【灰色かび病】イチゴのカビに使える薬は「オーソサイド」がオススメ!ベンレートとのローテーションも。
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イチゴの栽培で悩ましい問題といえば「カビ」です。
正式には「灰色かび病」と呼ばれますが、主に高湿度などを原因として繁殖するカビの一種です。
折角実ったかわいいイチゴの実にこんなカビが生えてしまった。
イチゴの家庭菜園ではよくある問題です。
しかし、ネットで調べてもまさにコレという解決策が見つからないものです。
最終的に農薬の力を借りることになりますが「イチゴに適用した薬」がなかなか見つかりづらいのが現状です。
そこで、イチゴの灰色かび病に最適な薬を始めとして、治療方法や予防策について解説していきます。
イチゴの灰色かび病の原因
灰色かび病の原因は「高湿度」です。
書籍やサイトによっては色々な理由が挙げられることがありますが、とにかく「高湿度」こそ最大の原因です。
逆に言えば「高湿度」にさえ気を付ければ灰色かび病は発生しません。
灰色かび病はその名の通りカビの一種です。
空中を浮遊する菌が植物に付着し、それが繁殖することで発生します。
通常であれば、植物に付着しても繁殖せず終わるのですが、菌にとって快適な環境があると見事に繁殖してしまいます。
その「菌にとって快適な環境」こそが高い湿度と20℃前後の気温なのです。
日本では春の長雨という言葉がありますが、この時期はしとしとと降り続く雨とカビにとって最適な気温が相まって灰色かび病が発生しやすい時期といえます。
もちろん高湿度環境さえあれば、気温が多少高かろうと低かろうとカビは繁殖します。
そのため乾燥して気温も大きく下がる真冬を除けば通年発生しやすい病気のひとつということができます。
イチゴの灰色かび病の予防策
原因が高湿度ですから、湿度を下げる対策をすることで灰色かび病の発生を予防することができます。
具体的には増えすぎた葉を摘んだり、イチゴに関して言えば脇芽ごと取り除く方法も有効です。
こちらは我が家のイチゴの苗ですが、非常に元気に生育した結果としてかなり「密」になってしまっています。
これでは湿気がこもって灰色かび病が発生してもいたしかたありません。
また、イチゴの奥に見える植物は「たまねぎ」です。
こちらもイチゴに隣接しておりかなり密になっているため、この写真を撮影した後に大胆に間引きしました。
イチゴの灰色かび病の対策
イチゴの実や葉などにカビを発見したら、とにかく速やかに除去してください。
カビは菌を放出して増えていく性質があるため、カビを放っておくとどんどん周囲に被害が広がります。
カビは美観を崩すだけでなく、植物の生育にも影響を及ぼすため放置した場合には植物全体が枯死します。
続けて薬の力を借りて予防と殺菌を行います。
イチゴの灰色かび病に有効な薬
イチゴの灰色かび病に有効な薬として代表的なものは「オーソサイド水和剤80」が挙げられます。
他にも候補はありますが、入手性が良く、内容量が多すぎないという点でこちらがおすすめ出来ると思います。
一般向けに小分けされて販売されている農薬を除くと、どうしても内容量が多すぎて家庭菜園規模では使いきれません。
農薬にも有効期限があるため、このオーソサイド水和剤80でさえ使えきれずに終わるご家庭が大半かと思います。
オーソサイド水和剤80は、一見すると「芝生・球根の消毒」などと表記があってイチゴには使えなさそうな雰囲気が漂っています。
Amazonにおいては裏書も表示していないため、候補から外していた人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に裏書を見るとこの通りイチゴにしっかりと使用可能と明記されています。
また、説明書きを見ると収穫30日前まで使用可能と記載があります。
灰色かび病の治療後
灰色かび病を発生させた実や葉は、薬を散布したとしても元通りに戻ることはありません。
残念ながら、一度灰色かび病が発生した実や葉は薬を撒いたところで除去するしかないのです。
これは現存するどのような治療薬を使ったとしても変えようのない事実です。
薬のローテーションと耐性菌
オーソサイドがあればすべて解決!とは行きません。
オーソサイドを使用しても、高湿度環境を見直さない限り灰色かび病が再発します。
「再発したらまたオーソサイドを撒けば良いじゃないか」
と思われる方も居られるかもしれませんが、そうも言っていられないのです。
成分の蓄積
まず始めに、オーソサイドを始めとした「キャプタン」という成分を使用した殺菌剤はイチゴに対して3回しか使用することができません。
これはオーソサイド以外の農薬にも言えることで、基本的に農薬というものは使用回数制限があります。
「違う農薬を使えばOK」という訳ではありません。
同じ成分の農薬に対して使用回数の制限があるのです。
そのためオーソサイドを含むキャプタンを使用した農薬は3度までしかイチゴに使用できないということです。
耐性菌の発生
カビの菌は非常に優れた(?)性質を持っており、薬で殺菌されるとその薬に耐性のある菌を生み出す場合があります。
これが「耐性菌」です。
この「耐性菌」の問題を回避するために、異なる成分の農薬を交互に使うローテーションが有効とされています。
高湿度の対策(間引きや脇芽かき)をすれば、灰色かび病がそうそう何度も再発することはありませんが、灰色かび病を繰り返す場合には毎回オーソサイドを使うのではなく異なる薬と交互に使う方法が推奨されます。
そんな時におすすめの薬剤がこちらのカリグリーンです。
オーガニック栽培にも使える優しい成分(炭酸水素カリウム)で構成されています。
オーソサイドで使用されていたキャプタンとは異なる成分ですから、オーソサイドとカリグリーンを交互に使うというローテーションが可能です。
また、カリグリーンはオーガニック栽培対応と記載があることからもわかる通り、収穫直前まで使用可能です。
同様に、殺菌剤の定番であるベンレートもおすすめです。
カリグリーンもそうですが、分包されているのも家庭菜園をする人には嬉しいポイントですね。
ベンレートはオーソサイドやカリグリーンと異なる「ベノミル」という成分が使用されています。
しつこい灰色かび病には、この3種類の薬剤のローテーションが有効!といいたいところですが、そこまで頻繁に灰色かび病が発生する場合には何か別の原因があると考えた方が良いでしょう。
前述した「イチゴの灰色かび病の予防策」で紹介したような、高湿度対策をご検討ください。
まとめ
イチゴの灰色かび病の原因から対策まで一通りまとめてみました。
いくら高湿度対策をしていても、雨が続くと発生を避けられない場合もあります。
適切に薬剤を使って対処することと、発生した際には発生部位を速やかに除去することを心がけてください。