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花壇とレイズドベッドの違いとは?

レイズドベッドとは、草花や野菜・果物を育てるための手法のひとつです。

プランターに植物を植える「プランター栽培」、地面に直接植物を植える「露地栽培」。この2つの良いとこ取りをした手法こそ「レイズドベッド」です。

一般家庭における家庭菜園に取り入れられることの多く、オシャレな見た目と高い実用性を兼ね備えています。

「レイズドベッド」という大袈裟な感じを受けるかもしれませんが、実は身近なところにもレイズドベッドは存在します。

更に、ガーデニングの一環で既に皆さんはレイズドベッドを作られたことがあるかもしれません。

レイズドベッドの構造

レイズドベッドには大きく分けて2つの形状が存在します。

1つは、レイズドベッド内の土が地面とつながっているレイズドベッドです。

レイズドベッドとしての効果が最も発揮される形状であり、当サイト内でレイズドベッドと記載がある場合には基本的にこちらを指しています。

もう1つは、レイズドベッド内の土と地面がわかれているレイズドベッドです。

こちらは単なるプランター栽培であり、プランター栽培との違いは長い脚がついており高さがある点です。

レイズドベッドには具体的な定義がなく、植物を栽培するうえで大きな違いのある上記2つの形状のいずれもレイズドベッドと呼ばれることがあります。

後者は「脚の生えたプランター」であることから、英語圏では「Raised Planter Box」や「Eleveted Planter Box」と呼ばれることもあります。

更に言えば、布製レイズドベッドなどでよく見られる底が仕切られたパターンもあるのですが割愛します。

さて、話を戻してもう一度レイズドベッドの図解を見てみましょう。

この構造、なんだか見覚えがありませんか?

そうです!

日本のお家でもよく見かける花壇と全く同じ作りではないでしょうか?

例えばお家の道路に面する場所にある花壇や、お庭の外側にある花壇などはこんな構造です。

こうした花壇は、底が仕切られているもの、底に砂利が敷かれているもの、土と直接つながっているものなど形状は一様ではありません。

また、ガーデニングの一環として小規模な花壇を作ることがあります。

レンガやブロックで庭の一部を仕切り、そこに土を入れます。こうした花壇は多くの場合、レンガやブロック1~2つ分の高さしかありませんが、立派な花壇の1つと言えるでしょう。

花壇はレイズドベッドの一種?

レイズドベッドは2つの英単語で構成されています。

レイズド(Raised)は「高く持ち上げられた」という意味です。

ベッド(Bed)は「土台」や「苗床」、つまり植物を植える場所を意味しています。

組み合わせることで、「高く持ち上げられた苗床」という意味になります。

非常に漠然とした単語であるため、レイズドベッドには明確な定義がなく、高さがあるプランターですらレイズドベッドと呼称されるに至っています。

しかし、レイズドベッドの本質は苗床を高く持ち上げることで、管理が容易になったり見た目が良くなったりすることではありません。

いわゆる高畝にあるような、高い排水性や土中の空気量の確保、あるいは硬く締まった地面の土壌改良を必要としない点こそがレイズドベッドの何よりの魅力です。

その点において、花壇はレイズドベッドであると言えます。

花壇はブロックやレンガなどを使って高さを確保し、中に新しい培土を敷き込みます。これはまさしくブロックやレンガを使用したレイズドベッドとそのものです。

厳密には異なる花壇とレイズドベッドの定義

花壇とは、造園技法のひとつです。

その特徴は土壌をレンガやブロックで囲んで仕切るという点です。

つまり、必ずしも高さを出す必要はなく、周りの地面と同じ高さであっても「花壇」と呼ぶことが出来ます。

一方でレイズドベッドの特徴は、”レイズド”という名前からもわかる通り高さを出すことが大前提となっています。

この点において、レイズドベッドと花壇は等しくないと言うことができます。

レイズドベッドを楽しもう!

花壇とレイズドベッドの違いを解説しました。

厳密には花壇とレイズドベッドは別物ですが、ほとんどのケースにおいて同じ物と言って差し支えないでしょう。

一般的にブロックやレンガを使って、壁に沿って作られているものは花壇と認識されがちです。

こうした定義の差など些細なことでしかありません。

レイズドベッドにはたくさんの魅力や利点が詰まっています。

レイズドベッドを活用して家庭菜園やガーデニングをもっともっと楽しみましょう!

レイズドベッドについて、更に詳しく知りたい方は以下のページで解説しています。

【トレボン粉剤】使いにくい!散布しづらい!水に溶かして散布しても良いの?

 

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アオムシやヨトウムシをはじめ甲虫類にも幅広い効果を示す農薬「トレボン粉剤」ですが、粉剤という名前の通りめちゃくちゃ細かい粉状の農薬です。

 

この粉を満遍なく植物に散布する訳ですが、専用の散布器がないと綺麗に散布することは難しいです。ガーゼなどにくるんでポンポンと粉を当てていくことも出来ますが、非常に時間と手間がかかり現実的とはいえません。

▼散布器の例(粉剤専用)

 

 

そんなトレボン粉剤をうっかり買ってしまった私の間違いと対策を記録に残します。

水で溶かして散布したら効果なし&農薬取締法違反

先に結論から言うと、農薬はいくつかの法律で様々な決め事がなされており、使用上の注意等を守らず使うと農薬取締法という法律に違反することになります。

また、トレボン粉剤のメーカーである三井化学アグロ株式会社に直接問い合わせたところ、水に溶かして散布しても効果は得られないそうです。

※実際には水に溶けだすわけでも水で効果がなくなるわけでもないと思うのですが、メーカーとして試験をしたわけでもないし、そもそも法律違反なので効果なしと回答されたんだと思います。

 

三井化学アグロ社に問い合わせた際の対応から察するに、同じような問い合わせを何度も受けているように感じられました。

家庭菜園では、液状の農薬を散布する「噴霧器」は所有している人が大半ですが、粉の農薬に対応した散布器を所有している人はごく僅かでしょう。また、どうしてもトレボン粉剤が使いたいから散布器を買おう!という人も少ないものと思われます。

トレボン粉剤の上位互換?「トレボン乳剤」

トレボンの効果に惹かれて購入した方に向けて、水で希釈して使う「トレボン乳剤」という商品があります。

こちらはトレボン粉剤の乳剤バージョン、と思いきや効果を見てみるとどうにもトレボン乳剤の方が適用害虫の種類が多いように見受けられます。

 

家庭菜園をする方であれば誰もが持っているであろう噴霧器で使用できるだけではなく、効果も高いとなれば、粉剤を買ってしまった自分にガッカリです。

これなら粉剤は売らずに乳剤だけ売ればいいのに、と思うのですが何か事情があるんでしょう。

 

結局我が家には使わなくなったトレボン粉剤と、大活躍間違いなしのトレボン乳剤があります。

噴霧器がないならスプレー版トレボンがある!

