ノートPC筐体を捨てて自作ケースで完全デスクトップ化する案【DELL Inspiron 15 7000 Gaming】からの続き。
ファンから異音の出始めたDELL Inspiron 15 Gaming 7567を修理する代わりに、ノートPCの筐体を捨てて、ケースを自作して完全にデスクトップPC化しようというアイディアを説明しました。
ロマンがあるものの無駄は多く、得られるものが少ないアイディアです。
ちなみに修理の場合は2万円ちょい。部品だけ買うと1万円ちょいです。
ebayで海外から部品を入手すれば送料込み2000円弱です。
New Fit Dell Inspiron 15 Gaming 7567 right CPU cooling fan(short cable one) | eBay
前回は単純な「案」としてあれこれ考えていましたが、段々とやりたくなってきてしまったので、もう少し具体的な検討に入りたいと思います。
ケース
まず始めに、ケースは自作する必要があります。
私は木の扱いに慣れているため、木を使って自作するつもりです。
サイズはこんな感じ。濃い茶色は合わせ面です。
幅450mm、奥行き200mm、高さ280mmです。
幅はもうちょっと詰められるのですが、少し余裕を持たせるために450mmとしています。
ノートPCの中身を移すだけならもっとコンパクトにできないの?と思われそうですが、意外と難しいです。
特に、今回は既存のファンを撤去してCPUクーラーを2基取り付けようとしています。
ノートPCのマザーボードは、薄型化のためにとにかく横幅と奥行を目いっぱい使っています。コンパクト化は容易ではありません。
今回私がデスクトップ化を検討しているDELL Inspiron 15 Gaming 7567の場合、M.2を取り外すとかなり幅方向にコンパクト化ができますが、M.2は使いたいのでどうしようもありません。
また、全体的にもう少し詰めることができるのですが、特にコンパクト化したいとも思わないためちょっと余裕のあるサイズにしています。
素材はインテリア性を考えつつも安くて丈夫なアカシアの集成材を使います。
購入先はいつも通りのオカモク楽天市場店さん。
木材のバリエーションが多く、価格もそこそこ、カット無料で対応も早いです。
機器の配置はこんな感じで考えています。
ディスプレイはどうしても外せないので、側面に固定します。
マザーボードは底部に取り付けます。底部の反りをなくすために、前後左右の板はしっかりと接合し、天面を開閉可能にします。
マザーボードは2~3mmほどのアルミ板にスペーサーを噛ませて取り付けします。
アルミ板自体も底板との間にスペースを設けるつもりです。
マザーボードにつながるSSDとバッテリーは配置を決めかねています。
バッテリーはUPS代わりになるので取り付ける予定ですが、場所の都合がつかなければ撤去するかもしれません。
電源ボタンはディスプレイ下の中央に配置し、木でスイッチを作ろうと思います。
左右の板には140mmのファンを取り付け、吸気、排気を行う予定です。
すべての配線は底面の穴からまとめて外に出してすっきりとした見た目を作りたいです。
特に電源ケーブルやモニターやキーボード、マウスといった絶対に外さない配線はあえてHDMIやUSB端子を外に出さず、ケース内で接続してケーブルだけ外に出そうと思います。
取り付ける機器としては以下のものがあります。
マザーボードと接続される各機器は、フレキシブルケーブルで接続されケーブル長も短いため配置できる場所がかなり限られます。
- ディスプレイ
- M.2
- SSD
- バッテリー
- IOボード
- ワイヤレスカード
- アンテナ
- カメラ
- スピーカー
- 電源ボタン
- 電源アダプタ
- ステータスライト
ファンの接続について
今回の計画で最も厄介と思われるのがファンの接続です。
単純にノートPCの中身をケースに移すだけなら簡単なのですが、既存のファンを撤去してデスクトップPCに使うようなCPUファンとケースファンを2つずつ搭載したいと考えています。
電子工作が得意な方であれば、適当に電源を取り出して完成させるのかもしれませんが、私にそうした知識はありません。無理してやっても、信頼性に欠けるPCが出来上がったのでは意味がありません。
そこで、前回の「案」の段階ではノートPCのファンコネクタの形状がデスクトップ用のファンコネクタと同じだったらいいなぁと考えていました。
▼これがノートPCのファンコネクタ(たぶん機種によって全然違うはず)
そして、比べるために買ったのがこちら。
