約2年前に購入した、DELL Inspiron 15 Gaming 7567のファンが壊れました。
購入時の記事:Inspiron 15 7000 ゲーミングスパイダーマン:ホームカミング公開記念モデル
壊れたというといい過ぎで、異音が出始めています。
DELL Inspiron 15 Gaming 7567の性能はまだまだ現役です。
第7世代のCore i7-7700HQ(6MB/3.8GHz)に加えてGeForce GTX1050 Tiを備え、メモリーは16GBまで増設し、ストレージも増設してM.2を2枚搭載しています。
Gamingの名前からもわかるように、グラフィック性能が強化され、あわせて冷却機構もノートPCとしては本格的です。
下図は、サービスマニュアルからの引用に追記しています。
半透明で描かれているのがマザーボードで、中央にはプロセッサーがあります。(ネジが描かれているあたり)
プロセッサーには銅色をしているヒートパイプが接しており、ヒートパイプを通じて熱が両端に移動します。
両端には赤とシルバーで構成されたヒートシンクが備わり、ヒートシンクに2つのファンがそれぞれ風を送り込みます。
風の出口は筐体の外となっており、なかなか効率のいい冷却をしていると思います。
ファンが壊れたのであれば、ファンと既存のヒートシンクを取り外して、ヒートパイプ両端にデスクトップ用のCPUクーラーを取り付けることができそうですよね。
▼こういうやつ
そうすれば、更に冷却に余裕が出るでしょう。
DELLは親切なことに、修理もしてくれるし、内部のパーツ単品での購入も可能です。
単純にファンを交換しても良いのですが、どうせならひと手間加えたいという思いもあります。
ノートPCをデスクトップ化する(本当の意味で)
パソコン、特にソフトウェアについては仕事で長年関わってきたため、ある程度の知識はあります。
しかし、PCの自作やその類の知識はありません。
また、ノートPCを本当の意味でデスクトップ化している事例が少ないこともわかっています。
今回は「案」と題した通り、ざっくばらんにノートPCのデスクトップ化に関する課題をまとめ、一部は調べまくって自己解決した結果を紹介します。
課題1 マザーボードが独自規格
マザーボードに規格があることはわかっています。
しかし、ノートPCってどうなんでしょう?
調べてみると、ノートPCのみならずデスクトップPCであってもメーカー製のPCは独自規格のマザーボードを使っていることが多いそうです。
自作向けに販売されているマザーボードであれば、いくつかの規格にあてはまるものの、ノートPCともなればほぼ間違いなく独自規格です。
つまり、市販されているPCケースには取り付けが出来ません。
もしかしたらちょっとした加工で取り付けられるのかもしれませんが、私が調べた限り難しそうです。
そのため、もしノートPCを本当の意味でデスクトップ化するのであれば、PCケースを自作する必要があります。
このブログは、元々家具作りについてあれこれ書くために始めたブログで、木の工作であればPCケースくらいは作れそうです。道具もあります。
木のPCケースの問題点「反り」
木のPCケースはあれこれと問題が指摘され、特に木の反りに関する問題な一番のネックであるようです。
木は周囲の湿度が高ければ水分を吸い取り、低ければ水分を吐き出します。
この過程で、木自体が反ります。
反りは幅方向(木が伸びる方向に向かって垂直方向)に発生します。
合板や集成材は比較的反りが少ないですが、ゼロではありません。
しかし、木で箱型を作ると、自ずと反りが抑えられる構造になるため、実はほとんど気にする必要がありません。
どうしても気になるのであれば、アルミ板や樹脂系の板にマザーボードを取り付け、それを木のケースに取り付ければ済む話です。
とにかく木でもアクリル板でも金属でも、PCケースを自作する必要があるということです。
課題2 本体内蔵ディスプレイの処理はどうする?
ノートPCには、当たり前ですがディスプレイやキーボード、タッチパッドが備わります。
私の場合には、外部モニターを2台つないで、ノートPC本体のモニターは使っていません。
▼こんな感じ。
【レビュー】1homefurnit 液晶モニタアーム - 開封・組立・無垢の耳付きテーブルに取り付け出来るのか!?