更に、噴霧器を持っておらず普段はスプレータイプの希釈済み農薬しか使わない方も居られるかと思います。

そんな方にトレボンを希釈した薬が販売されています。

それがアースガーデンTです。

異なる会社ですが、トレボンを薄めたもので間違いないようです。

【トマト】水と肥料の与え方・肥料過多と肥料不足の見極め方

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家庭菜園初心者におすすめされがちなトマト。

真っ赤な実をつける果菜類(実がなる野菜)ということでインパクトもあり、用途も広く、たくさんの収量を期待できる野菜です。

しかし、実はトマトは水分と肥料管理がシビアで決して簡単な野菜ではないのです。

特に土の総量が少ないプランター栽培では水分と肥料管理は更にシビアになります。

もちろん水分や肥料管理が出来ていないからと言って、枯れてしまうとか、実がひとつもつかないということはあまりないのですが、たっぷりと美味しい大きな実を収穫するには適切な管理が求められます。

 

水分に関しては、水をやり過ぎないことや土の排水性を良くしておくことなど、比較的対処が容易ですが、問題は肥料管理です。

トマトへの肥料の与え方

トマトへ肥料を与える時に気を配る必要があるのが元肥追肥です。

意外と元肥のことを考えずに市販の培養土をそのまま使ってしまう方が多いです。

ポイント1.市販の培養土は肥料過多

元肥は、トマトを植え付ける時に土に混ぜ込む肥料です。

トマトを栽培する場合、市販の培養土を使用する方も多いかと思います。

ここで問題になるのが、市販の培養土はトマト栽培には必ずしも適していないということです。市販の培養土は様々な野菜に対応できるよう、元肥が最初から入っています。

市販の培養土にトマトの苗を植え付けた場合、肥料過多の症状が出る場合があります。

とはいえ、そう簡単に薄めて使う訳にもいきませんし、肥料過多の症状が出ても極めて軽度でごく初期だけに留まることが多いです。

そのためあまり気にする必要はありません。

しかし、市販の培養土に更に化成肥料などを元肥として混ぜ合わせるとどうでしょう?

明らかな肥料過多ですね。

くれぐれも、トマト栽培では元肥のやりすぎに気を付けてください。

市販の培養土を使用する場合にはあえて元肥を追加する必要はありません。

 

本記事中で「化成肥料」と言った場合、一般的な8:8:8の下記製品のようなものを指します。

ポイント2.実がある程度育つまで追肥はやらない

トマトの追肥のタイミングは最初に出来た実がある程度育った段階です。

「ある程度育った段階」というのは結構あいまいで、あまり気にする必要はありません。ざっくりと、1番目の実が収穫できる大きさの半分くらいまで育ったら追肥をやればOKです。

追肥の量は、一般的な8:8:8の化成肥料であれば大さじ2~3杯程度です。

カレースプーンなど大きめのスプーンで2杯くらいと覚えておけばOKです。

トマトの株は大きく育つ上、実もたくさんつけるので少なく感じるかもしれませんが、これでOKです。

万が一肥料不足の症状がでたら都度追加すれば良いのです。

肥料不足より肥料過多の方が厄介です。

ポイント3.第3花房の実が育ち始めたら2度目の追肥

最初の実(第1花房の1番果)がある程度育った時点で1度目の追肥を行いますが、2度目の追肥は第3花房の1番果がある程度育った時に与えます。

第2花房は無視です。

第1花房→第3花房→第5花房と奇数番目の花房の実が育ち始めたタイミングで追肥を行います。

追肥の分量は常に一定で、大さじ2~3杯程度を与えます。

ポイント4.追肥を分割してもOK

一般的にトマトの追肥は第1花房→第3花房→第5花房と行っていきます。

分量は大さじ2~3杯程度と説明しました。

しかし、トマトは肥料の過不足に敏感ですからもっと小まめに管理するとなお良いです。

例えば肥料を与える分量を半分にして、頻度を2倍にする方法です。

第1花房の実が育ち始めたら肥料を大さじ1杯、第2花房の実が育ち始めたら肥料を大さじ1杯。

そんな風に花房ごとに大さじ1杯の肥料を与えても良いわけです。

都度都度、肥料不足の症状が見られれば肥料を少し多めに、肥料過多の症状が見られれば肥料を少なめにすることで細やかな管理が可能になります。

ポイント5.液肥を使ってもOK

トマトの追肥には粒状の化成肥料が使用されることが多いですが、液肥を使用するという方法もあります。

液肥は化成肥料に比べて即効性で残効性がありません。

化成肥料は与えすぎればジワジワと土に溶け出して、気が付いたころには手遅れになってしまいます。

しかし、液肥なら効果は一瞬でなくなるのでそんな心配はいりません。

大体に週に1回程度、希釈した液肥をじょうろ等でまきます。

肥料不足の症状がでれば頻度を上げ、肥料過多の症状がでれば頻度を下げます。

 

おすすめはハイポネックスの野菜の液肥です。

肥料成分のバランスが良く、土壌改良効果もあって肥料分が多すぎずトマトを含め多くの野菜に適しています。

トマトの肥料不足の見分け方

トマトの肥料不足のポイントは以下の通りです。

1.茎が細くなる

トマトの摘心が済んでおらず、ぐんぐん伸びている最中に肥料不足になると茎が極端に細くなります。

株本から茎を眺めていって、先端に近づくにつれてほぼ同じか徐々に細くなっていくのであれば正常です。

しかし、ある一点から極端に細くなっていれば肥料不足の症状です。

2.葉っぱや枝が上を向く

一番わかりやすい特徴がこちらです。

肥料が不足すると葉っぱがそり立つように上を向きます。

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この時に葉っぱが巻いているように見えるため肥料過多と勘違いしてしまう場合があります。

葉が上を向いて立ち上がり始めたら肥料不足と覚えておきましょう。

3.葉先から黄色・茶色く変色する

肥料不足が進行すると、葉が葉先の方から黄色や茶色に変色して枯れ始めます。

4.葉が薄い黄緑色

トマトの葉は黄緑色が正常です。

こちらは正常な状態の葉っぱの様子です。

肥料不足の際には、ここから更に色が薄くなるということもなくそのままなのですが、肥料過多の場合には明らかに色が濃くなるため、肥料過多と見間違えないように葉の色もチェックしてみてください。

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トマトの肥料過多の見分け方

トマトの肥料過多のポイントは以下の通りです。

ちなみに実をたくさんつけるミニトマトは肥料の消費が早く、肥料過多に陥りにくいです。

1.茎が太くなる

肥料不足とは反対に、肥料が多すぎると茎が太くなります。

少し見分けづらいポイントなので頭の片隅に置いておいて次のポイントを見てみましょう。

2.葉っぱや枝が下を向く

肥料過多の典型的な症状と言えば枝が下を向く症状です。

地面に近い枝に関しては葉が地面に触れるほど思いっきり下を向きます。

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これは肥料を減らして肥料の量が適正に戻ったとしても治らないので、地面に触れている部分は病気対策として除去しても構いません。

3.葉が濃い緑色

正常なトマトの葉と肥料不足のトマトの葉の色の差はほとんどありませんが、肥料過多だと葉の色が明らかに濃くなります。

トマトの正常な葉の色は、肥料不足の項目でも説明したように黄緑色ですが、はっきりと濃い緑色になると肥料過多であることがわかります。

こちらの写真は濃い緑色になった葉の様子です。肥料過多が続くと更に葉が濃い色になります。

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4.花房が少ない・鬱蒼と生い茂る

肥料過多になると、花や実を付けずに枝葉ばかりが生長してしまいます。

結果として花房が少なくなり、一般的に摘心の目安となる180cmまで成長しても花房が3つや4つしかないという事態になります。

いわゆる徒長と呼ばれる症状です。

また、肥料過多になると枝葉が鬱蒼と生い茂り、一見すると元気いっぱいに見えます。

しかし、トマトの適正な状態は枝葉が鬱蒼と生い茂った状態ではありません。

スカスカで、向こう側がよく見えるくらい枝葉が少ないのがトマトの正常な状態です。

【最重要】肥料過多と肥料不足を確認する「位置」

トマトの肥料過多と肥料不足の特徴を解説しましたが、一番重要なのはトマトの株全体のなかのどこを見るか?という点です。

 

例えば、トマトが肥料過多に陥ると枝葉が下を向き葉が巻きます。

この症状は、トマトの肥料過多を解消したとしても治りません。

つまり、トマトの生育初期に肥料過多に陥って、その後に適正な状態に戻った場合でも生育初期の枝葉は下を向いて葉が巻いたままなのです。

生育初期の枝葉ということは、要するに株本です。

株本だけ肥料過多の症状が残り、そこから上は正常な状態になります。

この時に株本だけ見て「肥料過多だ!」と考えてしまうと大失敗につながります。

 

