Top Gearの3人(正確にはプロデューサー込みの4人)が送るグランド・ツアー(The Grand Tour)のシーズン3がやってきました。
グランド・ツアーのシーズン1、シーズン2は特に編集や台本に難があったように思います。軽薄な演出ややりとりにスピード感がないせいで先が読みやすいユーモアなど、番組制作に関しては素人ですがどうにも「洗練されていない」印象でした。
流石に番組を発足して、まだまだチームワークや運営もガタガタのうちに良い番組は作ることが出来ません。
これがシーズン3になって、ようやく大幅に改善された印象です。
シーズン1とシーズン2はかなり近い時期に収録しており、シーズン3は間をあけての収録でしたから、しっかりと反省を活かして改善できている印象です。
また、シーズン1と2を経たことで「過去のネタを使う」という選択肢も追加されました。
今にして思えば不完全だったシーズン1やシーズン2も楽しめるというものです。
思い返せばTop Gearもシーズン8かシーズン9くらいまでは、トピックやコーナーがたまに新設されたり無くなったりして試行錯誤していました。そうしてシーズン10かもう少し後からTop Gearのフォーマットが決定し、大ヒットへつながりました。
それに比べてグランド・ツアーはシーズン3にして安定し始めているのでかなり良いと言っていいでしょう。
元々シーズン3までの契約だったグランド・ツアーも、嬉しいことにシーズン4の製作が決定しています。
ゲームの開発やYoutubeチャンネルも好調で、おそらくもうしばらくは続くことでしょう。
今後も目を離せません。
追記
シーズン3もエピソード1以降はいまいち面白く感じません。
企画や監修を担当するのはTop Gear時代から変わらぬメンバーです。
どうにも映像に連続性がなく、演出も不十分に感じます。これは間違いなく撮影に時間をかけていない証左です。
ひとつのシーンを撮るために十分な準備を行い、撮影も納得行く映像作りができるように時間をかけて行う。
これが間違いなく欠けています。
実際の撮影では不測の事態やちょっとしたタイミングのズレ、セリフや雰囲気など、どうしても一度撮っただけでは面白い映像は作れないものです。
そこで同じシーンを何度でも繰り返したり、長い撮影時間を撮って自然と生み出される面白いシーンを拾ったりして、それらをうまく組み合わせて映像を作ります。
しかし、The Grand Tourではそれが圧倒的に不足しています。
原因としてはお金が足りないか、本人たちのやる気がないかの2つに1つです。
個人的には後者だと考えています。
もう十分に稼いだ彼らは、苦労せず自由に楽しく撮影をして、それが評価してもらえる間だけ働き、後は自由に生きようとしている気がしてなりません。