だからといって、ディスプレイを捨ててしまって良いのでしょうか?
例えば外部モニターを2台使っているといっても、PCを起動した時~Windowsが起動するまではノートPC本体のモニターしか点灯しません。
Windowsの起動にあわせて外部モニターが動きます。
BIOS画面などを操作したければ、ノートPC本体のディスプレイ&キーボードを操作する必要があるわけです。
調べてみると、ノートPC本体のディスプレイを取り外せば、外部モニターがデフォルトのモニターになるという情報が見られました。
そこで、早速実験してみます。
DELL Inspiron 15 Gaming 7567の裏ブタを開けます。
最近増えましたが、プラスネジ1個という素晴らしい設計です。
ディスプレイとマザーボードをつなぐコネクタは、中央付近にあります。金属のカバーに覆われているので、カバーを外して引き抜きます。
▼引き抜きます。
この状態で電源を入れると、当然ノートPC本体のディスプレイは点灯しません。
いけたか?と思いきや、ダメです。
外部モニターにも何も映らず、しばらくするとWindowsのログイン画面が表示されます。
しかし、10秒くらいでシャットダウンしてしまいます。
何度繰り返してもダメ。
ノートPC本体のディスプレイをつなぎなおして起動したところ、エラーで起動に失敗していたことがわかりました。
デフォルトのディスプレイを変更する
デフォルトのディスプレイを変更するような設定を探しましたが、見つかりませんでした。
ネットで散々探したもののダメ。
内蔵ディスプレイ用コネクタを変換して外部モニターに接続する
ノートPC本他のディスプレイはLVDSという規格のコネクタでマザーボードと接続しています。
LVDSとHDMIやDVIなどを変換するものが存在すれば、既定のディスプレイを外部モニターへ変更することができます。
信号の規格は公開されているわけですから、こうした工作に詳しい方なら自作できるのでしょう。
しかし、LVDSのコネクタはメーカーにより形が違うこともあり、市販品を買ってポンと付けられる類のものではないみたいです。
しかも、数少ない製品も名も知れぬメーカーのものですからいつ壊れるかわかったものではありません。
この方法も諦めるしかなさそうです。
PCケースに内蔵ディスプレイを残す
ということで、もしデスクトップ化するのであれば、ノートPC本体のディスプレイを残す必要がありそうです。
自作PCケースのフタをあけたら、フタにディスプレイがついている、みたいなイメージ。
課題3 本他内蔵のキーボードやタッチパッドの処理はどうする?
課題2と全く同じ問題です。
しかも、更に厄介です。
▼サービスマニュアルより引用したキーボードの接続部のイメージです
キーボードはノートPCにありがちなフレキシブルケーブル(ぺらぺらのフィルムのようなケーブル)で接続されています。
ディスプレイと同じように、デスクトップ化した後も残し続けるとしましょう。
そうするとこのフレキシブルケーブルが短すぎるのです。
しかも、マザーボードの裏側にコネクタがある始末です。
フレキシブルケーブルの延長について調べましたが、これまた情報があまりなく、あっても実用性が低そうなものばかりです。
キーボードについては完全に捨て去ることを検討しなければならないでしょう。
しかし、内蔵ディスプレイ同様、取り外したらエラーで二進も三進もいかなくなるのでは困ります。
早速実験してみましょう。
キーボードを外すには、背面カバー、リアカバー、バッテリーを外し、18個のネジを外す必要があります。面倒くさいですね。
この状態で起動すると・・・・問題なし!
