主婦とは、一家の家事の切り盛りをする女性を指します。
その男性版を主夫と呼びます。
産業革命前ならいざ知らず、この令和の時世に本当の意味で家事を切り盛りするだけの人を養うのはあまりにも無駄が多いです。
家事を切り盛りする1人として家事を甘く見るわけではありませんが、まともに働いてお金を稼ぐことに比べればあまりにも楽です。
私自身、新卒から10年ほど正社員としてITやコンサルティング分野で勤務してきたからこそわかります。家電がなくかまどで料理し、川で洗濯をし、劣悪な育児環境に物流の充実していなかった時代ならともかく、現代の家事は仕事に比べてあまりにも楽です。
(念のために、仕事内容や趣向、相性によって家事より仕事が楽というケースもあるであろうことには触れておきます)
共働きをすれば単純な話、所得が倍増します。
能力があり、努力をすれば育休・産休と言った福利厚生が充実した会社に勤めることも難しくはありません。
これを捨てて、将来のキャリアまで捨てて1人を家に留めておく理由はそれほど軽いものではないでしょう。
すぐに思いつく理由は、夫または妻の仕事が多忙を極めるケース。
例えば芸能人や政治家など、寝る間も惜しんで働かなければならず、家に安定して帰ることすらできないケースです。
あるいは徹底した食事や生活の管理が重要なプロアスリート。
一方が病気で就業が困難なケースなども考えられます。
もちろん現実の世界では事情はそれほど単純ではありません。
もっともっと複合的な要因に満ち溢れています。
私の場合には、重い片頭痛とパニック障害が1つの大きな要因ですが、もちろんこれだけが理由ではありませんでした。
そんな私が主夫として、働く妻を出来るだけ幸福にするために実践していることをいくつか紹介したいとおもいます。
① 最高の料理を作る
家事の中でも最も重要なのは料理だと思っています。
一日三食。必ず摂らなければならないものですから、これの良し悪しは生活の質を大きく左右します。
私は小さいころから母を手伝って料理をしていました。
料理が好きだったのか自発的に手伝い、中学生頃からは1人で料理するようになりました。
もちろん凝った料理ができるわけではありません。
レシピをすべて記憶しているわけではありません。
ただ、レシピを見れば美味しく作ることが出来るというだけです。
料理経験に乏しい妻に出会って知りましたが、レシピを見て美味しく作るって意外と難しいみたいです。確かにレシピにある通りに完璧に実践しても「そこそこ」にしかならないんですよね。
経験をもとに微調整しながら料理しないと、「そこそこ」の料理にしかなりません。
私は長い主夫経験から妻の好みを知り尽くしています。
「そろそろあれが食べたい時期かな」とか体調や時期、仕事の状況などを見極めて「これが食べたいだろう」というものを推測することもあります。(ほとんど当たる)
美味しい料理を作ると妻はとても喜んでくれるので、苦になることはありません。
私は味にはうるさい方ですが食事に頓着しない方です。味にはうるさいけど食事は排泄と同じような作業のひとつととらえています。
しかし、妻はそうではありません。
食の良し悪しで幸福度が大きく左右されるみたいです。
だから食事に関して一切手抜かりをすることはありません。
ただ、たまにあえて外食したりコンビニでご飯を買ったりすることもあります。
② 最高のスイーツを作る
食事とほとんど同じですが、スイーツも作ります。
スイーツは普通の料理に比べてなお繊細で、同じレシピでも微調整を重ねて繰り返せば繰り返すだけ味に深みが増して、より美味しいものが出来上がります。
妻はスイーツも好きで、特に田舎に移住してからは碌なスイーツが手に入らない(失礼)こともあって手作りの頻度が増えています。
スイーツも多種多様で、慣れれば非常に手軽に作ることができるものも多いです。
そこで「ちょっと疲れているかな」という時や、久々の休みの時、出張に行くときなど事あるごとにスイーツを作っています。
不定期ですから食事以上によく喜んでくれます。
余談ですが、スイーツやパンというのは、基本的にお店より手作りの方が美味しいです。
飲食系は基本的にそうなのですが、特にスイーツとパンはその傾向が強いように思います。シフォンケーキなどは恐ろしくマズイものが出回っている良い例ですね。我が家ではパンも家で焼いていますが、適当に焼いたパンでも普通にパン屋さんで売っているパンよりは断然おいしくなります。
理由は2つあって、1つ目は安定して供給するためにたくさん作る必要があること。
2つ目は、商売ですから確実に売上と利益を出す必要があるという点です。
この2つを守ろうとすると、作り手の最高のパフォーマンスを出すことが難しくなります。
最高に美味しいものを作っても、高くては売れません。
安定して供給できなければ客足も離れて行ってしまいます。
だから作り手も妥協して、多くの人が買い求めやすい価格の「ほどほど」のものを作ります。
結果的に腕のある素人が作ったスイーツやパンの方がお店より美味しくなるのです。
とはいえ腕のある素人の数が少ない上、そうしたスイーツは基本的に家庭内で消費されるためあまりその差を味わって経験したことがある人はいないかもしれません。
③ 丁寧な洗濯
洗濯は、とりあえず洗濯機に突っ込んで干せばいいというわけではありません。
洗濯機には適量がある上、服によって適当な洗い方が存在します。
洋服の状態を維持するために柔軟剤を使用しますが、可能な限り香りのないものを必要最小限使用しています。
また、服を洗う際には以下の3種類に分類しています。
