ドレメル社製のハンドルーター「ハイスピードロータリーツール4000」を使用しています。
【レビュー】ドレメル・ハイスピードロータリーツール4000(プレミアムセット 4000-8/64JP)
木工を中心に幅広く使用できる「サンディングバンド」(下図)は大変便利ですが、比較的消耗が早く頻繁に使う場合は経済的ではありません。
また、やすりの粒度も#60の408、#120の432、#240の445しか用意されていません。
せめて使い切った後にやすりを張り替えることができれば良いのですが、やすりはしっかりと接着されていて剥がしにくいです。やすりの上から新しいやすりを貼り付けようとすると、やすりの面は接着剤や両面テープが効きづらく、しっかり接着しようとすると厚手の両面テープが必要になります。
今回は、再利用可能なサンディングバンドを自作したいと思います。
自作することでやすりの番手も自由に変更でき、利便性と経済性がぐっと向上します。
なお、Amazonでは6個入りで295円(2019年2月19日時点)で販売されています。
サンディングバンドとマンドレルの寸法
ドレメルのサンディングバンドと、サンディングバンドを取り付けるマンドレルの構造を見てみましょう。
サンディングバンドは紙製の円筒(ラップの芯みたいなもの)の表面にやすりを貼り付けた構造をしています。やすり部を含めて外径12.7mmで、内径は12mmちょいです。
つまり、内径12~13mmほどの筒を用意し、表面にやすりを貼り付ければ良いわけです。
筒は樹脂や金属製とすることで、再利用しやすくします。
マンドレルは、サンディングバンドをはめる青いゴム部分がスライドする構造です。スライドすると中の樹脂がすぼんで径が小さくなることでサンディングバンドをはめられるようになります。元に戻すと中の樹脂が張り出して径が大きくなることでサンディングバンドが動かなくなります。
自作の材料と寸法
さて、構造を確認してわかった通り「内径12mm~13mmの筒にやすりを貼る」ことでサンディングバンドを自作することが出来ます。
筒を樹脂や金属にすることで再利用が容易になります。
最も手軽な材料はアクリルパイプです。
加工性に優れ切断しやすく安いです。また、内径が表示されている製品が多いのも特徴です。よく見かけるものとしては内径12mm・外径16mmのアクリルパイプがあります。
繰り返しになりますが12mmだときつく、13mmだと緩いです。
マンドレルの青いゴムは繰り返し使用すると少し潰れて径が小さくなります。
サンディングバンドを使いこんでいる人は12mm、まだあまり使ったことがない人や新しいマンドレルを使う人は13mmを選択すると良いでしょう。
もし緩い場合には適当にテープを貼って径を調整すれば良いので、最初から13mmを選んでおくのが無難かもしれません。
なお、内径13mmのパイプはなかなか探しても見つかりません。
アクリルパイプは内径を表示している場合が多いですが、アルミパイプなどは内径を表示していないケースが多いからです。
しかし、ホームセンターに売られている工作用のアルミパイプは大抵厚さ1mmほどです。外径15mmのアルミパイプが売られているはずなので、そちらを選択すれば内径はほぼ13mmのはずです。
私はまだマンドレルのゴムが新しく、後から調整も容易なことから15mmのアルミパイプ(内径13mm)を購入しました。
私が購入したアルミパイプは長さが1mあるため、ドレメルの純正品と同程度の長さ(15mm)で自作する場合は65個ほど作ることができます。1個当たり10円以下です。
純正品が1個当たり50円ほどなのでかなりコストパフォーマンスが良いです。
加えて以下のような利点があります。
- 簡単に貼り替えて再利用可能
- やすりの番手は自由に変更可能
- 筒にスポンジを巻き付けて上からやすりを貼り付けると曲面に対応できるスポンジサンダーになる
作成手順
作成手順はとても簡単です。
まずはアルミパイプやアクリルパイプを切断します。
アルミパイプを切断する場合には、安価な弓鋸があれば十分です。
もし切断用の電動工具をお持ちの場合には、木材用の刃でもアルミなら切断可能な場合があります。
サンディングバンドは純正で15mmありますが、お好みで長めに作っても良いでしょう。
今回は同じ15mmでカットしてみました。
アルミパイプを使った場合にはバリを取っておきましょう。
マンドレルにはめてみると、前もってわかっていたように少し緩いです。ビニールテープを1巻きすると丁度良くなりましたが、微妙な個体差はあると思うので各自調整してみてください。
最後にアルミパイプにお好みのやすりを貼り付ければ完成です。
貼り付けには再利用のことを考えて、薄い両面テープを使うと良いでしょう。
私はホームセンターに売られていた安価な「強力」の表記がある両面テープを使っていますが、やすりの継ぎ目から剥がれたりすぐこともなく十分使えています。
15mm幅の両面テープだとサイズもピッタリで使いやすいでしょう。
また、あえて厚手の両面テープを使うことで僅かに柔軟性が生まれます。
簡易的なスポンジサンダーのような機能を果たし、曲面にも優しく対応できるサンディングバンドが出来上がります。
もし同じやすりでたくさんのサンディングバンドを自作する場合には、パイプを切断する前にやすりを貼り付け、その後切断すると良いでしょう。
両面テープは「はがせる」タイプでなくても簡単にはがすことが出来ます。
やすりが目詰まりした時はぺりぺりと剥がして貼り替えてやれば何度でも使うことができます。