【手指の水疱】10年続く手指の水疱への私の対策まとめ
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手指の水疱に悩んでいます。
乾癬だの汗の詰まりだのストレスだのとアレコレ診断されつつも効果的な治療を何一つ受けられないこの症状ですが、流石に付き合いが10年を越えると色々とわかってくることがあります。手指の水疱に悩んでいる方のために、10年選手の先輩として私が実践してきた対策とその結果を紹介します。
症状について
まずはじめに症状について説明します。
冒頭で書いた通り、10件以上の皮膚科にかかってみても明確な診断名が付くことはありませんでした。大袈裟ではなく、悩みに悩んで20件近い病院にかかったと思います。
症状には波があり、酷い時期と軽い時期を繰り返しますが、主な症状は以下のようなものです。
- 手指(指の腹が多い)に水疱が出来る
- 水疱は最初皮膚の下にあるため腫れていないが、触ると違和感(軽い痛みや硬さを感じる)、全く何も感じないこともある
- 皮膚の下にある水疱は数日経て腫れ始め、ぽっこりとした水疱になる
- 水疱は数日~10日程度で消えるか破れる
- 水疱に針を刺したりするともちろん水が出てくる
- 水疱は触れると痛むケースと痛まないケースがある
- 同じく水疱はかゆみを伴うケースとそうでないケースがある
- 水疱は大抵複数個まとめて現れる
- あまりにも大量になると水疱がまとまって大きな水疱になる
- 水疱は消えることも破れることもあるが、破れると皮膚が剥ける
- 水疱が破けて皮膚が剥げることを繰り返して皮膚が超薄くなる
- 超薄くなった皮膚はすぐに傷ついて裂けたり流血したりする
赤く示した下4つは特に酷い時期のものです。この特に酷い時期が3~4年続きました。
手はぼろぼろで水仕事や趣味どころかシャワーすら辛かったです。
対策
ここでは「日常的な対策」と「緊急時の対策」の2つに分けて対策を紹介します。
症状が軽い時や、症状が見られない時に日常的に行う対策が「日常的な対策」
一方で、症状が重く状態が悪い時に行う対策が「緊急時の対策」です。
更に、試したものの効果がなかった対策を最後に紹介します。
日常的な対策
布や紙に触れる時は必ず綿手袋を着用する
私はこの症状が出るまで、布や紙に触れる時に何か特別感じることはありませんでした。
しかし、この症状が出てしまうととにかく指が悪い意味で鋭敏になります。仕事で書類を触れる時や、洋服屋さんで服を手に取る時。特に服などの布に触れた時に指がピリピリするというか、とにかく敏感になりすぎているのを感じ取ることができます。
水疱がある部分で触れてしまうと軽い痛みまで感じる始末です。
そんな時にあると便利なのが綿手袋です。
その名の通り綿100%の手袋で、手指に最も優しい手袋と言えます。
家では家事などの際には常に身に着けており、職場やお店では難しいものの特に酷い時期には綿手袋をしたまま仕事をしていた時期もあります。冬場はお店や外では綿手袋の上に普通の手袋を着けていました。
綿手袋にはざっくりと分けて良いやつと悪いやつがあって、一長一短です。
良いやつの例がこちらです。
悪いやつの例がこちらです。
良いやつは、1双で250円ほどします。
しかし、作りがよく丈夫で、手に優しいながらもフィット感が良くずれも少ないです。また、丈夫なため洗濯して繰り返し使うことが出来ます。(洗濯すると若干縮む)
悪いやつは、10双で800円~1800円ほどします。1双あたり80円~180円ほどです。
例示した商品は180円ほどする比較的良い商品です。これらはとにかく安いのがメリットで、ほぼ使い捨て扱いすることになります。使い捨てと言っても汚れて使えなくなるまでは何回でも使えます。清潔感があって良いですが、結果的に少しだけコストがかかります。フィット感はあまり良くなく、ずれやすいですが実用上はあまり問題になりません。また、洗濯するとかなり縮んでしまって、1~2度の洗濯で「もうこれはダメだな」という感じになってしまいます。
綿手袋を数多く使ってきましたが、最終的に落ち着くのは上の2点です。
水に触れる時は必ずゴム手袋を着ける
次に水に触れる場合です。
こちらも必ずゴム手袋を装着しますが、素手でゴム手袋を装着しないでください。
