【レビュー】輸入車オーナーが2代目スズキ・ハスラー(HYBRID G)を購入した結果
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スズキ・ハスラー(MR92S)を購入しました。
軽SUVの先駆けであるハスラーの2代目です。
グレードはHYBRID Gという一番安いグレードで、ターボはなし。
この車を選んだ理由は以下の記事で長々と解説しています。
【MR92S】輸入車オーナーが2代目スズキ・ハスラー(HYBRID G)を選択した理由 - ドリリウム
紆余曲折あって選び抜いたハスラーですが、実は一度も試乗していません。
今回の乗り換えにあたって散々試乗をしまくった癖に、肝心のハスラーは試乗していなかったのです。
その理由はというと、先ほど紹介した記事のなかでも解説しているのですが、走行性能や快適性はどうでも良いという結論に達していたからです。(N-ONEとタフトは試乗した)
今回はハスラーに乗って感じたことを列挙していこうと思います。
ちなみに今回の車選びを主導した妻は生粋の輸入車オーナー。妻の感想を中心に紹介します。
1.めちゃくちゃ不安定でふらつく
これは他の軽自動車やSUVを試乗した時点でわかっていたことですが、めちゃくちゃふらつきます。
普通車のSUVですらふらついて気持ち悪いと言っているほどですから、軽SUVのふらつきは凄まじく感じます。(妻はマツダ・CX-5に乗ってふらついて気持ち悪いと却下した)
路面の大きめの段差やうねりがあると、車の上の方あるいは自分の頭がめちゃくちゃ横方向に振られます。これ、乗り物酔い酷い人は絶対酔うよね。
ただ、現在の幅が狭く背が高い軽自動車では致し方ないことです。
幅の制約がない普通車だとしても、バンや背の高いSUVはふらつきます。
これが幅に制約のある軽自動車ともなれば凄まじいことは想像に難くありません。
とはいえ、これはわかっていて購入しましたし、片道2kmを運転手一人で乗るだけなので許容できる範囲です。
2.CVTがスムースで快適
2代目ハスラーはCVT+マイルドハイブリッドで駆動します。
普通車のCVTは何度か乗ったことがあるものの、ある程度パワーのある普通車にCVTがあっても変速や音の気持ち悪さしか感じませんでした。
しかし、パワーのない軽自動車とCVTのマッチは不思議と気持ち悪くありません。
頑張って加速する時は元気よくエンジンが唸り、巡行時には穏やかに走ります。ただそこに変則時の音の変化やショックがないだけ。
単純にCVTが進化しているだけかもしれませんが、変速ショックがなくてとっても快適です。
元々乗っていたルノー・ルーテシアは化石のような1.6L4気筒エンジンと4速ATの組み合わせでした。もはやこの時代のフランス車の定番ともいえる化石4速ATです。
元気よく走る時には気にならないのですが、普通に乗っているとギア数が少なくて引っ張り気味だし、変速ショックも大きいしで不快でした。
3.パワーは必要十分
パワーは必要十分。というと誤解がありそうですが、加速は必要十分です。
少しアクセルを踏んだだけでもスロットルをスムースかつ大きくガバリと開いて加速します。
逆に言えば、アクセルを更に踏み込んだところで、踏み込み量に応じた加速力は得られません。
これは日本車特有のセッティングですが、ここのセッティングの絶妙さ加減は感心するほどです。
短距離の街中を走るだけなら全く困りません。
とはいえ、踏み込み量に応じたリニアな加速が得られないということは、スムースな運転ができないということです。
同乗者が居る場合には、かなり神経質な運転をしないと不快な思いをさせてしまうでしょう。
よく大きな排気量のエンジンの車は運転が疲れないと言いますが、まさにここです。
4.車内は静か
車内は想像以上に静かです。
タイヤは純正の新品。当然の安いタイヤですが、よく遮音や防音が出来ています。
もちろん軽自動車にしては、と前置きがつきますが、それでもコストパフォーマンスに全振りしているコンパクトカーや商用車よりマシかも?と思うくらい。
エンジンもパワーがないのでよく回りますが、少し遠くで唸っている感じでダイレクトにエンジンノイズが耳に入ってくる感じはありません。
軋み音やガタガタというような品質の低いノイズもあまりありません。
ただし、速度が60km/hくらいを超え始めるといきなりうるさくなり始めます。
