ドリリウム

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BMW雑学 自動車メーカー「BMW」の幕開けと最強のブランド

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BMWの歴史は長い。

1916年に端を発し、車好きの方はよくご存じのように航空機エンジンメーカーとしてその第一歩を踏み出した。触りだけ知っているとよく勘違いされてしまうのだが、戦闘機用エンジンを作っていたわけではなく、戦時中に作ろうとはしたものの大した成果を残せずに終わっている。

また、富士重工業(現SUBARU)のように、戦後自動車メーカーとしての歴史を踏み出したと思われがちだが、実際には戦前から自動車製造を行っていた。

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BMWというブランドは、群雄割拠の自動車業界において抜きんでたものがあり、業界外からも参考にされ、尊敬され、しかし真似たり追いつくことはできない世界最高のブランドのひとつとなっている。ブランディングの神様のような存在だ。

「BMW好き」なんていうと、浅い車好きには小馬鹿にされてしまう可能性もあるが、BMWの本質に触れると、その評価は激変する。

 

 色々と付け加えることはできるが、BMWブランドを支えるのは「駆け抜けるよろこび」だ。

正確には、「駆け抜けるよろこび」に対して一切妥協せず、脇見もしない点がBMWブランドを世界最高のブランドにまで押し上げている。「駆け抜けるよろこび」というキャッチコピーは各国の言葉で翻訳され、BMWのキャッチコピーとして数十年使われ続けており、BMWがなくなるまで使われ続けるだろう。

他にひとつのキャッチコピーをここまで長く使い続け、そしてそれを体現し続けているメーカーがあるだろうか?

 また、キャッチコピーにこれほど真摯に製品作りをしているメーカーはあるだろうか?

 

どんな車種でも良い。BMWに乗ればその良さがわかる。

手に馴染むステアリング、体にフィットするシート、足を伸ばせばペダルの中心がそこにある。走りだせば誰もが納得するはずだ。これは1シリーズから7シリーズまで一貫している。

グレードも、装備も問わない。すべてのモデルにおいて一貫した、数字には表しきれないBMWの魅力、そして本質だ。

 

メルセデスはAクラスという禄でもない失敗作を生み出した。BクラスやVクラスでせっせとお金を稼ぎ、AMGモデルで対抗しようにも数字の上でしかBMWに敵うことはない。(元からメルセデスは最高の道具としての車を目指すメーカーだから当たり前とも言える)

多くの日本メーカーはミニバンを、軽自動車を作る。

ポルシェも924という自身の哲学に反する車を売り出した。

いかにホンダ・シビックが優れていようと、オデッセイを、ステップワゴンを、N-BOXを作っている時点でホンダブランドには「壊れにくい道具」程度の付加価値しかない。

オデッセイは「ミニバンにしては走りが良い、流石ホンダだ」などと言われることもあるが、それならば最初からミニバンを作らなければ良い。そんな中途半端がブランドを修復不能なレベルに破壊する。

 

企業としてはミニバンを作るのは仕方がない選択だと言われる。

そんな逃げがブランドの価値を著しく損なわせる。BMWもローバー買収という大失策により大きな打撃を受けたが、車の本質に全く影響はなかった。

デザインの変更で賛否両論の議論が巻き起こることはあっても、その本質が否定されることはなかった。

金がなくても、デザインに悩んでも、駆け抜けるよろこびは変わらない。

だから、BMWには誰も追いつけない。

 

 

こうした歴史やブランド、BMWの雑学を詰め込んだといえる一冊がこちらの「BMW物語」(著:David Kiley , 訳:嶋田 洋一)だ。

これは宣伝に見えて宣伝ではないから許してほしい。

なぜならこの記事を書くはるか前から、この本は手に入らなくなっているからだ。

手に入れるとしたら古本をあたるしかないだろう。

 

著者はアメリカの自動車評論家のDavid Kileyで、ピストンがどうだ燃焼がどうだという技術的な要素には直接触れたりはせず、BMWの歴史とブランディングに徹している。

日本の自動車評論家みたいなライターとしても車好きとしても、あるいは自動車メーカーの宣伝担当としても中途半端な人間が書いたものではないので、日本の自動車評論家を見たり、その文章を見ると吐き気がする類の人でも安心して読むことができる。

ブログを書いている人

カタミチ

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