そのため、肥料過多と肥料不足を判断する場合には株の上半分あるいは上3分の1あたりの枝葉に注目してください。

おまけ:水分管理のポイント

最後に冒頭では簡単だと説明した水分管理について簡単に解説します。

1.土が乾燥してからたっぷりと水を与える

水やりは、土が乾燥してからたっぷりと与えます。

より正確に管理したい場合には、土を軽く掘り返してみて乾いていたら水やりをしましょう。

表面が乾燥していても、内部には結構水分が残っているものです。

表面が乾燥してから2~3日後、あるいは水分不足でトマトがやや萎れてきてからでも十分です。

2.土は排水性の良い培養土を使用する

土自体の保水性が良すぎるとトマトにとっては良くありません。

とはいえ、排水性の良い培養土を選んだり、土を自分でブレンドするのは難しいと思います。

そこで、市販の培養土に排水性を高める材料を混ぜ合わせましょう。

代表的なのはパーライトです。

参考までに商品リンクを貼っておきますが、この手の商品はホームセンターで買った方が圧倒的に安いです。パーライトは100均にもあります。

 

3.プランターには多めの底石を入れる

プランターの鉢底石は排水性の向上に寄与します。

また、プランター自体も底の凹凸が大きく、縦に切れ目の入った鉢底石不要の排水性の良いプランターを使用すると良いでしょう。

トマトの肥料不足の対策

トマトの肥料不足の症状が出た場合には、すぐに追肥してください。

化成肥料・液肥のいずれでも構いません。

液肥の方が即効性があるため有効と言えますが、そこまで即効性がなくともトマトは枯れないので化成肥料を与えるだけでも十分です。

トマトの肥料過多の対策

トマトの肥料過多の症状が出た場合には、過去に追肥した化成肥料を掘り返して除去してください。

既に溶け出した肥料が土のなかに残留しているため、出来るだけたっぷりと水を与えて肥料分を流します。

この時に、晴天が続いて土が乾いており収穫間近の実があると、急激な水分吸収で実割れを起こす可能性があります。

そのため、収穫間近の実があって土が乾燥している場合には水で肥料分を流すのはやめて、追肥した肥料を取り除くだけにとどめましょう。

一時的な肥料過多であればそこまで大きな問題ではありません。

水で肥料分を流すのにも限度があるので、とりあえず肥料の除去だけでも対策としては十分です。

まとめ

トマトの肥料過多と肥料不足の見分け方、そして適切な肥料の与え方を紹介しました。

トマトはうまく育てることで、大きくて美味しい実がたくさん収穫できる素晴らしい野菜です。

これまでなんとなく育てて、それなりに収穫できて来た、という方も肥料のやり方を意識して変えてみるだけで、収量や味がぐっと良くなるかもしれません。

【2021年6月】レイズドベッドによる家庭菜園レポート

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レイズドベッドを中心にしたお庭の状況レポート2021年6月号です。

 

先月号はこちら

diy-kagu.hatenablog.com

 

レイズドベッドについて詳細はこちら:【レイズドベッド徹底解説】お庭でオシャレな家庭菜園を始めよう!レイズドベッドの実践例と作り方(DIY)

イチゴ

イチゴは収穫シーズンもそろそろ終わり、実の数が減ってきました。

ここで発生したのがコバエ問題。

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写真のイチゴの果実をよく見るとコバエがたくさん張り付いているのが見えると思います。

詳しくはこちらで解説していますが、オウトウショウジョウバエと思われます。

イチゴの果実にコバエ大量発生!原因と対策【ショウジョウバエ】 - ドリリウム

 

記事中で色々と対策を並べていますが、その一つの粘着シート(よくある黄色いヤツ)を設置した様子。
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写真には載せませんが、びっしりと捕獲できました。

 

熟した果実はコバエ対策にすべて取り除き、実もほぼなくなったので苗ごと早々に処分しました。
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来年分の苗は既に確保済みです。

ランナーから出来た苗が更にランナーを付けて成長しています。

品種は「章姫」で、来年分は2~3株くらい用意したいです。
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もう1つの品種「キングベリー」は元の場所でランナーを育てています。

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「章姫」より「キングベリー」の方が実の数は少ないものの味は好評だったので来年分は「キングベリー」を多めに育てる予定です。

トマト

大玉トマト(中玉だったかも)は順調に成長中です。

こちらは第1花房ですが、窮屈そうなので後に1つ摘果して4つに減らしました。

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株全体の様子はこんな感じで、左がミニトマト、右が大玉(中玉?)です。

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ミニトマトは若干肥料過多なように見えます。

大玉トマトは下の方は葉が巻いており、生育初期に肥料過多だったものと思われますが、先端の方はむしろ葉が上を向いており肥料不足の症状が見受けられます。

トマトの肥料の適量は難しいです。

摘果したトマトは加熱調理の色々なシーンで活用しています。

チキンライスやトマトスープ、カレーなどにみじん切りにして入れています。
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追肥には化成肥料(8:8:8)と油粕を与えています。

 

大玉トマトはへたの周りにコルク層が見られます。肥料、というかチッソ過多でしょうか?

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一方で先端は葉が上を向いており、葉色も薄緑や黄緑というか黄色っぽいところも出ています。先端付近の枝葉の成長も鈍く、肥料不足のような気がします。

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とりあえず変わらぬペースで追肥を入れ、チッソをよくとってくれる小松菜の種をばらまいておきました。

すぐにかわいい双葉がたくさん出てくれました。これで肥料のバランスが調整できるといいな。

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5月も終盤になると、大玉トマトが色づき始めました。

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ミニトマトはもうぽつぽつと収穫が始まっています。

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キュウリ

キュウリは早々から花や実を付けますが、心を鬼にして摘果。株の成長を優先します。

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5月後半にもなると株もだいぶ大きくなったので、花や実も好きにつけさせています。

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ちょっと気になるのは、支柱につるが巻き付かないこと。

紐で支えてやらないといけない状態です。

ナス

先月は早々に実った実が虫にやられてしまいました。

ガが原因と思われるためトレボン乳剤を使用して対策して虫害は止まったみたいです。

こちらの実はまだ小さいですが収穫しました、もう少し株の生長を待ってから本格的に実をつけてもらおうと思います。

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5月後半にもなると株もだいぶ生長して、葉も手のひら大くらいの大きなものが何枚もでき、調子も良さそうです。

これから本格的に実をつけさせます。

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ピーマン

ナスと同じく虫害に遭っていたピーマンですが、トレボン乳剤が効いてくれているようです。

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ピーマンは放置するとすぐに脇芽が伸びて鬱蒼としてしまいます。

問題ないのかもしれませんが、ある程度風通しを良くするために鬱蒼とした部分は切り取ってスッキリさせています。

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順調に実をつけ始めています。

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タマネギ

もうしばらくすると収穫期を迎えそうなタマネギですが、過密がすぎるので早々に収穫して新タマネギとして楽しんでいます。

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5月後半になると、段々と葉がくたっとしてきて収穫が近いことを知らせてくれます。

これでも間引いたのですが、過密すぎてうまく生長できていないのもいます。

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ジャガイモ

じゃがいもは非常に元気よく生長中です。

雨風が強い日があると、地面に倒れてしまう枝が出るので支柱と紐で支えています。

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株本に近い葉はなんだか調子が悪そうなので、除去しています。

除去した後は、症状が広がることもなかったため問題なさそうです。

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先ほどの写真は5月前半のものですが、5月後半にはここまで生い茂りました。

