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【レビュー】輸入車オーナーが2代目スズキ・ハスラー(HYBRID G)を購入した結果

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スズキ・ハスラー(MR92S)を購入しました。

軽SUVの先駆けであるハスラーの2代目です。

グレードはHYBRID Gという一番安いグレードで、ターボはなし。

 

この車を選んだ理由は以下の記事で長々と解説しています。

【MR92S】輸入車オーナーが2代目スズキ・ハスラー(HYBRID G)を選択した理由 - ドリリウム

 

紆余曲折あって選び抜いたハスラーですが、実は一度も試乗していません。

今回の乗り換えにあたって散々試乗をしまくった癖に、肝心のハスラーは試乗していなかったのです。

その理由はというと、先ほど紹介した記事のなかでも解説しているのですが、走行性能や快適性はどうでも良いという結論に達していたからです。(N-ONEとタフトは試乗した)

 

今回はハスラーに乗って感じたことを列挙していこうと思います。

ちなみに今回の車選びを主導した妻は生粋の輸入車オーナー。妻の感想を中心に紹介します。

1.めちゃくちゃ不安定でふらつく

これは他の軽自動車やSUVを試乗した時点でわかっていたことですが、めちゃくちゃふらつきます。

普通車のSUVですらふらついて気持ち悪いと言っているほどですから、軽SUVのふらつきは凄まじく感じます。(妻はマツダ・CX-5に乗ってふらついて気持ち悪いと却下した)

路面の大きめの段差やうねりがあると、車の上の方あるいは自分の頭がめちゃくちゃ横方向に振られます。これ、乗り物酔い酷い人は絶対酔うよね。

 

ただ、現在の幅が狭く背が高い軽自動車では致し方ないことです。

幅の制約がない普通車だとしても、バンや背の高いSUVはふらつきます。

これが幅に制約のある軽自動車ともなれば凄まじいことは想像に難くありません。

 

とはいえ、これはわかっていて購入しましたし、片道2kmを運転手一人で乗るだけなので許容できる範囲です。

2.CVTがスムースで快適

2代目ハスラーはCVT+マイルドハイブリッドで駆動します。

普通車のCVTは何度か乗ったことがあるものの、ある程度パワーのある普通車にCVTがあっても変速や音の気持ち悪さしか感じませんでした。

しかし、パワーのない軽自動車とCVTのマッチは不思議と気持ち悪くありません。

頑張って加速する時は元気よくエンジンが唸り、巡行時には穏やかに走ります。ただそこに変則時の音の変化やショックがないだけ。

単純にCVTが進化しているだけかもしれませんが、変速ショックがなくてとっても快適です。

 

元々乗っていたルノー・ルーテシアは化石のような1.6L4気筒エンジンと4速ATの組み合わせでした。もはやこの時代のフランス車の定番ともいえる化石4速ATです。

元気よく走る時には気にならないのですが、普通に乗っているとギア数が少なくて引っ張り気味だし、変速ショックも大きいしで不快でした。

3.パワーは必要十分

パワーは必要十分。というと誤解がありそうですが、加速は必要十分です。

少しアクセルを踏んだだけでもスロットルをスムースかつ大きくガバリと開いて加速します。

逆に言えば、アクセルを更に踏み込んだところで、踏み込み量に応じた加速力は得られません。

これは日本車特有のセッティングですが、ここのセッティングの絶妙さ加減は感心するほどです。

 

短距離の街中を走るだけなら全く困りません。

とはいえ、踏み込み量に応じたリニアな加速が得られないということは、スムースな運転ができないということです。

同乗者が居る場合には、かなり神経質な運転をしないと不快な思いをさせてしまうでしょう。

 

よく大きな排気量のエンジンの車は運転が疲れないと言いますが、まさにここです。

4.車内は静か

車内は想像以上に静かです。

タイヤは純正の新品。当然の安いタイヤですが、よく遮音や防音が出来ています。

もちろん軽自動車にしては、と前置きがつきますが、それでもコストパフォーマンスに全振りしているコンパクトカーや商用車よりマシかも?と思うくらい。

エンジンもパワーがないのでよく回りますが、少し遠くで唸っている感じでダイレクトにエンジンノイズが耳に入ってくる感じはありません。

軋み音やガタガタというような品質の低いノイズもあまりありません。

 

ただし、速度が60km/hくらいを超え始めるといきなりうるさくなり始めます。

主にロードノイズで、タイヤで多少の改善は見込めると思いますが限度があるでしょう。

 

我が家の場合には街中を片道2km乗るだけで、60km/hも出さないので静かなものです。

5.乗り心地は良い

冒頭で不安定でふらついて気持ち悪いとか言いましたが、それを除けば乗り心地は上々です。

日本車らしいふわふわした乗り心地は大きなセダンであろうと、このハスラーであろうと一貫しているのは面白いです。

路面のざらつきや小さいな段差も、フラットとは言えないまでもそこそこ綺麗にいなしている感じ。

ゴツゴツ・ガタガタした昔の軽自動車の乗り心地とは全くの別物です。

 

僕が長年乗り継いでいるBMWも、5シリーズになると大分快適ですが3シリーズなんかは快適性皆無なので、ふわふわした乗り心地に慣れている人なら3シリーズよりハスラーの方が乗り心地が良いと感じる人もいるかもしれません。

日本車の目指す方向性の先にあるロールスロイス・ゴーストは高速で路面のうねりを越えるとフワリと浮遊感を感じます。プラットフォームを同じくするBMW・7シリーズは接地感が強いです。

僕は後者が好きなだけで、どちらが上とも思いません。

6.後席が広い

軽自動車やバン系の自動車ユーザーからすると当たり前かもしれませんが、後席めちゃくちゃ広いです。

安全性を考えると軽自動車の後席は絶対に使うつもりはありませんが、めちゃくちゃ広い。

 

BMWのなかで異端児だと勝手に僕が思っている7シリーズより広く感じる。

高さ方向に広い点も寄与していると思うけど、足元のスペースは本当にラグジュアリーセダンより広いんじゃないかってくらい広い。

7.荷室は狭い

荷室は狭い。

後席を前にずらしても狭い。

 

後席を前に倒してやっと実用的だけど、思っていたより広くない。

後席を倒したら大の大人が寝転がれるくらい広いのかなぁとイメージしていて、実際に後席を倒した時の期待外れ感は大きい。

 

よく考えたら車体が3.4mしかないんだった。

8.いろんな質感は低い

例えばリアハッチを開いた時の手に伝わる感触や開く動作、エアコンの温度を操作するボタンの感触。

そうした細かな質感はやっぱり価格なりといったところ。

もちろん軽自動車がコストパフォーマンスに特化して進化していることを考えれば、この手の質感は求めてはいけないわけだけど、一応言及してみる。

9.鉄ホイールが素晴らしい

我が家のハスラーには、白く塗装された鉄ホイールが装備されています。

これのデザインは大変好ましいです。

そもそもホイールはデザインを重視しなければ鉄の方が頑丈だし、その武骨な雰囲気は個人的に大好きです。

高価なアルミホイールを除けば鉄ホイールの方が軽量なことも珍しくないらしい。

 

一方で上級グレードに装備されるアルミは、大変失礼ながらなんだか安っぽい。安いアフターパーツメーカー製のホイールみたい。

(昔の3シリーズには鉄ホイール風デザインのアルミホイールが設定されていたような記憶があって、それがやたら軽いと言われていた記憶がありますが、もう記憶が定かではありません。)

10.整備性が良さそう

めちゃくちゃ全部入りの保証がついているので自分で整備する機会はなさそうですが、エンジンルームはスカスカで一目で何がどこにあるかわかるため整備性は良さそうです。

やっぱり自然吸気エンジンは良いです。

過給機があるとどうしてもエンジンルームの見た目が悪くなります。

まとめ

質感や性能、安全性は最低限という割り切りがあって潔いです。調べていませんが、おそらく製造工程や素材、ライフサイクルまで加味した場合の環境性能は低く、環境活動家向きとは言えないでしょう。

 

一方で、実用性は車体サイズの制限の中で最大限努力しており、維持費も含めた価格も抑えられており、これだけ軽自動車が増える理由もわかりました。

 

とはいえ、そんななかでも普通車ユーザーが多く存在している理由はやはり質感や性能、安全性を求める層が存在することをよく証明している気がします。

 

何か特段の事情がない限り人には勧められませんし、軽自動車という制度・枠組自体の将来性も明るいものは見えません。

 

なんだかネガティブな評価が上がりがちですが、それは普通車と比べてしまっているが故です。我が家では、ハスラーを車と考えていない節があります。車ではなく、バイクと車の中間にある移動手段のひとつ、みたいな。

だから、ハスラー自体は気に入っています。

出来ることなら、これから長く大事になっていきたいです。

トマト栽培にピッタリ!実割れしづらく水分管理が簡単なレイズドベッドとは?

