【エアポンプ静音化】構造を学んで内側から静音化する【騒音対策】
ドリリウムは移転しました。
約5秒後に自動的にリダイレクトします。
メーカーの推奨しない改造を施す行為ですので、施工は自己責任でお願いします。
アクアリウム用のエアポンプはその構造上、どうしても騒音が発生してしまいます。
エアポンプを制振材の上に置く、吸音材で囲むといった外側の対策も有効ですが、エアポンプの構造を知ることで内側の対策も施すことができます。
なお、今回の施工にはGEX e-AIR 6000WBを使用していますが、エアポンプは基本的に構造が同じですから、あらゆるモデルに流用可能です。
エアポンプの構造を知る
ポンプを開けるとこのような構造になっています。
アップ&解説を入れてみました。
簡単に説明すると、電気がコイルに流れ込むと、コイルが磁性を持ち磁石のようになります。ここに流れ込む電流は、家庭用の交流電源です。交流電源がコイルに流れ込むと、磁石のS極とN極が変化し続けます。
このS極とN極の変化に釣られて、コイルの向かいの磁石が左右に動き続けます。
磁石が左右に動くと、磁石が取り付けられている鉄板が左右に動きます。
鉄板にはポンプが接続されていて、ポンプを左右に押すことで空気を吐き出すわけです。
要するに、浮き輪の空気を入れるとき、足でしゅこしゅこ踏むやつの小さい版がここにあるポンプなわけです。
吐出口が2つあるエアポンプの場合には、エアを生み出すポンプと吐出口が1対1になっています。つまり、1口を閉じてももう1口から2倍のエアが出ることはありません。そして、1口を閉じた場合には、そこにつながるポンプに強い負荷がかかることがわかると思います。
しかし、2つの吐出口をコネクターなどで接続すれば、2倍に近いエア吐出量を得ることができるわけです。
このエアポンプ本体そのものがスペアパーツとして販売されています。
この商品写真を見ると、更に構造が分かりやすいと思います。
エアポンプの騒音の原因を知る
以上でエアポンプの構造を知ることができました。
実際に手持ちのエアポンプを分解すると、ほぼ同じ構造をしているはずです。
つまり、エアポンプの騒音の原因はここにあります。
エアポンプ本体を振動により作動させている鉄板です。
左側はコイル(電磁石)と近接する磁石で、右側は白い樹脂の本体に鉄板が固定されています。この固定部を中心に、鉄板が小刻みに振動しているわけです。
固定部は、柔らかいゴムが巻かれており、スムーズに動きなおかつ振動を抑えられる構造になっています。
そして振動は、この固定部のゴムを通してエアポンプ本体、筐体を振動させます。
静音対策を施してみる
対策1 振動の支点の摩擦を減らす
先ほど紹介した通り、振動の支点となる樹脂と鉄板の固定部には、振動を低減するためにゴムが巻き付けられています。
まずはじめに、このゴムが硬化・破損している場合には必ず新品に交換してください。この部品だけ出回ることはありませんから、取り付けられているゴムと同じ径のシリコンホースを嵌め込めば良いでしょう。
さて、エアポンプの稼働中、常にこの鉄板とゴムは擦れ続けています。ここの摩擦を減らすことで、振動を抑えることができると考えました。
私の場合には、シリコンスプレーをゴムの内側に吹き付けました。ゴムの外側にはつけないようにしましょう。内側の滑りをよくできればOKです。
グリスで構いませんが、DIY趣味でもなければお持ちではないと思います。シリコンスプレーも家にない可能性がありますが、おそらく最も家庭でも使い出があるものだと思い、シリコンスプレーを勧めさせていただきます。
もし特に汎用性を求めないのであれば、送料無料の200円ちょいで普通のグリス(下記2点目)が手に入ります。ホームセンターならもう少し安く手に入るはずです。
対策2 本体をゴムマウントする
更に本体を分解してみます。
エアポンプ本体を外すには、中央の固定ビスを1本外します。
▼取り外しました。
こうして取り外すとわかると思いますが、振動するエアポンプ本体が、樹脂の筐体に直接ネジで取り付けられています。これをゴムの上に取り付けることで、騒音を抑える効果があると考えました。
機械の取り付けにはゴムダンパーなどの製品があるのですが、ここまで小さな部位ですとそんな製品が見つかりません。そこで、手持ちの1mm厚のゴムシートを使用しました。後程紹介しますが、ゴムワッシャーやOリングを使う手もあります。
▼こんな風にコの字型に切り出します。
▼これをエアポンプ本体が取付されている場所に敷きます。
ここに使われているネジは径が小さく、ゴムワッシャーやOリングは入手性が良くありません。身近なホームセンターや通販で丁度良い商品を見つけられれば良いのですが、そうでなければゴムシートが無難かもしれません。
対策3 エアポンプ内の部品を確認する
今回、私の場合には特に問題がありませんでしたが、エアポンプ内にぐらぐらと動く部品がある場合には、グルーガンやコーキング材などで固定しましょう。
例えば、今回例として使用しているGEX e-AIR 6000WBの内部を見ると、奥側に基盤とノブが見えます。左側はコイルと配線が見られます。こうした部品で、どこかがたつくものがあれば、グルーガン等で固定するようにしましょう。
なお、グルーガンは100均で300円くらいで手に入るはずです。また、グルーガンでなくても粘度の高い接着剤(下記2点目)でも代用可能です。
対策4 筐体内部に防音材を貼り付ける
エアポンプを分解して電源を接続してみると、それなりにうるさいことに気が付くはずです。そしてカバーを被せると、ずっと静かになることがわかります。
つまり、エアポンプの頼りない樹脂の筐体は、かなり音を遮ってくれているわけです。これを更に増強してやることで、音をぐっと抑えることができると考えました。
まずはエアポンプの底面側です。
この平らなスペースに、先ほどゴムマウントのために使ったゴムシートを切り出して貼り付けます。
▼このように貼り付けました。接着剤でしっかりと貼り付けます。
▼続いて筐体の天面も同様に貼り付けました。
なお、貼り付けに際しては筐体内に余裕があることを確認してください。GEX e-AIR 6000WBは比較的大きなエアポンプですのでかなり余裕があり、もっと分厚い制振材や吸音材を貼り付けることもできそうでした。注意点としては、コイルは熱を持つためコイルの周りは避けるように貼り付けると安全だと思います。
ゴムシートであれば、ゴムマウントとあわせて利用できるため経済的です。もし余裕があれば500円ちょいで制振材(下記2点目)も購入することができます。こちらだとなお効果的でしょう。
さいごに
この記事は全くの素人が調べて考えた対策です。
危険ではない範囲で施せる対策を自分なりに考えて実行し、効果があったので紹介してみました。そのため、間違った情報が含まれている可能性があります。また、メーカーの推奨しない改造を施す行為ですので、施工は自己責任でお願いします。
なお、検証に使ったGEX e-AIR 6000WBは元々静かなエアポンプでしたが、それが一段と静かになりました。