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サニーレタス

サニーレタスは料理の飾りつけやサラダ、ペットのキンカチョウのおやつなどのために少しだけ育て始めました。

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上の写真は5月頭のものですが、5月末にもなると下の写真の通りサニーレタスらしくなってきました。3株残して育てています。

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万能ネギ

万能ネギもたまにあると便利なので育て始めました。

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3週間ほどでこのくらいの生長。こんなものなのかな?遅い気がするけど・・・。

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【レビュー】輸入車オーナーが2代目スズキ・ハスラー(HYBRID G)を購入した結果

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スズキ・ハスラー(MR92S)を購入しました。

軽SUVの先駆けであるハスラーの2代目です。

グレードはHYBRID Gという一番安いグレードで、ターボはなし。

 

この車を選んだ理由は以下の記事で長々と解説しています。

【MR92S】輸入車オーナーが2代目スズキ・ハスラー(HYBRID G)を選択した理由 - ドリリウム

 

紆余曲折あって選び抜いたハスラーですが、実は一度も試乗していません。

今回の乗り換えにあたって散々試乗をしまくった癖に、肝心のハスラーは試乗していなかったのです。

その理由はというと、先ほど紹介した記事のなかでも解説しているのですが、走行性能や快適性はどうでも良いという結論に達していたからです。(N-ONEとタフトは試乗した)

 

今回はハスラーに乗って感じたことを列挙していこうと思います。

ちなみに今回の車選びを主導した妻は生粋の輸入車オーナー。妻の感想を中心に紹介します。

1.めちゃくちゃ不安定でふらつく

これは他の軽自動車やSUVを試乗した時点でわかっていたことですが、めちゃくちゃふらつきます。

普通車のSUVですらふらついて気持ち悪いと言っているほどですから、軽SUVのふらつきは凄まじく感じます。(妻はマツダ・CX-5に乗ってふらついて気持ち悪いと却下した)

路面の大きめの段差やうねりがあると、車の上の方あるいは自分の頭がめちゃくちゃ横方向に振られます。これ、乗り物酔い酷い人は絶対酔うよね。

 

ただ、現在の幅が狭く背が高い軽自動車では致し方ないことです。

幅の制約がない普通車だとしても、バンや背の高いSUVはふらつきます。

これが幅に制約のある軽自動車ともなれば凄まじいことは想像に難くありません。

 

とはいえ、これはわかっていて購入しましたし、片道2kmを運転手一人で乗るだけなので許容できる範囲です。

2.CVTがスムースで快適

2代目ハスラーはCVT+マイルドハイブリッドで駆動します。

普通車のCVTは何度か乗ったことがあるものの、ある程度パワーのある普通車にCVTがあっても変速や音の気持ち悪さしか感じませんでした。

しかし、パワーのない軽自動車とCVTのマッチは不思議と気持ち悪くありません。

頑張って加速する時は元気よくエンジンが唸り、巡行時には穏やかに走ります。ただそこに変則時の音の変化やショックがないだけ。

単純にCVTが進化しているだけかもしれませんが、変速ショックがなくてとっても快適です。

 

元々乗っていたルノー・ルーテシアは化石のような1.6L4気筒エンジンと4速ATの組み合わせでした。もはやこの時代のフランス車の定番ともいえる化石4速ATです。

元気よく走る時には気にならないのですが、普通に乗っているとギア数が少なくて引っ張り気味だし、変速ショックも大きいしで不快でした。

3.パワーは必要十分

パワーは必要十分。というと誤解がありそうですが、加速は必要十分です。

少しアクセルを踏んだだけでもスロットルをスムースかつ大きくガバリと開いて加速します。

逆に言えば、アクセルを更に踏み込んだところで、踏み込み量に応じた加速力は得られません。

これは日本車特有のセッティングですが、ここのセッティングの絶妙さ加減は感心するほどです。

 

短距離の街中を走るだけなら全く困りません。

とはいえ、踏み込み量に応じたリニアな加速が得られないということは、スムースな運転ができないということです。

同乗者が居る場合には、かなり神経質な運転をしないと不快な思いをさせてしまうでしょう。

 

よく大きな排気量のエンジンの車は運転が疲れないと言いますが、まさにここです。

4.車内は静か

車内は想像以上に静かです。

タイヤは純正の新品。当然の安いタイヤですが、よく遮音や防音が出来ています。

もちろん軽自動車にしては、と前置きがつきますが、それでもコストパフォーマンスに全振りしているコンパクトカーや商用車よりマシかも?と思うくらい。

エンジンもパワーがないのでよく回りますが、少し遠くで唸っている感じでダイレクトにエンジンノイズが耳に入ってくる感じはありません。

軋み音やガタガタというような品質の低いノイズもあまりありません。

 

ただし、速度が60km/hくらいを超え始めるといきなりうるさくなり始めます。

主にロードノイズで、タイヤで多少の改善は見込めると思いますが限度があるでしょう。

 

我が家の場合には街中を片道2km乗るだけで、60km/hも出さないので静かなものです。

5.乗り心地は良い

冒頭で不安定でふらついて気持ち悪いとか言いましたが、それを除けば乗り心地は上々です。

日本車らしいふわふわした乗り心地は大きなセダンであろうと、このハスラーであろうと一貫しているのは面白いです。

路面のざらつきや小さいな段差も、フラットとは言えないまでもそこそこ綺麗にいなしている感じ。

ゴツゴツ・ガタガタした昔の軽自動車の乗り心地とは全くの別物です。

 

僕が長年乗り継いでいるBMWも、5シリーズになると大分快適ですが3シリーズなんかは快適性皆無なので、ふわふわした乗り心地に慣れている人なら3シリーズよりハスラーの方が乗り心地が良いと感じる人もいるかもしれません。

日本車の目指す方向性の先にあるロールスロイス・ゴーストは高速で路面のうねりを越えるとフワリと浮遊感を感じます。プラットフォームを同じくするBMW・7シリーズは接地感が強いです。

僕は後者が好きなだけで、どちらが上とも思いません。

6.後席が広い

軽自動車やバン系の自動車ユーザーからすると当たり前かもしれませんが、後席めちゃくちゃ広いです。

安全性を考えると軽自動車の後席は絶対に使うつもりはありませんが、めちゃくちゃ広い。

 

BMWのなかで異端児だと勝手に僕が思っている7シリーズより広く感じる。

高さ方向に広い点も寄与していると思うけど、足元のスペースは本当にラグジュアリーセダンより広いんじゃないかってくらい広い。

7.荷室は狭い

荷室は狭い。

後席を前にずらしても狭い。

 

後席を前に倒してやっと実用的だけど、思っていたより広くない。

後席を倒したら大の大人が寝転がれるくらい広いのかなぁとイメージしていて、実際に後席を倒した時の期待外れ感は大きい。

 

よく考えたら車体が3.4mしかないんだった。

8.いろんな質感は低い

例えばリアハッチを開いた時の手に伝わる感触や開く動作、エアコンの温度を操作するボタンの感触。

そうした細かな質感はやっぱり価格なりといったところ。

もちろん軽自動車がコストパフォーマンスに特化して進化していることを考えれば、この手の質感は求めてはいけないわけだけど、一応言及してみる。

9.鉄ホイールが素晴らしい

我が家のハスラーには、白く塗装された鉄ホイールが装備されています。

これのデザインは大変好ましいです。

そもそもホイールはデザインを重視しなければ鉄の方が頑丈だし、その武骨な雰囲気は個人的に大好きです。

高価なアルミホイールを除けば鉄ホイールの方が軽量なことも珍しくないらしい。

 