手指の水疱に手の発汗や蒸れは大敵です。必ず上記「綿手袋」をしてからゴム手袋をしましょう。
また、以下のような繰り返す使う一般的なゴム手袋は使わない方が良いでしょう。
どうしても汗や水分で不衛生になります。
不衛生になることで手指の水疱にどう影響するかはわかりませんが、とにかく手が敏感になっている時に不衛生なものに触れることは精神衛生上良くありません。更に、こうした手袋は手にフィットしないため、特に包丁を使って食材を切っていると指先のだぶつきが邪魔で料理がしにくくなります。
そのため、私は使い捨てのゴム手袋を使用しています。
使い捨てのゴム手袋も種類があります。
ニトリルやポリエチレン、ビニール製などがありますが、天然ゴム製を強くお勧めします。天然ゴム製は手に嫌な臭いが付かず、丈夫で破れにくいです。
一般的な調理用ゴム手袋はポリエチレンが多いようですが、天然ゴム製に比べて弱く料理中によく指先が裂けます。また、特にこうしたゴム手袋は手にぴったりとはまりますから、手に装着するときに引っ張ることになります。その時に引っ張った部分が破れにくいのも天然ゴム製の特徴です。
手にピッタリの少し小さめサイズを選ぶと、指先のだぶつきがなく、ほぼ素手と変わらない精度で料理が出来るのも嬉しいです。
こうした手袋は100枚(50双)入りで700円~1200円ほどします。1回あたり20円くらいと考えると1日に60円。手を守って快適に料理ができると考えると高くないと私は考えています。
こまめに保湿する
乾燥は手を更に敏感にしてしまいます。
水疱が出来ている、出来やすい手を保護するためにも保湿は重要です。特に手が悪化して皮膚が薄くなったり乾燥や荒れでガサガサしている場合には重要です。1日に何度でも保湿しましょう。
保湿は余分なものが入ったハンドクリームを使わないようにしましょう。病院で処方を受けるのが一番良いのですが、面倒であればこちらがオススメです。どこにでもありますよね。
ちなみに病院で処方されるのは尿素10%配合の極めてシンプルなクリームです。
なお、ワセリンも良いのですがべたつきが酷く使いづらいため使用していません。
寝る前にワセリンを使う
寝て、朝起きると手が乾燥しているものです。
布団や毛布と擦れるわけですから、あまり良くないのは当然です。しかし、ここで手袋などを着用すると余計に悪化させる場合があります。どうにも気が付かないうちに蒸れてしまうのか、長期間試すと睡眠中の手袋は水疱を悪化させます。
私が長年ハンドクリームやワセリン、各種手袋などを試してきた結果として最も良かったのはワセリンを塗って素手で寝ることです。
ワセリンにも品質や種類があるのですが、一番良かったのがこちらです。
ワセリンは寒くなると硬くなって使いにくくなるのですが、こちらはそんなこともありません。不自然な臭いもなく伸ばしやすいです。こちらを少しべたつくくらいに塗って(普通に薄塗りしてもべたつく)就寝します。
ワセリンの層が手を保護し、手の油分や水分を包み込み、朝にはワセリンのべたつきはなくなっていますが、乾燥しきることもありません。
もしかゆみなどがあってステロイド外用剤を処方されている場合にはステロイドを塗布してからワセリンを塗ると良いでしょう。
ステロイド外用剤を使う
手指の水疱で病院にかかると、十中八九ステロイド外用剤を処方されます。
おそらく碌に効果がでないでしょうから、最終的に最も強いアンテベートなどを処方されることになるでしょう。私も何年も何年もアンテベートを処方され続けました。
これは水疱に効果はありません。
しかし、水疱に伴うかゆみの症状には僅かに効果が認められます。
皮膚萎縮の副作用などが懸念されますが、10年使い続けた結果としては皮膚萎縮は起きていません。かゆみを我慢するよりはさっさと塗っておくべきです。
塗り方は薄塗りで、1日数回です。
ちなみに病院で処方されるような強いステロイド外用剤は手に入りませんが、少し弱くて良ければ薬局やネットでも手に入ります。
作業時は軍手を使うが下履きする
どうしても荷物の運搬や片付けなどで作業をする必要が出た場合、当然素手で作業してはいけません。軍手や作業手袋を着用するべきです。
しかし、素手の上に軍手や作業手袋を着用すると手に強い負担になります。
そんな時には先ほど紹介した綿手袋を下履きします。
