リールをメンテナンスしたらドラグが壊れた!?簡単な修理とグリスアップの正しい方法
ドリリウムは移転しました。
約5秒後に自動的にリダイレクトします。
スピニングリールを長く使うためには、オイルやグリスアップといったメンテナンスは欠かすことのできないものです。
しかし、あまりよく調べずにオイルやグリスを使用してしまうと、リールに思わぬ不具合を来すことがあります。
そのなかでも特に問題が出やすいのが「ドラグ」です。
不注意なメンテナンスで発生しやすいドラグのトラブルには以下のようなものがあります。
- ドラグノブを回すことで硬さを微調整できなくなってしまった
- ドラグのカチカチ音がしなくなってしまった
- ドラグの動きが滑らかでない(ラインを強く引くといきなり動く、ジワジワと動かない)
こうした問題を解決しながら正しいメンテナンスを行う手順を解説します。
なお、手順内で使用しているリールはダイワ・クレストという非常にお手頃なリールです。
高価なリールは構造も年々変化が見られますが、こうした低価格リールは大抵構造が変わらないのでサンプルとして採用しています。
不具合解消!リールの余分な油分を拭き取ろう
まず始めに、こうしたメンテナンスによるドラグ不調の原因はグリスが不足していたか過剰だったかのいずれかです。
そのため一度オイルやグリスを綺麗に拭き取る作業から開始しましょう。
1.スプールの取り外し
ドラグ機構をメンテナンスするために、ドラグノブを取り外してスプールを取り外しましょう。
(この時点でグリスの塗りすぎが見て取れます)
2.ドラグ機構の分解と清掃
次にドラグ機構を分解していきます。
ピンセットや先細ペンチ、精密マイナスドライバーなどがあると便利です。
右から順にドラグノブ、Cリング、ワッシャー×4枚で構成されています。
最後に元に戻せるように順番に並べて取り出しておきましょう。
そして、取り出したワッシャー類をすべて綺麗に拭き取ります。
パーツクリーナーとキッチンペーパーなどがあると便利ですが、キッチンペーパーで拭き取るだけでも十分です。
もしメンテナンスのためにパーツクリーナーの購入を検討されている方は、樹脂パーツに影響を与えない以下のような製品をオススメします。
安価なパーツクリーナーは残留物質が残るケースがあるため精密機械には向きません。
(とはいえ、リールは後述するように精密機械とは言えないので安物でもなんでもOKだと僕は考えています。)
3.ドラグノブの分解・清掃
続いてドラグノブも分解してみましょう。
こちらもCリングで部品が固定されています。
中にはドラグノブを回した時に音を発生させるギヤと金属パーツ、そしてバネが内蔵されています。
いずれも綺麗に拭き取りましょう。
4.グリスアップと組付け
ここまでくればあとは元通りに戻すだけです。
基本的にドラグ機構を構成する部品には「グリスを薄塗り」します。
グリスを指にとって各部品に馴染ませるように塗ってください。
表面がテカテカする程度で構いません。それ以上は塗りすぎです。
リールのメンテナンスに専用オイルやグリスは必要ない
まず始めに、リールというギヤとベアリング、シャフトとケースで構成された極めてアナログな機械に対して専用オイルやグリスは必要ありません。(と、僕は考えています)
リールは機械として見た場合、極めてアナログな構造をしておりそこに機械工学的な特殊性はありません。
そのため、リールメーカーは適切な性能を持った既製品のオイルやグリスを調達することはあっても、あえて添加剤の構成まで開発に関わるとはとても思えないのです。
一般的にオイルやグリスは基油と呼ばれるベースになるオイルに対して粘度(ちょう度)を調整するものや性能を向上させるための添加剤を加えて製造されます。
基油を精製するのは世界的にも限られた企業のみが行っており、一般的にオイルやグリスのメーカーは添加剤等を調整して差別化を行っています。
話が逸れましたが、結論を言えばリールに特別なオイルやグリスなんていらないということです。
ただし、適切な粘度や特性を持ったオイルやグリスを使うことが望ましいことに変わりはありません。
また、樹脂パーツも多く使用されるリールにおいては樹脂を侵さないオイルやグリスが望ましいと思われます。
しかし、実際にメーカー純正のオイルやグリスを見てもどうにもそんな特殊なものは使っておらず、一般的な機械油とリチウムグリスのように見えます。
例えばこんなもの。オイルをさす際には針ノズル付きのオイラーがあるとなお良い。
オイル | グリス | オイラー |
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ちなみに僕はホームセンターで安売りされていたスプレータイプのオイルとグリスを使っています。
スプレータイプは勢いよく噴出して周りに飛び散るためオススメできません。