レイズドベッドとは、草花や野菜・果物を育てるための手法のひとつです。

プランターに植物を植える「プランター栽培」、地面に直接植物を植える「露地栽培」。この2つの良いとこ取りをした手法こそ「レイズドベッド」です。

一般家庭における家庭菜園に取り入れられることの多く、オシャレな見た目と高い実用性を兼ね備えています。

そんなレイズドベッドは家庭菜園の初心者から熟練者まで幅広く愛される「トマト」の栽培にピッタリの特性を備えています。

レイズドベッドがトマト栽培に最適な理由

レイズドベッドがトマト栽培に最適な理由を知る前に、トマト栽培におけるポイントを簡単に紹介します。

  • 水分過多を避け、乾燥気味に管理する
  • 水分量の急激な変化を避ける
  • 少量の肥料を小まめに与える

これら3点がトマト栽培における重要なポイントとなります。

トマト栽培は園芸初心者におすすめされることが多い一方で、実は肥料や水分に関して繊細な特性を持っています。

雑な栽培方法でもある程度の収穫を得ることはできますが、大きく甘い果実をたくさん収穫するにはそれなりの経験が必要な、決して難易度の低くない野菜のひとつです。

さて、話を戻してレイズドベッドがトマト栽培に最適な理由を解説していきます。

1.排水性が良い

1つ目の理由は、その高い排水性です。

レイズドベッドは多くの場合、30cmから40cmの高さがあります。この中に新しい培土を入れて栽培を開始するため、極めて良好な状態の土壌から栽培を開始することができます。

また、年数の経過したレイズドベッドであっても、露地栽培のように踏み固められることがないため柔らかくふかふかの状態を保ちやすいです。

これは、一般的な露地栽培における「高畝」と呼ばれる手法に非常に近い特性です。

トマトは先述の通り乾燥した土壌を好みます。

その一方で、日本は雨の多い国です。トマトのシーズンである夏には台風やにわか雨、夏の前には梅雨という雨季すら存在します。そんな中でトマトを健全に美味しく実らせるには、高い排水性が求められます。

トマト栽培における難所のひとつが「いかに実割れを防ぐか?」という点です。

実割れは裂果とも言われ、実に亀裂が入ってしまう現象を言います。

いくつかの原因がありますが、多くの場合は急激な水分量の変化が原因です。突然の大雨などで根に大量の水が供給され、それをトマトが吸い上げることで実に亀裂が入ります。

排水性が良い土壌であれば、突然の大雨でも過剰な水分はどんどん排出されていきますから実割れのリスクを抑えることが可能なのです。

2.保水性・保肥性が良い

2つ目の理由は、その高い保肥性や保水性です。

先ほど排水性が良いと言ったばかりですが、それと相反するような保水性や保肥性が高いのもレイズドベッドの特徴です。

粘土質を含む土壌では排水性が低く、砂が多い土壌では保水性や保肥性が低いです。

その一方でレイズドベッドは理想的な配合をされた培土を使って栽培を開始し、後はそれを有機質を補うことで維持するだけです。これだけで、高い排水性と高い保水性、保肥性のバランスを保ち続けることができるのです。

また、レイズドベッド内の土壌の質が悪くても、単純にレイズドベッドの高さ分の土が多いため排水性があるにも関わらず全体でみれば水分や肥料分が多く土壌内に残留することができます。

基本的に園芸において、土の多さはメリットしか生み出しません。

トマトは乾燥状態を維持すると美味しく甘い果実を収穫することができます。

そのため、水やりの頻度や与える水の量に頭を悩ませる方も多いです。

レイズドベッドであれば、高い排水性と高い保水性をバランス良く併せ持つため水やりで悩む心配はありません。

30度を超える真夏のカンカン照りが1週間以上続くような特別な条件を除けば、水やりは一切不要です。

真夏であっても、表面がいくら乾いたように見えても、レイズドベッドの土を少し掘り返すと十分な湿り気を帯びています。

レイズドベッドにおけるトマト栽培では、水やりは不要と言っても過言ではありません。

3.土の温度が高く酸素が豊富

3つ目の理由は、土壌温度が高く酸素量が豊富な点です。

トマトを含むあらゆる植物は、土壌温度が高い方が生長が良くなります。逆に、土壌温度が下がりすぎることで調子を崩し、枯れてしまうこともあります。

更に、植物の根は水分を吸うだけでなく酸素を吸い上げる役目も担っています。

十分な酸素が根から供給されなければ植物は生長することができません。

トマトは1つの苗からたくさんの実を収穫することができる植物です。1つの苗でたくさんの実を収穫するということは、枝葉の生育、ひいては暖かい土壌温度と豊富な酸素供給が必要不可欠です。

トマトの枝葉は果実を強い直射日光から守る役割があるため、枝葉と果実をバランス良く育てることが肝要です。

この点において、理想的な培土で埋められたレイズドベッドは酸素が豊富=土壌内の隙間が多く、土壌内の温度が比較的高く保たれます。

レイズドベッドのトマト栽培における注意点

メリットばかりのレイズドベッドにおけるトマト栽培ですが、いくつかの注意点が存在します。

1.マルチを活用して大雨や長雨に備える

1つ目はマルチを活用して大雨や長雨に備えるという点です。

先ほど説明したように、レイズドベッドには高い排水性があるため大雨や長雨による実割れや水分過多の心配が少ないです。

しかし、少ないとはいえ全く心配がないというわけではありません。

少しでも実割れのリスクを抑えるには、マルチを活用して土の表面を覆い隠し、雨が株本に降り注ぐ状態を避ける必要があります。

もちろんマルチを使用せずとも、通常のプランター栽培や露地栽培に比べると実割れや水分過多の心配が少ないですから、必ずしもマルチが必要というわけではありません。

2.強い日光に備える

レイズドベッドは一般的に30cmから40cm程度の高さがあり、その上にトマトを植え付けます。

そのため周囲の日陰になることが少なく、たくさんの日光を浴びることができます。

これは大きなメリットでもありますが、トマト栽培においてはデメリットにもなり得ます。

なぜならトマトの果実は強い直射日光を浴び続けると実割れしてしまうことがあるからです。このため、トマトは枝葉を茂らせ果実を直射日光から守ろうとします。

しかし、どうしても枝葉だけで直射日光を防ぐことは難しいため、トマトの果実を日光から守るような覆いを作ってあげることで実割れのリスクを更に下げることができます。

なお、トマト自身は日光を好むため、株全体を日陰にするような対策は避けるべきです。

3.肥料過多に気を付ける

トマトは肥料や水分の少ない痩せた大地で育つ植物です。

そのため肥料分や水分が多すぎると生育が阻害され、特に果実の付きが悪くなります。

レイズドベッドはその特性上、保肥性に優れるため肥料過多には細心の注意を払う必要があります。

トマトは果実が肥大し始めたころから定期的に肥料を施しますが、一般的な情報(書籍やインターネット)に記載のある肥料の分量よりやや少なめの量を施肥すると良いでしょう。

また、肥料が土壌内に留まりにくい液体肥料を小まめに与える方法も有効です。

まとめ

レイズドベッドはトマトを栽培するためにたくさんの利点を備えています。

こうした特徴は、トマトだけでなく多くの野菜や果物、草花にも良い影響を及ぼします。レイズドベッドは、プランター栽培と露地栽培の良いとこ取りであり、木や石でできたレイズドベッドはお庭の素敵なアクセントにもなります。

レイズドベッドのトマト実割れ(裂果)対策

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レイズドベッドでトマトを栽培する時、最も厄介なのが「雨」です。

トマトは乾燥を好むため水やりは控えめにすることが多いですが、そもそもレイズドベッドは保水力が高く、晴れの日が続こうとも土を少し掘り返せば中は湿っています。

そのため、小まめに水やりをして急激な水分量の変化を避ける対策をとろうとすると、水分過多になってしまいます。

事実上、トマトのレイズドベッド栽培では水やりは不要とすら考えています。(マルチングなしで真夏のカンカン照りが1週間以上続く、とかは別だけど)

そんな環境下で、いきなり大雨が降ったり連日の雨が続くと生じるのが実割れ(裂果)です。

 

私の住む地域では、梅雨時期にもなれば赤く染まり始めるトマトも出始めますから、ここで一気に実割れが発生してしまいます。

 

プランター栽培なら軒下に移動したり、露地栽培ならマルチや高畝で対策ができます。

もちろんレイズドベッドでも、マルチや高畝にする対策は有効ですが既に十分に育った苗に後から対策することは難しいです。

(そもそもレイズドベッドは露地栽培における高畝みたいなものですが・・・)

