折れたロッドティップ(穂先)の直し方【シマノ・ムーンショットS1006M】
ドリリウムは移転しました。
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3年に渡り愛用してきたシマノ・ムーンショットS1006Mのロッドティップ(ロッドの穂先・先端)がポキリと折れました。
決して高い道具ではないですが、本格的にライトショアジギングやソルトルアーフィッシング全般にのめり込み始めた時に購入したロッドで愛着だけは一入。
大切に使ってきたつもりですが、あっけなく折れてしまいました。
ルアー重量の上限に近い40gのジグやプラグを投げ倒してきたため、もう1段階硬いMHのロッドを注文しましたが、ムーンショットはムーンショットで愛着があるため修理することにしました。
ロッドティップの修理方法はいくつかありますので、そのメリットやデメリットを交えながら最もお得に簡単に修理する方法を解説していきます。
- 方法1.ティップを切り詰めて新しいトップガイドを取り付ける
- 方法2.元のトップガイドを流用する
- 方法3.ティップを購入する
- 方法4.メーカー修理や釣具店に修理を依頼する
- ティップを保護して運搬しよう
- まとめ
方法1.ティップを切り詰めて新しいトップガイドを取り付ける
一般的に最も選択されることの多い修理方法です。
安価で簡単な修理方法ですが、手先の器用な方でないと見た目が少し悪くなることがあります。(実用上は問題なし)
ガイドの位置はバランスよく配置できますが、本来ティップが担っていた役割を損なうことになります。
一般的なルアーロッドであれば、やや硬くなります。繊細なアタリを弾きやすくなる一方で、アクションにはキレが出るようになるかもしれません。
メリット
- 安価に修理できる
- 短時間で修理できる
- ロッドのバランスが大きく崩れない
デメリット
- ロッドの特性が変化する
- 見た目が少し悪くなる
修理方法
修理方法はシンプルです。
- 先端から2番目のガイドを外す
- 2番目のガイドがあった辺りを切断する
- 新しいトップガイドを取り付ける
実践してみましょう。(今回私はこの方法で修理しました。)
1.先端から2番目のガイドを取り外す
始めに2番目のガイドを取り外します。
ガイドの取り付け部をよく見ると、ツヤツヤしたコーティングのようなもので固められています。
これは熱に弱いため、ライターやガスコンロの火で1~2秒も炙ると柔らかくなります。ロッド自体も火に決して強くありませんので、本当にさっと火を当てる程度で大丈夫です。
その後、冷めないうちにカッターナイフでコーティングを削ぎ取るように除去していきます。
コーティングの下にはガイドを固定するための糸が巻かれていますので、こちらもカッターで丁寧に取り除いていきます。
くれぐれもロッド本体を傷つけないようにしてください。
一部のコーティングや糸が削ぎ取れれば、後は爪でカリカリとひっかいてやれば綺麗に除去できます。
綺麗に2番目のガイドを取り外すことができました。
2.2番目のガイドがあった辺りを切断する
次に2番目のガイドがあった辺りで切断します。
「出来るだけロッドを短くしたくない」という方も居られるかと思いますが、ガイド間の距離が変化するとキャスティング時のライントラブルや大物がかかった際のロッドへの負荷の均等が崩れますので、諦めて2番目のガイドがあった辺りで切断してください。
切断にはルーターや糸鋸を使用します。
ペンチやハサミで切ろうとすると、ロッド本体を押しつぶすことになるので、必ず切断工具を使用してください。
100均の糸鋸でも十分に綺麗に切断可能です。
切断した様子がこちら。痛々しい限りです。
3.新しいトップガイドを取り付ける
新しいトップガイドを取り付けます。
トップガイドは調べるとたくさんの商品がありますが、特にこだわりがなければ安価なセット品をオススメします。
ロッドの先端径はメーカーのホームページでわかりますから、2番目のガイドがあった辺りの径も推測は可能です。
しかし、正確にはノギスで計測する必要があります。
計測するためにノギスを購入するくらいなら最初から安価で主要なサイズを網羅したセット品を購入した方が良いと思います。
私が実際に購入したのがこちら。