外付けキーボードで問題なく機能し、ディスプレイのようにエラーもありません。
デスクトップ化に伴い、キーボードやタッチパッドは捨てて良さそうですね。
課題4 意外とコンパクト化できない
課題というか、残念な現実です。
DELL Inspiron 15 Gaming 7567は15.6インチのゲーミングノートPCということで、幅は約38cmあります。
マザーボードの大きさは28cmほどですから、コンパクトにできると思いきや・・・。
マザーボード左端にM.2コネクタがあり、M.2を接続していると、結局38cm近く幅が必要です。残念。
一方で、奥行きはタッチパッドの分が不要になります。
マザーボード自体は15cmほど。こちらはコンパクトにできそうですね。
課題5 ファンのコネクタ
冒頭で、デスクトップ化するならファンはデスクトップ用のCPUファンにしたい、と言いました。
ここで問題になるのが、ノートPCのファンとデスクトップ用のファンのコネクタが同一か?という点です。
自作をしている人なら一目見てわかるのでしょうが、私にはさっぱりです。
これが実際のファンのコネクタです。
非常に細い4本の線が接続された、幅8mmほどのコネクタです。
デスクトップ用のCPUファンやケースファンを見ると、4ピンと3ピンがあることはわかります。しかし、このコネクタと同じなのかどうかはわかりません。
更に、CPUファンだけでは熱い空気がPCケース内に溜まってしまいます。
ケースファンが必要です。
ノートPCのマザーボードに拡張性なんてないので、ファンを増やしたければ分岐するしかありません。
デスクトップ用であれば、以下のような分岐ケーブルが販売されているようです。
- そもそもコネクタが同一なのか?
- 電源容量は不足しないか?
という2点の不安があります。
こちらのコネクタは安いので、とりあえず買ってみようと思います。
我が家のDELL Inspiron 15 Gaming 7567
プロセッサー
第7世代 インテル® Core™ i7-7700HQ クワッド コア (6MB キャッシュ, 最大 3.8 GHz まで可能)
OS
Windows 10 Home (64ビット) 日本語
メモリ
8GB, 2400MHz, DDR4; 最大 32GB (追加 メモリは別で販売)
→16GBに増設
ハードドライブ
デュアル ドライブ 128GB ソリッド ステート ドライブ + 500GB 5400 rpm ハードドライブ 付き
→HDD(500GB)をSSD(1TB)と交換
ビデオカード
NVIDIA® GeForce® GTX 1050 Ti 4GB GDDR5 グラフィックス メモリ付き
ディスプレイ
15.6-インチ FHD (1920 x 1080) アンチ-グレア LED-バックライト ディスプレイ
ケースカラー
LCD バックカバー 非-タッチ ス クリーン 用 - ブラック
キーボード
日本語 非 バックライト キーボード
光学ドライブ
光学ドライブなし
発熱
デスクトップ化がうまくいくかどうかはともかくとして、現状の熱の状況を記録しておきます。
気温はエアコンで安定した25度。
アイドル状態
完全に冷え切った状態から起動し、何もせず20分置いた時の温度です。
- CPU:54度(MAX:86度)
- SSD1:42度(MAX:42度)
- SSD2:27度(MAX:27度)
- GPU:53度(MAX:56度)
CPU負荷テスト
CPUStressでMaximumの負荷を4コアにかけた後。
CPU温度は80度前後で、最高で90度を記録しました。これ以上続けても温度は上がりませんでした。
GPU負荷テスト
FF14ベンチマークをループ実行しました。
CPUは80度前後を推移しますが、最高では96度を記録。
GPUは70度前後を推移し、最高で74度と思いのほか低いです。
より強い負荷をかけた方が良いのかもしれませんが、比較材料としては十分です。
SSD1負荷テスト
SSD1はOSなどがインストールされた標準装備のM.2です。
Crystal Disk Markを使用して2GiB(9回)という条件でテストを行った後の温度です。
最高で56度。
SSD2負荷テスト
SSD2はHDDと入れ替えたSamsung 860EVO(1TB)です。
同じくCrystal Disk Markを使用して2GiB(9回)という条件でテストを行った後の温度です。
最高で48度。
Subnautica1時間プレイ
最近やることが多いSubnauticaというPCゲームをプレイしてみました。
最高でCPUは100度、GPUはあまり上がらず75度でした。
CPUに関しては、プレイ中は低くても80度台、ほぼ90度台をキープしていました。