ドリリウム

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【スバル・レガシィアウトバック】期待禁物!買う前に見てほしいアウトバックの真実

レガシィアウトバックはスバルのラインナップのなかでもフラッグシップに位置づけられるミドルサイズSUVです。

フラッグシップと聞くといかにも「高級」「上質」「快適」あるいは「高性能」なんていうワードを思い浮かべそうなものですが、残念ながらそうしたワードとは無縁の存在です。

アウトバックは程よいサイズ感のステーションワゴン風のSUVというライバルが少ない存在で、特に価格まで含めるとライバル不在の唯一無二の存在です。そんなアウトバックの良さを伝えるためにも、イメージと実際の車の間にある大きなギャップを紹介したいと思います。

高級車ではない

アウトバックはフラッグシップという位置づけ故に高級車として扱われがちなのですが、実際のところ高級車としての要素はほとんどありません。

走行性能や操作性、快適性、内外装のデザインや質感に至るまでこだわりや上質さを求めずに一定のラインで妥協している車です。こうした実質的な要素以外にも、例えば車線逸脱警告はチープな警告音しか設定がなく、例えばステアリングのバイブレーションなどでさりげなく、しかし確実に伝えてくれるような高級車に求められる細やかな配慮も見当たりません。(個人的にはとりあえずヒーター入れただけ、みたいな熱ムラのあるシートヒーターが一番ガッカリ要素です。包み込むような温かさとは無縁な非常にラフな作りです)

この考え方や特徴は歴代のアウトバックで一貫しています。おそらくメーカーとしては一貫した理念のもとにデザインしているのでしょうが、ディーラーとしては「フラッグシップ」のイメージを強調した販売をした方が売上につながると考えているのだと思います。実際に複数件のディーラーとやりとりをしましたが、いずれも「高級感」というワードを使用していたのが印象的です。

アウトバックを検討している方には、高級車というフィルターを取り払って評価してほしいと思います。いくら優秀な車であっても事前に期待値を上げられ過ぎては厳しい評価を受けざるを得ません。

アウトバックのチープさ

スバルは長らく実用的な車やレーシーな車を作り続けておりプレミアムブランドとしての歴史がありません。上質なものを作ってきたノウハウや意思決定のプロセスが存在しないため、上質さを手に入れるのはそう簡単なことではありません。

上質さや高級感を手に入れるためには、例えば車内のエアコンの操作ボタンのデザインひとつとっても車やそのテーマ、全体のデザインとの調和を考える必要があります。しかし、そんなことをしてはお金と手間がかかって仕方がありません。パーツやデザインを流用して製品を手っ取り早く作り上げれば、安くて壊れない高品質な製品を作ることができます。まさにこれこそスバルを始めとした日本メーカーの得意分野です。高品質で安くて壊れない反面、デザイン的に洗練されておらずチープさの原因になってしまいます。

歴代のアウトバックから最新のアウトバックまでこのチープさは一貫しています。特に高価な車から乗り換えを検討している人にとってはあらゆる部分が「ちょっと安っぽい」「ちょっとダサい」と感じるはずです。これは「あと一歩」のこだわりやにお金を掛けないというスバルの明確な意思決定の結果です。

これは高級車としては失格ですが、その代わりに私たちが手に入れやすい価格でアウトバックを購入することができます。

アウトバックは古典的なSUV風味

アウトバックはSUV風のステーションワゴンのイメージが強く、実際にその生い立ちはステーションワゴンであるレガシィツーリングワゴンのSUVクロスオーバーでした。

しかしその乗り味は完全にSUVであり乗用車らしくない味付けになっています。昨今のSUVといえばスポーティで乗用車ライクなものが大半で、古典的なオフロード用車両のようなフワフワした不安定な乗り心地のものは少なくなりました。アウトバックはメカニズム的には前者ですが、実際に乗ってみると後者に近い乗り味をしています。

足回りはフワフワとして頼りなくブッシュや分厚いタイヤの柔らかさも明確に感じ取れます。今時めずらしいほどの柔らかい乗り心地です。ステアリングは細く大きく、その割に直進性はそれほど良くありません。エンジンの振動や各部の振動も多少は抑えられているものの伝わりやすく、大袈裟に言ってしまえば乗用車よりトラックや農機具に近い印象を受けるほどです。

もちろん本当のオフロード車両のように負荷がかかった際に横転したりグリップを失うことなくしっかりと車体が支えられてコントロール可能です。

こうした今時珍しいほどに柔らかくダイレクト感に乏しい緩い乗り味もアウトバックの魅力のひとつです。好き嫌いは分かれるはずですが、好きな人にはたまらないポイントでしょう。

しかし、アウトバックを高級車やツーリングワゴンとして考えて試乗してしまうと、あまりの不安定さやフィーリングの乏しさにガッカリしてしまうかもしれません。

ゆったり乗るには乏しいパワーと仕上がらないCVT

アウトバックには1.8Lのダウンサイジングターボエンジンが搭載されています。先代のBS系では2.5LのNAエンジンが搭載されていました。いずれもパワーは必要最低限であり、余裕はありません。

これに組み合わせられるトランスミッションはスバル自慢のCVTですが、昨今の定番である多段化されたトルコンATと比べるとリニア感は乏しくCVTの特性である滑らかさも乏しいです。この不出来なCVTにこだわり続ける点だけは理解し難いですが、とにかくパワートレイン全体で動きが滑らかとは言えずパワーにも余裕がありません。

やはりこうした余裕のない動力性能は高級車としては失格ですが、必要最低限のパワーはあるため特に不便な点はありません。余裕のパワーを得るために高価格化したり燃費が悪化することを考えれば合理的な判断と言えます。

無難で高コスパ、だけど個性が光る

アウトバックの評価をまとめると、いくつかの魅力的な個性が光るものの、車づくり自体はコスパ重視で極めて平凡ということができます。

乗り心地は快適と言うほどでもなく、音もそれほど静かでもなく、エンジンや走行性能、良質なフィーリングもなければ、見た目や手に触れてわかる質感の高さもありません。高級車と思って乗ると間違いなく失望してしまいます。

こだわりや質感がない代わりにコスパに優れた平凡な車です。しかし、そこに今時珍しいほどの柔らかく緩い乗り心地とSUVほど背高感のないスタイルが組み合わされることで同価格帯のライバル不在の個性的な車に仕上がっています。音や振動、不安定さもこの古典的な乗り味と組み合わされることでまとまり、アウトバックの「味」になっています。全体的な緩さやコスパ重視の妥協が結果的に良いまとまりや調和を生み出している結構貴重な例だと思います。

ディーラーの営業マンの話によれば、アウトバックは気に入って長く乗るオーナーが多いそうです。それはこのライバル不在の個性によるところが大きいのかもしれません。

スタバ(Starbucks)アプリから入金ができない【リクエストが完了できませんでした。】

スターバックスコーヒーを普段から利用している方に便利なのが公式アプリ「Starbucks」(以下、スタバアプリと表記)です。アプリ上でカードを作成してリワードを楽しんだりモバイルオーダーをしたりと非常に便利なアプリなのですが注文に使用するカードの入金が失敗することがあります。

エラー内容は以下の通りです。

リクエストが完了できませんでした。しばらく時間をおいてから、再度やり直してください。

同じカードをApple Payに登録して使用しても「お支払いできませんでした」のエラーが表示されます。

公式ホームページではこちらのページで解決策を提示していますが、基本的にクレジットカード会社に問い合わせてスタバアプリからの入金が制限されていないか確認し、制限されていない場合にはスタバのサポートデスクに問い合わせるよう案内があるだけです。

 

私も実際にこのエラーに遭遇したわけですが、解決策は意外なところにありました。

公式ページのQAでは以下のような記載があります。

本人認証サービス(3Dセキュア)対応のクレジットカードをご利用の場合、決済時にクレジットカードの本人確認が必要となります。

この内容だけ見ると3Dセキュアを使用している場合に限り本人確認が必要と読み取ることができます。しかし実際には3Dセキュアに対応したカードが必須のようです。

サポートデスクに問い合わせた際も3Dセキュアが必須とは言われずに原因不明でした。スターバックスのサポートデスクで調査すると回答があって数日。埒があかないので試しに3Dセキュアを登録して1日くらい経過したところ問題なく入金できるようになりました。カード会社等によって違いがあるのかもしれません。

少なくとも私の使用している楽天カードでは3Dセキュアがない状態では何をしても、どこに問い合わせても解決しませんでした。なお、楽天カードの場合には楽天e-NAVIにログインしてセキュリティの項目にある「本人認証サービス」に登録することで無料で3Dセキュアに対応することができます。

室内では弱すぎる楽天モバイル回線を劇的に改善させるCasaとは?

