【レモン栽培】雄花・雌花の判別と人工授粉について
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2020年2月23日
4月も後半に入り段々と暖かくなってきました。
我が家のレモンにも花や蕾がこれでもかと言うほどついています。
今回は、レモンの雄花と雌花の見分け方と受粉の方法を解説していきます。
レモンの雄花と雌花?
植物が実を実らせるには、めしべに花粉をつける「受粉」が必要です。
しかし、受粉の方法や雌雄の分かれ方は植物によって以下の3通りに分類されます。
- 両性花 : ひとつの花におしべとめしべが存在する
- 雌雄異花 : おしべのみ持つ雄花とめしべのみ持つ雌花が存在する
- 雌雄異株 : 雄花のみつける株と雌花のみつける株が存在する
両性花は、誰もが第一にイメージするであろう植物の形態です。
花にはおしべとめしべの両方が存在し、おしべの花粉をめしべにつけることで受粉します。
雌雄異花は、スイカなどのウリ科の植物に多く、おしべだけの花とめしべだけの花が存在します。当然、実が成るのはめしべだけの「雌花」です。
雌雄異株は、イチョウが最も有名でしょう。
実をつける雌花には銀杏が実りますが、雄花には銀杏は実りません。銀杏の悪臭対策のために、街路樹などには雄の株が使われることが多いです。
さて、レモンはというと両性花です。
冒頭の写真にコメントを加えましたが、真ん中の太い1本がめしべ、周りの細いものがおしべです。
たまにめしべがないものや、小さいものが存在します。
これらは栄養不足等に起因する奇形花で、レモンがつける花はすべて上図のようにめしべとおしべを持っています。
奇形対策と肥料の与え方
奇形の原因は病気や栄養不足などが考えられますが、まず疑うのは栄養不足です。
レモンは肥料がたっぷりと必要な植物です。
肥料を与える時期は、肥料メーカーや文献など多少の差異がありますが、おおよそ以下の通りです。
- 花をつけ始める3月ころ
- 実を育てる6月ころ
- 実を育て終えた10月ころ
基本的に冬以外は常に肥料が効いている状態を維持することを意識してください。
肥料は柑橘植物用の肥料を選びましょう。
中でもコストパフォーマンスに優れ使いやすいのがこちらです。
パッケージにあるように、大きなタブレット型で、水やりをするたびに少しずつ土に溶けだしていきます。大体2~3か月はもちますから、タブレットが完全に溶けてなくなったら追加すれば良いでしょう。
レモンの自然受粉
レモンは両性花で、ハチやチョウなどの昆虫が好んで寄ってきます。
特に意識せずとも自然と受粉が行われることが多いです。
しかし、昆虫が近づけない以下のような環境では自然受粉が困難な場合があります。
- マンション等の高層階
- 室内
- 防虫ネットなどの覆いをしている
- その他防虫作用のある製品を使用している
自然受粉が困難な場合には、人工授粉を行う必要があります。
風で受粉する?
レモンは両性花ですから、めしべとおしべの距離が近いです。
一般的に、両性花であれば風で受粉することもありえます。
ただし、それほど低い確率ではないとはいえ運頼りに変わりはありません。出来れば人工授粉をしてあげた方が良いでしょう。
レモンの人工授粉
レモンの人工授粉はとても簡単です。
レモンのおしべとめしべは隣接していますから、「花粉を取ってめしべにつける」と言うようなことは意識する必要はありません。
出来れば筆などの柔らかいもので、めしべとおしべがあるあたりをくるくると撫でてやれば十分です。
その際に、花が落ちてしまうことがあります。
これは仕方がないと諦めてください。
原因と対策を解説しますが、元気な花は多少いじったり引っ張ったりしても落ちません。
花がポロポロ落ちる原因と対策
レモンの育て方について調べていると「花が触るとすぐに落ちてしまう!」という悩みが散見されます。
この原因は以下の3通りが考えられます。
- 葉の数が少ない
- 水分不足
- 寒さ
ひとつめは「葉の数が少ない」という原因です。
レモンは鉢植えで育てられる方も多いです。(我が家もそうです)
鉢植えで育てる場合には、それほど場所に余裕もないため木が小さくなりがちです。
しかし、レモンは1つの実を実らせるために葉が20~30枚は必要と言われます。20~30枚の葉から集まるエネルギーを使って、ようやく1つのおいしい実が成るというわけです。
それにもかかわらず、このように数百個以上の大量の花をつけてしまいます。
こうなると栄養が分散されて、簡単に落ちてしまう弱い花ができてしまうわけです。
正確には、栄養が足りないと判断した木自身が花を落としやすくするようです。
ふたつめの「水分不足」と「寒さ」も理屈は同じです。
木を維持するためのエネルギーが足りなければ、開花や結実しづらくなるというわけです。
花が落ちやすいというのは、レモンの状態を表すひとつのバロメーターと言うことができます。
以下のいずれかが不足していないか考えてみてください。
- 十分な葉の数≒木の大きさ
- 適度な水やり
- 適度な肥料
- 寒さ対策
このほかにも、一般家庭における自家栽培レモン(鉢植え/地植え)の育て方や栽培手法など、様々な知見をまとめています。
なお、レモン以外にもミカンやユズなど柑橘類全般に適用できる育て方のポイントとなっています。