2メートル四方弱の作業場で小物から家具まで作る私が「狭い作業場」でのDIYのコツやポイントを紹介します。
2メートル四方弱という狭さでDIYを行うのは私を置いてほかにいないと思います。
今回は狭い作業部屋で厄介な問題である「粉塵」対策について紹介します。
▼ちなみに作業場は2メートル四方弱分のスペースがある自作の防音室です。
舐めてはいけない粉塵の健康被害
狭い部屋でDIYをしていると問題になるのが「粉塵」です。
特に丸ノコ系の工具(丸ノコ、卓上丸ノコ、スライド丸ノコ)を筆頭にサンダー類やその他切断工具も粉塵を発生させやすい工具と言えます。
その中でもやはり最も粉塵を発生させるのは丸ノコ系の工具です。
もしあなたが丸ノコ系の工具を使用しているのであれば粉塵対策は必須と言えます。
「粉塵」は健康への影響が著しい上に、狭い部屋ではすぐに部屋じゅうに粉塵が溜まってしまうために更に影響が強まります。
粉塵による特に呼吸器への健康被害全般を「塵肺」と呼び、粉塵が発生する環境で仕事をしている人は健康診断の検査項目に含まれています。
しかし、我々趣味のDIYを行なっている人間は基本的に症状があらわれるまでその影響を知ることはできません。
集塵機の設置も躊躇うほどの狭い環境でDIYを行なっている方は是非この記事をご一読いただき「粉塵」への対策を行なってみてください。
換気
粉塵対策における基本の対策その1として挙げられるのが「換気」です。
どのような環境でDIYをしているかにもよりますが、粉塵の出る作業をする場合には換気は必須と言っても過言ではありません。
木の粉塵は非常に細かく軽いため、一度降り積もっても簡単に舞い上がってしまいます。
そこで部屋の空気を外に排出し、粉塵を除去するわけです。
もちろん粉塵をそのまま外に排出してはいけませんから、フィルターを挟む必要があります。
換気は作業場の形態によって様々な方法が考えられます。
最も一般的なのは以下のような換気扇を導入することです。
そのまま粉塵を排出しないためにも、可能な限りフィルター付きの製品を選ぶことをオススメします。
フィルター無しを選んだ場合でも、市販の換気扇用フィルターなどを上から被せることで対策することができます。
また、こうした換気扇はどのような製品であっても構造は至ってシンプルです。
ファンの内側にフィルターがついているだけです。
扇風機を使ったり、ファンから自作するなどDIYによって換気扇を作るという選択肢もアリでしょう。
しかし、一般的な家屋の一室で作業している場合にはそう簡単に外に排気することができないと思います。
そうした際には換気扇を室内に設置する方法が簡単です。
つまり、室内の空気を吸気して室内にそのまま排気するわけです。
換気扇として意味を成していないように感じられるかもしれませんが、粉塵を除去するのであればこれで十分です。
換気扇を部屋の中に吊るしておくイメージですね。
もし作業部屋内にエアコンがある場合には送風モードで稼働させ続けるのも良い手です。
エアコンにはフィルターがあるためフィルターが粉塵を濾し取ってくれます。
ただし、エアコンのフィルターはキャパシティーが小さく想像以上にすぐに詰まるのでエアコンを使った換気をする場合にはフィルターの状態をまめにチェックする必要があります。
私がよく見ているJohn Heiszさんの動画が非常にわかりやすいです。
防塵
次の対策は粉塵を吸わないための防塵です。
つまり、防塵マスクを使おうということです。
普通のマスクをイメージすると防塵マスクなんて大して意味がないでしょ?と思ってしまうかもしれません。
しかし、実際に防塵マスクを装着するとそのフィット感や防塵性能に驚くはずです。
これは使い捨ての防塵マスクであっても同様です。
防塵マスクには大きく分けて3種類が存在します。
- ダストマスク
- 防塵マスク(使い捨て)
- 防塵マスク(取り換え)
ダストマスク
ダストマスクとは、防塵マスクとしての性能を備えていない防塵マスクもどきです。
ホームセンターなど色々な場所で手に入れることができます。
見た目は防塵マスクに似ているのですが、厚みやフィット感などが全く異なります。
私も以前はこのタイプのダストマスクを使っていました。
理由は防塵マスクに比べて安いからです。
実際に使って見ると特に不満もなかったのですが、一度試しに防塵マスクを使って見たところ全く次元の異なる性能に驚き、きちんとした防塵マスクを使うようになりました。
もし防塵マスクが高いと思うのであれば、こうしたダストマスクや普通のマスクであってもないよりはある方がマシです。
防塵マスク(使い捨て)
国からの認証を受けた「防塵マスク」のうち使い捨てタイプのものです。
安いもの(下記の製品など)であれば1枚あたり100円以下から1枚あたり200円以上するものまであります。
一見するとダストマスクと大差ないように見えるのですが、実際に手にするとまず始めに驚くほど分厚いです。
また、基本的にゴムバンドは2本掛けでフィット感も強く、空気の漏れもほとんど感じられません。
その割に息苦しさもそれほどないです。
丸ノコ系の工具を使って木を切断する作業を何度か行うと、白いマスクが木の色に染まっており効果が目に見えて実感できます。
使い捨てタイプは長期的に見ると取り換えタイプにコストパフォーマンスで劣ります。
しかし、私はよく汗をかくうえ作業場にエアコンがないため使い捨てタイプを選んでいます。
防塵マスク(取り換え)
使い捨てとは違ってフィルターを取り替えながら使い続ける防塵マスクです。
よく映画などで見かける「ガスマスク」っぽいものと言えばイメージがつきやすいと思います。
価格も使い捨てタイプの防塵マスク30枚分程度で長く使えるうえ、一般的に取り換えタイプの方が防塵性能が高いことが多いです。
更にフィット感も良く息苦しさも少ないなど基本的な性能は取り換えタイプが上です。
私は汗をかくため衛生的ではないと判断して使用していませんが、基本的にはこのタイプの防塵マスクの使用をオススメします。
集塵
最後に部屋に粉塵が舞うのを防ぐ「集塵」です。
集塵機は本格的なものになれば大きいですが、コンパクトなサイズの集塵機も存在します。
まずはこうした集塵機を検討してみましょう。
もしどうしても設置が難しいのであれば掃除機で構いません。
一般的なスティック型の掃除機であれば、かなり安価かつコンパクトです。
「集塵機」じゃなく「掃除機」で良いの?
と思われる方も居られるかもしれませんが、構造はほぼ同じです。
問題なく機能します。
後は適当なホースを購入して、電動工具などに接続すれば良いのです。
「掃除機」を選択する一番のデメリットとしては連続運転時間にあると思います。
「集塵機」と違って家の掃除程度しか想定していない「掃除機」では、10分の連続運転させるとモーターが過熱して止まってしまうことがあります。
これは掃除機の機種にもよりますが、特に粉塵がフィルターに詰まってきて負荷が上がりだすと簡単に過熱により止まってしまいます。
私の場合には、上記ツインバードの格安スティック掃除機をバラバラにして、サイクロン集塵機に作り替えました。
モーターをむき出しにして使っているおかげか連続運転をして止まることもなくなって非常に快適です。
まとめ
粉塵対策を3つのステップに分けて紹介しました。
私自身、粉塵を気にせず作業をしていたところ咳が出始めしばらくの間、咳に悩まされ続けたことがあります。
それ以降は防塵マスクを使用したり、集塵、換気への意識も変わって現在では快適にDIYを楽しんでいます。
皆さんも是非粉塵対策を十分に行い、可能であれば健康診断で「塵肺」の検査も受けるようにしましょう。