【BMWの選び方】認定中古車ってどうなの?認定中古車の本当のトコロ。
ドリリウムは移転しました。
約5秒後に自動的にリダイレクトします。
2020年1月15日 加筆修正
BMWには「認定中古車制度」があります。
BMWディーラーが認めた安心の車を購入することができる魅力的な制度ではありますが、漠然とした「安心感」から認定中古車を選択すると損をしてしまうかもしれません。
認定中古車とそれ以外の中古車の違いを知ることで
「本当に認定中古車を選ぶべきなのか?」
を適切に判断しましょう。
BMWの認定中古車には、以下の3種類が存在します。
- BMW Premium Selection / 2年間走行距離無制限
- BMW Approved Car / 1年間走行距離無制限
- BMW Used Car / 6ヶ月または5,000km
保証期間が併記されていますが、BMW Premium Selectionが最長で2年、BMW Used Carが最短で半年です。
認定中古車における魅力として第一に挙がるのがこの「保証」でしょう。
その他にも、以下の3点が大きな魅力として挙げられます。
- 走行距離
- 整備状況
- 内外装の状態
逆に、この計4点以外は通常の中古車と変わりません。
果たしてこの4点は本当に魅力なのでしょうか?
1点ずつ解説していきます。
1. 実はほぼ無意味な「保証」
BMW認定中古車の保障は、2年・1年・半年の3種類が存在します。
これらが認定中古車の最も大きな魅力のように語られますが、それは全くの間違いです。
基本的に、これらの保証期間はあってないようなものです。
よほど運が良くないと、恩恵を受けられません。
BMW Premium Selection
まずはじめに、2年保障である「BMW Premium Selection」です。
BMW Premium Selectionに指定される車両は、基本的にほぼ新車~3年落ち程度の極めて新しい車両に限られます。
そもそも、こうした新しい車両が2年以内に故障することはごく稀です。
また、保証内容には経年劣化や消耗品が含まれません。
エンジン、エアコン、オーディオ、ナビなどが保証の対象ですが、こうした部品はそもそもそう簡単に壊れません。
よほどの凶悪な運の持ち主でない限り、保証の恩恵を受けられないのです。
BMW Approved Car
次に1年保証である「BMW Approved Car」です。
BMW Approved Carに指定される車両は、基本的に5年落ち前後の新しい車両です。
モデルとしては、現行モデルか1つ前のモデルにあたります。
BMW Premium Selectionと同様に、こうした車両が1年以内に故障する可能性は極めて低いです。
現在のBMWは、少なくとも10年程度であれば国産車と同じ感覚で乗ることができます。
10年程度は故障知らずで走っている車両が大半なのです。
そんな中で5年落ちの新しい車両に1年保証があったところで何も変わりません。
保証内容も、一般的な中古車店であれば何も言わずともついてくるような保証と大差ありません。
BMW Used Car
次に半年保証である「BMW Used Car」です。
BMW Used Carとなると、10年落ち程度の車両や10万km近い走行距離の車両も増えてきます。
10年・10万km以上を走行した車両は故障のリスクも少しは増えますが、実際のところ2019年現在における10年落ちの車両はまだまだ元気に走っています。
故障知らずの車両が大半です。
これまでの2つの保証と同じように、半年で故障する可能性が極めて低いです。
更に、一般的な中古車店で何も言わずともついてくるような保証と内容が大差ありません。
保証のことは忘れよう
以上の通り、認定中古車に付帯する保証制度はそれ以外の中古車と比べた場合に魅力とは言えません。
もし認定中古車を選ぶときは、保証のことは一旦忘れて比較検討しましょう。
2. 走行距離
認定中古車には、著しく走行距離の多い「過走行車」があまりありません。
滅多にないというだけで、一般的には「過走行」と呼ばれる10万kmを超えた車両もたまに紛れています。
これは一見魅力のように感じられますが、特にBMWなどの欧州車に関しては走行距離で状態を判断するべきではありません。