電波環境の改善を続ける楽天モバイルですが、電波強度が弱く室内では圏外になってしまうことは珍しくありません。

docomo、au、Softbankの大手3社との違いは明白であり、家の前に出ると電波マックスなのに家に入った途端に電波が0本になるケースが実際にあります。私の自宅がまさにその状況でした。電話は声が途切れてしまったりまともに使用できず、着信もできないことも珍しくありませんでした。

特に楽天モバイルにこだわる理由はないものの、楽天モバイルを解約する前に「Rakuten Casa」と呼ばれる室内の電波環境を改善するソリューションが無償で提供されていることを知り試してみることにしました。

Rakuten Casaとは

Rakuten Casaはご自宅のインターネット回線に接続して小さな楽天回線エリアを作り出す、屋内専用の小型基地局です。

Rakuten Casa(公式サイト)は、その説明にもある通り自宅のインターネット環境を使用してモバイル通信(4G)の環境を改善するものです。自宅ではWi-Fiがあるため不要と考えることもできますが、自宅でもモバイル通信をしたい場合や電話を使う場合には劇的な改善を見込めます。また、その仕組みから楽天モバイルとは別にインターネット回線を導入していることが大前提になります。

およそ一戸建て全体をカバーする自宅専用の基地局を設置するようなイメージです。

スマートフォン上に表示される電波のマークが0本~1本だった我が家では、導入してから常に電波マックスの状態にまで改善しました。

これが実際にRakuten Casaを導入した前後の通信速度を計測した結果です。

Wi-Fiは当然スピードが桁違いですが参考までに計測しました。

元々は電波が1本で27.3Mbpsしか出ていなかった速度が、78.2Mbpsまで改善しています。ただし、実は回線速度は重要ではありません。ポイントは通信の安定性が劇的に向上したことです。

2023年現在のインターネット上のコンテンツを閲覧・仕様する場合、通信速度がCasa導入前の27.3Mbpsあれば充分であることが大半です。しかし、通信の安定性が低く途切れ途切れになるため実際には27.3Mbpsという数値以上に遅く感じます。具体的にはアプリのダウンロードに時間がかかる、重いわけでもないサイトを開くのに時間がかかるといった症状が発生します。スマホのゲームなどをプレイする場合には通信が途切れてエラーが発生することも考えられるでしょう。

理論上は27.3Mbpsあればそれなりに高画質な動画のストリーミング再生(YouTube視聴など)も可能ですが、実際には低めの画質を選択しないとスムーズに再生されません。

当然のことながら、不安定な通信状態では電話が困難になります。声がうまく聞き取れなかったり、逆にこちらの声が相手にうまく聞こえないことが頻発してしまいます。

Rakuten Casaの導入手順

Rakuten Casaは広く知られ普及しているサービスとは言えません。

その導入手順の煩雑さからもそれが伺い知れます。そもそも電波環境が良好であれば不要なサービスなので、楽天モバイルのように独自の回線を保有しており、まだまだその設置状況が途上である場合に有効なサービスです。

大手3社であればほぼ不要ですし、楽天モバイルも将来的に電波環境が改善されればCasaはどんどん不要になっていくサービスです。

Rakuten Casaを導入するには、まずは「楽天モバイルご利用者様用電波改善・調査依頼」を行う必要があります。こちらのリンクから必要事項を入力することで電波改善と調査依頼を行います。そのうえで電波状況が改善せず、Casaが有効と認められた場合にはCasaの申し込みの案内が送られてきます。

屋外では電波状況が良好なのに、室内では使用に支障が出るレベルで悪化するであればほぼ間違いなくCasaを案内されるはずです。

詳しくは公式サイトをご確認ください。

Rakuten Casaの設置手順

Rakuten Casaは一見するとWi-Fiルーターのような見た目をしています。

実際にルーター機能も内蔵しており、既存のルーターと置き換えて使うこともできます。しかし、ルーター機能が特別優れているわけでもないので既にルーターを使用している場合にはルーター機能を無効にしてモバイル通信環境の改善にのみ使用すると良いでしょう。

ちなみにRakuten Casaの端末は2種類存在し、ルーター機能があるものとないものが存在します。ルーター機能があるものでも、デフォルトではルーター機能がオフになっているので気にせず使い始めることができます。

もしRakuten Casaをルーターとして使う場合には付属のクイックスタートガイドに手順が記載されているように、ONUと直接接続して手順に従って設定を進める必要があります。ルーターとして使用しない場合には、既存のルーターに接続するだけでOKです。

VPN(IPSec IKE)パススルー機能を有効にするといったいくつかの推奨条件が存在するのですが、基本的には何も設定しなくても問題なく動作します。

メリットばかりのRakuten Casaですが、当然場所を取ります。これは実際にONU、Wi-Fiルーター、Rakuten Casaが並んでいる我が家の棚の上の様子です。

大きな黒い機械はUPSなのでおいておいて、おおよそ幅80cm奥行き30cm程度の場所を占有します。壁掛けすることで改善も可能ですが、余裕をもって置く場合には結構なスペースを占有することを考慮する必要があります。

Rakuten Casaのトラブルシューティング

我が家では既にWi-FiルーターとしてTP-Link社のAX5400を導入していました。

そのためAX5400とRakuten Casaを接続したわけですが、LTEやWi-Fiランプが赤く点滅してうまく動作しませんでした。窓口に問い合わせたところ、Rakuten Casa自体のアップデートなどもあるため48時間程度放置してみてほしいと言われました。

しかし、ルーター機能が干渉しているのかCasaを接続するとWi-Fiも使用できない状態になってしまいました。そこで1時間程度放置した後に電源コードを抜いて電源を入れ直してみたところ、無事に動作するようになりました。

電源を入れ直す際には、念のためONUとWi-Fiルーターの電源も入れ直しました。

Casa → ルーター → ONUの順番で電源を抜き、逆の順番で電源を入れ直しました。電源を入れ直す際にはONUの電源を入れてから2~3分待ち、ルーターの電源を入れてから更に2~3分待ち、最後にCasaの電源を入れました。

【中古車購入】安心感だけじゃない!中古車店とディーラーの違いと選び方とは?