一方で上級グレードに装備されるアルミは、大変失礼ながらなんだか安っぽい。安いアフターパーツメーカー製のホイールみたい。

(昔の3シリーズには鉄ホイール風デザインのアルミホイールが設定されていたような記憶があって、それがやたら軽いと言われていた記憶がありますが、もう記憶が定かではありません。)

10.整備性が良さそう

めちゃくちゃ全部入りの保証がついているので自分で整備する機会はなさそうですが、エンジンルームはスカスカで一目で何がどこにあるかわかるため整備性は良さそうです。

やっぱり自然吸気エンジンは良いです。

過給機があるとどうしてもエンジンルームの見た目が悪くなります。

まとめ

質感や性能、安全性は最低限という割り切りがあって潔いです。調べていませんが、おそらく製造工程や素材、ライフサイクルまで加味した場合の環境性能は低く、環境活動家向きとは言えないでしょう。

 

一方で、実用性は車体サイズの制限の中で最大限努力しており、維持費も含めた価格も抑えられており、これだけ軽自動車が増える理由もわかりました。

 

とはいえ、そんななかでも普通車ユーザーが多く存在している理由はやはり質感や性能、安全性を求める層が存在することをよく証明している気がします。

 

何か特段の事情がない限り人には勧められませんし、軽自動車という制度・枠組自体の将来性も明るいものは見えません。

 

なんだかネガティブな評価が上がりがちですが、それは普通車と比べてしまっているが故です。我が家では、ハスラーを車と考えていない節があります。車ではなく、バイクと車の中間にある移動手段のひとつ、みたいな。

だから、ハスラー自体は気に入っています。

出来ることなら、これから長く大事になっていきたいです。

トマト栽培にピッタリ!実割れしづらく水分管理が簡単なレイズドベッドとは?

レイズドベッドとは、草花や野菜・果物を育てるための手法のひとつです。

プランターに植物を植える「プランター栽培」、地面に直接植物を植える「露地栽培」。この2つの良いとこ取りをした手法こそ「レイズドベッド」です。

一般家庭における家庭菜園に取り入れられることの多く、オシャレな見た目と高い実用性を兼ね備えています。

そんなレイズドベッドは家庭菜園の初心者から熟練者まで幅広く愛される「トマト」の栽培にピッタリの特性を備えています。

レイズドベッドがトマト栽培に最適な理由

レイズドベッドがトマト栽培に最適な理由を知る前に、トマト栽培におけるポイントを簡単に紹介します。

  • 水分過多を避け、乾燥気味に管理する
  • 水分量の急激な変化を避ける
  • 少量の肥料を小まめに与える

これら3点がトマト栽培における重要なポイントとなります。

トマト栽培は園芸初心者におすすめされることが多い一方で、実は肥料や水分に関して繊細な特性を持っています。

雑な栽培方法でもある程度の収穫を得ることはできますが、大きく甘い果実をたくさん収穫するにはそれなりの経験が必要な、決して難易度の低くない野菜のひとつです。

さて、話を戻してレイズドベッドがトマト栽培に最適な理由を解説していきます。

1.排水性が良い

1つ目の理由は、その高い排水性です。

レイズドベッドは多くの場合、30cmから40cmの高さがあります。この中に新しい培土を入れて栽培を開始するため、極めて良好な状態の土壌から栽培を開始することができます。

また、年数の経過したレイズドベッドであっても、露地栽培のように踏み固められることがないため柔らかくふかふかの状態を保ちやすいです。

これは、一般的な露地栽培における「高畝」と呼ばれる手法に非常に近い特性です。

トマトは先述の通り乾燥した土壌を好みます。

その一方で、日本は雨の多い国です。トマトのシーズンである夏には台風やにわか雨、夏の前には梅雨という雨季すら存在します。そんな中でトマトを健全に美味しく実らせるには、高い排水性が求められます。

トマト栽培における難所のひとつが「いかに実割れを防ぐか?」という点です。

実割れは裂果とも言われ、実に亀裂が入ってしまう現象を言います。

いくつかの原因がありますが、多くの場合は急激な水分量の変化が原因です。突然の大雨などで根に大量の水が供給され、それをトマトが吸い上げることで実に亀裂が入ります。

排水性が良い土壌であれば、突然の大雨でも過剰な水分はどんどん排出されていきますから実割れのリスクを抑えることが可能なのです。

2.保水性・保肥性が良い

2つ目の理由は、その高い保肥性や保水性です。

先ほど排水性が良いと言ったばかりですが、それと相反するような保水性や保肥性が高いのもレイズドベッドの特徴です。

粘土質を含む土壌では排水性が低く、砂が多い土壌では保水性や保肥性が低いです。

その一方でレイズドベッドは理想的な配合をされた培土を使って栽培を開始し、後はそれを有機質を補うことで維持するだけです。これだけで、高い排水性と高い保水性、保肥性のバランスを保ち続けることができるのです。

また、レイズドベッド内の土壌の質が悪くても、単純にレイズドベッドの高さ分の土が多いため排水性があるにも関わらず全体でみれば水分や肥料分が多く土壌内に残留することができます。

基本的に園芸において、土の多さはメリットしか生み出しません。

トマトは乾燥状態を維持すると美味しく甘い果実を収穫することができます。

そのため、水やりの頻度や与える水の量に頭を悩ませる方も多いです。

レイズドベッドであれば、高い排水性と高い保水性をバランス良く併せ持つため水やりで悩む心配はありません。

30度を超える真夏のカンカン照りが1週間以上続くような特別な条件を除けば、水やりは一切不要です。

真夏であっても、表面がいくら乾いたように見えても、レイズドベッドの土を少し掘り返すと十分な湿り気を帯びています。

レイズドベッドにおけるトマト栽培では、水やりは不要と言っても過言ではありません。

3.土の温度が高く酸素が豊富

3つ目の理由は、土壌温度が高く酸素量が豊富な点です。

トマトを含むあらゆる植物は、土壌温度が高い方が生長が良くなります。逆に、土壌温度が下がりすぎることで調子を崩し、枯れてしまうこともあります。

更に、植物の根は水分を吸うだけでなく酸素を吸い上げる役目も担っています。

十分な酸素が根から供給されなければ植物は生長することができません。

トマトは1つの苗からたくさんの実を収穫することができる植物です。1つの苗でたくさんの実を収穫するということは、枝葉の生育、ひいては暖かい土壌温度と豊富な酸素供給が必要不可欠です。

トマトの枝葉は果実を強い直射日光から守る役割があるため、枝葉と果実をバランス良く育てることが肝要です。

この点において、理想的な培土で埋められたレイズドベッドは酸素が豊富=土壌内の隙間が多く、土壌内の温度が比較的高く保たれます。

レイズドベッドのトマト栽培における注意点

メリットばかりのレイズドベッドにおけるトマト栽培ですが、いくつかの注意点が存在します。

1.マルチを活用して大雨や長雨に備える

1つ目はマルチを活用して大雨や長雨に備えるという点です。

先ほど説明したように、レイズドベッドには高い排水性があるため大雨や長雨による実割れや水分過多の心配が少ないです。

しかし、少ないとはいえ全く心配がないというわけではありません。

少しでも実割れのリスクを抑えるには、マルチを活用して土の表面を覆い隠し、雨が株本に降り注ぐ状態を避ける必要があります。

もちろんマルチを使用せずとも、通常のプランター栽培や露地栽培に比べると実割れや水分過多の心配が少ないですから、必ずしもマルチが必要というわけではありません。

2.強い日光に備える

レイズドベッドは一般的に30cmから40cm程度の高さがあり、その上にトマトを植え付けます。

そのため周囲の日陰になることが少なく、たくさんの日光を浴びることができます。

これは大きなメリットでもありますが、トマト栽培においてはデメリットにもなり得ます。

なぜならトマトの果実は強い直射日光を浴び続けると実割れしてしまうことがあるからです。このため、トマトは枝葉を茂らせ果実を直射日光から守ろうとします。

しかし、どうしても枝葉だけで直射日光を防ぐことは難しいため、トマトの果実を日光から守るような覆いを作ってあげることで実割れのリスクを更に下げることができます。

なお、トマト自身は日光を好むため、株全体を日陰にするような対策は避けるべきです。

3.肥料過多に気を付ける

トマトは肥料や水分の少ない痩せた大地で育つ植物です。

そのため肥料分や水分が多すぎると生育が阻害され、特に果実の付きが悪くなります。

レイズドベッドはその特性上、保肥性に優れるため肥料過多には細心の注意を払う必要があります。

トマトは果実が肥大し始めたころから定期的に肥料を施しますが、一般的な情報(書籍やインターネット)に記載のある肥料の分量よりやや少なめの量を施肥すると良いでしょう。