2.2mm/2.4mm/2.6mmのトップガイドが各5点入って1000円ちょいです。
Mくらいの硬さのルアーロッドの穂先付近であればほぼほぼカバーできると思います。
ショアジギングロッドや硬めのロッド、穂先から遠い場合にはもう一段開太いものが必要かもしれません。
取り付けには瞬間接着剤もしくは2液性のエポキシ樹脂接着剤がよく使用されます。
強度に不安がある場合や、既に手元にある場合を除いて瞬間接着剤でも全く問題ありません。
2液性のエポキシ樹脂接着剤の方が強度は高いですが、価格も高く使う時に2種類の液を混ぜ合わせる手間もかかります。
また、ガイドの取り付けには接着剤だけでなく上から糸を巻き付けて更に補強します。
ここで使用する糸はスレッドという専用品もありますが、手持ちのPEラインや縫い糸などで問題ありません。
それでは早速取り付けてみましょう。
私の場合には手持ちの2液性エポキシ樹脂接着剤を使用します。
これは2種類の液を混ぜて使用しますが、とにかくよく混ぜることが重要です。5分くらいひたすらかき混ぜます。混ぜ方が悪いと硬化速度や強度にムラが出来たり、強度が著しく下がったりします。
よくかき混ぜた接着剤を新しいガイドの中と、ロッドティップに塗って嵌め込みます。
接着剤がかたまる前に、ガイドの向きをしっかりと合わせてやりましょう。
硬化後、糸で補強していきます。
糸の巻き方は非常にわかりやすい動画がありましたので紹介します。
最後に巻き上げた糸をコーティングするように接着剤を塗れば完成。
専用品もありますが、手持ちの接着剤でOK。見た目を重視する場合には専用品を使った方が見た目が良くなります。
なお、糸巻きは補強に過ぎないので必ずしも綺麗に巻き付けなくてOK。
適当にガチガチにぐるぐる巻きにしてから接着剤で固めるだけでも十分な強度は得られます。
バッド側と比べるとこれくらい短くなりました。
方法2.元のトップガイドを流用する
あまりオススメされませんがロッドの長さを出来るだけ残したい場合にオススメの修理方法です。
トップガイドも追加購入する必要がありません。
ただ、本当にロッドの長さを縮めたくないのであれば次に紹介するティップを購入する方法を参考にしてみてください。
安価で簡単な修理方法ですが、ガイドの位置がバランスよく配置できないためライントラブルの原因になったり、大物とのファイトではロッドへの負荷が適切に分散されずにロッドが破損する可能性が高まります。
なお、ロッドが折れた位置が先端から遠い場合には不可能な場合があります。
メリット
- 安価に修理できる
- 短時間で修理できる
- ロッドの長さがほぼ変わらない
デメリット
- ロッドの特性が変化する
- ロッドのバランスが変化する
- 見た目が少し悪くなる
修理方法
修理方法はシンプルです。
- トップガイドを外す
- 折れた場所の手前で切断
- トップガイドを取り付ける
1.トップガイドを外す
トップガイドを外す手順は「方法1.ティップを切り詰めて新しいトップガイドを取り付ける」のなかで解説しているため割愛します。
なお、コーティングとガイドを固定する糸を除去した後、再度加熱することでトップガイドの接着剤が緩み抜き取ることができます。
2.折れた場所の手前で切断
折れたロッドの断面はささくれていてそのままではトップガイドを取り付けることができません。
そのため折れた場所の手前でロッドを切断します。
ロッドを切断する手順は「方法1.ティップを切り詰めて新しいトップガイドを取り付ける」のなかで解説しているため割愛します。
3.トップガイドを取り付ける
最後にトップガイドを取り付けます。
トップガイドとロッドの先端径に元から余裕があった場合や、ロッドが先端付近で折れている場合にはトップガイドがそのまますっぽり嵌ります。
もし嵌らない場合には諦めることをオススメします。
ロッドをやすりやカッターで削って径を減らした場合、ロッドの強度を著しく損なう場合があります。
現在多くのルアーロッドはカーボンファイバーを使用しており、その名の通り繊維を織り込んで固めています。
そのため繊維を傷つけたりコーティングを剥がした場合に強度が落ちてしまうのです。
今回折れたシマノ・ムーンショットS1006Mのトップガイドはギリギリ流用可能でした。
折れたのは先端10cm程度でしたが、これでもギリギリのキツキツです。
