ドリリウム

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【楽しいセダンの究極形】今、E46前期318iを選択をするということ。M43エンジンと言う隠れた名機。

BMW320i E46 Lim

平成31年4月。

「E46」は、1998年(平成10年)に登場した4世代目の3シリーズです。

2002年にマイナーチェンジが行われ、これを境に前期と後期が分かれます。

E46の前期と後期には、見た目以上に大きな違いがあります。それは時代を象徴する変化の第一歩です。このマイナーチェンジを境に、BMWの各車は大きく様変わりします。

だからこそ、E46前期に価値が生まれます。

 

何が変わったのか、それはこの記事の中で解説していきます。

E46の外観

E46の外観は、現代においても当時の基準においても先進的であったり、革新的であったり、奇抜さを感じさせるものではありません。

E46やそれ以前からBMWのファンはよくご存じの通り、BMWのデザインは昔から格好良いとか、オシャレとか、センスが良いとか、優れたデザインとか、そうしたものとは無縁です。

BMWの歴史やブランディングについて膨大な情報を緻密にまとめあげられたDavid Kileyの著書「DRIVEN」によれば、そのデザインは「保守的だが攻撃的」と称されています。これが実に言い得て妙です。

良く言えば地味だがその中に野性味や雄々しさを秘めたデザインと言うことが出来ます。

▼E46後期のデザイン

BMW E46 Touring front 20071203

▼E46前期のデザイン

BMW320i E46 Lim

残念ながら3シリーズはBMWのなかではエントリーモデル。

日本国内では3シリーズが主力ですが、世界的に見ると5シリーズが主力です。

3シリーズは弟分であり、7シリーズが上位モデルというわけです。

そのため「保守的だが攻撃的」というデザインも3シリーズにおいてはチープさが加わり全体としてみるとイマイチと言って差し支えないものでしょう。

 

主力の5シリーズに関しては「保守的だが攻撃的」を完全に体現しています。

▼E46と同年代の5シリーズ(E39)

BMWE39gotttobi

この5シリーズ(E39)は、後から登場するライバル車種たちを差し置いて、モデル末期まで世界最高のドライビングサルーンの評価をほしいままにしていました。

その完成度は現在の水準においても高い評価を得られることは間違いないでしょう。状態の良い個体に乗ればその素晴らしい走りと快適性の高い次元における両立に驚くことでしょう。

 

3シリーズの話に戻りますが、外観以外の要素の魅力を考えると、この地味で冴えない外観が逆に羊の皮を被っているように見えなくも、ありません。

E46の内装

外観以外は良いぞ、と言ったばかりですがE46は内装もイマイチなんです。

本当に極々最近は改善されてきたのですが、BMWの内装は長らく地味で質実剛健そのものでした。男臭いなどと言われたりもします。

▼これはE46の内装です。

Notranjost BMW E46 316ti

メーターは今なお続く伝統的な白字黒背景のシンプルな構成です。

日本国内においては事実上初代といえるE30にも乗っていたことがありますが、E46の内装はE30のそれと非常に近い雰囲気を残しています。

その他にもBMWはとことん伝統を重んじ、内装も外装もそれ以外も常に古いモデルの雰囲気を残しています。

E46の魅力

E46の魅力と言えば乗ればわかる・・・と言いたいところですが、現在中古車市場に出回る車両のほぼすべてはくたびれた個体ばかりです。

今更E46をきちんと整備して乗られている方はごく限られ、それが運良く中古車市場を通して手に入る可能性は極めて低いです。

つまり今となっては、その魅力を本当の意味で知るためのハードルが極めて高いのです。

軽量・コンパクト

車は主に衝突安全性や快適性のため、年々肥大化し重量は増す一方です。

これ自体は避けられないことであり、あえてネガティブなポイントとして挙げるべきではないでしょう。

それを差し引いてもE46 318iは5速MTモデルで1330kgと十分に軽量です。

車体は全長が4500mmもなく、幅は1740mmと極めてコンパクトです。狭い街中や山道でも全く怖いことはなく、4.9mという最小回転半径もあって小回りが利きます。

狭い道で快適かどうかも重要ですが、それ以上に高い剛性と相まって車体がとても小さく感じます。

山道を楽しく駆け抜けると、本当に人馬一体を体現したような走りをします。

車全体を手足のように自由に使うことができるのです。

この点、5シリーズやそれ以上になるとどうしても重さを感じてしまい、ひらひらと山道を楽しく駆け抜けるには適しません。

一方で高速道路などの直線路では、山道で見せたヒラヒラとした動きがうそのように地面にへばりついて突き進むかのようなどっしりとした安定感を見せてくれます。が、これはもちろん5シリーズなどには及びません。