商品写真の時点でわかっていましたが、比べると全くの別物です。
そもそもサイズ感が全然違います。
しかし、同じ4本線です。
もし4本線が同じ役割を果たしているのであれば、線同士をはんだ付けしてつなぎ合わせれば使えるのではないかと考えました。
また、はんだ付けするより確実なこんな商品を発見しました。
既存のノートPCのファンの線を切断して、デスクトップ用のコネクタ(ハウジング)を取り付けてやるわけです。
うまくいくかはわかりませんが、うまく行けば勝ったも同然です。
ちなみにデスクトップ用のコネクタからは青・緑・黄・黒の配線が出ています。
もちろんメーカーにより異なるみたいなのですが、この色分けは一般的なもののようです。
それぞれ以下のような役割があります。
- 青:パルス
- 緑:回転数
- 黄:12V
- 黒:GND
一方で、ノートPC(DELL Inspiron 15 Gaming 7567)のコネクタを見ると、灰・赤・黄・黒という並びになっています。
黒がGNDというのはありがちなので同じとします。
黄が+(12V)というのもありがちなので同じとすると、以下のようになっているものと推測されます。
- 灰:パルス
- 赤:回転数
- 黄:12V
- 黒:GND
とりあえず、こうなっていることを信じてみるしかありません。
一度切ってしまえば後戻りはできません。やるならやる、やらないならやらないで、試しにやってやっぱりやめるはできません。怖いですね。
ケースファンの選定
もしやるとなら、と仮定してケースファンを選定します。
ノートPCのファン電源にどれほど余裕があるのか、さっぱりわからないのですが、回転数が遅いファンを選んでおいた方が良い気がします。
音も静かに越したことはないし、そもそも冷却性能過剰になると予想しているからです。
ケース幅が200mmですから、200mmファンを取り付けようかとも考えたのですが、ケース幅目一杯がファンとなると見た目が悪い気がします。
1サイズ落とすと180mmがあるのですが、これが選択肢が少ないんです。
ケースファンなんて探すのは初めてなんですが、趣味が悪い安っぽいLED付きのファンばかりで閉口してしまいます。
次にサイズが小さい140mmを探すと、ようやくバリエーションが豊富になります。
ちなみに先ほども出したこちらの図ですが、縮尺はすべて実際のサイズに準じています。
140mmファンを取り付けても、側面の板の大部分がファンで埋まることがお分かりいただけると思います。
そうした最終的に選択したのがこちら。
信頼できるメーカーで、静音性を追求しています。回転数も少ない。
と、言いたいところだったのですが、公式ページを見ると、表面が波打っているみたいなんです。「エアインテークフレーム」の説明の部分。
市販のPCケースならわかりませんが、今回の自作ケースではこれは困ります。
そこで、代替品を探したのですが良いものが見つかりません。
ケースファンは後から交換も用意ということで、評価がそこそこ良くて静音性を重視していて安いこちらを選びました。
CPUファンの選定
続いてCPUファンを選定していきます。
CPUファンを探すのもこれが初めてで、サイドフローとトップフローという2つの形式があることを知りました。
▼サイドフローの例:ヒートシンクに横から風を送る
▼トップフローの例:ヒートシンクに上から風を送る
基本的にトップフローの方が構造がシンプルで小型化しやすいため、コンパクトさや安価さを売りにしている製品が多いです。高さが低いです。
サイドフローはヒートシンクも大きくしやすいため、冷却性能は勝るもののサイズが大きく構造も複雑なため値段も高めになる傾向があるようです。
コンパクトで安いトップフロー、といいたいところなのですが、今回は横方向に余裕がない上ノートPCの特殊なマザーボード形状もあるためサイドフローを選択します。
私のノートPCの冷却系はこんな感じです。
銅色のヒートシンクの両端に赤い部品がありますが、これがヒートシンクです。
このヒートシンクとファンを取り外し、このあたりにCPUファンを設置しようと考えています。本来の使い方とは違うのですが、十分効果は見込めると思います。
取り付けには工夫が必要になるでしょう。
そして最終的に選択したのはこちら。
信頼できるメーカーの製品で、小型かつLEDがありません。
うまく取り付ける自信はありませんが、やるしかありません。
ファンコネクタの変換(ノート→デスクトップ)とCPUクーラーの取り付け方の2つが課題になりそうです。
やりました
やりました。
続きはこちら。