また、肥料が土壌内に留まりにくい液体肥料を小まめに与える方法も有効です。

まとめ

レイズドベッドはトマトを栽培するためにたくさんの利点を備えています。

こうした特徴は、トマトだけでなく多くの野菜や果物、草花にも良い影響を及ぼします。レイズドベッドは、プランター栽培と露地栽培の良いとこ取りであり、木や石でできたレイズドベッドはお庭の素敵なアクセントにもなります。

レイズドベッドのトマト実割れ(裂果)対策

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レイズドベッドでトマトを栽培する時、最も厄介なのが「雨」です。

トマトは乾燥を好むため水やりは控えめにすることが多いですが、そもそもレイズドベッドは保水力が高く、晴れの日が続こうとも土を少し掘り返せば中は湿っています。

そのため、小まめに水やりをして急激な水分量の変化を避ける対策をとろうとすると、水分過多になってしまいます。

事実上、トマトのレイズドベッド栽培では水やりは不要とすら考えています。(マルチングなしで真夏のカンカン照りが1週間以上続く、とかは別だけど)

そんな環境下で、いきなり大雨が降ったり連日の雨が続くと生じるのが実割れ(裂果)です。

 

私の住む地域では、梅雨時期にもなれば赤く染まり始めるトマトも出始めますから、ここで一気に実割れが発生してしまいます。

 

プランター栽培なら軒下に移動したり、露地栽培ならマルチや高畝で対策ができます。

もちろんレイズドベッドでも、マルチや高畝にする対策は有効ですが既に十分に育った苗に後から対策することは難しいです。

(そもそもレイズドベッドは露地栽培における高畝みたいなものですが・・・)

 

僕の場合にはビニール系のマルチは見た目が悪く、折角おしゃれなレイズドベッドにそぐわないため使用を避けています。

藁マルチングは好んで使いますが、トマトに関しては乾燥気味に育てるためにマルチングをしていません。

雨避けを作る

結局のところ、トマトの実割れの原因の大半が根から急激に水分を吸い上げることです。

だから根に多量の水分が届かないようにすれば良いわけです。

 

レイズドベッドは既に高畝と同じような効果を持っているため、マルチのようなものを後付けしてやる方法が最もシンプルな対策と言えるでしょう。

水分を遮れれば素材は問いませんが、今回はどこのご家庭にもあるゴミ袋を使って株本を覆い隠す対策をとってみました。

と、思いましたが昔使った防草シートの余りがあったのでそちらを使うことにしました。

ゴミ袋でも防草シートでも水を通さないシート状の物ならなんでもOKです。

防草シートは厳密には水を通すのですが、すぐには通さないため傾斜を付ければ中に水が浸透することはほとんどありません。

おしゃれなレイズドベッドにそぐわないからビニール系のマルチを使わないと言ったばかりですが、背に腹は代えられません。

 

まずは防草シートを株本を覆える程度に切り出して、苗や支柱を避けられるように切り込みを入れます。

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これを株本にセットします。

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これだと株本に水が溜まるだけになってしまいます。

雨水が株本にガンガン降り注ぐよりはマシかもしれませんが、もう一工夫します。

 

一方に適当なレンガやブロックを入れて高さを付けてやります。

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そしてシート全体をピンと張って重石として適当なブロックを乗せます。

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これで、写真で言うところの奥が高く手前が低くなります。

もちろん切り込みやシートの外側から水分が伝ってくることはありますが、雨水がガンガン降り注ぐよりかなりマシな状態になると思います。

レイズドベッドはトマトの実割れに強い

元々レイズドベッドはめちゃくちゃ高い高畝のようなものなので、排水性も抜群に良く実割れがしづらい特性を持っています。

また、同様に保水性も高いため水やりをほぼ必要としません。

適切な乾燥状態を維持しやすいわけです。

 

そのため、通常のプランター栽培や露地栽培に比べれば、何もせずとも実割れしづらい環境であると言えます。

 

それでも実割れを100%防ぐことはできませんから、このような対策で実割れの可能性を更に低くすることが可能です。

もちろんビニールハウスのように覆ってしまえば一番いいんですけども。

イチゴの果実にコバエ大量発生!原因と対策【ショウジョウバエ】

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3月・4月と順調に収穫ができていた我が家のイチゴに大量のコバエが発生するようになりました。

なかなか調べても同じ症状の方が見つからず、当然対策も見当たりません。

同じタイミングから果実の食害も散見されるようになりました。

 

最初はあまり気にしていなかったのですが、5月も後半になり梅雨入りすると数も激増。対策を始めることにしました。

不思議なことに章姫には大量発生し、キングベリーにはさっぱりつきません。この理由は最後まで謎のままです。

コバエの発生状況

コバエは主にイチゴの果実に集ります。

実を食べている風ではないのですが、実の表面にビッシリとコバエが集り、遠目に見ると実が黒く見えるほど。

虫の写真の苦手な方も多いと思うので、写真はこの記事の最後にまとめて掲載します。皆さんが悩んでいるコバエと同じものか確認してみてください。

また、コバエは必ずしも実だけに集るわけではなく枝葉止まっていることもあります。

近づいたり、苗に触れたりすると一斉に飛び立つのでビックリします。

コバエの特徴

コバエは5ミリに満たない大きさで、羽がついた虫で甲虫ではなさそうなのでコバエと判断しました。

色は薄茶色で目が赤いのが特徴です。

この特徴から、ショウジョウバエの仲間であることがわかりました。

更に調べた結果、おそらくオウトウショウジョウバエあるいはニセオウトウショウジョウバエ類と思われます。

 

同様の害虫の発生がこちらで報告されているのを発見しました。

http://www.jppn.ne.jp/tochigi/file/yosatu/H30/tokusyuhou/H30tokusyuhou3.pdf

コバエの原因

コバエの原因は、強いて言うなら不運としか言いようがありません。

 

このコバエは熟した果実に飛んできて、産卵します。

果実の中で産卵したコバエは幼虫となって果実を食べて成長し、大人になるとまた熟した果実に産卵します。

これにより劇的に数を増やします。

 

イチゴを栽培していると、この時期には熟した果実が常に周囲にぶら下がっているのでコバエはあえて移動せずに留まり続けてしまうわけです。

コバエの対策

このコバエに効果的な農薬は現在存在しないようです。

実際に、スミチオン、ベニカ、モスピランなどを試してみましたが効果は得られませんでした。

一般的な殺虫剤は効果的です。(キンチョールやアースジェットなど)

