バイク乗りのマナーについて、インターネット上で話題に上がることがあります。その筆頭がすり抜けでしょう。
すり抜けが違反にあたるかどうかとか、取り締まりがどうだとか、何が正しいだとか、そんなことはどうでも良いのです。そんなことを議論している人には早々にバイクを降りるどころか、これからの生き方を考え直すべきでしょう。そもそも議論の余地すらないことなのです。
交通法規に定められた事項はバイクに乗っている以上承知しているはずなので置いておきます。法規を知らなかったり違反している人はそもそも論外です。レッツ自主返納。
すり抜けが何故ダメなのかというと、他人に迷惑をかけるからです。更に具体的に言うと、他人を害するリスクを同意なしに取り、加えて不快にさせているからです。
他人を害するリスクとは、すり抜けという行為そのもののことです。
本来1台の車が走行するために設けられた車線の隙間を縫ってすり抜けるわけですから、万が一バランスを崩したり、ドアの開閉があったり、緊急回避のために端に寄ったりしたときに事故になります。また、左折車の左をすり抜けるケースでは、巻き込み事故を誘発します。
不快にさせるとは、不必要にちょこまかと動くバイクは目障りです。
更に、ノーマルであっても比較的排気音の大きいバイクが車のすぐ横を抜けるとうるさいです。すり抜けた後、停止線に止まっている車両のすぐ横に止まれば、その車両からするとうるさくてたまりません。
また、単純に横や前などにぴたりとつく行為が気持ち悪いです。満員電車では人と人がぎゅうぎゅう詰めになっていますが、空いている電車で赤の他人があなたに体をすり寄せてきたら気持ち悪くありませんか?車と車の距離にパーソナルスペースという言葉が適切かどうかわかりませんが、車のすぐ近くに止まると言うことはパーソナルスペースを侵しており気持ち悪いです。
ここまで挙げたすり抜けがダメな理由は、私の感じ方によるものです。
何が言いたいかというと、単純です。
他人を不快にさせることをしないようにしよう。
ただそれだけです。
法規がどうとか、そんなことはどうでも良いんです。限られた例外はあるものの、99%の人は他人を不快にさせれば心苦しくなるでしょう。そして、98%の人は「これをやったら不快にさせるかもしれない」という予測をする能力があります。
すり抜けをする人はこの1%に入っていることを自覚しましょう。
「バイク乗りはみんなすり抜けしてるじゃん」と、頓珍漢なことを考える文化的に未成熟な愚か者のために言っておくと、もし貴方の言う通りバイク乗りがみんなすり抜けしているのであれば、稀有な1%のクズが挙ってバイクに乗っているということになります。
私はバイクに乗り始めて一度もすり抜けをしたことがありません。そもそもすり抜けをする必要がないし、何をすると他人に不快感を与える(可能性がある)か承知しているからです。なぜ大人しく前の車に並んで待てないのでしょうか?
私の場合、努めてすり抜けをしないようにしているのではなく、相手を不快にさせる心苦しさからすり抜けが出来ません。
例えばお店や電車を待つ列に割り込みますか?
あえて努力して我慢しないと割り込んじゃいますか?99%の人はそんなことはないのです。
もちろん、心苦しい気持ちに耐えながらすり抜けをしているのであれば、それはもう何も言うことはありません。また、他人を不快にさせてもなんとも思わない1%の人にも何も言うことはありません。