100万円以下の中古BMW各モデル一挙解説
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2020年1月15日 加筆修正
中古販売されているBMWのうち、100万円を切る格安モデルを一挙に紹介します。
かなり数が多くなりますので、簡単なコメント付きです。
モデルごとの細かな特徴や弱点も、そのうち用意したいですね。
※LCI表記について
最近ではマイナーチェンジ前後のモデルを「前期」「後期」と呼びません。
「前期」は何もつけず、「後期」は「LCI」という呼び方をします。
この記事内では、便宜上「前期」「後期」という呼び方に統一します。
LCIとは、Life Cycle Impulseの頭文字をとった略語で、日本で言うマイナーチェンジ、フェイスリフトと同義です。
また、厳密には中期と呼ばれたり、更に細分化して呼ばれるモデルもありますが、やはり大きく前期・後期に大別できますので、この記事内では前期・後期以上の細分化はしません。
1シリーズ
E87(前期・後期)
BMWのエントリーモデルとして扱われる1シリーズです。
ベースは同年代の3シリーズ(E90)と共有しています。
コンパクトなハッチバックボディ、FR、優れた前後重量比など、見るべきところはあるが、中古として狙う価値があるかは微妙なところです。
元から価格設定が低かったこともあり、非常に低価格で状態の良い個体も選び放題です。
2004年に登場し、2007年にマイナーチェンジを実施しています。
エンジンは4気筒が1600cc(116i)と2000cc(118i/120i)、6気筒が3000cc(130i)。
6速ATが標準で、6気筒3000ccだけは6速MTも用意されています。
最終年式(2010年式)の走行距離が少ない車でも、100万円を下回る車がほとんどとなっており、狙いやすいです。
最終年式で10年落ち(2020年現在)となっており、経年劣化により部品の劣化が少しずつ気になり始める時期です。
とはいえ、10年落ち程度では故障はほとんどありません。
なお、130iに関してはその希少性からあまり寝落ちしていません。
コンパクトなFRハッチバックで3000cc直列6気筒エンジン、ちょっとわくわくする仕様です。
3シリーズ
日本国内では販売台数が多い3シリーズです。
日本においてはスタンダードな車格として扱われます。
サイズもコンパクトで小回りも効き、性能も確かなものがあります。ある程度成熟した部品が採用されており、性能・価格・実用性のバランスが高いです。
販売台数が多いだけあって、インターネット上での情報も多く、中古車も豊富です。
E30(前期・後期)
3シリーズの2代目にあたる、E30です。
日本で販売数が爆発的に増えたキッカケとなったモデルでもあります。
そのクラシカルなスタイリングと、当時から変わらぬ基本性能の高さで、今でも一部では人気があります。
既に30年以上経過したモデルであり、中古車の流通量は少ないです。
プレミアが付いているというほどではないものの、数少ない中古車の価格は少しだけ高めです。状態の良い車両では100万円以上の価格が設定されていることもあります。
流通量が少ないため相場は存在せず、販売価格は言い値であることが多いです。
1982年に登場し、1987年にマイナーチェンジ。
一部のモデルを除いて1990年まで販売されました。
前期と後期でスタイリングの特徴(バンパーのメッキやテールライト)などがあり、好みは分かれます。
カブリオレだけは前期のスタイルのまま最後まで販売されました。
エンジンは、1800ccの4気筒から2500ccの6気筒まであり、初期のモデルではキャブレター仕様もありましたが、基本的にインジェクターが採用された現代的なエンジンです。
トランスミッションは、5速MTか4速AT。
4輪駆動モデルも販売されていました。
更に、2500ccエンジンには、通常版とエコ(低出力)なエンジンが用意されていました。
年式の古さから、部品の流通は減り部品価格は上昇し、生産終了の部品もあります。
30年以上経過しているため維持にはある程度のお金がかかります。
整備記録の十全な車両は少なく、数自体も少ないことから良い車両に出会える可能性は低いです。
どうしてもこのモデルを買うのであれば、信頼できるお店で、出来るだけ履歴の確かな車を探し、整備への備えは十全にしておく必要があります。
動かなくなったら終わりと乗りつぶすにはちょっともったいないし、古すぎる。
E36(前期・後期)
3代目の3シリーズです。
E30に比べて更に販売台数は増えました。
しかし、既に20年以上経過しており廃車になる個体も多いです。中古車の数も減っています。
1990年に登場し、一部のモデルを除き1998年まで販売されました。