高剛性・素晴らしいシャシー

1330kgで軽量、と述べましたが国産車と比べれば重く感じるでしょう。

それはそもそも作りが全く異なるため比べても意味がありません。剛性然り、設計然り、お金のかけ方が全く違います。

剛性に関しては我々一般人は感覚でしか語ることが出来ません。

しかし、車体が一つの塊に感じるというのは、まさにこの車にこそ言えることでしょう。もちろん後代の3シリーズや5シリーズと比べると実際の数値上の剛性では負けるでしょう。

ヒラヒラと動く軽くコンパクトなボディと、この剛性の高さ、そしてシャシー性能の素晴らしいバランスにより、私はこのE46以上に走りの楽しいセダンを知りません。

 

当時の日本の自動車メーカーは、ブランディングなど屁でもないと、とにかく商売に躍起になっていました。車やメーカーの在り方はそれぞれなので、うまく商売することを否定する気はありません。これが日本の経済成長を助けていたことも事実です。

しかし、そのために車に乗った時の感覚的な部分を軽視する傾向にありました。

その一つが剛性あるいは剛性感と呼ばれるものであり、もう一つはシャシー性能でしょう。

 

3シリーズと言えばスポーツセダンと呼ばれます。

スポーツセダンとはそもそもBMWが生み出した概念ですが、日本でもこれに追随する動きがありました。

しかし、当時(残念ながら今なお)の国産車のスポーツモデルやスポーティなセダンと呼ばれる車たちは、少々ショックアブソーバーの減衰力を高めてサスペンションストロークを縮めただけの極めてお粗末な代物でした。

(スカイラインを始めとして、十分世界に通じるモデルも存在しました)

 

一方でBMWは、普通に乗る分には極めて快適です。

「スポーツセダン」と聞いて乗れば驚くほどロールもします。

しかし、その良く動くサスペンションは決して不快ではありません。

例えば自転車を乗るとき、カーブを曲がるときに人は自然と自転車を内側に傾けることで慣性との釣り合いを取っています。これは歩くとき、走るとき、何をするときでも同じです。

こうした極自然な体に馴染む動きとは異なる動きを車がした時、人はそれを不快に感じます。

先に語った剛性感の話とあわせて、BMWはこうした人が感じ取ることが出来る要素への力の入れ具合が凄まじいのです。

路面の情報とステアリング

これは3シリーズやE46に限った話ではありませんが、BMWの多くの車は路面からの情報量が非常に多いです。

あまり路面からの情報が多いと不快になるのですが、不思議と不快には感じません。

路面のアスファルトの粒度の粗さからその状況、グリップの余力など余すところなくドライバーに伝えてくれます。

この必要な情報だけを伝えてくれる、不快にならない程度の絶妙なセッティングは絶対に他のメーカーでは味わうことができません。

 

また、ステアリングのフィーリングもすこぶる良いです。

ライバル各車やその他多くの車と比べると重いと言われますが、適切な反力や、タイヤの状況を伝えてくれる感覚は素晴らしく、これまた他のメーカーでは絶対に味わうことのできないセッティングです。

E46以降のE90やF30では電動化により、この感覚が大きく劣化しました。

健闘しているとは感じるのですが、E46以前からBMWを知っている身にとっては衝撃が大きい激変ぶりでした。私自身もこれによりBMWとしばらく距離を置くことになったほどです。色々と電子制御化が進んだ新しいBMWにも乗りましたが、すぐに嫌気がさして手放し、それっきりです。

アクセルとブレーキ

ステアリング同様に、この絶妙なフィーリングは他のメーカーには真似できないものです。

特にブレーキの操作感に関しては、40年前の3シリーズですら現行の国産車に勝ると断言できます。

それほどまでにペダル操作に対する挙動が自然なのです。

ブレーキは踏めば踏むだけ効いていき、奥まで踏み込めば想像の何倍も効きます。

 