中古車を購入する時に悩ましいのが安心のディーラーかバリデーション豊かな中古車専門店かの2択です。実は価格面でディーラーの方が安価なケースも多く「どんな車を探しているか」によってコストパフォーマンスは全く変わってきます。また、2023年現在では年式の新しい車において特にディーラーが上回ることが多く、状況は移り変わっています。

結論から述べてしまえば、2年~5年落ち程度の新しい車を探している方はディーラーがお得な場合が多いでしょう。逆にそれ以上に古い車や100万円以下のお得な車は中古車専門店がお得なことが多いです。

この記事では少しでも良い中古車をお得に購入するための知識を紹介します。

ディーラーと中古車専門店の違いは諸費用の金額にアリ

ディーラーの認定中古車と中古車専門店の車両価格にはほとんど差がありません。

過去には「ディーラーの認定中古車は高い」などと言われる時代がありました。年式が新しく保証もついているが価格は高いと考えられており、安く買うなら中古車専門店に行くのが定石だったものです。

しかし、今では認定中古車と中古車専門店の車両を同条件で比較するとほとんど差がないのが現状です。おそらく中古車サイトなどで車を探している方なら、この事実にすぐに気が付くはずです。(特に年式の新しい車では下取り車を扱うことが多いディーラーの方が安いケースもあるでしょう!)

そのため車両価格について難しいことを考える必要はありません。

ディーラーも中古車専門店も分け隔てなく探し、自分の好みに合った車を見つけましょう!

見積もるとわかる中古車専門店の割高さ

さて、それではディーラーと中古車専門店にもはや違いはないのでしょうか?

いえいえ。全くそんなことはなく中古車専門店は見積もりを取るとその高額さが際立つことがあるのです。ポイントは以下の3つです。

1.ディーラーは無料保証、中古車専門店は有料

年式が古い車はともかく、例えば3年落ちの中古車や5年落ちの中古車ではディーラーは無料の保証が付帯します。たいていの場合は2年程度の保証が付帯し、消耗品以外の主要部品の故障をカバーします。

一方で同程度の新しい車であっても、中古車専門店では3万円程度の保証オプションを付属させる必要があります。ディーラーも中古車専門店も延長保証をオプションで選択可能ですが、1年あたりの単価は中古車専門店が高額であることが多いです。

つまり保証の面でいえば、最低限の保証が欲しい方はディーラーの方が安く、逆に保証ナシで良いという方はどちらでも同じです。

2.ディーラーは無料整備範囲が広い、中古車専門店は狭い

ディーラーと中古車専門店で販売する車両には販売条件の違いが存在します。

基本的にはディーラーの方が基準が高いです。故障部位や消耗部品などを事前に無料で整備する前提で販売していることが多く、近いうちに不具合の原因になりそうな点を事前に価格に含めている場合が大半です。具体的にはタイヤをはじめとした消耗品や、フロントガラスをはじめとした機能部品に影響を与える部品です。

特に最近の車には多数のセンサーやカメラが搭載され、車線の逸脱警告や衝突防止、更には半自動運転のような高い運転支援機能が備わっています。(スバルのアイサイトなどが有名ですね!)この時にセンサーやカメラが搭載されるフロントガラス周りは非常にシビアになっており、昔のように飛び石による小傷を放置すると運転支援機能の誤動作の原因になります。

そのため最近ではフロントガラスに傷がある車を販売する場合、ディーラーではフロントガラスの交換を強く勧めるケースが多いです。飛び石傷はリペアも可能ですが、ディーラーではガラス自体の交換を勧められます。もちろんフロントガラスを交換するとなると高額な費用が発生しますが、ディーラーで販売される認定中古車においては既にこの価格を折り込み済み(つまり無料!)で販売していることが多いです。

一方で中古車専門店ではそこまでのリスク管理は行っておらず、とりあえず現状問題なく作動していればそのまま販売するし、修理をするなら有料での対応となります。

3.ディーラーは不透明な利益の上乗せをしない

ディーラーで販売される車両や、そこに付帯するオプションの価格は基本的に適正価格であり余計な利益をほぼ上乗せしません。特に外部委託するサービスに関しては中抜きをあまりしません。例えば外装のコーティングをする際もコーティング専門店に直接持ち込んだ場合との価格差は少なく、むしろ安価な場合すらあります。

また、遠方から中古車を買うときは車を運ぶための「陸送費」がかかります。

これは近隣であれば1万~2万円程度、関東~東海などの隣接は少ないが隣り合った地域においては3万円~4万円程度です。実は私も最近中古車専門店(全国展開する有名なお店)で見積を取ったのですが、この陸送費がディーラーで提示される金額に比べて2倍近く高額でした。もちろん送り先と送り元は同じです。

これはディーラーが依頼すれば安く利用できるというレベルではなく、個人で陸送を頼むよりよほど高い金額で驚いたものです。つまりこうしたオプションに少しずつ利益を上乗せして、車両本体価格自体は安価に抑えているということでしょう。

ディーラーと中古車専門店のビジネスモデルの違い

ディーラーの中古車が意外と安く、中古車専門店はオプションなどで利益を生み出さなければいけない構図の違いにはビジネスモデルの違いがあります。

ディーラーで販売される認定中古車はほとんどが下取りで仕入れた車であり、新車で販売してメンテナンスを行ってきた車です。一方で中古車専門店では下取りだけでなく業者向けのオークションから仕入れるケースもあります。オークションで購入する車は、どこかのお店で下取りされた車がオークションに出品されており、その間にはいくつもの手数料や陸送費がかかります。

また、中古車専門店ではディーラーに絶対的に勝るバリエーションを手に入れるためにオークションで車を買い揃えたり、価値のある車であれば相場以上の金額で買い取りを行うことすらあります。そのため実は中古車専門店は価格面でどうしてもディーラーに対して不利になることが多いのです。

古い車・安い車では状況が逆転することも

ここまではディーラー優位に話を進めてきましたが、これは年式が新しい車に限った話です。10年以上経過した車や100万円以下の安価な車ともなると状況は少し変わってきます。

そもそもディーラーでは品質の高い製品を提供するために、年式が古い車は早々にオークションで手放し、認定中古車として販売されること自体が少ないです。来歴のわからない車やカスタムの施された車も似たような扱いです。一方で年式が新しく状態が基準を満たせば15万kmを超えるような過走行車であっても店頭に並ぶことが多く、なんとなくの基準が透けて見えてきます。

最近では10年落ちの車といっても見た目の古臭さもなく、故障するわけでもなく十分に快適に乗ることができます。実はこうした車でもディーラーに優位性があるのですが、そもそもディーラーではこうした古い車・安い車が販売されることが少ないです。

つまり中古車専門店がディーラーに比べて優位にあるのはそのバリエーションの多さと言えます。

中古車専門店のバリエーションの豊富さ

中古車専門店では、買い替え時の下取り以外にもオークションや買取を通じて車を仕入れます。

一方でディーラーに在庫されている中古車は基本的に下取りした自ブランドの車で成り立っていることが多いです。加えて取り扱いに不適と判断された車はオークションや同業者への業販により我々の目に触れる前に他所へ行ってしまいます。

つまりディーラーと中古車専門店の間には選択肢の豊富さにおいて絶対的な壁があります。

まとめ

保証や価格、透明性のある価格設定のオプションなど多くの場合はディーラーに分があります。その一方で、ディーラーにはない豊富な選択肢が中古車専門店の魅力です。

賢く中古車を手に入れるには、まずはディーラーの保証付き中古車を探し、そこで目当ての車が見つからない場合には中古車専門店の在庫から探すようにすると良いでしょう。

年式の新しい車であればディーラーでも少し待てば見つかるかもしれませんが、年式の古い車や珍しいオプションを装着した車などは中古車専門店で探した方が早く見つけることができるかもしれません。