 

僕の場合にはビニール系のマルチは見た目が悪く、折角おしゃれなレイズドベッドにそぐわないため使用を避けています。

藁マルチングは好んで使いますが、トマトに関しては乾燥気味に育てるためにマルチングをしていません。

雨避けを作る

結局のところ、トマトの実割れの原因の大半が根から急激に水分を吸い上げることです。

だから根に多量の水分が届かないようにすれば良いわけです。

 

レイズドベッドは既に高畝と同じような効果を持っているため、マルチのようなものを後付けしてやる方法が最もシンプルな対策と言えるでしょう。

水分を遮れれば素材は問いませんが、今回はどこのご家庭にもあるゴミ袋を使って株本を覆い隠す対策をとってみました。

と、思いましたが昔使った防草シートの余りがあったのでそちらを使うことにしました。

ゴミ袋でも防草シートでも水を通さないシート状の物ならなんでもOKです。

防草シートは厳密には水を通すのですが、すぐには通さないため傾斜を付ければ中に水が浸透することはほとんどありません。

おしゃれなレイズドベッドにそぐわないからビニール系のマルチを使わないと言ったばかりですが、背に腹は代えられません。

 

まずは防草シートを株本を覆える程度に切り出して、苗や支柱を避けられるように切り込みを入れます。

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これを株本にセットします。

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これだと株本に水が溜まるだけになってしまいます。

雨水が株本にガンガン降り注ぐよりはマシかもしれませんが、もう一工夫します。

 

一方に適当なレンガやブロックを入れて高さを付けてやります。

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そしてシート全体をピンと張って重石として適当なブロックを乗せます。

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これで、写真で言うところの奥が高く手前が低くなります。

もちろん切り込みやシートの外側から水分が伝ってくることはありますが、雨水がガンガン降り注ぐよりかなりマシな状態になると思います。

レイズドベッドはトマトの実割れに強い

元々レイズドベッドはめちゃくちゃ高い高畝のようなものなので、排水性も抜群に良く実割れがしづらい特性を持っています。

また、同様に保水性も高いため水やりをほぼ必要としません。

適切な乾燥状態を維持しやすいわけです。

 

そのため、通常のプランター栽培や露地栽培に比べれば、何もせずとも実割れしづらい環境であると言えます。

 

それでも実割れを100%防ぐことはできませんから、このような対策で実割れの可能性を更に低くすることが可能です。

もちろんビニールハウスのように覆ってしまえば一番いいんですけども。

イチゴの果実にコバエ大量発生!原因と対策【ショウジョウバエ】

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3月・4月と順調に収穫ができていた我が家のイチゴに大量のコバエが発生するようになりました。

なかなか調べても同じ症状の方が見つからず、当然対策も見当たりません。

同じタイミングから果実の食害も散見されるようになりました。

 

最初はあまり気にしていなかったのですが、5月も後半になり梅雨入りすると数も激増。対策を始めることにしました。

不思議なことに章姫には大量発生し、キングベリーにはさっぱりつきません。この理由は最後まで謎のままです。

コバエの発生状況

コバエは主にイチゴの果実に集ります。

実を食べている風ではないのですが、実の表面にビッシリとコバエが集り、遠目に見ると実が黒く見えるほど。

虫の写真の苦手な方も多いと思うので、写真はこの記事の最後にまとめて掲載します。皆さんが悩んでいるコバエと同じものか確認してみてください。

また、コバエは必ずしも実だけに集るわけではなく枝葉止まっていることもあります。

近づいたり、苗に触れたりすると一斉に飛び立つのでビックリします。

コバエの特徴

コバエは5ミリに満たない大きさで、羽がついた虫で甲虫ではなさそうなのでコバエと判断しました。

色は薄茶色で目が赤いのが特徴です。

この特徴から、ショウジョウバエの仲間であることがわかりました。

更に調べた結果、おそらくオウトウショウジョウバエあるいはニセオウトウショウジョウバエ類と思われます。

 

同様の害虫の発生がこちらで報告されているのを発見しました。

http://www.jppn.ne.jp/tochigi/file/yosatu/H30/tokusyuhou/H30tokusyuhou3.pdf

コバエの原因

コバエの原因は、強いて言うなら不運としか言いようがありません。

 

このコバエは熟した果実に飛んできて、産卵します。

果実の中で産卵したコバエは幼虫となって果実を食べて成長し、大人になるとまた熟した果実に産卵します。

これにより劇的に数を増やします。

 

イチゴを栽培していると、この時期には熟した果実が常に周囲にぶら下がっているのでコバエはあえて移動せずに留まり続けてしまうわけです。

コバエの対策

このコバエに効果的な農薬は現在存在しないようです。

実際に、スミチオン、ベニカ、モスピランなどを試してみましたが効果は得られませんでした。

一般的な殺虫剤は効果的です。(キンチョールやアースジェットなど)

でも、イチゴに殺虫剤をかけるのは避けたいですよね。それに、果実の中にある幼虫には効果が期待できません。

コバエ対策1.木酢液を散布する

適量に薄めた木酢液は害虫の忌避に一定の効果があるようです。

しかし、効果は長続きせず果実内の卵や幼虫にも効果がありません。

毎日数回、いちごの収穫期が終わるまでひたすら散布し続ける根気が必要です。

また、効果もイマイチで、散布直後でも平気でコバエがやってくることもありおすすめ度は低いです。

コバエ対策2.被害を受けた果実を処分する

コバエが集っている果実や食害を受けた果実、腐りかけの果実はコバエが産卵している可能性が高いです。

そうした果実を見つけた場合には速やかに取り除きます。

また、取り除いた果実を付近に置きっぱなしにしては孵化してコバエが再発生します。

土に埋めるかビニール袋に入れてしっかり口を縛り、ゴミに出すなど処分してください。

コツコツと繁殖を止めることでコバエの増殖を止めることが出来ます。

コバエ対策3.熟した果実を収穫する

我が家では、完熟のイチゴを好んで食べるためギリギリまで収穫を遅らせていました。

これがコバエの大増殖を招いた大きな原因のひとつです。

イチゴは追熟(収穫後に熟す)しませんが、収穫後にしばらく時間をおけば果実全体が真っ赤に染まります。

イチゴはヘタ周辺まで真っ赤に染まれば完熟した証拠ですが、それより前に早め早めに収穫することでコバエの繁殖や産卵を止めることができます。

先述の通り、コバエはよく熟した果実に産卵します。

まだヘタの周りに白さが残る段階で果実を収穫するようにすれば、コバエは産卵できません。

参考 スーパーで買うイチゴは、なぜ甘くないのか? | ハーバー・ビジネス・オンライン

コバエ対策4.捕虫シートを使用する

家庭菜園から畑での本格的な野菜栽培まで使用されるのが捕虫シートです。

いわゆる黄色い粘着性シートですね。

当然、野菜への害もないことから非常に効果的な対策のひとつです。

ホームセンターでも通販でも購入可能ですが、通販の方がサイズのバリエーションも多く安価です。

また、コバエ専用の商品もありますが、効果の差は感じないばかりか効果なので定番の黄色い粘着シートをおすすめします。

まとめ:コバエを全滅させる3ステップ

4つのコバエ対策を説明しましたが 、基本的に以下の手順での対策をおすすめします。

複合的な対策になりますが、難しいことはまったくありません。

1.熟した果実と被害にあった果実を処分する

まず始めに熟した果実と被害にあった果実を処分します。

「まだ大丈夫かも」なんて思わないでください。

コバエが発生している時点で、熟した果実はほぼ産卵されていると考えるべきです。

当然ながら被害にあった食い跡のある果実は処分です。

処分する際は必ずビニール袋などに入れて口をきつく縛り、ゴミの日に処分してください。

もしくは地面に深めの穴を掘り、果実を埋めてよく踏み固めてください。

また、イチゴの場合にはへたの周りがまだ白い果実であっても産卵される場合があります。

コバエが発生してしまった場合には、赤みがかった果実は一度すべて除去した方が良いでしょう。

 

これで果実の中にいるであろう卵と幼虫のコバエがいなくなりました。

2.捕虫シートを設置し、苗を揺する

1ステップ目で卵と幼虫の駆除が完了しました。残りは成虫です。

成虫の駆除には捕虫シートを使用します。

 捕虫シートを苗の付近に設置します。

これだけでも自然とコバエが捕獲できますが、苗をたまに揺すってやりましょう。

こうすることで足場が不安定になったコバエが一斉に舞って、捕虫シートに効率良くつかまります。

 