ブレーキに関しては日本車やアメリカ車と欧州車は大きく考え方がことなります。

これはブレーキローターの大きさを見ればわかるでしょう。

例えば2トン近い重さがあるアメリカ車のトラックは、BMWの1シリーズよりずっと小さいブレーキローターを搭載しています。

小さなローターに、サーボでアシストされた強力な力でパッドを押し当てているわけです。

常に限界域に近い所でブレーキを使っている日本車やアメリカ車が、ブレーキのフィーリングで劣るのは致し方のないことです。

限界まで力を入れた状態に比べて、数割の力しか使っていない欧州車のブレーキは微細な制御が可能です。

その他

その他にも良い所がいっぱいあります。

しかし、私は車を趣味としていますがとてつもなく詳しい訳ではありませんし、何より文章力の限界があってこれ以上うまく説明することができません。

なんとか苦心して説明しようとしましたが、これが限界です。

とにかく走って楽しい気持ちの良い車だということです。

E46前期318iの魅力とはエンジンに尽きる

E46の素晴らしさはこれまで説明した通りですが、その中でもなぜ前期の318iに価値があるのかといえば、その理由は「エンジン」に尽きます。

E46前期318iに搭載されるエンジンは「M43」と呼ばれる4気筒の隠れた名機です。

BMWのエンジンは、6気筒ばかり注目が集まることが多いのですが、決して6気筒が特別優れているわけではありません。

4気筒エンジンも、8気筒エンジンも、12気筒エンジンもシリンダー数やレイアウトを問わずすべて優れているのです。

特に4気筒エンジンは6気筒と並んで多くの車種に搭載されました。

 

▼E46前期318iに搭載されるM43エンジン

BMW M43 Engine 316i Compact 1996

 

よくBMWの6気筒エンジンはシルキーシックスと呼ばれます。

これは2代目の3シリーズであるE30に搭載されたM20エンジンに始まりM54エンジンまで進化と成熟を続けたBMWの直列6気筒エンジンの呼称です。

あまりBMWをご存知ない方には意外でしょうが、BMWの直列6気筒エンジンが楽しいエンジンかと言われると必ずしもそうとは言えないのです。

確かに振動もなくシルキーです。

M20エンジンが搭載された3シリーズに乗っていたことがあります。その成熟を極めた完成形と言えるM54エンジンが搭載された5シリーズにも乗りました。

このBMWの直列6気筒エンジンに言えるポイントは以下の3点です。

  • 振動がなくスムース
  • 回転の上昇はさほど鋭くない
  • 吼えるようにやかましい

第一に、振動はありません。

第二に、回転の上昇はさほど鋭くありません。

シュンシュン回るようなエンジンではないのです。振動のなさ故にいつまでも回転が上がり続けるように錯覚してしまいます。実際に、回転の上昇が遅いので頭打ちするまでの時間が長いです。

第三に、音がうるさいです。

野性味のある心躍るサウンド。獣の咆哮のようなサウンド。とも言えるわけですが、おそらく車好き以外からは「うるさい」と言われるだけでしょう。

 

さて、4気筒エンジンに話を戻しましょう。

近代のBMWの6気筒エンジンがM20エンジンから始まったように、4気筒エンジンは1960年代に登場したM10エンジンから始まりました。

M10エンジンは1960年代から1980年台後半までの20年以上の長きに渡って改良されながら生産され続け、その生産台数は350万機以上ともされています。当時のBMWの販売規模を考えるととてつもない数字です。

▼M10エンジン

BMW Engine M10

1980年代後半にはM40エンジンへと代替わりを果たしますが、M10エンジンから引き続きSOHC、鋳鉄ブロック、アルミヘッドなどの基本的な要素を引き継ぎ、変更点もそれほど多くないためM10エンジンの面影を強く残すものでした。

▼M40エンジン

M40B16

こうして1960年代に登場したM10エンジンが、それほど大きく姿形を変えずにシンプル・アナログ・メカニカルという性質を残したまま1990年代にM43エンジンが登場しました。

E46 318iも後期型へマイナーチェンジすると、そのエンジンはM43からN42へと置き換わりました。この変化については後程「補足」として解説しますが、劇的な変化をしています。もはや別物になったと言っても過言ではありません。長らくMから始まるコードネームがNから始まるコードネームへと変わっていることからも、その変化の大きさをお察しいただけると思います。

簡単に言うと、N42エンジンへ置き換わることで数々の電子制御が加わり、DOHC化を果たし、バルブタイミングやリフト量の可変制御、ブロックをアルミ化するなど元の面影を残さず完全に刷新されました。

要するにただの機械が半分コンピュータになったような感じです。近代化されたわけです。

 