雨水マス・汚水マスの高さを上げる方法

お庭にあるプラスチック製のマンホールのようなものの正体は「排水マス」と言います。

メンテナンスや排水の機能上必要なもので、撤去や移動はなかなか困難です。しかし、フタの位置を高くすることは素人でも簡単に行うことができます。

排水マスとは

大きく分けて雨水を流す「雨水マス」とキッチンやお風呂などの下水を流す「汚水マス」に大別できます。こうした排水マスはお庭の地面と同じ高さか、わずかに高めの位置にフタの天面がなるように設置されています。

いずれも汚れやゴミ、油等を簡易的に分離するために必要なもので、撤去は困難です。移動も専門業者に依頼する必要があり、埋設深さの関係もありかなり高額になることが多いです。お庭でガーデニングなどを楽しんでいる場合には、工事のために一度その多くを撤去する必要も出てきます。

排水マスのフタの高さの調整

排水マスは先述の通り地面とほぼ同じ高さに位置しています。

お庭作りの一環で、砂利やブロックを敷いたり草花などを植えていると、排水マスの高さを超えてしまうことがよくあります。そうなると土や砂利がフタを覆ったり、穴つきのフタの場合にはマス内に土や砂利が流れ込むことになります。

こんな時に便利なのが「嵩上げアジャスター」です。嵩上げは「かさあげ」と読み、高さを上げることを意味します。

250mm 300mm

嵩上げアジャスターはご覧の通り高さを上げるための専用の製品で、排水マスメーカーから比較的安価(1,000円前後)で販売されています。

素材はプラスチックの一種で、好きな高さに合わせてカットして使うこともできます。また、ひとつで高さが足りなければ重ねて2段、3段と高さを上げることもできます。

プラスチックなのでノコギリ等で簡単にカットできますが、大きな円柱状のパイプを綺麗にまっすぐカットするのはなかなか難易度が高く、丁寧な作業が求められます。

一般家庭でよく使われるのは250mmか300mmです。お庭の雨水マスをメジャーで測って、外径が約300mm弱なら250mmの製品を、外径が約350mm弱なら300mmの製品を選べばピッタリです。

 

また、汚水マスの場合には規格が異なりこちらの嵩上げパイプが適用されます。

汚水マスは塩ビパイプで出来ており、嵩上げパイプの規格も呼び径150や200といった塩ビパイプと同じ表記がされています。

排水マスの嵩上げ手順

ここまで紹介した嵩上げパイプを施工する手順を紹介します。

雨水マスの場合

雨水マス用の嵩上げパイプは、専用のシール材や接着剤が必要なのですが、ここではそうした道具を使用しないお手軽な手順を解説します。

必要なのは防水性に優れた接着剤、あるいはシール材です。

シリコンシーラント 超多用途シール
コーキングガンが別途必要 チューブから絞り出すだけ

シリコンシーラントは別途コーキングガンが必要なため、既にコーキングガンをお持ちの方にオススメです。コーキングガンをお持ちでない場合には、超多用途シールなどのチューブ状のシール材や防水性を謳っている弾性接着剤がオススメです。

実際のところ、継ぎ目部分は土や砂利に埋まるためそれほど強い接着力は必要ありません。

1.接着面の掃除

はじめに雨水マスのフタを外します。

既に周りに砂利や土を敷き詰めてしまっている場合は、雨水マス周辺だけ掘り返しておきます。

普段掃除しない場所ということもあって土などの汚れが溜まっているので、最低限フタがはまっている縁部分だけでもブラシと水で掃除しましょう。

ちなみに雨水マスは水がある程度溜まるとパイプから流れ出る仕組みになっていて、底には砂利などの比重の重いものが溜まる仕組みです。たまにフタをあけて底に溜まったゴミを取り除いてあげると良いでしょう。

2.接着剤(シール材)の塗布

きれいになった雨水マスの縁と嵩上げパイプの嵌合部分に接着剤を塗布します。

ぴたりとはまるわけではなく、1mm程度の遊びがあるので多めに塗っておくと安心です。嵌め込んだ後は、更に周りをシール材で覆うと補強兼ゴミが溜まりにくくなるためなおよいです。

3.乾燥

接着剤、シール材ともに乾燥後も弾性が残るタイプを使用しているため乾燥には少し時間がかかります。フタをして、上に適当なブロックなどを置いて重石をして1日以上放置しましょう。

十分に乾燥すれば完成です。

周りの土や砂利を戻して、しっかりと踏み固めておきましょう。

汚水マスの場合

汚水マスの場合には雨水マスと違って専用の部材は必要ありません。

ただ、塩ビパイプを接合するのと同じで塩ビパイプ用の接着剤が必要です。

実際のところ、雨水マスの嵩上げとは違って接着剤がなくても早々外れることはありません。しかし雨水マスとは違って万が一外れると悪臭の原因になったり、砂利や土が入り込んで排水を妨げる可能性があるため接着剤の使用をおすすめします。

上で紹介している塩ビパイプ用接着剤は100g入りですが、今後使用する予定がないなら間違いなく余ります。近隣のホームセンターなどを探して、小さなタイプや塩ビパイプも接着できる接着剤を探しても良いでしょう。

1.フタの取り外し

雨水マスとは違って、汚水マスのフタは少し開けづらいです。

雨水マスのように取っ手もありませんから、マイナスドライバーなどを使ってこじって開きます。フタをよく見ると、マイナスドライバーを差し込める小さな隙間があることがわかります。

これで中を確認することができますが、汚水マスの嵩上げパイプを取り付けるにはフタが嵌っているベース部分も取り外す必要があります。塩ビパイプに嵌っているだけですが、少し硬いです。軽く横からたたきながらジワジワと力を入れて抜き取りましょう。

あまり強く叩くとパイプを破損する恐れがあるので注意して作業してください。

フタをベースごと取り外すとこんな感じです。このフタもホームセンターなどで手軽に手に入るので汚れがひどい場合は交換しても良いでしょう。

2.嵩上げパイプの接着と取付

嵩上げパイプの内側に接着剤を塗布します。

雨水マスとは違ってピッタリとはまるので厚塗りする必要はありませんが、満遍なく塗ると差し込むときに潤滑剤代わりになってスムースです。

これを汚水マスのパイプにギュッと差し込みます。

ぴったりサイズなので、パイプの周りに土などの汚れがあるとうまくはまりません。

接着面を綺麗にふき取って、全体的に力を入れながら差し込みます。樹脂製なのであまり強く叩くと割れてしまいますが、ゴムハンマーなどで軽く叩く分には問題ありません。

3.フタを戻して完成

最後にフタを差し込んで完成です。

こちらも乾燥までしばらく放置します。

丸1日くらいは力を入れたりせずに乾燥すると安心です。

プランターに不織布マルチングで病害虫を予防しよう!

プランターで手軽に行える家庭菜園が人気です。

最近ではプランターがデザイン面でも機能面でも進化し、様々な専用飼料の登場と品種改良が進んだことで多くの野菜がプランターで手軽に栽培することができます。しかし、どれだけ進化が進んでも避けては通れないのが病気害虫です。

病害虫を予防し野菜の成長を促す「マルチング」とは?