主にロードノイズで、タイヤで多少の改善は見込めると思いますが限度があるでしょう。
我が家の場合には街中を片道2km乗るだけで、60km/hも出さないので静かなものです。
5.乗り心地は良い
冒頭で不安定でふらついて気持ち悪いとか言いましたが、それを除けば乗り心地は上々です。
日本車らしいふわふわした乗り心地は大きなセダンであろうと、このハスラーであろうと一貫しているのは面白いです。
路面のざらつきや小さいな段差も、フラットとは言えないまでもそこそこ綺麗にいなしている感じ。
ゴツゴツ・ガタガタした昔の軽自動車の乗り心地とは全くの別物です。
僕が長年乗り継いでいるBMWも、5シリーズになると大分快適ですが3シリーズなんかは快適性皆無なので、ふわふわした乗り心地に慣れている人なら3シリーズよりハスラーの方が乗り心地が良いと感じる人もいるかもしれません。
日本車の目指す方向性の先にあるロールスロイス・ゴーストは高速で路面のうねりを越えるとフワリと浮遊感を感じます。プラットフォームを同じくするBMW・7シリーズは接地感が強いです。
僕は後者が好きなだけで、どちらが上とも思いません。
6.後席が広い
軽自動車やバン系の自動車ユーザーからすると当たり前かもしれませんが、後席めちゃくちゃ広いです。
安全性を考えると軽自動車の後席は絶対に使うつもりはありませんが、めちゃくちゃ広い。
BMWのなかで異端児だと勝手に僕が思っている7シリーズより広く感じる。
高さ方向に広い点も寄与していると思うけど、足元のスペースは本当にラグジュアリーセダンより広いんじゃないかってくらい広い。
7.荷室は狭い
荷室は狭い。
後席を前にずらしても狭い。
後席を前に倒してやっと実用的だけど、思っていたより広くない。
後席を倒したら大の大人が寝転がれるくらい広いのかなぁとイメージしていて、実際に後席を倒した時の期待外れ感は大きい。
よく考えたら車体が3.4mしかないんだった。
8.いろんな質感は低い
例えばリアハッチを開いた時の手に伝わる感触や開く動作、エアコンの温度を操作するボタンの感触。
そうした細かな質感はやっぱり価格なりといったところ。
もちろん軽自動車がコストパフォーマンスに特化して進化していることを考えれば、この手の質感は求めてはいけないわけだけど、一応言及してみる。
9.鉄ホイールが素晴らしい
我が家のハスラーには、白く塗装された鉄ホイールが装備されています。
これのデザインは大変好ましいです。
そもそもホイールはデザインを重視しなければ鉄の方が頑丈だし、その武骨な雰囲気は個人的に大好きです。
高価なアルミホイールを除けば鉄ホイールの方が軽量なことも珍しくないらしい。
一方で上級グレードに装備されるアルミは、大変失礼ながらなんだか安っぽい。安いアフターパーツメーカー製のホイールみたい。
(昔の3シリーズには鉄ホイール風デザインのアルミホイールが設定されていたような記憶があって、それがやたら軽いと言われていた記憶がありますが、もう記憶が定かではありません。)
10.整備性が良さそう
めちゃくちゃ全部入りの保証がついているので自分で整備する機会はなさそうですが、エンジンルームはスカスカで一目で何がどこにあるかわかるため整備性は良さそうです。
やっぱり自然吸気エンジンは良いです。
過給機があるとどうしてもエンジンルームの見た目が悪くなります。
まとめ
質感や性能、安全性は最低限という割り切りがあって潔いです。調べていませんが、おそらく製造工程や素材、ライフサイクルまで加味した場合の環境性能は低く、環境活動家向きとは言えないでしょう。
一方で、実用性は車体サイズの制限の中で最大限努力しており、維持費も含めた価格も抑えられており、これだけ軽自動車が増える理由もわかりました。
とはいえ、そんななかでも普通車ユーザーが多く存在している理由はやはり質感や性能、安全性を求める層が存在することをよく証明している気がします。
何か特段の事情がない限り人には勧められませんし、軽自動車という制度・枠組自体の将来性も明るいものは見えません。
なんだかネガティブな評価が上がりがちですが、それは普通車と比べてしまっているが故です。我が家では、ハスラーを車と考えていない節があります。車ではなく、バイクと車の中間にある移動手段のひとつ、みたいな。
だから、ハスラー自体は気に入っています。
出来ることなら、これから長く大事になっていきたいです。