これで成虫も駆除することができます。

3.熟す前に収穫する

ここまでの対策で卵・幼虫・成虫すべての駆除が完了しました。

とはいえ、完全に全滅させられたとは限りませんし、周りの畑や花壇からコバエがまた寄ってくることもあるでしょう。

そのため、コバエが皆さんのお庭や畑で再度発生しないように、熟した果実は早めに収穫するようにします。

イチゴの場合には、まだ果実に白色が残っている時点で収穫すると良いでしょう。

写真まとめ

虫の写真が苦手な方のために、写真はすべてここから掲載します。

苦手な方はご注意ください。

 

コバエが集った果実の様子

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寄ってみるとこんな感じ
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捕虫シートを苗の近くに設置しました。
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早速捕獲できたコバエのアップ
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【ケース加工&ファン増設】グラフィックボードに冷風直撃!シングルファングラボの限界

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GPU温度に頭を悩ませています。

高負荷時にはGPU温度が80度を超えることもあり、いろいろと対策を進めてきました。

その一環として、グラフィックボードの真横にファンを増設したらいいんじゃない?という非常に安直な対策を思いついたので実践してみます。

 

我が家のPCケースは定番の激安ケースであるThermaltake Versa H17です。

以下の写真右側から吸気して、左側と上側に排気しています。

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CPUは綺麗に空気の通り道にありますが、GPUはちょっと微妙なところです。

GPUには十分に冷たい空気が供給されていないように見受けられます。

 

CPUは発熱の少ないCore i5ということもあり、標準付属のリテールクーラーで不足を感じたことはありません。

 

ちなみにGPUの隣にあるのはグラフィックカードクーラーというGPUにファンで風を直撃させる頭の悪い製品です。ちなみに効果はかなりある。

詳しくはこちらの記事で、その他のGPU温度対策とあわせて記事にしています。

【GPU冷却強化】グラフィックボードの温度を下げるための4つの対策 - ドリリウム

ケースに穴あけしてファンを取り付ける

早速実践していきましょう。

今回選択したファンはAINEXの60mmファンです。

 

非常にコンパクトなファンですが、我が家のPCケースであるThermaltake Versa H17にはスペース的な問題で120mmファンが取り付け困難でした。

位置決めが完璧に決まれば120mmファンを取り付けできそうでしたが、ちょっと自信がないので小型ファンに変更。

80mmなどのファンもありましたが、薄型かつ静音モデルを探した結果、すぐに発送してもらえる製品がこちらの60mmファンしか見つかりませんでした。

 

まずはファンを当てがって穴位置をマーキングします。

穴の対角線上の中心にもマーキング。
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四隅のネジ穴は4mmのドリルで穴あけしました。
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ファンの取り付け部分には55mmのホールソーを使用しました。
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ホールソーは熱を持つと一気に刃が悪くなるので、休憩を挟みながら何度かにわけて穴あけします。
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鉄粉とオイルは綺麗に水洗いして、ブロワーで乾燥。
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バリ取りをして錆止めに色を塗りたいところですが、ちょうど塗料が切れていたのでとりあえずファンをくっつけてみます。55mm穴でバッチリでした。四隅のネジ穴はバッチリ合ってませんでした!でも2か所止めれば十分!
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分岐コネクタに接続して。(配線は後で処理するよ)
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マグネットタイプのファンフィルターもつけておきます。
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画像だと排気側に取り付けていますが、実際には吸気側にして使っています。

 

マグネットタイプのファンフィルターは140mm用です。

ファンを固定するネジの頭が突き出しているため、その出っ張りを吸収できる大きめのファンフィルターを使用しています。

結果

結果はというと、ちょっと微妙な結果になりました。

高負荷時の温度が2~3度低下しました。

(ちなみに排気側に設定するとほぼ変化なしで、吸気側に設定すると2~3度低下)

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こちらはMSI AFTERBURNERのモニタリング画面で、文字が小さく非常に小さいのですがGPU温度が高負荷時に62度を示しています。

 

それ以上に大きなポイントがこちらです。

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ファンをフル回転させると50度台前半で安定します。

しかし、フル回転だと大抵のグラフィックボードはうるさいと思います。我が家のMSI RTX2060もめちゃくちゃうるさいです。

 

しかし、ファンの回転速度を50%程度まで下げても温度は60度台前半で安定します。

GPU真横にファンを増設するまでは、ファンの回転数を落とすと70度を平気で超えていました。

多少ではありますが、冷却性能に余裕が出たようです。

 

ちなみに効果だけを言うと、冒頭で頭の悪いと紹介したグラフィックカードクーラー(2000円くらい)の方が劇的な効果がありました。

付属のコネクタを使用することで5V駆動、7V駆動、12V駆動を選択できます。

12V=フル回転でもグラボほどはうるさくないですが、7Vや5Vにすることでかなり静かになります。

私の場合には5Vで動作させていますが、あるとないとではGPU温度が10度以上違います。

そもそもの原因はGPU周りのエアフローだと思いますが、安価なPCケースではなかなか対策が難しい部分なので、この手の製品で無理矢理熱気を吹き飛ばす対策もアリだと思います。

シングルファンモデルの限界

ということで、散々対策を進めてきましたが最終的に高負荷時に60度台という結果になりました。

FF15ベンチマークを動かして、普段ではありえない負荷をかけてみると70度台後半まで上昇します。Full HDの高品質でスコアは8000点弱。

 

吸気ファンは140mmが2台、排気ファンは120mmが2台。

更に増設した60mmのグラボ横吸気ファンが1台です。

 

吸気を強めたり(正圧)、排気を強めたり(負圧)、両方強くしたり、バランスを調整したりとあれこれ調整しましたが、結果的にどうやっても75度を切ることはできませんでした。

また、ケースファンの回転速度の上限を80%程度まで落としてもGPU温度の最大値は変わりませんでした。騒音を考えて、普段はケースファンの回転速度を50%程度、高負荷時には80%程度まで上昇させる設定に落ち着きました。

ケースのカバーを開けて風を当てても改善しないということは、もうエアフローどうこうの問題ではありません。

 

純粋にシングルファンのグラフィックボードの冷却性能の限界です。

ヒートシンクの熱容量と熱交換スピードの限界と言っても良いでしょう。

これ以上対策するには、ヒートシンク自体を大容量にするなり水冷化するしかないです。

 

ゲームを始めとした長時間の高負荷処理が想定される場合、ファンは2つ以上あった方が良さそうです。

もちろん今回の私のケースのようにケースファンによるエアフローを最適化&最大化すれば高負荷でも80度を下回るわけですから十分な冷却性能は得られます。

しかし、多数のファンとその適切なセッティングが必要かつファンによる騒音問題は避けられません。

(PCを大きなボックスに入れる案や長いケーブル類を揃えて作業スペースからPCを離す案を検討中)

 

GPU用の大型ヒートシンクや空冷製品は残念ながら見当たらないので、水冷化が一番簡単かもしれません。

こういう製品もあるけど選択肢が少なすぎるなぁ。

【GPU冷却強化】グラフィックボードの温度を下げるための4つの対策

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春が終わり、夏が近づき気温が高くなってきました。

この時期になると気になるのがPCの冷却問題です。特にゲームや動画編集などグラフィックボードに負荷のかかる作業をするとグラフィックボードの温度はあっという間に上昇してしまいます。CPUは高性能なCPUクーラーに手軽に交換できるため冷却強化は比較的容易ですがグラフィックボードはそうは行きません。

 

ファンの設定を見直すことで温度の上昇を抑えることができますが、上昇スピードを抑えるだけでピーク温度を下げる効果はありません。元々冷却性能に余力がある場合にはファンの設定だけで温度を下げることができますが、余力がない場合にはピーク温度に達するまでの時間を少し先延ばしする効果しか得られません。

 

今回はGPU温度を下げるための4つの対策を紹介します。

なお、水冷化や冷却装置(ヒートシンク+ファン)を既製品に交換するような大掛かりな対策は除くハードルの低い対策を紹介します。

1.ファンの設定を見直す

まず始めにチェックする必要がある点は、グラフィックボードの冷却性能に余力があるかどうか?です。冷却性能に余力があればファンの設定を見直すだけでもGPU温度を低く保つことができます。

 

GPUファンの設定を見直す場合によく使用されるツールがMSI社のAFTERBURNERです。

こちらからダウンロード可能です。MSI社以外のGPUにも利用可能です。

 

AFTERBURNERを開くと以下のような画面が表示されます。

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現在のGPU温度やクロック数、オーバークロックやダウンクロックの設定が可能です。

左側のメニューからGPU温度や使用状況をモニタリングする画面を開いたり、ファンのスピードを設定する画面を開いたりすることができます。

 