「マルチング」とは、野菜が植えられた地面をビニールや不織布、藁(わら)などの資材を使って覆い隠すことです。以下の写真ではたっぷりの藁を使って土の表面を覆い隠しています。

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また、こちらでは黒いビニール系の資材を使用して株本を覆っています。

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このようなマルチングを行うのには以下のような理由があります。

  • 降雨時の土の跳ね返りによる病気の感染を防ぐ
  • 地温を上昇させ、植物の成長を促す(特に濃色系の資材を使った場合)
  • 太陽光を反射させ、一部の害虫を寄せ付けない(特に淡色系の資材を使った場合)
  • 地表面からの水の蒸散を防ぎ、水やりの頻度が下がる
  • 水やりの頻度が下がり肥料の持ちが良くなる
  • 雑草を抑制する

最後の雑草を抑制する効果は、養分を効率よく植物に伝えて美観を守るだけではなく、病害虫の増殖を抑える効果も期待できます。

一方で地表からの水の蒸散が減る分、水のやり過ぎによる根腐れのおそれがあります。マルチングをした場合には水やりの頻度を半分から三分の一程度に減らし、慣れないうちは時折マルチングをめくって土の乾燥状態を確認すると良いでしょう。

プランターでマルチングが難しい理由

このようにマルチングには非常に高い機能性がある反面で、プランター栽培ではなかなか活用できない理由があります。

マルチングに使用する資材(以下、マルチ資材と呼びます)は主にビニール製で水を通しません。黒やシルバー、透明のビニールが安価に販売されています。しかし、幅は約1m、長さは50mほどあるなどプランター栽培には少し大袈裟すぎます。

こんなビニールのロールをホームセンターや園芸屋さんさんで見かけたことがないでしょうか?これが代表的なマルチ資材です。

量が多すぎることはおいておいても、ビニールのマルチングをプランターにしてしまうと水やりができません。

地植えの畑や土の量が豊富で地面ともつながっているレイズドベッドを除けば、このようなビニールのマルチをすると土が干上がってしまいます。また、水やりをするたびにビニールを剥がして、また貼りなおすとなると大変な手間です。

またプランターの形状によっては表面を完全に覆うことで土中の通気性に問題が出る可能性もあります。

ここで便利なのが透水性や通気性に優れた「不織布」です。

不織布と一言にいっても様々な種類がありますが、マルチングに適しているのは透水性に優れた「防草シート」として販売されている不織布です。

※これ以外にも藁や堆肥、やしがらのマットなどの有機質を使ったマルチングも存在しますが、機能性でやや劣り管理も煩雑になるため省略します。

不織布マルチングに適した防草シート

不織布マルチングに適した防草シートは、適度な厚みと高い密度、そして透水性が求められます。

防草シートには高価なものから安価なものまでありますが、安価なものでは透水性が低く、水やりをしてもシートの上に水が溜まり続けてしまいます。一方で高価なものでは厚手で生地が硬く、野菜の成長に合わせて切り込みなどを調整する必要があります。

いくつかの防草シートを使用してきた経験から、安価な製品のなかでこのような条件に適しているのはこちらの商品です。

ほかにも適した商品は多数ありますので、お好みで試してみても良いかもしれません。

プランターの不織布マルチング手順

今回はこちらの茎ブロッコリーを植えた角型の野菜プランターに不織布マルチングを施してみたいと思います。

まずは不織布(防草シート)をプランターの大きさにカットします。

この時に小さく切りすぎず、むしろ気持ち大き目にざっくりとカットします。厚手で硬くてコシのある不織布はハサミでもカットしやすいです。

次に植えている株の位置にあわせて切り込みを入れます。

今回のようにプランターの中央に1株植えている場合、不織布シートを4つ折りにすると折れ目がガイド代わりになって簡単にカットできます。以下の写真ではカットしたラインを白い線で示しています。

カットした不織布をプランターに敷きこみます。

このように少し大きめにして余分を残しておく方が、隙間ができづらく雑草対策にも美観の面でも優れています。隙間があると、水やりをしたときに土が浮き上がってマルチ資材の上に流れてきてしまい、不織布の上が汚れてきたなくなることがあります。

最後に付属のピンを使って不織布を抑えれば完成です。

このピンは必要であれば追加でホームセンターなどで安価に手に入ります。また、ピンの代わりに重しになるブロックやおしゃれなじゃりを置いてもかまいません。ただし、ブロックや砂利を使うと隙間に不快害虫が住み着くこともあるので、こだわりがなければピンを使うことをおすすめします。

不織布(防草シート)の透水性について

防草シートとして販売されている不織布の透水性について注意が必要な点があります。

新品のタオルが思いのほか水を吸わないように、不織布も最初は水を吸いません。

タオルの場合には一度洗濯することでふんわりとして水もよく吸うようになりますが、不織布は洗濯機で洗うわけにもいきません。

バケツに水を貯めて、もみ洗いするようによく水を含ませるというのも一つの手ですが、基本的に日に当たっていると勝手にふわふわ感が戻って水を吸うようになります。

新品の状態では、不織布マルチングのうえから水をやっても一向に水を通さず不安になると思います。しかし、これはほったらかしで問題ありません。外に置いていれば勝手に水を吸うようになっています。

【BMW】ECO PROモードのセーリングと回生制御の組み合わせ

BMWの各モデルに搭載されるECOモードあるいはECO PROモードを有効にすると一体どんなメリットがあるのでしょうか?実はこのECO PROモードを使っても効果が薄いシチュエーションが多く、むしろ車の負担を増大させ最終的に排出ガスを増やす結果になる場合もあります。

今回はこのECO PROモードが一体どんな制御を行い、どんなメリットがあるのか紹介すると同時に、どんなデメリットが考えられるのか?を解説していきます。

1.アイドリングストップの再有効化

アイドリングストップはその再始動時の振動や音を理由に意図的に無効にするBMWオーナーも多いです。

BMWはその他多くのメーカーと比べても、エンジン始動直後にアイドリングストップを無効にする操作が行いやすいです。最初から無効にする設定が欲しいところですが、原則として有効になっている必要があるため致し方ありません。(トラクションコントロールが無効にできることに似ています)

ECO PROモードを有効にすると、無効にしていたアイドリングストップが再度有効化されます。もちろん、再度無効化することも可能です。

アイドリングストップはその有効性が疑われることも多いのですが、実際にはセルモーターやエンジンの消耗を早めます。アイドリングストップで燃費が向上し排出ガスがどれほど減少したところで、車やその部品を1つ作り出す際に生じる環境破壊に比べればそれは微々たるものです。また、オーナーの金銭的な負担にもつながります。

アイドリングストップはストップ&ゴーが多い渋滞した都市部で有効なように思えますが、実際にはジワジワと進む渋滞の多い都市部では有効性は低いです。

ストップ&ゴーの多さではなく、停車時間が長い場合にのみ有効です。ただし、その効果は極めて限定的です。

2.エアコンの制御

エアコンは車に搭載された数ある電装品のなかでも特にエンジンへの負荷が高く燃費を悪化させる原因になります。

このエアコンの動作を無理矢理抑え込め、コンプレッサーがエンジンから奪い取るエネルギーを減らすことで確実な燃費の向上を見込めます。BMWのECO PROモードにおけるエアコンの制御は常にエアコンの動作を弱めるわけではなく、エンジンの動作と設定温度など各種パラメータから判断して適宜エアコンを制御します。

これは純粋なコンピュータ制御であり、制御のための追加部品もなく、ほとんどデメリットのないオーナーに寄り添った良い燃費対策といえます。

3.セーリング

ここまでの2点は非常にわかりやすい項目ですが、この「セーリング」と次に紹介する「回生ブレーキと発電ロス低減」がECO PROモードの少しわかりにくくさせている要因です。

セーリングとは、アクセルペダルから足を離すとエンジンとトランスミッションを切り離してエンジンブレーキを一切なくし、完全に惰性で走行します。通常であればアクセルペダルを離してもエンジンブレーキが効いて徐々に減速しますが、セーリングが有効になると減速スピードが緩やかになります。

ただし、下り坂などではエンジンブレーキが効かないために速度がですぎてしまうことがあります。

ちなみにセーリング中にブレーキを踏んでもセーリングは維持されます。(状況によってはセーリングが解除されてエンジンブレーキが効くようになることもあります)