走行距離が影響するのは内装と外装の状態だけです。
エンジンやトランスミッション、サスペンション、ブレーキなどの走行に必要な部品の状態は走行距離とあまり関係がありません。
当サイトでは、これまで多くの記事で「走行距離を気にするな」と説明しています。
むしろ、走行距離が少なすぎる車両は危険です。
BMWを含めた欧州車のエンジンは、日本車ほどシビアコンディションに強くありません。
シビアコンディションとは、渋滞や短距離のみの走行を言います。
近所への買い物ばかりに使った車、都心部で渋滞路ばかりを走行した車。そうした車は劣化が急速に進みます。
むしろ、郊外などを日々コンスタントに乗って、距離を重ねてきた車の方が状態が良いことが多いほどです。
同様にサスペンションやブレーキも高速道路や郊外の道をスイスイ走ってきた車の方が減りや消耗はずっと少なくなります。
特に都心部で使われてきた低走行車には注意が必要です。
中古車市場では、走行距離が多い=価格が安くなります。
しかし、これは車の状態とは一致しないことをよく覚えておいてください。
3. 整備状況
認定中古車に選ばれる車両は、基本的にディーラーで過不足ない整備を受けています。
しかし、ディーラーの整備は決して最高の整備ではありません。
特に最近ではエンジンオイルのロングライフ化が進み、エンジン寿命が短くなっています。
ディーラーに指示されるがままにオイル交換を行い、結果的に10年と立たずに激しいオイル漏れやオイル下がり、オイル上がりに悩まされた車両を数多く見てきています。
そうした車両のエンジンのなかは酷く汚れています。
ディーラーはビジネスとしてメンテナンスを行っています。
もちろん故障が出て悪い評判が増えれば車両の売上に影響しますから「ある程度のメンテナンス」は積極的に行います。
しかし、例えば10年あるいは10万kmを超えて同じ車に乗り続ける人はごく一部に限られます。
そのため10年あるいは10万km以上状態も保たせるためのメンテナンスは積極的に行いません。
そうしたメンテナンスを積極的に行うようになると、もっと短いスパンで乗り換える人たちにとってはメンテナンス金額が上がるだけで何のメリットもありません。
メリットがないばかりか、「維持費が高い」と悪い評判を呼んで売上が落ちてしまうことになります。
これはディーラーやメーカーに問題があるわけではなくビジネスとして正しい非常に合理的な判断です。
こうした事実からも分かる通り、ディーラー整備=最高の整備ではありません。
認定中古車は、整備不良とまでは言わないまでも、特別良い整備を受けてきたわけではないことを覚えておいてください。
4. 内外装の状態
認定中古車は、基本的に内外装の状態が良いです。
日本国内では、AIS検定と呼ばれる内外装の評価に関する資格の保有者が車両の状態を客観的に評価して、採点します。
BMWの認定中古車もこの評価方法で採点されています。
ただし、同様の評価はgooやカーセンサーなどの中古車サイトでも実施されています。
内外装の状態が★で表示されていますよね?あれです。
(そもそもこの資格は数日の研修で取得できるもので、大したものではありません)
認定中古車の内外装の状態が良いことは事実ですが、通常の中古車であっても同様の基準で評価を比較することが出来ます。
認定中古車の魅力とは言えないかもしれません。
【まとめ】認定中古車というビジネスモデル
そもそも、認定中古車って比較的最近になってやたらと増えた気がしませんか?
メーカーを問わず認定中古車制度が増える理由はただ一つ。
それがビジネスになるからです。
儲かるからです。
ディーラーが直々に、しかも認定中古車という名前で中古車を売り出します。
車に詳しくない方が、漠然とした「安心感」を感じてしまうのも頷けます。
しかし、その一方で認定中古車の中身をよく見てみると、さして魅力がないことがおわかりいただけると思います。
もちろん予算に余裕があるのであれば、認定中古車のなかから車選びをすると良いでしょう。
なぜなら、通常の中古車のように状態が特別悪いハズレ車両が混在していないからです。
しかし、その一点を除けば高額な認定中古車を選ぶ意味なんてないんです。
車両の状態の詳細なチェック手順は以下の記事で紹介しています。