こちらはモニタリング画面の様子です。

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文字が小さくて読みづらいのですが、GPU温度は55度近辺を行き来しており、ファンの回転速度はほぼ100%に張り付いています。

室温は25度程度ですから、ファンをフル回転させているのに冷却が追い付いていないことが見て取れます。

とはいえ、高負荷時で55度であれば決してGPU温度が高すぎることはありません。

高負荷時に70度以内ならあまり気にしなくても良いレベルです。

 

自分がよくプレイするゲームや動画の編集や書き出し処理をしている最中のGPU温度やファンの回転速度の状況をモニタリングしてみましょう。もちろん強制的に負荷をかけても良いのですが、実際に自分が使用する環境下で調整する方が静穏性と冷却性能のバランスを取りやすいです。

ファンの回転速度が100%近いのに温度が高い状態が続く場合は冷却性能に余力がない証拠です。

 

なお、室温が25度で冷却性能に余力があってもGPU温度が25度まで下がることはありません。GPU自体が常に発熱していることもありますが、空冷の冷却効率は温度が室温に近づくにつれて悪化するためです。

GPUに負荷のかかっていない状態では室温+10度くらいが目安です。ただしGPU温度が低い場合に極端にファンの回転速度を抑えている場合やファンを止めている場合には+20度くらいになることもあります。

 

GPUに高い負荷がかかっている時のGPU温度の目安は以下の通りです。

  • GPU温度:50度以下→めちゃくちゃよく冷えてる
  • GPU温度:60度以下→十分冷えてる
  • GPU温度:70度以下→ぼちぼち
  • GPU温度:80度以下→ちょっと苦しい

80度以下だと「ちょっと苦しい」と表記しましたが、高負荷時に一時的に80度以上に温度が上昇するのは問題ありません。

しかし、例えば長時間のゲームプレイ中のGPU温度が常に80度近くまで上がっている状態はあまり良いとは言えません。GPU温度の上限が近くGPUの寿命を縮める可能性があります。

 

もし想定する高負荷環境ではファンの回転速度が100%に達しない場合にはAFTERBURNERの設定画面でファンの回転速度を調整できます。とりあえず常に100%で回転するように設定してGPU温度が十分に下がるかどうか確認してみましょう。

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ファンの回転速度を100%に設定して、GPUが十分に冷えているようであれば冷却性能に余裕があった証拠です。とはいえ、ファンを100%で回転させると騒音が凄まじいことになります。騒音とGPU温度の兼ね合いを見て回転速度を調整してみましょう。

 

ファンを100%で回しても十分に冷却されない場合や、我慢できるラインの騒音までファンの回転速度を落とすと冷却が不十分な場合には次の対策へ進みましょう。

ちなみに我が家のPCにはシングルファン仕様のRTX2060が搭載されており、当然冷却性能に余裕がありませんでした。シングルファン使用のグラフィックボードはコンパクトで安価ですが冷却性能に余裕がありません。スペースの余裕がある場合にはシングルファンよりツインファン、ツインファンよりトリプルファンの方が冷却性能が高くなります。冷却性能が高いということは性能の限界を常に発揮し続けられるということですから実質的な性能も高いということができます。

2.ケースファンの設定を見直す

GPUはヒートシンクとファンの力で冷却をしていますが、効果的に冷却するためには周辺の気温が低く保たれている必要があります。

室温も大きく影響しますがそれ以上に重要なのがPCのケース内の温度です。ケース内温度は場所によって大きく差がでます。これはケース内の風の流れ(エアフロー)の影響で、風の流れがある場所は冷え、逆に風の滞留している場所では温度が上がってしまいます。PCケース内に温度センサーが備わっていることはほぼありませんが、マザーボードの温度を知ることでケース内温度をざっくりと知ることができます。

 

マザーボードの温度を確認するにはHWMonitorというフリーソフトを使用する方法が一般的です。

HWMONITOR | Softwares | CPUID

実際にHWMonitorの画面がこちらです。

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マザーボードはASRock Z390M Pro4で温度は35度であることがわかります。

マザーボード温度およびPCケース内温度は概ね室温の+10度程度であれば正常と言えます。+20度を超えると十分にPCケース内の換気(吸気と排気)が行えていない可能性があります。マザーボード温度が室温の+20度を超えている場合、GPU周辺などの高温部は更に高い温度になっていることが推測できます。

 

手っ取り早い方法としては、PCケースのフタを開けてみてください。これでマザーボード温度やGPU温度が下がるようであれば、ケースファンの設定見直しが必要です。冷たい空気を取り入れるための「吸気」、熱い空気を吐き出すための「排気」。このいずれかが不足しているとケース内温度が上昇し、結果的にGPU温度も上昇させてしまいます。

 

まずはPCケースに取り付けられるだけのケースファンを取り付けると良いでしょう。(おすすめしませんが、PCケースのカバーを外したり扇風機の風を直接当てると効果絶大です。)

我が家で使用しているPCケースは格安PCケースの定番ともいえるThermaltake Versa H17です。このケースには4つのケースファンを取り付けることが出来ます。前面に2つ、背面に1つ、天面に1つです。

信頼できるメーカーのファンのなかでもお買い得なのはこちら。

100%回転にするとうるさいですが、80%以下で回す分には静かで良いです。何より安くて無駄に光らない点が魅力です。

ケースファンの電源が足りない場合には、簡易的な速度調整も可能な分岐ケーブルを使用しましょう。こちらの商品はSATA電源で動作し、簡易的な速度調整も可能です。

 

こちらがCorsair ML140を4つ取り付けた我が家のPCの内部です。

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前面にある2つのファンから冷たい空気を吸気して、天面と背面のファンで熱い空気を排気しています。緑の矢印は空気の流れのイメージです。吸気ファンのうち、下側のファンはほとんど電源ユニットに隠れているため、おそらくGPU周りは空気の流れが少ない状態になっています。一方で、CPUは空気の流れ的に非常に理想的な位置にあります。

 

ここでは前面から吸気して、背面・天面から排気しています。

特に決まりがあるわけではありませんが、一般的に前面から背面へ空気の流れを作ることが多いです。これはPCの前面側には人がいることが多いことや、背面の方がより効率良く空気を排出できる荒いメッシュ状になっているケースが多いことに起因します。

同様に底面から天面へ空気の流れを作ることが多いです。これは熱い空気は上へ上へと昇っていく特性があるためです。

ファンの吸気と排気は取り付ける向きを変えることで容易に切替できるため、自身のPCケースにあった吸排気ができるように試行錯誤してみても良いでしょう。

 

ファンを増設したらまずはすべてのファンを騒音が気にならない程度に動作させてみてください。もし今までPCケース内の換気ができていなかった場合、ケースファンを追加して静かに回すだけでもGPU温度が5度以上下がることがあります。

 

もし変化が得られないのであれば排気側のファンを少し高めの回転速度で回してみましょう。我が家の場合、ケースファンは20%程度の速度でゆるゆると回していたのですが、排気側のファンの速度を上げたところGPU温度が5度ほど低下しました。

3.グラフィックボードクーラーを増設する

世の中にはGPUを冷却するための専用の製品が存在します。GPUの隣のスロットに設置できるファンです。

 

価格も安いのでとりあえず試してみても良いかもしれません。

こちらの商品を実際に使用している様子がこちらです。

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GPUの隣に2連ファンがついていますね。

シンプルでアナログな手法なのですが、我が家のPCケースはGPU付近の空気の流れが良くないですから、この2連ファンが強制的に熱気を吹き飛ばすお陰でGPU温度が5度程度下がりました。この2連ファンが広い範囲から空気を集めることで冷たい空気を取り込みやすくなっている説もありますが、たぶん熱を撒き散らす効果の方が高いと思います。

このグラフィックカードファンのお陰でGPU付近の熱気がPCケース内に撒き散らされることになりますから、あわせてケースファンを少しスピードアップさせてやることで、我が家の環境ではGPU温度が劇的に低下しました。

 

ただし、通常の内排気GPUはファンで風を吸い込んで熱気をケース内に撒き散らかす仕様です。すぐ隣にこのようなファンを設置すると逆効果になることもあるので注意が必要です。

4.側面ケースファンを増設する

さて、ここまでの対策で冷たい空気をGPUへ運び、GPUの排熱をPCケース外に排出することが重要だということがわかりました。

それならGPUの真横にファンを付けたら良くない?と誰しもが思うことでしょう。通常の内排気GPUの場合、GPUのファンの目の前に吸気ファンがあれば最高ですね。あるいはGPUの目の前に排気ファンがあっても良いでしょう。

 

私が使用しているThermaltake Versa H17を始めとして安価なケースや小さめのケースはGPUを冷却するためのケースファンが取り付けられないことが多いです。高価なケースや大きめのケースはGPUの横(拡張スロット横)にファンを取り付けられることもあります。

