寒い冬に一瞬で暖まる電気式のパネルヒーターやセラミックヒーターは
- 朝ベッドから抜け出して着替えるまで
- 脱衣所で服を脱ぐ時や着る時
- 寒いトイレの時間
- 服を着る前に温めたい場合
などなど色々なシチュエーションで大変役立ちます。
パネルヒーター、メタルヒーター、オイルヒーター、グラファイトヒーター、カーボンヒーター、セラミックヒーターなどなど呼び方は様々ありますし、ファンがついていてエアコンのように動作するものから正面付近だけを暖めるタイプもありますが、ここではすべてまとめて「電気ストーブ」と呼称します。
特に脱衣所に設置できる電気ストーブは便利で、濡れた体で出てくるお風呂後の時間を快適にしてくれます。
しかし、例えば私の買ったこちらの製品(800W)では脱衣所全体を温めようとすると1時間以上は平気でかかります。
電気代が悲惨なことに…
さて、これらの便利な電気ストーブをフル活用して過ごした結果、電気料金が2万円近くなってしまいました。
電気使用料は600kwhを超えています。
二人暮らしで1人は仕事で家を開ける時間が多いにも関わらずです。
電気ストーブのW数は信じろ!
通常の家電で電気の使用量をチェックするには説明書や仕様書に明記されているW数がアテになりません。
なぜなら基本的に表示されているW数は最大出力時のものだからです。
例えばパソコンなら起動時は100W使うものの、起動してしまえば後は微々たる量しか電気を消費しません。
これは基本的にどんな家電にも共通しています。
冷蔵庫や食器洗い乾燥機、洗濯乾燥機、エアコンは少しだけ例外です。
これら暖めたり冷やしたりする機械は消費電力量が多い傾向があります。
ただし、実は冷やしたり暖めた熱は再利用されますからW数通りに電気を消費することはありません。
しかし電気ストーブ類は例外です。
一部例外を除き、表示されているW数通りの電気を消費し続けます。
この手の機器は電気を単純に熱に変えていますから、部屋が暖まったら自動で出力を下げるような機能はありません。
更に言えばその特性上、この手のヒーターで部屋中を暖めるのは不可能です。
その結果としてこの手の機器に安易に頼った我が家では共働きの夫婦2人にも関わらず消費電力が600kwh超えという結果になってしまいました。
徹底的な消費電力検証
我が家が加入している四国電力では、四国電力のサイトにログインすることで1日の消費電力を30分刻みで確認することができます。
しかもほぼリアルタイムで更新されていきますから検証は捗りました。
家にある機器を止めて電気ストーブだけ動かしてみるとか、特定の部屋のエアコンだけ動かすとか、夜中はトイレの便座ヒーターを止めてみるとか。
とにかく時間をかけて検証を続けました。
コンセントに挿す電力消費メーターもありますが、もしあなたの電力会社がこうしたサービスを提供しているなら利用してみると良いでしょう。
検証の結果と対策
さて、こうした検証を実施した結果、原因となる機器が特定できました。
まず初めに、ここまで説明した通り電気ストーブの消費電力は圧倒的でした。
約1000Wを消費し続けるわけですから当然です。
こちらは日別のデータとなりますが、1月12日までは電気ストーブを普段通り使用していました。
しかし、実験的に電気ストーブの使用を止めたところ1日あたりの電力使用量は約半分にまで落ちました。
左端の1月7日が飛び抜けて高いのは寒い日だったからでしょう。
我が家の電気の約半分が電気ストーブに使用されていたことがわかります。
エアコン(暖房)はエコ
次に消費電力が高そうなエアコン(暖房)をチェックしてみました。
0時から8時ころまではほぼ電力が使われていないことがわかります。
一番小さな目盛りが0.1kwhですから我が家の待機電力は約0.1kwhであることがわかります。
冷蔵庫が主な原因と思われます。
また、ベッドの中が寒いため電気毛布を使用しています。ダブルサイズのベッドに電気毛布を2枚敷いて使用していますから、これも冷蔵庫に次ぐ要因と思われます。
