【築20年の断熱気密DIY#7】玄関ドアの断熱・気密対策
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築20年超えの我が家は断熱性も乏しく、結露しないほどの気密性の低さです。
そこで【築20年の断熱気密DIY】シリーズでは、誰でもできる技術や道具を駆使して断熱性と気密性を向上させることを目標にDIYに取り組んでいます。
前回:【築20年の断熱気密DIY#6】家の気密は和室で決まる!?実はスカスカな畳の下を気密せよ! - ドリリウム
今回の断熱性・気密性向上DIYは?
今回は、家の開口部の中でも特に大きな「玄関ドア」に注目してみたいと思います。
玄関ドアは断熱仕様の製品もありますが、寒冷な地域を除けば基本的に断熱材の入っていないアルミ製のドアが採用されることが多いです。
我が家ではYKK APのプロントと呼ばれる製品を使用しており、これはアルミ製かつ断熱材も入っていない断熱性が極めて低いドアです。
更に大きな親子ドアとなっており、開口部が広いのが悩みです。
実際に我が家では玄関やホール部分が家のなかで最も寒く、大きな要因は玄関ドアにあると考えました。
玄関ドアが”離れすぎている”問題
さて、玄関ドアの断熱性や気密性を上げる前に大きな問題を紹介します。
こちらです。
よく見てもらえるとわかると思うのですが、玄関ドアが閉じているにもかかわらず隙間から外の光が漏れています。
目視で確認するとその隙間はかなり大きいことがわかります。
これでは隙間風どころか小さな虫も平気で出入りできるでしょう。
これはドアをよく確認してみることでわかったのですが、玄関ドアが離れすぎていることが原因でした。
我が家のドアは見ての通りの親子ドアで、主に開閉するのが向かって左側で、右側はロックを解除すると開けることができます。
この左右計2枚のドアがそれぞれ離れすぎているのです。
念のためサッシ屋さんにも見てもらったのですが蝶番の調整でどうこうできるレベルではありませんでした。
そこで登場するのが「蝶番スペーサー」と呼ばれる製品です。
これは玄関ドア専用にメーカーであるYKKAPやLIXILが販売しています。
YKKAPの場合、玄関ドアの調整作業は危険であると考えており、一般向けに流通していません。
私もYKKAPに直接問い合わせたのですが、購入は断られました。
つまり玄関ドアを扱うYKKAPのお店やサッシ屋さんにお願いして入手するしかありません。
もちろん蝶番スペーサーの取り付けを含めた調整をすべてお願いしても良いでしょう。
我が家のドアに使用した丁番スペーサーはHH K35355という品番で1枚あたり400円でした。
ちなみに丁番をネジ止めする際にワッシャーなどを挟むだけでもOKだと思います。
とはいえ玄関ドアは重いですし、丁番スペーサー自体は高いものではないので専用品を購入することをオススメします。
さて、調整後のドアの様子がこちらです。
隙間や光の漏れは一切なくなりました。
ドアの蝶番部分を確認すると、蝶番の下にスペーサーが挿入されていることがわかります。
ただの鉄板ですね。
その他の隙間を埋める
一番大きな問題であったドアの隙間は対策が完了しました。
玄関ドアは、この手のドアの例に漏れず隙間があります。
本シリーズの1番目の記事でも紹介しましたが、ドアの隙間を塞ぐことで気密性と断熱性の向上が期待できます。
【築20年の断熱気密DIY#1】室内ドアの隙間を減らそう! - ドリリウム
使用するのは3種類の隙間テープです。
フォーム | ゴム | モヘア |
---|---|---|
主にフォームの隙間テープを使用し、隙間が狭い場所や摩擦が多い場所にはモヘアを使用していきます。
まずは玄関ドアの底部からです。
底部にはゴムタイプの隙間テープを貼り付けました。
ゴムタイプは確実に隙間を塞ぐことが出来て断熱性も隙間テープ類の中では最も優れています。もしゴムタイプの隙間テープがキッチリ収まる隙間があるのであればゴムタイプがオススメ。
ただし十分な隙間がないのにゴムタイプを使用するとドアの開閉時に引っかかりが出たり閉まりにくくなったりするので要注意。
側面にはフォームタイプの隙間テープを貼り付け。
ここはドアを閉めた際に空洞になるのであまり効果的とは言えませんがとりあえずスペースがあったので貼り付けました。
ちなみにドアサッシ(ドアの枠)には上の写真の左側に写っているようにゴムのクッションが取り付けられています。
これはドアを閉めた際の気密性を確保するためのパッキンで、経年と共に潰れて柔軟性を失っていきます。
こちらもメーカーあるいはサッシ屋さんに問い合わせることで入手できますので、ゴムが潰れていたり硬くなっていたりする場合には交換すると気密性を上げることが出来ます。
玄関ドアに断熱材を入れるもしくは貼り付ける
最後に玄関ドア自体に断熱材を入れることで断熱仕様ドアと同じようにしてしまおうという考えについて解説します。
玄関ドアは残念ながら分解を前提に作られておらず、ただいくつかのネジを外せば分解できるというわけではありません。
接着やカシメによって固定されている部分も多く、分解できても元に戻す難易度が非常に高いです。
また、ドアに小さな穴を開けて玄関ドア内部に発泡ウレタンなどの断熱材を吹き込む方法もありますが、玄関ドア内部には開閉機構もありますし、そもそも玄関ドアの内部は完全に1繋がりの空洞ではありません。
内部には補強材があるため、もし穴を開けて断熱材を吹き込むのであれば、ドア一面を穴だらけにする必要があります。
次に現実的な方法としてドアに断熱材を貼り付ける方法です。
これはポリカーボネート板や断熱シート、安価なスタイロフォームを使う方法など実際に施工されている方も居られます。
しかし、少し想像力を働かせてみるとその結果がいかに悲惨なものになるか容易に想像できると思います。
もし気になる方がおられましたが検索して実例を見てみると良いと思います。
玄関ドアを断熱仕様ドアに交換する
玄関ドアの断熱性や気密性に関して根本的な解決をはかりたいのであれば、玄関ドアを断熱仕様ドアに交換する方法が最も正攻法かつ近道です。
しかし、断熱仕様ドアは一般的なドアに比べると高額です。
また、玄関ドアの交換費用はカバー工法と呼ばれる工法の誕生により以前に比べるとずっと下がっていますが、それでも断熱仕様のドアと周辺パーツ、そして工賃を含めると安くとも30万円程度は覚悟する必要がありそうです。
我が家のように大きな親子ドアを使用している場合には、30万円では当然足りません。
見積もりを取ったわけではありませんが、口頭で確認した限りではその2倍以上は覚悟する必要がありそうでした。
もしかすると将来的に玄関ドアを交換するかもしれませんが、このシリーズではDIYで手軽に作業できることをテーマにしているので今回は考慮しないこととします。
まとめ
今回は玄関ドアの隙間に注目して気密性と断熱性向上を狙ったDIYを実施してみました。
目に見えるものを含めて隙間を確実に埋めることが出来ましたから、多かれ少なかれ効果はあったものと思われます。
そろそろ大きな目に付く隙間は減ってきましたから、これ以上の対策にはサーモグラフィーカメラが必要になってくるかもしれません。