大して効果がなさそうに感じるかもしれませんが、実際に綿手袋の上から軍手を装着すると非常に快適で手が楽です。
そもそも綿手袋はこうした作業時の下履きとすることが主目的です。
緊急時の対策
亜鉛華もしくはボチシートで保護する
特に症状が悪化して水疱が大量発生したり、皮膚が剥けすぎて修復が追い付かない時に有効なのは亜鉛華やボチシートです。積極的に処方してくれる病院もあれば、ステロイドばかりの病院もあるでしょう。
亜鉛華とはねっとりとした白~黄色がかった軟膏です。
湿疹や炎症、かぶれやただれを優しく抑えてくれる副作用のないものです。特に塗布する部位から水分が出てしまう場合には軟膏が吸収してくれて、余計にかぶれたり蒸れることがありません。皮膚の修復も優しく促してくれます。
もしかゆみがあれば、亜鉛華を塗る前にステロイド外用剤を塗っても構いません。
つまり、水疱対策にピッタリです。
▼しかし、処方してもらわないとちょっと高いです。処方されると500gのデカイ容器でもらうことができます。
しかし、厚塗りが前提なのでべたついていて使いづらいというデメリットがあります。
使い方は亜鉛華を厚塗りしてリント布で巻きます。シップのようなイメージですね。更にガーゼを巻き付けて完成です。
ガーゼだけだとガーゼの隙間から亜鉛華が染み出てきますのでダメです。
ちなみにボチシートと言うのは最初から亜鉛華がシップ状に加工されているものもあります。市販されていないので処方してもらうしかありません。
いずれにせよ手や指に軟膏を厚塗りして布で巻いているので、手が使えなくなります。私は酷い時期に、寝る前にこれをすべての指に巻き付けていました。翌朝になると大分落ち着いています。かなり面倒くさいですが、効果は確かにあります。家族にも協力してもらって2~3年はこれを続けました。
なお、亜鉛華はとにかく落ちにくいので、朝起きたら手をオリーブオイルで洗っていました。
亜鉛華が処方される場合、一緒にリント布とオリーブオイルが処方されるはずです。とにかく落ちづらいのです。
綿手袋で過ごす
通常、職場や外出中は素手の方が多いと思います。
綿手袋を着けていると、周りから訝しがられるからです。しかし、症状が酷いときは諦めましょう。何か聞かれたら「手があれているので」と言えばいいのです。私もあまりにも酷いときはもう恥ずかしがっていられなくなり、ずっと綿手袋を装着していました。
たまに外してハンドクリームやピンポイントでステロイドやワセリンを塗る以外はずっと綿手袋をしていました。
効果がなかった対策
サプリメント(ビオチン、ビタミンCなど)
手荒れについて調べていると、必ず行き当たるのがサプリメントです。
多種多様なサプリメントを試した気がします。ビオチンとかビタミンBとかCとか亜鉛とか。とにかく色々試しました。しかし、効果は全くありませんでした。
ただ買いだめたぶんが未だに残っているので少しずつ消費しています。
寝る時の綿手袋
何度も紹介した綿手袋を寝る時に装着してみました。
手が布団や毛布に擦れることから保護されるだろうと見込んだわけです。しかし、どうにもこれが逆効果なのです。なぜか長期的には症状が悪化してしまう結果になりました。
手の水疱は、病院によっては汗がうまく外に出られずに形成されると説明されます。その理屈を信じるのであれば蒸れてしまって水疱が増えてしまったのかもしれません。
とにかくこれは失敗でした。
ラップで保湿
同じくワセリンなどを塗布してラップで保湿してみた時期もありました。
そのまま就寝する生活を続けていた時期もあります。しかし、これまた症状の改善にはつながりませんでした。
紫外線(光線)治療
施設の揃った病院へ行くと、紫外線治療(手や患部に強い紫外線を当てる)を受けることができます。これも2年ほど続けましたが、どうにも効果は見られませんでした。
気にしない
何も気にせず手も保護せず過ごしてみたことがありますが、これはもう完璧にダメでした。やっぱり保護しないと悪化します。でもストレスが一因であることは間違いなさそうなので、そういう意味で気にしすぎないのは重要でしょう。
仕事を辞める
ストレスの主要因としては仕事です。
ちょっと機会があって仕事を辞めて1年ほど過ごしたのですが、それであっさりと治るということはありませんでした。確かに酷く悪化することはありませんでしたが、明確に良くなることもありませんでした。