 

そこでケースに穴を開けてGPU真横にファンを取り付けてみました。決しておすすめの方法ではなく、PCケースのカバーを外しているのと大差ない方法ですが、工作好きの方は試してみても良いかもしれません。

こちらの記事で詳しく解説していますが、意外と安く簡単に実践できます。

【ケース加工】ケースファンを追加してグラフィックボードに冷風直撃! - ドリリウム

ドリルなどの工具さえあれば2000円くらい。ホールソーやニブラーを買い足しても3000円くらいで増設できます。ただし、記事内でも解説している通り劇的な効果は見込めません。手っ取り早くカバーを外した方が良いでしょう。

まとめ

GPUの冷却強化について対策をまとめてみました。

GPUクーラー自体に手を加えるような対策は、大掛かりなうえ破損の危険もあります。

また、GPUクーラー周りに手を出そうとすると保証対象外になってしまいます。

(我が家のRTX2060はとっくに分解済みで保証対象外だけど)

 

そこで、GPUクーラーに手を出さずに出来る冷却対策をまとめてみました。

最後のGPU真横にクーラーを増設するという手段はやや難易度が高いかもしれませんが、効果が非常に高く3000円程度の予算で実行可能です。

また、それ以外の3つの手段で大抵の場合は十分な冷却性能が得られるはずです。

 

我が家では、1~3番の対策を施しただけでゲームプレイ中のGPU温度が70度→55度まで低下しました。

追記:ダウンクロックと電力制限で発熱が劇的に抑えられました

diy-kagu.hatenablog.com

ファンが故障したRTX2060に後付けファンを取り付けてみた【MSI GeForce RTX2060 AERO ITX 6GB OC】

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MSI RTX2060 AERO(正確には、MSI GeForce RTX2060 AERO ITX 6GB OC)が故障しました。

2019年11月にAmazonで新品購入し、約1年半ほど使用してきました。

 

故障時の記録は以下の記事にまとめてあります。

【MSI RTX2060 AERO】2年弱の使用でまさかの故障!不運?不具合?どうしよこれ。 - ドリリウム

修理の様子は以下の記事にまとめてあります。珍しいファン故障でした。

【MSI RTX2060 AERO】故障したファンを分解・修理 - ファンが回らなかった理由とは? - ドリリウム

 

さて、ファンを修理したRTX2060ですが、明らかな初期不良が見つかったファンの状態に不安があります。

そこでこちらの後付けファンを購入してみました。

 

拡張スロットに取り付ける2連ファンで、PCI用9025グラフィックカードファン2連という商品です。

GPUの隣にファンを取り付けることで、より冷却性能を高めようという狙いの商品みたいです。

最悪の場合、これを利用してGPUの純正ファンとファンシュラウドを除去して冷却するのも不可能ではないのかも?

取付してみるも・・・小さいケースには厳しいかも

さて、早速取り付けしていきましょう。

 

今回買い揃えたのがこちらの商品たち。

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マザーボードはファンコネクタが少ないため、SATA電源から分岐可能な便利アイテムも購入。

GPUは何度も分解しているのに、グリスを塗り替えていないので買っておきました。

HY-883という安さだけで選んだ一品。

 

ちなみに今回のPCの構成は自作した際の記事で紹介しています。

【2019年決定版】OS込み10万!最強コスパIntel&RTX搭載PCの構成を紹介します【Micro ATX】 - ドリリウム

抜粋するとこんな感じ。

[ケース] Thermaltake Versa H17

[マザーボード] ASRock Z390M Pro4

[CPU] Intel Core i5 9400F

[電源] Thermaltake Smart 600W

[メモリー] CORSAIR DDR4 2666MHz VENGEANCE LPX 8GB × 2枚

[グラフィック] MSI GeForce RTX2060 AERO ITX 6G OC

[ストレージ] Samsung 860EVO 500GB

[OS] Windows 10 Home

 

もう手慣れた初期不良のMSI RTX2060を分解し、グリスを掃除して塗りなおし。

純正の状態に準じてモリモリです。元々かなりモリモリだったみたいなので準じておきました。

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MSI RTX2060を元に戻して、問題の2連ファンを取り付けてみましょう。

風の向きはGPU側から吐き出して、反対側から吸う流れです。GPUに風を当てる感じ。

GPUのファンは吸気するわけですから、吸気口に排気をぶち込む頭の悪い製品です。ターボチャージャーみたいなものですね。

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しかし、これは・・・・。

拡張スロットが少なく、GPUにギリギリ寄せないと取り付けできません。

2連ファンの裏も表もキツキツ。しかも固定が弱くてグラグラ。動作させるとぶるぶる。

 

ちなみにMAXで回転させましたが、意外と静かです。

ケースファンとして4基のCorsair ML140を使用しているのですが、全力で回転させるとむしろCorsair ML140の方がうるさい気すらします。Corsair ML140はうるさいというレビューもちらほら見えるので、有名メーカーのうるさいファンより静かということで。

 

試しにいつもプレイしているLOST ARKというゲームを実行してみました。

このゲームを起動して、何もせず放置していると69℃あたりでGPU温度が安定します。

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2連ファンを取り付けた結果は、54℃前後で安定しており、実に-15℃!

塗り替えたグリスの効果もあるのかもしれませんが、上々でしょう。

とはいえ、先述の通り固定がほぼ1か所だけで、振動します。今回は取り外して使うのをやめました。

 

ちなみに取り外して同じように計測するとGPU温度は64℃くらいで安定します。

単純にグリスを塗り替えただけで5℃下がっています。

古くて固まりかけのグリスを再利用するのが良くないことだと実感。

 

ちなみにファンの仕様は以下の通りです。

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タイラップ、プラスドライバー、取り付けネジ、グリスなど付属する結構新設設計。

 

GPU温度に悩まれている方でケースの大きさに余裕のある方にはおすすめ。

 追記

結局こちらのクーラーは使うことにしました。

やっぱりつけてるだけで効果絶大。

 

吸気側のケースファンからの空気を無理矢理吸い集めて、グラフィックボードに当ててくれる効果はでかいです。

下図の通り、ケース内が狭いため空気の流路が狭いものの、無理矢理空気を集めてグラフィックボードに送り込んでくれる点は紛れもない事実。

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こちらの記事でケース内のエアフローを最適化しましたが、やっぱりこれがあるとないとでは大違い。

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追記:ダウンクロックと電力制限で発熱が劇的に抑えられました

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【園芸】殺虫剤・殺菌剤の使用回数制限対策には「ローテーション」がおすすめ!

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家庭菜園の野菜やガーデニングの草花につく害虫にお悩みではありませんか?

既に農薬をお使いの方も、「使用回数制限にすぐに達してしまう」「あまり効き目がない」と困っていませんか?

 

家庭菜園やガーデニングで厄介な害虫対策をするには農薬の使用が欠かせません。

「農薬」と言うと忌避感を抱く方も居られるかもしれませんが、天然由来の成分で出来た薬剤や有機農産物として認められる薬剤も一括りに「農薬」と表現しています。

 

そんな害虫対策に有効な農薬の活用方法を紹介します。

農薬は複数種類をローテーションして使う

一般家庭でよく使われる農薬には大きく分けて2つの種類が存在します。

 

1つがそのまま使えるスプレータイプの薬剤。

もう1つが水で薄めて使う乳剤や粉末タイプの薬剤です。

スプレータイプ 薄めて使うタイプ
住友化学園芸 ベニカXファインスプレー 住友化学園芸 ベニカ水溶剤

スプレータイプは手軽さが魅力ですが、コストパフォーマンスが悪く、たくさんの成分を含んでいるため使用回数制限が厳しいです。

コストパフォーマンスの面でも使用回数制限の面でも、極めて小規模な園芸環境(※)を除いて適していません。

※ベランダ栽培など、プランターが数個程度なら適している

一方で、薄めて使うタイプは噴霧器や水に溶く手間がかかるものの、コストパフォーマンスに優れ、ローテーションすることで害虫への高い効果と使用回数制限を超えた頻繁な薬剤散布が可能になります。

害虫への高い効果

害虫のなかには、特定の成分への耐性が高く効果が薄い害虫が存在します。

そうした害虫に幅広く対応するために、違う成分の薬剤を散布するローテーションが有効です。

今月はスミチオン、来月はモスピラン、再来月はベニカのように違う薬剤を順々に使うことで、幅広い害虫に高い効果を発揮することができます。

使用回数制限を超えた頻繁な薬剤散布

薬剤には必ず使用回数制限があります。

これは生産・販売する農家の方に向けた制限であり、自身で消費するだけの家庭菜園であれば超えてもすぐに健康に被害がでることはまずありません。

とはいえ、あまり回数制限を超えて農薬を使用したくないものです。

その一方で害虫は次から次へと現れて、作物を食い荒らしたり病気のもとになったりします。

 