セーリング中は回生ブレーキによるバッテリー充電は有効にならず、セーリングが有効なら回生ブレーキは無効、逆もまた然りです。

セーリング自体は追加部品や特別な制御も不要で良い燃費対策ですが、坂道の多い道ではエンジンブレーキが効かずにブレーキを多用するためブレーキの消耗が早まったりバッテリーの回生が働かないというデメリットがあります。

4.回生ブレーキと発電ロス低減

ハイブリットや電動化されていない多くのBMWのモデルでは、回生ブレーキが備わっています。

回生ブレーキは、通常であれば熱に変換されるだけの車の運動エネルギーを充電に回します。充電された電力が何に使用されるかというと、ハイブリット以外のモデルでは直接的なエンジンの補助を行いません。回生ブレーキによりバッテリーが十分に充電されると、オルタネーター(発電機)を切り離してエンジンの負荷を低減させます。

理論としてはエアコンの制御に近いですが、エアコンに比べるとオルタネーターの負荷は小さく、また充電が不足すると最悪の場合エンジンが停止するなど影響が大きいためエアコンほど大胆に制御することはできません。

そのため効果は限定的であり、バッテリーが充電されたところでハイブリットカーのような明確な効果は見込めません。

資産形成で早期リタイアを目指すのは間違っている

お金を貯めたり株式や不動産などの資産を形成して早期のリタイアを目指す方が増えています。実際に30歳で早期リタイアした私からすると非常に危うい考え方にヒヤヒヤしてしまいます。

現金も資産も価値は変動する

資産形成をある程度学んだ方や既に始めている方、ゴールが見えている方は資産の価値が変動することをよくご存じだと思います。

もちろんFXを嗜んでいる方は現金の価値が変動していることもよくご存じでしょう。

こうした価値の変動は安定した世界情勢の上で危うい均衡の上で成り立っています。また、既存の資産や貨幣に価値は現在の社会基盤の上においてのみ成り立ちます。

この均衡はこの先10年や20年程度では簡単に揺るぐものではないと思われがちです。確かに自然災害や戦争が起こらない限りは揺るがないかもしれません。しかしそれが40年、50年となってくると話は別です。半世紀近い時間が経てば何が起こってもおかしくありません。

 

リタイアしてから自身が何年生きるか考えてみてください。

 

早期リタイアといった場合、多くの場合30歳前後でのリタイアを想定していると思います。遅くても40歳前後でしょう。間を取って35歳でリタイアをしたとしても、その先50年以上生きることは決して非現実的な想定ではありません。(むしろ非常に現実的であり、更にそれが長引くこともあるでしょう)

その時、あなたが築き上げた資産や貯金が価値を維持し続けるという想定はあまりにも浅慮です。

現金でも資産でもなくどんな時代でも稼げるスキル

早期リタイアをする上で重要なのは現金でも資産でもありません。

どんな時代であろうとも稼げるスキルを身に着けることです。

 

たとえ現金の価値がゼロになって、株式や不動産が無価値になっても、その時に稼げるスキルさえ持っていれば困ることはありません。

「現金や資産がなくなったらまた働くのか?」と嫌な気持ちになるかもしれませんが、生きるためには致し方ありません。そんな時にスキルがなければ、拘束時間が長く肉体的にも精神的にも辛い仕事に従事するしかないでしょう。あるいは身を奮い立たせて事業を興す必要があります。

しかし、楽にのんびり稼げる仕事があればどうでしょう?

例えば昨今よく話題に挙がるフリーランスエンジニアです。

斯くいう私がリタイアした結果、暇すぎて週に2~3日だけフリーランスエンジニアの仕事をしています。働く時間も自由、働く曜日も自由、いつでも気が向いたときだけ働くだけ。監視されることも自由を拘束されることもなく、当然在宅勤務です。

ここまで何もかもが自由で週に2~3日しか働かないとなると、会社としても扱いづらく単価も下がってしまいます。(それでも一般的な月収を上回る金額を報酬として受け取っています。仕事も腐るほど、選ぶほどあります。)

100年後でも使えるスキルを磨こう

こうしたスキルを身に着けるためには、まず最初に50年後や100年後でも使えるスキルを選択する必要があります。

また、スキルレベルが低ければのんびり働いて暮らすのに困らない対価を得るのは難しくなるでしょう。100年経っても需要がある良いスキルを選択し、仕事を選べるほどの高いレベルでスキルを習得する必要があります。

ある程度その業界について知識や経験がないと選ぶのが難しいところではありますが、一生遊んで暮らせる資産を形成することに比べれば難易度は高くありません。私はエンジニアという選択肢を採りましたが、選択肢は無数に存在します。

ITにかかわるエンジニアと一言にいってもその内容は多種多様です。AIに取って代わられるだとか、自動コーディング技術の進歩でいずれ淘汰されるかもしれませんが、50年や100年では需要がなくならないことを私なりに分析したうえで選択しました。こちらは詳しくはまた別の記事で解説したいと思います。

資産とスキルの2つが揃って初めて早期リタイアに安心感が生まれる

早期リタイアと資産形成がセットで語られるのは、資産を形成することで安心のリタイア生活を送ることができるからです。

しかし、本当の安心を得るには資産だけではなく資産が無価値になったときでも稼げるスキルを身に着ける必要があります。

こうしたスキルは必ずしもリタイア前に身に着ける必要はありませんが、実際に実務経験を積むことを考えればリタイア前に働きながらスキルを身に着ける方が効率的かつ現実的でしょう。どれだけスキルを自身で磨いても、実務経験や実績があるとないとでは説得力が天と地ほど違います。

私のようにリタイア後に趣味に明け暮れた結果、暇になりすぎて少しだけ働くという選択肢をとる方も少なくないでしょう。そんな時に気ままに働きながらスキルを磨き、最新の状態にアップデートして更にスキルレベルを高めるというのも良い選択です。

BMWのターボエンジン(B48)に20W-50の安い鉱物油を入れている話

近年のBMW各モデルに搭載される4気筒エンジンの「B48」や6気筒エンジン「B58」。

数々の対策により高い環境性能と実用性を得た一方で、旧来のBMWのエンジンとかけ離れたレスポンス、サウンド、フィーリング、走る楽しさで車好きや業界に衝撃を与えた問題作(?)です。

ずいぶんと前に始まったエンジンオイルのロングライフサイクル化の影響を受け、指定されるエンジンオイルは認証を受けた高性能な化学合成油のみとなっています。

0W-30指定に20W-50の鉱物油を入れていいの?

