ドリリウム

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【BMW】「Mスポーツ」が格好悪くなった理由

BMWの各モデルに設定される「Mスポーツ」は、スポーティなエアロパーツや引き締められた足回り、太く小径なステアリングホイールやシートにカーボン調のインテリアなど「スポーティ」な装備が魅力のグレードです。

最近ではコンピュータ(パワートレインやシャシー制御)も加わります。

要するに国産車・輸入車問わずよくあるスポーティグレードというわけです。

MスポーツとMテクニック

Mスポーツは過去には「Mテクニック」(略してエムテクと呼ばれていた)という名前でした。

当時は本当の意味で純粋なスポーティグレードであり、モデルによっては標準装備に含まれていることもありました。例えば国内でも大変な人気を誇ったE30型の3シリーズにおいては、ソフトトップを採用したカブリオレでは一部のMテクニックパーツが標準装備されていました。

2000年代前半まで、Mスポーツは本当に純粋なスポーティグレードであり、スポーティな見た目を好む層が選択する魅力的な選択肢のひとつでした。

また、「走り」を中心とした感性に訴えかける部分を非常に重要視していたBMWでしたから、太いステアリングやホールド感に優れたシートなど、実際の機能性以上の価値がありました。

当時のMスポーツはダサくなかったのです。

BMWの「M」とは

BMWの「M」といえば、BMWの各モデルをベースとしたチューニングカー自体やその開発部門を指します。

かれこれ30年くらい前までのMカーたちは、正真正銘のレーシングカーの血統を持った市販車とは別物の車でしたが、現在のMカーは基本的に市販車を派手にチューニングしたモデルと言えるでしょう。

もちろんレースで培った技術を惜しみなく注ぎ込んで作られているものの、その本質は究極のドライビングマシンであり、いわゆる「駆け抜ける喜び」です。

だからサーキットに持ち込めば、タイムではライバルに負けることもあるでしょう。馬力や直線加速ではライバルに負けていることの方が多いです。しかし、操作性や走る楽しさでは明確な優位性があります。

そのチューニングの範囲は多岐に渡り、エンジンやブレーキ、サスペンションなどをはじめとした膨大な箇所に手が加えられており、小手先のチューニングを施した国内で見られるようなスポーティグレードとは一線を画した車たちです。

特に5シリーズ以上では、設定次第で十分な快適性も確保されており(それなら最初からアルピナを選ぶかもしれないが)、普段使いから遊びまで幅広く対応可能です。

このBMW・Mに対する評価は高く、そのブランド力も絶大です。

ブランドの切り売り

近年、このBMW・Mという素晴らしいブランドを切り売りするような傾向が目につくようになりました。

BMWが大衆に迎合し、他社との感性に訴えかける部分も含めた性能的差別化が出来なくなりだした頃が契機だったのでしょう。

見た目の派手さ、手軽なコンピュータの設定の追加、そして最大の問題がこれでもかとそこら中に貼り付けられたMのロゴです。現行モデルともなれば、その数は両手の指で数えきれないほどで、とにかく「M」を主張します。本物のMではないのに。

これこそがただのスポーティなグレードに過ぎなかったMスポーツが、ブランドを切り売りするような商売の道具に成り果てた結果です。

 

その昔、若者たちが愛車にチューニングメーカー等のステッカーをベタベタと貼り付けていた時代がありますが、あれをメーカー自身がやって、それに値札をつけているのです。

もちろん中身が伴っているのであればステッカーを貼っても良いでしょう。しかし、中身が全く伴っていないのにも関わらず、ベタベタと貼りまくっているわけです。

安価なパソコンにAppleのりんごマークを貼り付けたり、コピー品のブランドバッグを持つことと大差ないのではないでしょうか?もちろん好みの問題ではありますが、格好良いこととはどうしても思えません。

ニセモノ・Mスポーツ

ホンモノを志向することだけが良しとされる訳ではないのかもしれません。

しかし、ホンモノの上辺だけを真似たり取り繕ったものに価値はありません。ましてやそれに高い値札をつけるなど恥知らずと言われても仕方ないでしょう。

今はそのような売り方で急場を凌げるでしょうが、いずれその価値は底をついてしまうでしょう。

 

2022年現在、BMWディーラーに並ぶ新車たちがまるで「トヨタかな?」と思わせるような面々でBMWというブランド価値がなければ他社に対する優位性はほぼありません。

BMWというブランドの価値だけを都合よく利用する現在のMスポーツは、メーカーの真摯さという点からも、オーナーの満足感という点からもネガティブな評価を受けざるを得ないでしょう。

業界の内外からブランディングの手本とされたBMWは、既に過去のものなのかもしれません。

 

ブログを書いている人

カタミチ

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