エンジンは1600ccから1900ccまでの4気筒、2000㏄から2800㏄までの6気筒エンジンを搭載し、トランスミッションは5速ATもしくは5速MTがありました。
M3以外にも、318isという1800㏄の4気筒エンジンをメカニカルチューンにより140馬力までパワーアップさせたホットモデルもあり、このモデルは今でもサーキット走行用のベースとして、あるいはそれ以外でも人気があります。
20年落ちという年式の古さから、トラブルも多く想定されます。
この年代のBMWは、内装用接着剤の変更により10年ほどで内装が剥がれる問題がありました。そのため、購入後は内装剥がれを覚悟する必要があります。
整備履歴が不確かな個体も多いですが、きちんと整備されてきた車も探し出すことができます。
しかし、整備が行き届いていたとしても経年劣化により想定外の故障も考えられます。
また、後期モデル(1994年以降)からは横滑り防止装置(ASC+T)が標準装備され、ここが故障すると基本的に部品交換をするしかなく、とっても高額な修理となります。
メンテナンスに関する記事(下記)を参考にしていただき、記事中にある部品くらいは交換を覚悟した方がいいかもしれないです。
良い車を見極めるためのポイントは以下の記事で解説しています。
E46(前期・後期)
4代目の3シリーズとなるE46です。
E46は前期と後期で見た目の印象が違うため、写真を2枚に分けています。
1998年にセダンが登場し、2002年にマイナーチェンジ、一部のモデルを除いて2005年まで販売されました。
エンジンは1800㏄から2000㏄の4気筒と2000㏄から3000㏄の6気筒。
トランスミッションは5速ATもしくは6速MT。
エンジンがマイナーチェンジ前後で大きく違っており、特に4気筒においては1800㏄から2000㏄に排気量を上げつつ、バルブトロニックの採用によって出力は向上しエンジンの回転も極めてスムーズになっています。
後期型においては、あえて音を演出していると思われる6気筒より4気筒モデルの方が静かでスムースなほどです。
しかし、一方でこの変更によりエンジンの周りに補器類が増えており、故障の原因にもなりました。
そこで、あえて前期型(シンプルなエンジン)を選ぶという選択肢もあります。
一方で、6気筒エンジンも2000年に刷新されており、BMWの6気筒エンジンの完成形ともいわれるM54エンジンへと置き変わりました。
セダンとツーリングは共通部品が多いですが、逆にクーペは専用化されている部品が多いです。
最終年式である2005年式でも15年落ち(2020年現在)となります。
街中でも、まだこのモデルはちらほらと見かけることがあります。
故障に関しては、経年劣化により交換部品が増えだしているころです。
しかし、一方で既に修理を終えている部品も珍しくありません。
しっかりと整備されてきた車両を選ぶことで、購入後の維持費がぐっと安くなるはずです。
距離の少ない車や内外装が綺麗な車を選ぶという選択肢もありますが、維持費を抑えるのであれば主要な部品が交換済みの車両を探すという手もあります。
特に前期型を選ぶ場合には、既に20年近く経過しています。
メンテナンスに関する記事(下記)を参考にしていただき、記事中にある部品くらいは交換を覚悟した方がいいかもしれません。
良い車を見極めるためのポイントは以下の記事で解説しています。
E90(前期・後期)
5代目の3シリーズとなるE90です。
この3シリーズから、ツーリングやクーペのモデルコードが個別に割り振られるようになりました。
ツーリングのE91やE92、E93もここに含めます。
2005年に登場し、2008年のマイナーチェンジを経て2012年まで販売されました。
エンジンは2000㏄の4気筒と2500㏄および3000㏄の6気筒。トランスミッションは6速ATおよび6速MTが搭載されました。
エンジンは基本的に、前のモデルであるE46と変わらないが、足回りが先行して5シリーズ(E39)などに採用されていたインテグラルアーム式に変更されました。
こうした上級クラスからのおさがりはBMW内では定番の流れとなっています。
価格は、特に前期は安く100万円以下が当たり前です。
50万円を下回る販売価格の車も多いです。
後期も100万円以下が目立ちますが、状態や年式の新しいものでは100万円前半の値をつける車両がまだまだあります。
前期モデルで12年落ち(2020年現在)、後期の最終モデルで7年落ちとなっています。
街中でもかなりの台数を見かけるモデルです。
故障に関しては、経年劣化による故障が少しずつ増えだしますが、基本的にまだまだ故障知らずで乗ることができます。
価格も安く、故障も少なく、古臭さも少ない最も狙い目のモデルです
5シリーズ
最新の部品が採用され、上級セダンとしての確かな地位にある5シリーズです。
3シリーズの若々しい印象とは違い、どっしりとした高級感があります。