そんな時に有効なのがローテーションです。

農薬の使用回数制限は、その農薬の成分に対する使用回数制限です。

例えば「ベニカ」の有効成分は「クロチアニジン」です。

ベニカ」の説明を見ると、トマトに対して3回まで使用可能と記載されています。

これは「クロチアニジン」を有効成分とする農薬の使用回数制限です。

 

つまり、「クロチアニジン」以外を有効成分とする農薬であれば、この使用回数制限は関係ないということになります。

 

例えば「フェニトロチオン」を有効成分とする「スミチオン」という農薬は、トマトに対して2回まで使用することができます。

「ベニカ」で3回、「スミチオン」で2回の合計5回まで薬剤を散布することができるわけです。

 

更に「アセタミプリド」を有効成分とする「モスピラン」という農薬は、トマトに対して3回まで使用することができます。

先ほどの2種類の農薬とあわせて、合計8回も散布できます。

これだけ散布できれば十分ですね。

スプレータイプはローテーションが難しい

手軽で便利なスプレータイプの農薬。

コストパフォーマンスが悪いと言っても、やっぱりスプレータイプが便利で良い!という方は多いと思います。

 

しかし、スプレータイプの農薬でローテーションをするためには厄介な問題があるのです。

 

例えば2つの農薬を例にとって説明します。

「ベニカXファインスプレー」にはクロチアニジン・フェンプロパトリン・メパニピリムという3種類の成分が含まれています。

「GFモストップジンRスプレー」にはアセタミプリド・フェンプロパトリン・チオファネートメチルが含まれています。

フェンプロパトリンが重複しています!

これでは、この2つの農薬でローテーションすることができません。

 

スプレータイプの農薬には、基本的に複数種類の有効成分が含まれています。

高いスプレーになればなるほど有効成分は多くなる傾向があり、例えば「ベニカXネクストスプレー」に至っては5種類の異なる有効成分で構成されています。

 

薄めて使うタイプのスタンダードな農薬は、基本的に1種類の有効成分しか含まれていません。

だからローテーションも比較的簡単に行うことができます。

それがスプレータイプでは最初から複数の薬剤がすべて混ぜ合わせてあるので、ローテーションする場合には成分がひとつも重複しないものを探し出さないといけないのです。

噴霧器を手に入れて一歩先の園芸を始めよう

スプレータイプを否定するような内容になってきましたが、決してスプレータイプが悪いというつもりはありません。

しかし、極めて小規模の園芸環境を除いてコストパフォーマンスが悪いです。

コストパフォーマンスが悪いということは、容器やパッケージの消費も激しく環境にも悪いということです。

 

また、状況に応じた薬剤の使い分けが出来るという点においても、スプレータイプではないスタンダードな農薬に軍配があがります。

なんとなく敷居の高いイメージがあるかもしれませんが、噴霧器をゲットして是非より効果的な農薬の使用を始めてみましょう。

 

噴霧器は1000円程度でホームセンターや通販で手に入れることができます。

 

選び方のポイントは「蓄圧式」で「ロングノズル付き」の商品を選ぶということです。

 

「蓄圧式」は、最初に何度かポンピングをすることで容器内に圧を蓄え、後はボタンを押せば噴霧することができます。

スプレータイプは指が疲れますし、電池式は湿度に弱く扱いが面倒くさいです。

 

「ロングノズル付き」は、葉の表面・裏面に散布する時に楽なだけでなく、茂った植物の内側などに散布する時に手に農薬が付く心配がなくなります。

ロングノズルがあるだけで散布が非常に楽になるので絶対にあった方が良いでしょう。

 

噴霧器の容量は一般的なお庭であれば2Lで十分です。

小規模なお庭なら1L、大きなお庭では4L以上の肩掛けタイプが必要になります。

手持ちで使用する時に2Lでは少し重さを感じるため、あえて1Lタイプを選んでも良いでしょう。

ローテーションする薬剤の例

ローテーションする薬剤の選び方は、有効成分が重複しなければ良いので適応する植物の種類や効果で選択すると良いでしょう。

 

我が家はレイズドベッドを使って野菜全般を栽培しています。

イチゴは毎年必ず育てていますが、それ以外はその時の気分で根菜類から葉野菜まで幅広いです。

また、果樹(柑橘類)を植えているのと、花壇には草花もあります。

 

そんな私が選んだ薬剤は以下の通りです。

殺虫剤

  • ベニカ水溶剤
  • スミチオン乳剤
  • モスピラン液剤

殺菌剤

 

  • GFベンレート水和剤
  • サンケイオーソサイド水和剤80

いずれも幅広い病害虫に効果を示し、なおかつ適応する植物も多い薬剤です。

【MSI RTX2060 AERO】故障したファンを分解・修理 - ファンが回らなかった理由とは?

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MSI RTX2060 AERO(正確には、MSI GeForce RTX2060 AERO ITX 6GB OC)が故障しました。

2019年11月にAmazonで新品購入し、約1年半ほど使用してきました。

故障時の記録は以下の記事にまとめてあります。

【MSI RTX2060 AERO】2年弱の使用でまさかの故障!不運?不具合?どうしよこれ。 - ドリリウム

故障の症状

ファンが故障したと判断した理由はその動きです。

電源投入時やGPUの温度が上がり、ファンが回ろうとしたときに「ピクピク」「カクカク」と小さく動くのです。

動き出そうとして、回転できず止まってしまう感じ。

 

この手の故障では、指で回転させて勢いをつけてやることで回転し始めるケースもありますが、今回は指で勢いをつけても回転しません。

ピクピクと動くことから、電気は流れてきているようです。

 

ファンは構造が遥か昔から変わっていない非常にアナログな機械です。

安物だろうとノーブランド品だろうとそう簡単に壊れるものではありません。

 

しかも、MSI社製のGPUに搭載されるファンです。

高価なファンが付いているとは思いませんが、ある程度品質管理が出来ていて耐久性もあるファンが搭載されているだろうと推察できます。

 

ちなみに実際に搭載されているファンは希铂利亚科技有限公司(XBLY)というメーカーのXY-D10015CHです。DC12V、0.55A、5000rpm、4ピンというスペック。

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ファンの分解・修理

GPUに搭載されたファンは、コネクタさえ抜ければGPU本体を分解せずとも取り外すことができます。

しかし、部品が所狭しと搭載されたGPUではなかなか都合良くはいきません。

MSI RTX2060 AEROも、分解せずにファンを取り外すことはできませんでした。

 

分解のためには、このシールを突き破ってネジを緩める必要があります。

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warranty void if removedと記載されており、このシールを破ったり剥がしたら保証は無効だよという意味です。

修理に1カ月+有償な時点で保証の価値はないと判断して気にせず作業を進めます。

 

本体裏面にあるビスをすべて外していきます。

プラスの精密ドライバーが必要です。

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裏面のビスを外すと、本体とファン及びヒートシンク部分を分離できます。

グリスがへばりついているためちょっと力を入れて剥がすイメージです。

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冷却ファンの4ピンコネクタを外します。破損しないように注意。

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特に異常は見当たらないのでファンを開けてみましょう。

台座とファンを引っ張ると分離できます。

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いやいや、シャフトがスナップリングで固定されているんだから、抜けるわけないじゃん。

抜けたとしてもスナップリングを壊す勢いで抜かないと抜けないはずじゃん。

 

 

なんだか原因がわかってしまった気がしますが、とりあえず先に進めます。

よーく見ると、なんか汚くない??

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なんか黒いカスがいっぱいある。

何か黒い樹脂が削れたようなものに見えます。

内部も茶色く一面に錆びたように見えますが、これはそういう色のグリスと思われます。

中には密閉式のベアリングが2つ。

新品交換しても良いですが品番の記載がありません。固着も引っかかりもないので問題なさそう。

 

パーツクリーナーで念入りに掃除しました。

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エアダスターでよく乾燥させて、グリスアップします。

使用するのは車の整備用に持っていたシリコングリス。あらゆる性能がバランス良く高く、樹脂も侵さないグリスです。

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グリスを気持ち多めに塗布したところ。

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ちなみにベアリングはコイルがある側と、羽がある側に一つずつあります。

コイルがある側のベアリングは裏側からシールを剝がさないと取り外すことができません。

故障原因:ベアリングを保持するスナップリング脱落

さて、原因とご対面です。

コイル側のベアリングも取り外して綺麗にしようとファン裏面のシールを剥がしたところ・・・・

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んんん??????

