「底面フィルター」あるいは「底面ろ過」は、そのろ過能力と構造のシンプルさ、導入コストの安さ故にアクアリウムのろ過方式として人気が高いです。その中でも、特に生体ろ過性能が高いエアポンプ式(エアリフト式)が人気です。
底面フィルターの機能を維持するために欠かせないのは底床の掃除です。
しかし、エアポンプ式の底面フィルターの流量低下について取り上げられることは少ないように感じます。
底面フィルター(エアポンプ式)の流量低下
エアポンプ式の底面フィルターの場合、その流量はかなりゆっくりとしたものです。その量はエアストーンやエアポンプによって左右されますが、ポンプで水を送るポンプ式と比べ物になりません。
例えば、約2.5L/分*2口のエア吐出量を誇る大型のエアポンプ(GEX e-AIR 6000)でさえ、その流量は3L/分程度の1000円以下で買える安くて小さいポンプ式投げ込みフィルターの流量の3分の1未満です。(近いうちに検証してみます)
つまり、元々極めて遅い速度で底床の中を水が流れているのに、更にそれが低下すると影響が非常に大きいわけです。
流量低下の進行速度と原因
そんなエアポンプ式の底面フィルターですが、意外と早く流量が低下します。
水槽中の生体の数など、様々な要因により前後しますが、1カ月程度で差は明白になり、2~3か月も経つころには目測で半分以下まで流量が低下しているように感じられます。目で見てわかるほど、ぶくぶくの勢いがないということです。
この原因は、エアストーンの詰まりです。
流量低下の対策
流量低下の原因は「エアストーンの詰まり」です。
つまり、対策は以下の2パターンに分かれます。
- エアストーンを掃除する
- エアストーンを交換する
方法1:エアストーンを掃除する
エアストーンの掃除をしてエアストーンのつまりを取る方法です。
いくつかの方法があり、エアストーンにより適すものと適さないものがあります。
- 煮沸する
→効果が薄い場合あり、接着が溶ける恐れあり - 酢を2倍程度に薄めた液に漬ける
→効果がかなり薄い場合あり - 漂白剤を3倍程度に薄めた液に漬ける
→エアストーン自体が壊れる恐れあり - 高圧洗浄機を使う
→高圧洗浄機があればおすすめ - ブラシで磨く
→軽度の詰まりには効果あり
最も良いのは、詰まりが悪化する前にブラシで磨くことです。2週間に1回程度の頻度で磨くと良いでしょう。しかし、それではあまりにも手間だと感じる人が多いでしょう。
そこで、比較的一般的なのが漂白剤を使う方法です。
しかし、漂白剤を使う場合、特に安価なエアストーンはストーン部分が崩壊する可能性があります。水槽中で粉のようになったエアストーンが舞ったり、破片が飛び散る可能性もあります。あまりお勧めできる方法ではありません。
高圧洗浄機を使う方法はおススメですが、小さなエアリフト用のエアストーンには使いづらく、また安価なエアストーンは水圧で崩れる可能性が高いです。
方法2:エアストーンを交換する
おススメの方法はエアストーンを交換することです。
エアリフト用のエアストーンは消耗品と割り切るわけです。
これが私が実際に使っているエアストーンです。エアリフト用には直径15mmのエアストーンが適合します。
たった500円で10個入り。作りは甘く、泡が細かいわけではありませんが、エアリフト用には十分です。50円で2カ月程度もつ計算ですから、エアストーンのメンテナンスの手間を考えれば高くはないでしょう。
なお、品質としては底面フィルターに付属するような安価なエアストーンと変わりません。使っていくと手の力だけでも崩れていく程度の品質です。
GEX マルチベースフィルターには青いエアストーンがついていますが、これと同じものな気がしてなりません。
実例
我が家の水槽では底面フィルターとして「GEX マルチベースフィルター L」と、更に範囲を広げるため「GEX オプションベースフィルター」を組み合わせて使用しています。エアポンプは「GEX e-AIR 6000」です。
▼これが1カ月半程度経過した時の様子です。
▼これがエアストーンを交換した直後の様子です。
▼2つを比較するとこんな感じ。