そんなつまらないエンジンであるN48エンジンは、0W-30や5W-30の認証を受けたオイルが純正で指定されています。手元に資料がない状態で執筆していますが、たしか5W-30だったような記憶があります。

私自身は長らく0W-40のMobil1を使用していましたが、あるタイミングで20W-50の鉱物油に切り替えました。理由は主に4つです。

理由1:エンジンの消耗と保護

1つ目の理由はエンジンの消耗と保護です。

一般的にエンジンオイルは粘度が高い方がエンジン内部の消耗を防ぎ、すでに消耗がある場合にもオイルの力で油膜切れによるシール性能低下を防ぐことができます。

私が今乗っているバンくん(愛称)はF31型の3シリーズツーリングで、本当にバンのように木材や砂利やセメントなどをよく運んでいます。あまりにもひどいエンジンではありますが、車趣味を終わらせるための車として選択した経緯があり、次に気になる車が登場しない限りは限界まで乗り続けようと考えています。

そんなバンくんも走行距離が10万kmを超えています。まだまだ現役ではありますが、ややオイル消費が増えた気がすることと今後も長く乗り続ける可能性があるため粘度の高いオイルへ切り替えることにしました。

理由2:やかましいノイズ

2つ目の理由はノイズ対策です。

このN48エンジンは新車時点でも、現行モデルに搭載された展示車両であってとんでもなくやかましいノイズを鳴らします。エンジンで高い評価を受けていたBMWがここまで落ちぶれたかと肩を落としそうになるような、ディーゼルエンジンのような音をかきたてます。

もはやこんなノイズにも慣れたもので、車好きから「ディーゼル?」と聞かれるのにも飽き飽きしていたわけですが、オイルの粘度を上げれば少しはマシになるかもしれないと思い粘度を上げることにしたわけです。

理由3:へたくそなパワートレイン制御

3つ目の理由はパワートレイン制御をマイルドにするためです。

このB48エンジンはエンジン自体の出来も悪いですが、パワートレイン全体の制御もお粗末です。急激なトルク変動や加速など、いくらでも制御可能なポイントを残したまま製品化されており、究極のドライビングマシンを謳っていたBMWはどこにいってしまったのかと肩を落としたくなる気分です。

エンジンオイルを硬くすると、体感できるレベルで吹けあがりが悪くなります。

逆に吹けあがりをよくするためにクラシックなスポーツカーに低粘度の化学合成油を入れて、オイルを漏らしながら吹けあがりの良さを追求する層もいるほどです。

粘度を上げることで、お粗末なパワートレイン制御による急激に挙動の変化を少しでも抑えることができるのではないかと、儚い希望が粘度を上げるひと押しになりました。

理由4:オイル交換頻度

最後はオイル交換頻度です。

BMWが高性能なオイルを指定する理由はいろいろありますが、大きな理由はフリクションを減らすことで質感の高いエンジンにすることや、高い温度帯で管理されるオイルの劣化を考慮していることや、ロングライフサイクル化の一助とするためです。

話し出すと一つの記事が書けそうなほどいろいろな要因が絡みますが、要するにエンジンオイルとしての用を成すにあたって指定の高性能オイルは必要ないということです。

一方でメーカーが指定する通りにオイル交換をする場合には指定オイル以上のオイルを使う方が良いでしょう。

私はかねてより年に3~4回、だいたい3か月~4か月に1度のペースでオイルを交換しています。田舎道や高速道路の走行がメインで、エンジンオイルの劣化が少ない乗り方をしていることを加味するとなかなかの高頻度です。

そのためわざわざ価格が高いエンジンオイルを使用する必要がないわけです。

N48エンジンに20W-50の鉱物油を使用した結果

N48エンジンに20W-50の鉱物油を使用した結果はというと、きわめて良好です。

騒々しいノイズは和らぎ、アクセルペダル操作に対するトルク変動もわずかに緩やかになることで往年のBMWの6気筒エンジンのようなフィーリングを0.01%くらい感じさせてくれます。個人的には静かにシュンシュン回る往年の4気筒エンジンの方が好みですが、多段ATとダウンサイジングターボエンジンの組み合わせでは不可能でしょう。

N48やN58など近年のBMWのダウンサイジングターボエンジンはオイル温度の管理が厳しく、普通に乗っているだけでも「えっ?」と思うような温度でオイル温度が推移します。そんな時も50という粘度が安心感を与えてくれます。

始動性は冬場でも良好です。オイル交換時の古いオイルの状態を見てもまだ粘度がありしっかりと機能していることがわかります。体感では半年5000kmくらいは余裕で使えそうです。エンジンをより良く保ちたいならもう少し短めのスパンが良いでしょう。安いし。

ちなみに使用しているオイルはこちら。

国産車でもユーザーの多いよく聞くお手頃オイルです。本当になんでもOK。

1Lの価格は余裕で1000円を切り、ショップで交換してもらって工賃を含めても1万円以下。これなら年に4回でも5回でも交換しようと懐は痛みません。

長く快適に車を維持したいなら安いオイルを高頻度で

これは過去の数々の記事でも触れていることですが、エンジンオイル交換は車を長く良い状態に保つために重要です。

まともな流通経路で販売されているようなオイルであれば、たとえ私が今使用しているSUNOCO MARVICのような格安オイルであっても最低限の品質は維持されています。

エンジンオイルを高頻度で交換して良いことはあっても悪いことはありません。

エンジンオイルのロングライフサイクル化の急先鋒であるBMWでさえ、エンジンオイルの交換サイクルを長くすることで車の状態を維持し消耗を抑えられるなどと一言も明言していません。

長く車を快適に維持するためには安くても良いので高頻度でのエンジンオイル交換することが肝要です。エンジン周辺の故障を未然に防ぎ、エンジン自体の消耗も防ぎます。故障が減るということは維持費も抑えられるうえ、不要な部品交換が減って環境負荷を減らす効果もあります。

高価なオイルには理由があります。

量産効果が得られやすいエンジンオイルにおいて、なお高価であるということは製造コストが高いのです。製造工程が複雑かつ長く、製造にかかる環境負荷が安い鉱物油の比にならないほど高いということです。

エンジンオイルの交換サイクルを長くするメリットは「オーナーの手間が減る」という1点に尽きます。少しでも車を大切に思う気持ちがあるのであれば、ぜひエンジンオイルの交換頻度を少し上げることを検討してみてほしいと思います。

【在宅勤務の停電&落雷対策】誰でもわかる「UPS」の選び方と導入の記録

台風が多いこの時期、在宅勤務をしていると不安になるのが落雷によるパソコンなどの電子機器の故障と停電による業務の継続困難です。

そんな落雷時の機器の故障を防ぎ、なおかつ停電中に電力を供給する「UPS」を導入したので選び方から手順まで誰でもわかる平易な解説を加えつつ導入の記録をお伝えします。

私のようにデスクトップパソコンで業務を遂行する人もいれば、ノートパソコンで仕事をしている人も多いでしょう。ノートパソコンであれば落雷の影響はないように思えますが実際にはACアダプターと接続している場合は故障の危険があります。また、ディスプレイなどの外部機器を使用している場合は停電で使用の継続が困難になってしまいます。

UPSとは?

UPSとは、日本語で「無停電電源装置」と言います。

その名の通り停電が起きても接続している機器に電気を送り稼働させ続けることができます。常時接続型のバッテリーのようなものです。また、付随する機能として落雷時の機器の故障を防ぐことができます。多くの場合は停電が起きた際には自動的に機器を安全にシャットダウンする機能(ソフトウェア)が付属しており、サーバーやネットワーク機器、パソコンにプリンターを始めとしてあらゆる電化製品を接続できます。一般的には業務用に使用され、絶対に止まってはいけない設備を停電から守るために使用されます。

とっても高価な設備に思われるかもしれませんが、家庭用の安価な製品も販売されており1万円台から入手可能です。UPSと言うと何か大袈裟なものに聞こえますが、バッテリー付きの延長タップのようなものです。

誰でもわかるUPSの選び方とオススメモデル

安価に購入できるUPSを販売しているなかで信頼できる大手メーカーと言えば以下3社です。

  • APC
  • オムロン
  • CyberPower

特にAPCはバリエーションも販売数も多いです。

UPSはバッテリーが徐々に劣化するため、バッテリーが消耗した際には交換の必要があります。単純に捨てようとするとちょっと大変ですが、大手メーカーであれば購入時に古い製品を引き取ってくれるサービスもあります。後々のサポートや交換・買い替えのことを考えて大手メーカーから選択すると良いでしょう。

 