1990年台といえば、多くの国産スポーツカーが生産中止を余儀なくされたことを車好きの方であればご存知でしょう。

これと同じように、1990年台後半は世界的に自動車の排出ガス低減が喫緊の課題として自動車メーカーに課されました。

これにより高性能なエンジンは生産は難しくなり、自動車メーカーは出力や官能性と言ったロマン溢れる点よりも、環境対策を強く推し進めなければいけなくなりました。

このために国産スポーツカーは生産中止を余儀なくされ、BMWにおいてもシンプル・アナログ・メカニカルな、当時の水準でもややクラシックな4気筒エンジンは近代化を果たさざるをえなくなったわけです。

 

つまり、M43エンジンとは成熟を極めた最後の「機械」なのです。

 

これは今となっては大きな魅力なのです。

車を始めとして機械を好きな方は、よりシンプルな機械に魅力やロマンを感じませんか?

コンピュータのようにコードがそこら中にあって、ゴムやプラスチックの部品が多用されているより、金属だけでシンプルに構成されたものに魅力を感じませんか?

 

私はまさにそれです。

M43エンジンを最後に、BMWの4気筒エンジンは近代化を果たします。

エンジンはプラスチックパーツが増え、ワイヤーはコードに置き換わり、カバーに覆いつくされました。

 BMW N46

アクセルペダルの操作が、ワイヤーを通じて直接スロットルに伝わる機械式と、電気信号で制御するいわゆるドライブバイワイヤ方式では、前者に魅力を感じずにはいられないのです。

 

私は車に乗るだけではなく、整備にも大きな魅力を感じます。

電線の中を通る電気信号は整備できません。

しかし、アクセルペダルとスロットルをつなぐワイヤーは整備することができます。

 

M43エンジンは、ごく最低限の電子制御はあるものの、ほとんどの要素が機械式制御を採用しています。余計なものは備わっておらず、車を趣味にしている方なら一目見れば何がどうなっているかわかるエンジンなのです。

余計なものといえば、せいぜいがトルク向上のための簡易的な可変吸気機構くらいのものです。

整備を楽しみたいユーザーにとってはとても魅力的なエンジンです。

 

また、乗って楽しむという点においても4気筒エンジンは優れています。

6気筒エンジンの特徴は先ほど紹介した通りですが、4気筒エンジンは回転の上昇鋭く、乗っていて楽しいです。パワーも少ないため、エンジンを気兼ねなく回して乗ることが出来ます。悪く言えば6気筒エンジンほどのキャラクターがないとも言えますが、普通によくできた4気筒エンジンです。

日本国内には導入されなかったものの、この4気筒エンジンにはメカニカルチューンを施した高出力版やターボを搭載したバリエーションなども存在しました。

 

ちなみに、6気筒エンジンは魅力的な「咆哮」を持っていますが、4気筒エンジンは快音と言えば快音を発するものの粛々と機能するため、意外かもしれませんが4気筒エンジンの方が静かです。

特にコードネームをNに改めて以降はおそろしくスムースなエンジンへ進化し、普段運転する分には4気筒エンジンの方が滑らかで静かで振動もなく、むしろ高級感さえ感じるほどです。

サウンドも「咆哮」のような特徴はなくともシンプルに快音で、素早いふけ上がりとあわせて(少なくとも直線が少ない国内では)間違いなく4気筒の方が楽しむことが出来ます。

 

乗っても整備しても最高に楽しい、それがE46前期318iのエンジンです。

補足

近年、BMWも環境対策を強く推し進め、それに伴いBMWのエンジンはMから始まるコードネームを改めNから始まるコードネームに変更しました。

更に最近はターボ化が進みBから始まるコードネームに変更しています。

 

「M」から「N」のポイントは電子制御化と排出ガス低減です。

可能な限り補器類を電気駆動させ、アクセル操作をはじめエンジン制御をコンピュータに頼り、フリクションの低減に努めました。

結果として出力と燃費は向上しエンジン単体の重量も減りました。排出ガスもより綺麗になりました。

しかし、直列6気筒エンジンの魅力であった「咆哮」はなくなりました。

それゆえに、今の直列6気筒エンジンに価値はなく、4気筒で十分と私は考えています。

「N」から「B」のポイントはターボ化による更なる排出ガス低減です。

「N」の末期からターボが搭載されましたが、「B」からは完全にターボ前提の設計となっています。