乳化、してますか?
特に冬の時期、ちょっと乗って、エンジンが十分に暖まらないうちにエンジンを切るような乗り方をしていると、BMWに限らずエンジンオイルが乳化します。
冷却水がエンジン内に漏れ出したケースとの違いは、オイル全体が乳化しているわけではないという点です。
例えばオイルレベルゲージを見てみましょう。
オイルレベルゲージの先端のオイル自体は乳化しておらず、乳化したオイルがゲージの手前に付着しています。
これが、先端のオイルまで乳化しているとちょっとまずいです。ここだけで判断はできませんが、エンジン内に冷却水が漏れ出している可能性があります。
なお、チョイ乗りによる乳化であれば、対策はいくつか考えられます。
放置は禁物です。
そもそもの原因は?
エンジン内の温度が上がり切らないうちに、エンジンを停止するような運用を繰り返していると発生します。
例えば、短距離(10km以下)の通勤などです。
距離は道路状況にもよりますが、3kmの通勤であればほぼ間違いなく乳化します。
水温計が真ん中を指しても、エンジン内の温度が上がり切ったとは言えません。
最低でも、渋滞の少ない道であれば30分ほどは走行したいところです。高速道路など、回転数を上げて走るシーンが増えるとなお良いです。
影響
色々な影響が考えられるのですが、一般的かつ最も気にかけなければいけないのは、エンジンへのダメージです。
エンジン内では色々な金属製の部品がこすれ合っており、それを潤滑するのがエンジンオイルです。
昔はエンジンオイルの性能が低く、摩擦を減らすためにエンジン側のクリアランスを広げていましたが、近年は技術ご進歩し、またエンジンオイルの性能向上も著しいことから、かなりシビアな動きをしています。
そんなエンジン内に、入荷したオイルがあれば、十分に潤滑されないリスクが高まります。
この影響に比べれば他は些細な影響です。
さらに言うと、チョイ乗りによる乳化程度だと、上記のような影響もほとんどないのが現実です。もちろん、定期的にエンジンオイルの交換をしていればの話ですが。
対策1:マメなオイル交換
最も良い対策は、マメなオイル交換です。
乳化させるような車の使い方は、車に高い負荷をかける使い方とも言えます。オイルの交換頻度をあげるのは当然の選択ですね。
オイルは一度乳化しても、エンジン内の温度をしっかりと上げることで、水分を蒸発させ、水分だけ除去することができます。
しかし、一度乳化したオイルは劣化しますから、交換してあげようと言うわけです。
私は、片道2kmというふざけた距離を車で通勤していたことがありますが、冬場は安いオイルを選び、毎月オイルを交換していました。
対策2:ちょっとお出かけする
出来れば毎週、無理なら隔週程度で、ちょっとお出かけしましょう。
ある程度乳化したオイルが溜まっても、きちんとエンジン内の温度を上げて走行すれば、蒸発して、ブローバイ経路から再度エンジン内に送り込まれ燃焼されていきます。
つまり、ちょくちょくお出かけすれば、乳化したオイルを元に戻せるのです。
しかし、一度乳化したと言うことは、水と触れてしまっていますから、オイルは劣化しています。
やはりマメにオイルを交換するか、最低でも暖かくなり次第オイルを交換しましょう。
対策3:気にしない
「影響」の項目で最後に述べた通り、実際にはこうした乳化による影響は微々たるものですから、無視するのも1つの手です。
ただし、乳化によりオイルは劣化していますから、気温が高くなった際にはオイル交換をして上げましょう。
オイル交換のペースは乗り方次第!
最後に、最近のBMWでは、オイル交換ペースが段々と伸びています。
しかし、オイルの劣化の具合は乗り方により大きく異なります。
長距離の運転をする過走行なんかより、街中の渋滞を短距離走る方が、車にとってはずっと負担が大きいのです。ロングライフ化した世代のBMWであれば、オイル交換時期は車が知らせてくれます。
もちろん、こうした乗り方も加味してオイル交換時期を知らせてくれるわけですが、それでも長すぎるように私は考えています。
10万kmまで、ぼちぼちの調子で動いてくれれば良い、というのであれば構いませんが、気持ちよいフィーリングを維持して長く乗りたいのであれば、もう少し早めのオイル交換をおすすめします。
早めのオイル交換の効果は、エンジン内の保護だけにとどまらず、オイル漏れの原因となるシール類を長持ちさせることにもつながります。