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そうそう、スナップリングね。

これでシャフトが抜けずベアリングが保持されているんです。

スナップリングはC型の軸用です。一般的なスナップリングプライヤーの先っぽが入る穴が2つあるスナップリングと形状が異なりますが、径が小さくなるとスナップリング自体も小さくなるため穴を2つ取ることができずにこういう形状になるみたいです。

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はい、これが今回の故障の犯人です。

ファンが故障した際に発生した異音は、これが脱落して軸受けが機能しなくなって発生した音だったんでしょう。

 

今回ファンを取り外した際に、羽側を持っただけでスポンとファンが分離できてしまいました。

余分なグリスは拭き取って、スナップリングをシャフトに嵌め込みます。

このままではガバガバですぐに抜けてしまうので、ペンチで締めこみました。これでダメなら市販のC型スナップリング(軸径3mm)を買って交換したいと思います。

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これで、ファンの羽を持っても台座側と分離することはなくなってしっかり固定されています。

 

シールは接着剤で貼りなおして、マザーボードに取り付けて電源を入れるとあっさり起動。

ファンも問題なく動作しています。

たぶん、滅多にない故障というか初期不良

今回の故障は、明らかな初期不良です。

おそらくメーカーに送ったところで初期不良という扱いにはならず、ファンの故障として普通に有償修理になっていたと思います。

だって、メーカー(MSI)的にもファンのスナップリングが脱落するなんて絶対に思わないし、ここまで見ないと思う。

ファンの供給元である希铂利亚科技有限公司(XBLY)だって想定していないでしょう。

これだけシンプルな構成で枯れに枯れ切った技術の集大成であるファンのスナップリングが脱落するなんて、品質管理を潜り抜けてきた貴重な一品に違いありません。

 

スナップリングが脱落した原因が、元々取り付けに問題があったのか、スナップリングの精度が悪かったのか、シャフトの傾きや偏摩耗によるものかはわかりません。

スナップリングが緩んで伸びているようなこともないため、スナップリング自体の精度が低く緩かったか、取り付けに問題があり摩耗して緩くなったかのいずれかでしょう。

いずれにせよ、このファンは信頼性が低いため近い将来交換したいと思います。

 

残念ながらMSI RTX2060 AERO用のリペア用ファンは流通しておらず、純正品であるXBLYも見つかりません。

 

そこで、ファンとファンシュラウド(なんていうの?)を外して、こちらの汎用のグラフィックカードファンを取り付けてみようと思います。

 

追記

2連ファンを追加してみました。

diy-kagu.hatenablog.com

【MSI RTX2060 AERO】2年弱の使用でまさかの故障!不運?不具合?どうしよこれ。

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MSI RTX2060 AERO(正確には、MSI GeForce RTX2060 AERO ITX 6GB OC)が故障しました。

2019年11月にAmazonで新品購入し、約1年半ほど使用してきました。流行りのマイニングをするわけではなく、簡単な開発やWeb閲覧、動画編集やゲームもたまにしていました。

基本的にGPUを使う作業はなく、たまに動画編集やゲームでフル稼働すると言った平凡な使用状況だったと思います。

 

今回の故障?不具合?についてはメーカーに問い合わせをしています。

おそらく故障扱いで、有償修理を提案されると思います。

進展があれば追記しますが、スムーズに進むとは思えません。

完全な初期不良でしたが、自身で分解・修理して判明しました。

詳しくは以下の記事でファンの故障修理の経緯や手順を解説しています。

【MSI RTX2060 AERO】故障したファンを分解・修理 - ファンが回らなかった理由とは? - ドリリウム

なお、MSI Japanに問い合わせたところ日本の代理店である「株式会社アスク」に問い合わせるように指示がありました。

問い合わせてみたところ、海外にあるメーカー拠点での修理になるため1カ月以上はかかるとのことでした。

お問い合わせ | 株式会社アスク

故障したのはファン

今回故障したのはなんとファンです。

グラフィックカード上に乗っかってるファンです。

ファンなんて地球ができた頃からありそうな超絶アナログ機械が壊れるとか、ありえません。品質管理をくぐり抜けた超レア初期不良個体だったのでしょう。

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思えば、新品時から時折カラカラという情けない音を出していました。この時点で交換を申し入れておくべきでしたが、一度組んで安定稼動し始めたものを修理や交換に出す手間を考えると、ついつい多少の異音くらいは黙殺してしまいました。

 

先日、嫌な異音が聞こえ、それと同時にやけにファン音が静かになりました。

PCの動作に支障がなく、仕事中だったので無視したのですが、おそらくここでファンが壊れたのでしょう。

簡単な事務作業しかしていなかったので、何かのバージョンアップやWindowsアップデートを機に発生したわけではなさそうです。

その数日前にWindowsアップデートを実施しましたが、直接の関係はなさそうです。

故障後のファンの様子を見ると、ファンが動き出そうとピクと動きますが回転し始めてくれません。

こういうときは手で勢いを付けてやることで回転を始めたりしますが、全く効果無し。

ドライバーを入れたり、afterburnerで無理矢理動かそうとしても効果無し。

ファン故障と考えるのが無難でしょう。

症状

症状はファンが動かないこと。

ファンが動かないとどうなるかと言えば、どんどんGPU温度が上がって、100度弱まで上がるとストンといきなりブラックアウトします。

もちろんGPUに負荷をかけなければ問題ないし、ゲームや動画編集に使う場合、こういう力技でもギリギリ動きます。

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グラフィックカードを買うには時期が悪い

2021年5月現在。

冗談ではないほどグラフィックカードを買うべきではない時期です。そもそも購入可能な選択肢すら限られます。

仮想通貨のマイニングブームの影響でグラフィックカードが高騰し、それでも買い漁る人がいるものだから、どこも在庫切れ。

あるのは数世代前のモデルだけで、しかも割高。

メーカーに修理に出したとしても、運良くファンの在庫があれば良いですがとにかく時期が悪い。

しかもメーカーに修理に出せば往復の郵送だけで4、5日はかかるでしょう。

まずもって問い合わせた回答がいつまでも来ないことから、スムーズに進んでますざっと1ヶ月はかかりそうです。

それまでグラフィックカードなしは流石に耐えられません。

まともな価格で流通しているのであればRTX3070あたりを購入して、故障したRTX2060はメーカー修理を受けた上で予備にするのが無難な選択肢ですが、とにかく時期が悪い。新しいグラボが買えない。

グラフィックカードのリペア用ファン

グラフィックカードのリペア用ファンというものが存在します。

しかし、当然のようにまだまだ新しいRTX2060用ファンは見当たりません。

RTX2060に付属の純正ファンの品番で調べてみても見つからず。

2021/05/11時点で2180円とファン一個にしては割高ですが、早急に修理したかったので一か八かでこちらのファンを注文しました。

MSI社製のGTX1060などに適合する4ピンのシングルファン。

MSI RTX2060 AEROには4ピンのシングルファンが搭載されています。この手のファンは多くの機種で流用されることが多いため運が良ければ適合するはずです。

 

MSI RTX2060 AEROのファンの直径は約95mm。

これはファンの羽の端から端までの長さを計ったものです。

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メーカーは希铂利亚科技有限公司(XBLY)です。

一般向けではない内蔵ファンなんかを作っている中国の広東省 深圳市にある会社らしい。

 

モデル名はXY-D10015CHです。

DC12V、0.55A、5000rpmというスペック。

 

先ほど私が一か八かで注文したというHA9015H12F-Zには以下のようなスペックが記載されています。

電圧:DC 12V 0.50A Single Fan

型番:HA9015H12F-Z

サイズ:85x85x15mm

穴距離: 42.5mm*42.5MM*42.5MM

ファンを固定する3つのボルト穴の穴距離で取付可否が判断できるようですが、ここまでチェックしていませんでした。

サイズは85mmとありますからちょっと小さいかも。

電流値は誤差程度ですが0.05A低いです。

 

どうなることやら。

 

追記1

リペア用ファンのHA9015H12F-Zが届きました。

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スペックはDC12V、0.55Aまでは同じ。

その後の数字が1060とありますが、RTX2060純正ファンには1650の表記があります。

この数字ってもしかして搭載されるGPUの型番?

最後に4000rpmと、純正より1000rpm低いです。

ただし、純正ファンでも最大で約2800rpmまでしか回らないようなので、ここは特に問題なさそうです。

羽を指で回してみた感じは若干重たいもののスムース。

 

ちなみに並べるとこんな感じで、一回り小さいですが取り付けはできそう。

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試してないので、目視で取付穴位置が合ってそうだと判断しただけです。

 

追記2

ファンを分解・修理したら直りました。

滅多に見られない初期不良が原因でした。

diy-kagu.hatenablog.com

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