でも、イチゴに殺虫剤をかけるのは避けたいですよね。それに、果実の中にある幼虫には効果が期待できません。

コバエ対策1.木酢液を散布する

適量に薄めた木酢液は害虫の忌避に一定の効果があるようです。

しかし、効果は長続きせず果実内の卵や幼虫にも効果がありません。

毎日数回、いちごの収穫期が終わるまでひたすら散布し続ける根気が必要です。

また、効果もイマイチで、散布直後でも平気でコバエがやってくることもありおすすめ度は低いです。

コバエ対策2.被害を受けた果実を処分する

コバエが集っている果実や食害を受けた果実、腐りかけの果実はコバエが産卵している可能性が高いです。

そうした果実を見つけた場合には速やかに取り除きます。

また、取り除いた果実を付近に置きっぱなしにしては孵化してコバエが再発生します。

土に埋めるかビニール袋に入れてしっかり口を縛り、ゴミに出すなど処分してください。

コツコツと繁殖を止めることでコバエの増殖を止めることが出来ます。

コバエ対策3.熟した果実を収穫する

我が家では、完熟のイチゴを好んで食べるためギリギリまで収穫を遅らせていました。

これがコバエの大増殖を招いた大きな原因のひとつです。

イチゴは追熟(収穫後に熟す)しませんが、収穫後にしばらく時間をおけば果実全体が真っ赤に染まります。

イチゴはヘタ周辺まで真っ赤に染まれば完熟した証拠ですが、それより前に早め早めに収穫することでコバエの繁殖や産卵を止めることができます。

先述の通り、コバエはよく熟した果実に産卵します。

まだヘタの周りに白さが残る段階で果実を収穫するようにすれば、コバエは産卵できません。

参考 スーパーで買うイチゴは、なぜ甘くないのか? | ハーバー・ビジネス・オンライン

コバエ対策4.捕虫シートを使用する

家庭菜園から畑での本格的な野菜栽培まで使用されるのが捕虫シートです。

いわゆる黄色い粘着性シートですね。

当然、野菜への害もないことから非常に効果的な対策のひとつです。

ホームセンターでも通販でも購入可能ですが、通販の方がサイズのバリエーションも多く安価です。

また、コバエ専用の商品もありますが、効果の差は感じないばかりか効果なので定番の黄色い粘着シートをおすすめします。

まとめ:コバエを全滅させる3ステップ

4つのコバエ対策を説明しましたが 、基本的に以下の手順での対策をおすすめします。

複合的な対策になりますが、難しいことはまったくありません。

1.熟した果実と被害にあった果実を処分する

まず始めに熟した果実と被害にあった果実を処分します。

「まだ大丈夫かも」なんて思わないでください。

コバエが発生している時点で、熟した果実はほぼ産卵されていると考えるべきです。

当然ながら被害にあった食い跡のある果実は処分です。

処分する際は必ずビニール袋などに入れて口をきつく縛り、ゴミの日に処分してください。

もしくは地面に深めの穴を掘り、果実を埋めてよく踏み固めてください。

また、イチゴの場合にはへたの周りがまだ白い果実であっても産卵される場合があります。

コバエが発生してしまった場合には、赤みがかった果実は一度すべて除去した方が良いでしょう。

 

これで果実の中にいるであろう卵と幼虫のコバエがいなくなりました。

2.捕虫シートを設置し、苗を揺する

1ステップ目で卵と幼虫の駆除が完了しました。残りは成虫です。

成虫の駆除には捕虫シートを使用します。

 捕虫シートを苗の付近に設置します。

これだけでも自然とコバエが捕獲できますが、苗をたまに揺すってやりましょう。

こうすることで足場が不安定になったコバエが一斉に舞って、捕虫シートに効率良くつかまります。

 

これで成虫も駆除することができます。

3.熟す前に収穫する

ここまでの対策で卵・幼虫・成虫すべての駆除が完了しました。

とはいえ、完全に全滅させられたとは限りませんし、周りの畑や花壇からコバエがまた寄ってくることもあるでしょう。

そのため、コバエが皆さんのお庭や畑で再度発生しないように、熟した果実は早めに収穫するようにします。

イチゴの場合には、まだ果実に白色が残っている時点で収穫すると良いでしょう。

写真まとめ

虫の写真が苦手な方のために、写真はすべてここから掲載します。

苦手な方はご注意ください。

 

コバエが集った果実の様子

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寄ってみるとこんな感じ
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捕虫シートを苗の近くに設置しました。
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早速捕獲できたコバエのアップ
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【ケース加工&ファン増設】グラフィックボードに冷風直撃!シングルファングラボの限界

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GPU温度に頭を悩ませています。

高負荷時にはGPU温度が80度を超えることもあり、いろいろと対策を進めてきました。

その一環として、グラフィックボードの真横にファンを増設したらいいんじゃない?という非常に安直な対策を思いついたので実践してみます。

 

我が家のPCケースは定番の激安ケースであるThermaltake Versa H17です。

以下の写真右側から吸気して、左側と上側に排気しています。

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CPUは綺麗に空気の通り道にありますが、GPUはちょっと微妙なところです。

GPUには十分に冷たい空気が供給されていないように見受けられます。

 

CPUは発熱の少ないCore i5ということもあり、標準付属のリテールクーラーで不足を感じたことはありません。

 

ちなみにGPUの隣にあるのはグラフィックカードクーラーというGPUにファンで風を直撃させる頭の悪い製品です。ちなみに効果はかなりある。

詳しくはこちらの記事で、その他のGPU温度対策とあわせて記事にしています。

【GPU冷却強化】グラフィックボードの温度を下げるための4つの対策 - ドリリウム

ケースに穴あけしてファンを取り付ける

早速実践していきましょう。

今回選択したファンはAINEXの60mmファンです。

 

非常にコンパクトなファンですが、我が家のPCケースであるThermaltake Versa H17にはスペース的な問題で120mmファンが取り付け困難でした。

位置決めが完璧に決まれば120mmファンを取り付けできそうでしたが、ちょっと自信がないので小型ファンに変更。

80mmなどのファンもありましたが、薄型かつ静音モデルを探した結果、すぐに発送してもらえる製品がこちらの60mmファンしか見つかりませんでした。

 

まずはファンを当てがって穴位置をマーキングします。

穴の対角線上の中心にもマーキング。
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四隅のネジ穴は4mmのドリルで穴あけしました。
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ファンの取り付け部分には55mmのホールソーを使用しました。
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ホールソーは熱を持つと一気に刃が悪くなるので、休憩を挟みながら何度かにわけて穴あけします。
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鉄粉とオイルは綺麗に水洗いして、ブロワーで乾燥。
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バリ取りをして錆止めに色を塗りたいところですが、ちょうど塗料が切れていたのでとりあえずファンをくっつけてみます。55mm穴でバッチリでした。四隅のネジ穴はバッチリ合ってませんでした!でも2か所止めれば十分!
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分岐コネクタに接続して。(配線は後で処理するよ)
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マグネットタイプのファンフィルターもつけておきます。
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画像だと排気側に取り付けていますが、実際には吸気側にして使っています。

 

マグネットタイプのファンフィルターは140mm用です。

ファンを固定するネジの頭が突き出しているため、その出っ張りを吸収できる大きめのファンフィルターを使用しています。

結果

結果はというと、ちょっと微妙な結果になりました。

高負荷時の温度が2~3度低下しました。

(ちなみに排気側に設定するとほぼ変化なしで、吸気側に設定すると2~3度低下)

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こちらはMSI AFTERBURNERのモニタリング画面で、文字が小さく非常に小さいのですがGPU温度が高負荷時に62度を示しています。

 

それ以上に大きなポイントがこちらです。

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ファンをフル回転させると50度台前半で安定します。

しかし、フル回転だと大抵のグラフィックボードはうるさいと思います。我が家のMSI RTX2060もめちゃくちゃうるさいです。

 

しかし、ファンの回転速度を50%程度まで下げても温度は60度台前半で安定します。

GPU真横にファンを増設するまでは、ファンの回転数を落とすと70度を平気で超えていました。

多少ではありますが、冷却性能に余裕が出たようです。

 

