜を形成する塗料を使用することで、木の呼吸を封じ込めて反りの発生を抑制することができます。

無垢材を使うからといって、必ずしもオイル仕上げを選ぶ必要はありません。

ウレタンニスなどの塗膜を形成する塗料を使うことで、木の含水率変化を抑え、結果的に反りの発生を抑えることができます。

余談:完全な反り止め

反り止めのなかでも効果が高い反面、難易度が高く手間がかかる「蟻溝吸いつき桟」と呼ばれる手法があります。

詳しくは以下の外部リンクを参考にしてみてください。

この方法は、当記事で説明するような「反りを妨げず」という点に反しています。

もちろん反り止めが木材ですから、多少の柔軟性はあるものの木と木を互い違いに硬く固定しています。つまり、木と木がお互いを反らせまいと力を掛け合っている状態であり、反りを殺しています。

もちろんこれもひとつの反り対策です。

しかし、難易度が高くしっかりとした固定方法や素材選定をしなければ破損につながるためDIY向けという形でオススメはしません。

 

「蟻溝吸いつき桟」で反りを殺すのであれば、板を互い違いに貼り合わせたり、角材や板材をボンドでしっかりと貼り合わせた方が難易度が低く近い効果を得られます。

合板のなかでも、木を複数枚貼り合わせた積層合板と理屈だけ見れば同じです。

実はやらなくてもいい反り対策

そもそも、反りや反りによって生じる割れは大して実害がない場合が多いです。

趣味のレベルでは反り対策を施さずとも、大して問題がないことが多いです。

反りの影響が大きい板材であっても、影響は割れが生じやすいだけです。割れも味と言える無垢材であれば、実はそれほど害はないのです。

 

また、乾燥が無十分な木材や板材を除けば、無垢材と言っても反りの影響は軽微です。乾燥状態が確認できない木材は購入しない点だけ注意すれば、板材以外の反り対策はあまり考える必要はありません。

多少反ったところで、家具がその瞬間崩壊することはありません。

 

例えば、私が樟の無垢材でダイニングテーブルを制作した時、反りの知識が不十分で2つの異なった無垢材を、異なった方向に、以下のように木ネジでガッチリと極めて強固に固定しました。

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10個の穴が見えると思いますが、これは木ネジの頭を隠すためにあけた下穴です。

隠れる部分だからと、ガチガチに木ネジで固定してしまったわけです。
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このようなめちゃくちゃな、反りを考慮していない固定方法で制作した脚も、全く問題なく機能しています。

 参考:樟のダイニングテーブル その8 - 脚の制作

ただし、反りが発生した際に無理な力がかかるので「割れ」が発生する可能性が高まります。

「反り」を悪化させる木の使い方

ここまでの説明で、「反り」対策はそれほど難しく考える必要がないことがわかっていただけたと思います。

それ以上に重要なのは、無垢材の使い方です。

完成した家具を良い環境で使用することが重要です。

プロが選び抜いた木材で仕上げた高価な家具であっても、使用者が無垢材を理解していなければ良い状態を保つことはできません。

エアコンや暖房器具の風を直接当てる

「反り」の原因は含水率の変化であることは既に説明しました。

含水率が変化するということは、木に空気中の水分が取り込まれたり、逆に木の水分が空気中に逃げ出すということです。

風のある日に洗濯ものがよく乾くように、空調器具の風を直接受け続けるとお肌が乾燥するように、木も直接風を受けると乾燥します。

特に暖房の暖かい風を直接受け続けると、通常ではありえないほど含水率が低下します。

しかも、風が直接当たる一部だけの含水率が極端に低下し、一部だけ反りが生じ始めます。

全体の含水率が低下すれば、木全体が緩やかに反るだけで済みます。

しかし、一部だけが反ろうとすれば無理な力がかかることは誰しも想像ができるでしょう。

もちろんしばらくは持ちこたえてくれますが、長く同じ環境に置かれれば「割れ」といった形で症状があらわれてしまいます。

水に付ける

無垢材が水に弱いとはよく言われることです。

しかし、実際にはあまり敏感になる必要はありません。

例えば食べこぼしや少々の水がこぼれて、それを放置したところでさしたる影響はありません。

それでも日常的に水が滴るような場所で使い続ければ、含水率の変化はもとよりカビや変色などを生じる可能性があります。

ムラのある仕上げやメンテナンス

木は大抵の場合、オイルやニスなどの塗装を施して使用されます。

オイルを含め、塗料の種類は多種多様です。塗膜を形成するものもあれば、木に浸透するものもあります。

塗膜を形成するものは木の呼吸を妨げ、含水率の変化を極めて緩やかにします。

一方で木に浸透するものは木の呼吸を妨げず、含水率の変化に影響を与えません。

 

このように、含水率の変化スピードに差がある複数の塗料を1枚の板に使用した場合、一部は含水率の変化が早く、一部は含水率の変化が遅いという差が生じます。

これは「エアコンや暖房器具の風を直接当てる」の項で説明したように、一部だけ反ろうとする力が生じて、割れを発生させる原因になります。

 

1枚の板に複数の塗料を使うケースは少ないですが、塗装にムラがあって、一部は塗膜が形成されていて、一部は塗膜が剥げているケースでも同じことが言えます。

木に浸透するオイルの場合には、木の部位によってオイルの吸収具合が変化しますから、きちんとムラなくオイルを吸わせていなければやはり同じことが言えます。

さいごに

【無垢材 × DIY】シリーズでは、趣味において必要十分と思われる程度の情報を可能な限りわかりやすく解説しています。

細かな言葉や意味合いの違いや誤りがある可能性があることをご了承ください。