トップガイドと2番目のガイドの中間より先端側で折れた場合には可能性がありそうです。
方法3.ティップを購入する
ロッドを自作したり補修したりする人に向けて、ロッドティップが販売されています。
中身が空洞のチューブラーティップは現実的に加工が難しいものの、中が詰まったソリッドティップであれば加工してロッドの先端を挿げ替えることが可能です。
メリット
- ロッドの特性を自由に変更できる
- ロッドの長さが変わらない(調整可能)
デメリット
- 難易度が高い
- ややコストがかかる
- ロッドのバランス・特性を崩す場合がある
修理方法
ソリッドティップを折れたロッドの径に合わせて削り、嵌め込んで接着します。
残念ながらこの方法で修理を行ったことがないのでわかりやすい記事を紹介します。
方法4.メーカー修理や釣具店に修理を依頼する
一番簡単な方法はメーカーや釣具店に修理を依頼する方法です。
メーカー修理の場合でも、釣具店など代理店を通して修理を依頼することになります。
大きめの釣具店であれば、独自の修理サービスを展開しており、本記事で紹介しているような修理を釣具店が実施してくれるケースもあります。
また、メーカーに修理に出せばより新品に近い形に修理してもらうことが可能です。
メーカー修理の場合には送料も含めると割高になってしまうため、よほど高価なロッドでもない限りは「買い替えようかな」という金額になる場合もあります。
釣具店のサービスを利用する場合には、比較的安価に修理が可能で500円~2000円程度で修理可能なことが多いようです。
ティップを保護して運搬しよう
そもそも今回なぜティップが折れてしまったのでしょうか。
実は今回ティップが折れたのはロッドの使用中ではないのです。
ルアーのフックをリールのベールに引っ掛けて、クーラーボックスに立てかけておいたのです。その場を離れて別の竿の様子を見ていると「ポキッ」と非常に軽い音がしました。
なんだと思ってあたりを見回して、ようやくティップが折れていることを発見したわけです。
キャストした瞬間でも、大物とのファイト中でもなく、少しテンションがかかった状態で放置している間に折れてしまったのです。
おそらく、長年の使用で劣化や内部の破損が進んでいたんだと思います。
ルアー重量の上限いっぱいである40gのジグをひたすら投げていたことも一因かとも思いましたが、メーカーが示す許容重量範囲内であることを考えればそれもおかしな話です。
そこで思いついたのが運搬時にかかる負荷です。
ロッドの運搬は主に車を使います。
車はステーションワゴンタイプで、後席を倒してロッドを置いています。
しかし、車庫の奥行きの都合上、家でロッドの積み下ろしをする際には後部座席ドアから行います。
こうすると長いショアジギングロッドは大変で、最初は横向きに差し込んで少し向きを変えつつ車内の凹凸を越え、何とか積み込みます。
この時にどうしてもティップが車内でぶつかってしまいます。
また、ロッドを裸で運搬していたため車の動きにあわせて周りの荷物がずれ動くことがあり、この時にロッドに負荷を与えていたかもしれません。
そこで今回施した対策がこちら。
なんのことはないティップを保護する専用品である「2ピースロッドティップカバー」です。
色々な商品がありますが、2ピールのルアーロッドに関して言えばこちらの製品が最も使い勝手が良く、かさばらず、着脱の手間がかかりません。
更にベルトが1本付属するので、バッド側もしっかり固定することができます。
ロッド全体を覆う柔軟性に富んだ靴下のような商品もありますが、仕舞寸法が160cmほどとなるショアジギングロッドを収納できる商品は見つかりませんでした。
まとめ
ロッドティップが折れたことを機に、修理方法について調べた内容と実践の記録をまとめてみました。
最終的に以下のような判断基準で修理方法を選択すれば良いと思います。
ロッドの性能を落とさず安価に修理したい → 方法1.ティップを切り詰めて新しいトップガイドを取り付ける
修理を機にロッドをチューニングしたい・こだわりたい → 方法3.ティップを購入する
お金をかけてでも完ぺきに直したい → 方法4.メーカー修理や釣具店に修理を依頼する(メーカー修理)
安価に直したいけど自分では無理 → 方法4.メーカー修理や釣具店に修理を依頼する(釣具店のサービス利用)