- 通常の服
- 繊細な服(生地の薄い服や柔らかい服、型崩れを起こしやすい服など )
- 汚れた服
それぞれ別に洗濯をするだけでなく、適切に洗濯ネットや洗剤を使用しています。
必要に応じて手洗いをすることもあります。
特に繊細な服で目に見える汚れがある場合には、洗濯機のドライモードでは汚れが落としきれないことが多々あります。
この場合には手洗いが必要です。
服とは別に、寝具などを定期的に洗うことも欠かせません。
洋服や肌に触れるものが当たり前のように綺麗に清潔に保たれることは生活の質を高めるために欠かせないことです。
④ 常に綺麗な家
掃除も重要な家事のひとつです。
最近では掃除機の性能も上がりましたから、掃除機をかけるだけでかなり綺麗になります。しかし、やはり拭き掃除をすることでより一層綺麗に仕上がります。
床だけでなく、机や洗面所、トイレなども汚れが気になりやすいポイントです。
毎日毎日すべてを掃除する必要はありませんが、定期的にあるいは汚れが気になり次第掃除をするだけでも家全体が綺麗に保たれます。
玄関やベランダも意外な盲点ですね。
我が家では最近ルンバを導入しました。
ルンバは床にあるものをとにかく強烈に吸い込んでしまいます。だから床に物を直接置くとルンバが吸い込んで惨事になります。
そのため床に物を置かないようになり、結果的に家が綺麗になりました。
床に物を置かないだけで、同じだけの量のものがあっても家の雰囲気はガラッと変わります。
大型の棚のような収納を大胆かつ適切に取り入れて家を片付けると家が見違えります。
⑤ マッサージ
仕事で疲れた体。
どうしてもマッサージをしてほしい時があるものです。
そのためマッサージをしてほしそうなときはそれとなく足を揉んでみます。だいたい疲れている時は様子でわかるもので、普段のコミュニケーションの一環で触れてみて、その反応で必要か不要かを判断しています。
お風呂をいれてあげることもあります。
あまり献身的になりすぎると奴隷のように使われるようになる。
なんて思われるかもしれませんが、よほど変な相手を選ばない限りはそんなことはありません。
⑥ 自分磨き
清潔感ある綺麗な外観を保つのにお金はかかりません。
ポイントは3つ。
早寝早起き、栄養バランスの整った食事、適度な運動。
これだけ続けていれば、肌は綺麗になるし体は引き締まり、少なくとも外観が損なわれることはありません。
仕事をしているとどうしてもこういった基本的な健康法が実践できないものです。
主夫をしていると、どうしてもずぼらになりがちです。
私は母が主婦で、典型的なオバサンでした。
見た目を捨てているとはいいませんが、自分を磨いて美しさを維持しようとはしているように見えませんでした。
養っている相手の外観が劣化していく。
それを理由に相手を嫌いになることはないでしょうが、劣化が少ない方が嬉しいのは事実です。
相手を愛しているからこそ相手を喜ばせたいのは当然で、特に苦労なく実践することができています。
これは重い片頭痛やパニック障害にもある程度効果を発揮するため、私の場合には一石三鳥くらいになっています。
⑦ 最高の休日プランとサプライズを欠かさない
妻が休みの時、長期休暇の時は最高のプランを考えてあげます。
もちろん一緒に考えること自体を楽しむという選択肢もありです。
いくつかのプランを提案しつつ一緒に考えてもいいでしょう。
仕事で疲れているわけですから、あえて家でゆっくりするというのも一つの選択肢として常におさえておくべきです。
相手が自分のために考えてくれた事実はとても嬉しいものです。
実行する・しないに関わらずプランを考えて提案すること自体が重要なコミュニケーションになります。
誕生日などの記念日にはサプライズを欠かしません。
旅行に行くこともあれば、手作りのケーキや料理、プレゼントを用意することもできます。
仕事をしながらではなかなかできないこうしたサプライズも、主夫であれば実現可能です。
記念日を祝うことが重要ではありません。
相手が自分のために考えてくれた・してくれたということが嬉しいものです。
それを発揮する絶好の機会が記念日なんです。
もちろん日常の中でも特別な料理や特別なスイーツ、特別なお出かけなどサプライズは往々にして実行します。
別に意識しているわけでもなく、愛する相手のためであれば自然とやる気がわいてきてしまうものです。
伴侶の良識
相手を愛していれば自然と相手を喜ばせようとするものです。
その方向性に誤りがなく、相手を気遣う心=良識があれば自然と相手は幸せになります。
同様に相手にも愛があってその方向性に誤りがなければ、こちらも幸せになります。
仕事の成果はお金というわかりやすい形で帰ってきます。
家事の成果は家庭の幸せというわかりにくい形で帰ってきます。
だから良い家事は愛と家族全員の良識がなくては実現できないものだと思います。
妻の愚痴、夫の愚痴というのは往々にしてこのいずれかが欠けた際に起こるものです。
現代の結婚は分別のある大人が自分の判断で行うものです。
愛せない相手や良識ない相手と結婚してしまったのであれば、それはまさに自己責任です。
だから夫婦の愚痴を見聞きすると苦々しい気持ちになります。
あえて「7つのポイント」なんて題して記事にしましたが、こうした事柄って意識的に行うことじゃないんですよね。
各家庭には各家庭の在り方がありますから、全然違う幸せな家庭の形もあると思います。
ただ、意識しなくては幸せな環境を築けないのであれば、家族の関係性を考え直してみた方が良いかもしれませんね。