乗り味はスポーティさの演出が控えめで、ゆったりとしたクルージングが楽しめるモデルです。
日本においてはややサイズが大きく、小回りは効くが住環境によっては取り回しに苦労するケースもあるかもしれません。
確かな性能と質感で、オーナーの満足度は非常に高いです。
E39(前期・後期)
4代目の5シリーズとなるE39です。
3シリーズ(E90)に先んじてアルミ製のインテグラルアーム式サスペンションを備えています。
世界的に高い評価を得た1台で、今なお根強い人気があります。
自動防眩機能付きのルームミラーやサイドミラー、オートワイパー、10エアバッグなど最新の装備が備わっています。
1996年に登場し、2000年のマイナーチェンジを経て2003まで販売されました。
マイナーチェンジでは多くの変更が加わり、外観では灯火類の変更が目立ちました。
ヘッドランプはエンジェルアイ(通称イカリング)を標準で備え、プロジェクター式へと変更されました。
ハロゲンモデルにおいてもエンジェルアイ+プロジェクター式であるため、ハロゲンモデルはヘッドライトが暗いという問題があります。
また、テールライトには線上に光るテールライトを採用しており、見た目のクラシカルさとのギャップから、社外品と勘違いされることもあります。
エンジンもマイナーチェンジで刷新され、旧来のBMWエンジンの完成形であるM54型直列6気筒エンジンが備わりました。これ以降のBMWエンジンはマグネシウムの採用や更なる性能向上を目指して改良が加えられ、野性味や迫力が薄れました。
そのため、このM54エンジンを愛好する人も多いです。
価格は落ちきっており、100万円以下が大半です。
しかし、最終年式である2003年式でも17年落ち(2020年現在)となります。
故障に関しては、経年劣化により交換部品が増えるころです。
手に負えなくなって手放しているケースがある一方で、しっかりと整備されてきた車であれば既に修理を終えている場所も多いでしょう。
この車両を問わず、ある程度安価な車両を購入す売るのであれば、くれぐれもしっかりと整備されてきた車両を選び出すようにしましょう。
メンテナンスに関する記事(下記)を参考にしていただき、記事中にある部品くらいは交換を覚悟した方がいいかもしれない。
良い車を見極めるためのポイントは以下の記事で解説しています。
E60(前期・後期)
5代目の5シリーズとなるE60およびE61です。
3シリーズでいうE46からE90へのモデルチェンジ同様、エンジンは変わっていません。
しかし、後にマイナーチェンジとは別にエンジンが刷新され、2005年以降のE60/E61にはすべて新型エンジンが搭載されています。
2003年に登場し、2007年のマイナーチェンジを経て2010年まで販売されました。
マイナーチェンジでは、テールランプがLED化され大幅に改善されました。また、トランスミッションも同じ6速のままではあるが改善が加えられています。
エンジンは2500㏄と3000㏄の6気筒と、4400㏄のV8(後に4800㏄へ排気量を拡大)。トランスミッションは6速ATのみの設定となります。
価格は100万円以下の車が大半を占めるが、後期で特に状態の良いものは100万円台前半の値をつけているものもあります。
前期モデルで13年落ち(2020年現在)、後期の最終モデルで9年落ちとなっていますが、街中ではまだまだよく見かけます。
故障に関しては、前期であれば経年劣化が気になり始める時期です。
既にポツポツと故障が出て、交換済みの車両も多いかもしれません。年式が新しい車両であれば、まだまだ故障知らずの車両も多いでしょう。
7シリーズ
E65(前期・後期)
4代目の7シリーズとなるE65です。
常に最新の装備がこれでもかと備わった最上級モデルです。
一方で、その装備の多さ故に故障に見舞われるリスクも高いです。
車を動作させるために最低限必要なパワートレインに絞ってみても、やはりパーツの多さから故障のリスクが高いです。
加えて、パーツの多さから整備にかかる工賃も割高となっています。
2001年に登場し、2005年のマイナーチェンジを経て2009年まで販売されました。
なお、ロングホイールベース仕様車はE66とモデルコードが異なります。
3600㏄と4400㏄のV8、後にマイナーチェンジにより4000㏄と4800㏄へと排気量を拡大しています。また、これらとは別に6000㏄のV12エンジン搭載車もあります。トランスミッションは6速ATのみの設定です。
価格は、100万円以下が大半を占めますが、年式が新しく状態の良い車両では100万円を超える車両もあります。
前期モデルで15年落ち(2020年現在)、後期の最終モデルで10年落ちです。
そろそろ経年劣化による故障がポツポツと出始める頃合いです。
しかし、まだまだ記録のしっかりした個体が見つかりやすいモデルなので、記録を確認して整備の行き届いた個体を選びたいところです。