メーカー以外に気にすべき点は2点です。

それ以外はオマケ要素のようなものなので、とりあえずこの2点だけ気にすれば良いです。

ポイント① 矩形波と正弦波

バッテリーから供給される電力にはパターンがあります。

ひとつは「矩形波」で、もうひとつは「正弦波」と言います。あまり細かい知識は必要ありません。覚えるべきは精密機器を矩形波で使用すると動作が不安定になる可能性があるという点です。

そのためパソコン用にUPSを購入する場合にはとりあえず正弦波という表記があるUPSを購入することをおすすめします。UPSをオンラインショップなどで検索すれば、かならず「矩形波」もしくは「正弦波」の表記があるはずです。

基本的には矩形波の製品の方が安価ですので、選ぶ際には注意が必要です。

ポイント② 出力電力容量

続けて重要なのが出力電力容量です。

いわゆる「W」で表される「ワット数」です。例えばドライヤーやヒーター類は1000Wくらい使うこともありますし、最近のLED電球は10W以下で稼働します。

パソコンの場合は300Wもあれば十分です。

高性能なデスクトップパソコンの場合は650Wや750Wなどの電源を搭載していますが、これは使用可能な電力の上限であり、通常はその半分以下で稼働しています。ゲーミングデスクトップパソコンなどの高性能なパソコンであっても、何も操作をしていない時や低負荷時は100W以下で稼働していることがほとんどです。

例えばAPCから販売されている小規模ビジネスや家庭向けの製品群であるRSシリーズのラインナップを見てみましょう。

(画像はAmazon.co.jpの商品ページより)

最もコンパクトなBR400S-JP Eであれば240W、最も大きなBR1200S-JP Eであれば720Wまで対応可能です。

目安としてデスクトップパソコン+モニター+ネットワーク機器+NASの合計で180Wと記載がありますが、高性能なパソコンであっても普段の消費電力は決して多くありません。停電が長引く場合は作業中のファイルを保存してパソコンの電源をシャットダウンしますし、バッテリーは劣化しますからあまり稼働時間を気にする必要はないです。

ちなみに保証期間は長くないもののバッテリー自体は劣化しながらも10年くらいは長持ちします。運が悪いと6~7年で劣化してアラートが鳴り始めますが、運が良ければ10年以上使い続けることができます。

 

私は650Wの電源を搭載したゲーミングデスクトップパソコンを業務使用していますが、330Wの「BR550S-JP E」を選択しました。接続するのはパソコン本体と24インチモニター2枚、27インチモニター1枚のトリプルディスプレイ構成です。

APCのRSシリーズは正弦波でパソコンにも対応しており、コストパフォーマンスも良い非常におすすめのモデルです。

このAPC RSシリーズを例にとって用途別のおすすめモデルを紹介します。

用途 おすすめモデル 価格帯

パソコンに加えて小数の周辺機器

一般的な事務作業や低負荷な開発作業

RS400-JP E 16,000円~19,000円

パソコンに加えて多数の周辺機器

高性能なパソコンでやや負荷の高い作業

(エントリークラスのゲーミングPCやクリエイター向けPCなど)

BR550S-JP E 18,000円~21,000円

高性能なパソコンで負荷の高い処理を長時間行う

消費電力の大きい機器を複数接続する

(ミドル~ハイエンドのゲーミングPCやクリエイター向けPCなど)

BR1000S-JP E 32,000円~35,000円

高性能なパソコンで極めて負荷の高い処理を長時間行う

消費電力の大きい機器を多数接続する

BR1200S-JP E 40,000円~43,000円

基本的に同じシリーズ内では出力電力容量が大きいほど価格が上がります。

高性能な大型のタワー型デスクトップパソコンなどで、部屋が暖房いらずなほど暑くなる作業を常時行っているのでなければ、基本的にBR550S-JP Eで十分です。

高性能パソコンで高負荷作業を常時行う場合や、停電時に少しでも長く作業したい場合には上位のモデルを選択しても構いませんが、停電が長期化する場合にはいずれのモデルを選んでも結局は作業を中断してファイルを保存してシャットダウンすることになります。また、近年では長時間の停電は少なく、長くとも数分で復旧することが大半です。

価格自体はいずれも業務用で10年近く使えると考えれば決して高価なものではありませんが、ご自身の環境にあわせて適切なものを選択すると良いと思います。

出力電力容量を超えた場合の挙動について

出力電力容量を越えた場合、接続されている機器は停止します。

例えば出力電力容量500WのUPSに、消費電力が1000Wのドライヤーを接続しても動作しません。パソコンの消費電力が、作業負荷の高まりによって上昇して出力電力容量を越えた場合、パソコンの電源がブツリと落ちます。

原則として使用する機器の消費電力のカタログ上の上限を合計して、UPSの出力電力容量を越えないようにする必要があります。

例えば我が家のPCの構成は以下の通りです。

  • CPU: Intel Core i5 9400F(TDP: 65W)
  • GPU: NVIDIA GeForce 2060(TDP: 160W)

PCパーツの中で主に電力を消費するのはCPUとGPUです。

残念ながら消費電力は公開されていませんが、TDPからおおよその消費電力を予想することができます。大抵の場合、消費電力は最大でもTDPの1.1倍~1.5倍ほどです。

実際に我が家の構成で高い負荷のベンチマークを動作させた場合、消費電力は220W程度です。ここに3台のディスプレイを接続しても+50W程度ですので、出力電力容量が330WのBR550S-JP Eで十分であることがわかります。

UPSの導入手順

UPSの導入手順は非常に簡単です。

こちらが実際のAPC BR550S-JP Eです。サイズはA4サイズ程度で厚みは握りこぶし程度。重量も片手で掴んで持ち運べる程度と意外とコンパクトで軽いことに驚かれるかもしれません。

基本的にユーザーマニュアルに従って準備をしますが、多くの場合はバッテリーを接続するだけです。バッテリーカバーを開けると赤い端子がプラプラと接続されていない状態です。

これを接続してカバーを戻せば準備完了。あとは電源プラグを差し込むだけです。

メーカーやモデルによって手順は異なりますので、くれぐれも手順書を参考に進めてください。

ちなみに電源はアース付きで、落雷の被害から機器を守りたい場合にはアースの接続が必要です。アースに接続していない場合には、落雷時に機器が故障する可能性があります。

雷対策なら変換アダプタ接続が便利

UPSによる雷対策にはアースの接続が必要ですが、こんな逆変換のアダプタを使用すると見た目がスッキリします。アース線同士を束ねて接続しても良いのですが、見た目も良くアース端子はやや硬めで抜け防止にもなるので個人的には採用しています。安心のパナソニック製。

実際に変換アダプタをPCやディスプレイのケーブルと接続した様子がこちら。

こんな風に通常のプラグ+アース線をアース付きの端子に変換してくれます。黒があればなお良いのですが、これだけでも大分すっきりまとまります。

余談:地方移住でUPSの必要性を実感

会社支給のパソコンであれば、わざわざ自身でUPSを購入する必要はないでしょう。

会社が必要と判断すれば会社が支給し、支給しないのであれば落雷時の故障や業務が継続困難になることは織り込み済みです。しかしフリーランスとなると話はまったく変わってきます。フリーランスの場合、基本的に機器は自身で用意する必要があり、故障で業務が遂行できなければその分だけ報酬が減ることになります。

とはいえ、そんな私がUPSの必要性を実感し始めたのは地方移住を果たしてからです。都心部や首都圏では想像ができないことですが、地方では荒天時に当たり前のように停電(瞬停を含む)が発生します。送電網が貧弱なのか、経路に山が多いせいなのかはよくわかりませんが、本当のド田舎では停電は珍しくないのです。

 

 

ブログを書いている人

カタミチ

ご意見・お問い合わせ等:syufukc@gmail.com

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