肝心のエアコンですが、9時にスイッチを入れました。
部屋を暖める最初の30分から1時間は消費電力が高いものの、室温が安定してからは0.3kwh程度を推移していることがわかります。
また、エアコン稼働中は仕事をしている関係で加湿器とパソコン2台、液晶モニター2台も稼働しています。
待機電力が0.1kwh程度だったことを考えれば、これだけの機器を使いながら0.2kwhしか差がないことは驚きです。
エアコンが暖房としても省エネにつながるという話は耳にしていましたが、確かに消費電力が少ないことがわかります。
トイレの便座ヒーターに注意
次に待機電力に着目してみました。
これはトイレの便座のヒーターおよび温水をオンにしていた時の夜間の消費電力です。
ご覧いただければわかる通り、このグラフは1番小さな目盛りが0.2kwhと先程お見せしたグラフの2倍です。
先程のグラフのデータは便座のヒーターと温水をオフにしている時のものです。
理屈的には便座のヒーターや温水機能も電気ストーブと変わりませんから消費電力が意外と高いことがわかります。
食洗機も注意
次に注目したいのが食洗機です。
我が家で使用している食洗器は5年ほど前に購入したPanasonic製の食洗機です。
食洗機は食器類を80度のお湯で洗浄します。お湯を暖めるのに電力を消費しているのではないかと考えました。
次のグラフはエアコンと食洗機を使用したある1日のデータです。
エアコンは朝9時ころから緑の矢印で示した16時ころまで使用しました。
16時以降はエアコンなど消費電力の大きな機器は使用していません。
しかし、赤い矢印で示した21時頃から消費電力がエアコン使用時並に上がっています。
これはまさに食洗機を使用していた時間です。
もちろん食洗機の稼働時間は長くありませんし、消費電力の絶対値を見ても電気ヒーターの足元にも及びません。
しかし、食洗機は意外と電気を使うということは気に留める必要がありそうです。
もし汚れが酷くない場合には温水洗浄をOFFにすることも有効な方法でしょう。
洗濯乾燥機も意外と効率的!
次に暖かい風で洗濯物を乾燥させる洗濯乾燥機に注目してみました。
我が家で使用している洗濯乾燥機は昨年購入したばかりの東芝の洗濯乾燥機です。12kgまで選択可能なかなり大きい洗濯乾燥機です。
下のグラフの赤い矢印で示した8時30分ころに洗濯乾燥機を動かし始めました。
ご覧の通り0.4kwh程度の消費電力であることがわかります。
これは安定稼働時の暖房や食洗器とほとんど同じ値です。
おそらく可能な限り熱を再利用して電気を無駄使いしない設計になっているものと思われます。
なお、最初の洗い・すすぎは温水を使っていません。
まとめ
さて、新年早々いままでに見たことがないような電気料金に驚かされた2021年ですが、徹底的に検証する良い機会にもなりました。
結論を言えば電気ストーブなどの電気式のヒーターはとにかく電気を使うということです。
電気料金を気にするのであれば、使用を控えるとかいう次元ではなく使ってはいけません。買わないでください。
また、同じく電気で空気や水を温めている食洗器や洗濯乾燥機の電力使用量も想像より低かったものの決して無視できるものではないことがわかりました。
必要に応じて温水機能をオフにするなど使い方の工夫で、利便性を損なわず消費電力を減らすことが出来そうです。
その一方でエアコン(暖房)はエコと言うのは言い過ぎかもしれませんが、一度室温が安定してしまえば消費電力は割と低いことがわかりました。
室温は長くとも1時間程度で安定します。
その間の消費電力は安定時の2倍程度であることを考えると、3時間以上部屋を離れる場合にはオフすると良さそうです。
更に家の断熱性や気密性を高めることで安定時の消費電力低減や一度暖めた室温の低下を防ぐこともできるでしょう。
当ブログでは築20年の我が家の断熱性・気密性をコツコツDIYで向上させる記事も掲載しておりますので気になる方はチェックしてみてください。