【木材用塗料】屋外用塗料を屋内で使ってはいけない理由と実は使っても問題ない事情
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木材用の塗料には屋内用と屋外用の区分が存在します。
メーカーにもよりますが、屋外用は屋内で使用してはいけないとされています。
例えば、私はこちらのカンペハピオ・木部保護塗料(屋外用)をよく使用します。
説明文を見ると、以下のような記載があります。
塗れないもの:屋内の木製品、吸い込みのない木材(プリント合板・デコラ板)、常に水に浸かっている所、犬小屋・鳥小屋
屋内の木製品には使えないそうです。
屋内用と屋外用の違い
屋内用と屋外用の違いは、主に含まれる防腐剤等の量です。
木材用の塗料は、天然由来のオイルからニス、防腐剤まで幅広く展開されており、製品によって特長は異なります。
しかし、一般的に屋内用と屋外用の最も大きな違いは対候性にあります。
屋外では以下のような木に良くない要因があります。
- 直射日光による色あせ
- 雨による腐食やカビ
- 過湿・乾燥
- 虫
つまり、屋外にある木は圧倒的に腐食やカビ、虫食いの被害に遭いやすい訳です。
これらに対抗するため、屋外用塗料には防腐剤や防虫剤を多く配合しています。
「木を守るための成分がたっぷり入って高くなるんだろう」と思われそうですが、一般的に屋外用塗料は屋内用塗料より安価です。
もちろん製品によりますし、屋外用と屋内用を単純比較することはできません。
しかし、同じメーカーの屋外用・屋内用塗料を比較すると、全体的に屋外用の方が安価であることが多いです。
木を守る成分もたっぷり入って安いとなると、屋内でも屋外用塗料を使いたくなりますよね?
かくいう私も同じ理由から、屋外用塗料を屋内に使用しています。
特に水に濡れることが多いキッチン周りの家具を制作した時は、たっぷりと屋外用塗料を塗布しました。
なぜ屋外用塗料を屋内で使ってはいけないのか?
効果が高くて安い屋外用塗料をなぜ屋内に使ってはいけないのでしょうか?
これは決してメーカーの利益のためとか、重大な理由が隠されているとか、そういうわけではありません。
理由は単純で、防虫剤や防腐剤が多く含まれているという点が問題なのです。
世の中には化学物質に過敏な方が居り、そうした方には影響がでる可能性がある。
ただそれだけのことなのです。
屋外用塗料であっても、人に害を与える防虫剤や防腐剤は使用していません。
乾燥後であれば成分が飛散することもなく、触れても害がないことは確認されています。
実は屋外用塗料を屋内で使っても良い
以上の説明からもわかる通り、屋外用塗料を屋内用に使用しても問題ありません。
事実、私も日常的に水に濡れるであろうキッチンのシンク脇に設置した棚に屋外用塗料を使用しています。
ただし、いくつかの注意点があります。
十分に乾燥させること
屋外用塗料は、屋内用塗料に比べて完全乾燥に時間がかかることがあります。
塗装後は、臭いの少ない塗料であっても数日間臭いが残り、完全乾燥には1週間~10日程度必要です。
塗装後は1週間以上、十分に乾燥させてから使い始めると良いでしょう。
ペットに触れさせない
ペットが直接触れる場所への使用は避けてください。
特にペットが安心する場所である、犬小屋や鳥かごなどを屋外用で塗装するべきではありません。
基本的に人間が触れても問題ない成分を使用していますが、万が一舐めてしまった場合には害がある可能性があります。特に体の小さな動物は、微量の成分でも中毒症状を引き起こすことがあります。
なお、屋内用塗料であっても舐めてしまった際の安全性まで保障している塗料は少ないです。
特に安全性を追求しているリボス社の塗料など、一部に限られます。
さいごに
本記事内で説明している塗料は、一般に流通する家庭用塗料に限ります。
業務用、特殊用途の塗料の場合には例外も存在します。
また、人体への影響等については国内メーカーに問い合わせ・確認のうえ掲載しています。
化学物質に過敏な方、化学物質の影響に不安がある方などは、くれぐれも屋内用・屋外用の表記を守ってお使いください。