ちなみに効果だけを言うと、冒頭で頭の悪いと紹介したグラフィックカードクーラー(2000円くらい)の方が劇的な効果がありました。

付属のコネクタを使用することで5V駆動、7V駆動、12V駆動を選択できます。

12V=フル回転でもグラボほどはうるさくないですが、7Vや5Vにすることでかなり静かになります。

私の場合には5Vで動作させていますが、あるとないとではGPU温度が10度以上違います。

そもそもの原因はGPU周りのエアフローだと思いますが、安価なPCケースではなかなか対策が難しい部分なので、この手の製品で無理矢理熱気を吹き飛ばす対策もアリだと思います。

シングルファンモデルの限界

ということで、散々対策を進めてきましたが最終的に高負荷時に60度台という結果になりました。

FF15ベンチマークを動かして、普段ではありえない負荷をかけてみると70度台後半まで上昇します。Full HDの高品質でスコアは8000点弱。

 

吸気ファンは140mmが2台、排気ファンは120mmが2台。

更に増設した60mmのグラボ横吸気ファンが1台です。

 

吸気を強めたり(正圧)、排気を強めたり(負圧)、両方強くしたり、バランスを調整したりとあれこれ調整しましたが、結果的にどうやっても75度を切ることはできませんでした。

また、ケースファンの回転速度の上限を80%程度まで落としてもGPU温度の最大値は変わりませんでした。騒音を考えて、普段はケースファンの回転速度を50%程度、高負荷時には80%程度まで上昇させる設定に落ち着きました。

ケースのカバーを開けて風を当てても改善しないということは、もうエアフローどうこうの問題ではありません。

 

純粋にシングルファンのグラフィックボードの冷却性能の限界です。

ヒートシンクの熱容量と熱交換スピードの限界と言っても良いでしょう。

これ以上対策するには、ヒートシンク自体を大容量にするなり水冷化するしかないです。

 

ゲームを始めとした長時間の高負荷処理が想定される場合、ファンは2つ以上あった方が良さそうです。

もちろん今回の私のケースのようにケースファンによるエアフローを最適化&最大化すれば高負荷でも80度を下回るわけですから十分な冷却性能は得られます。

しかし、多数のファンとその適切なセッティングが必要かつファンによる騒音問題は避けられません。

(PCを大きなボックスに入れる案や長いケーブル類を揃えて作業スペースからPCを離す案を検討中)

 

GPU用の大型ヒートシンクや空冷製品は残念ながら見当たらないので、水冷化が一番簡単かもしれません。

こういう製品もあるけど選択肢が少なすぎるなぁ。

【GPU冷却強化】グラフィックボードの温度を下げるための4つの対策

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春が終わり、夏が近づき気温が高くなってきました。

この時期になると気になるのがPCの冷却問題です。特にゲームや動画編集などグラフィックボードに負荷のかかる作業をするとグラフィックボードの温度はあっという間に上昇してしまいます。CPUは高性能なCPUクーラーに手軽に交換できるため冷却強化は比較的容易ですがグラフィックボードはそうは行きません。

 

ファンの設定を見直すことで温度の上昇を抑えることができますが、上昇スピードを抑えるだけでピーク温度を下げる効果はありません。元々冷却性能に余力がある場合にはファンの設定だけで温度を下げることができますが、余力がない場合にはピーク温度に達するまでの時間を少し先延ばしする効果しか得られません。

 

今回はGPU温度を下げるための4つの対策を紹介します。

なお、水冷化や冷却装置(ヒートシンク+ファン)を既製品に交換するような大掛かりな対策は除くハードルの低い対策を紹介します。

1.ファンの設定を見直す

まず始めにチェックする必要がある点は、グラフィックボードの冷却性能に余力があるかどうか?です。冷却性能に余力があればファンの設定を見直すだけでもGPU温度を低く保つことができます。

 

GPUファンの設定を見直す場合によく使用されるツールがMSI社のAFTERBURNERです。

こちらからダウンロード可能です。MSI社以外のGPUにも利用可能です。

 

AFTERBURNERを開くと以下のような画面が表示されます。

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現在のGPU温度やクロック数、オーバークロックやダウンクロックの設定が可能です。

左側のメニューからGPU温度や使用状況をモニタリングする画面を開いたり、ファンのスピードを設定する画面を開いたりすることができます。

 

こちらはモニタリング画面の様子です。

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文字が小さくて読みづらいのですが、GPU温度は55度近辺を行き来しており、ファンの回転速度はほぼ100%に張り付いています。

室温は25度程度ですから、ファンをフル回転させているのに冷却が追い付いていないことが見て取れます。

とはいえ、高負荷時で55度であれば決してGPU温度が高すぎることはありません。

高負荷時に70度以内ならあまり気にしなくても良いレベルです。

 

自分がよくプレイするゲームや動画の編集や書き出し処理をしている最中のGPU温度やファンの回転速度の状況をモニタリングしてみましょう。もちろん強制的に負荷をかけても良いのですが、実際に自分が使用する環境下で調整する方が静穏性と冷却性能のバランスを取りやすいです。

ファンの回転速度が100%近いのに温度が高い状態が続く場合は冷却性能に余力がない証拠です。

 

なお、室温が25度で冷却性能に余力があってもGPU温度が25度まで下がることはありません。GPU自体が常に発熱していることもありますが、空冷の冷却効率は温度が室温に近づくにつれて悪化するためです。

GPUに負荷のかかっていない状態では室温+10度くらいが目安です。ただしGPU温度が低い場合に極端にファンの回転速度を抑えている場合やファンを止めている場合には+20度くらいになることもあります。

 

GPUに高い負荷がかかっている時のGPU温度の目安は以下の通りです。

  • GPU温度:50度以下→めちゃくちゃよく冷えてる
  • GPU温度:60度以下→十分冷えてる
  • GPU温度:70度以下→ぼちぼち
  • GPU温度:80度以下→ちょっと苦しい

80度以下だと「ちょっと苦しい」と表記しましたが、高負荷時に一時的に80度以上に温度が上昇するのは問題ありません。

しかし、例えば長時間のゲームプレイ中のGPU温度が常に80度近くまで上がっている状態はあまり良いとは言えません。GPU温度の上限が近くGPUの寿命を縮める可能性があります。

 

もし想定する高負荷環境ではファンの回転速度が100%に達しない場合にはAFTERBURNERの設定画面でファンの回転速度を調整できます。とりあえず常に100%で回転するように設定してGPU温度が十分に下がるかどうか確認してみましょう。

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ファンの回転速度を100%に設定して、GPUが十分に冷えているようであれば冷却性能に余裕があった証拠です。とはいえ、ファンを100%で回転させると騒音が凄まじいことになります。騒音とGPU温度の兼ね合いを見て回転速度を調整してみましょう。

 

ファンを100%で回しても十分に冷却されない場合や、我慢できるラインの騒音までファンの回転速度を落とすと冷却が不十分な場合には次の対策へ進みましょう。

ちなみに我が家のPCにはシングルファン仕様のRTX2060が搭載されており、当然冷却性能に余裕がありませんでした。シングルファン使用のグラフィックボードはコンパクトで安価ですが冷却性能に余裕がありません。スペースの余裕がある場合にはシングルファンよりツインファン、ツインファンよりトリプルファンの方が冷却性能が高くなります。冷却性能が高いということは性能の限界を常に発揮し続けられるということですから実質的な性能も高いということができます。

2.ケースファンの設定を見直す

GPUはヒートシンクとファンの力で冷却をしていますが、効果的に冷却するためには周辺の気温が低く保たれている必要があります。

室温も大きく影響しますがそれ以上に重要なのがPCのケース内の温度です。ケース内温度は場所によって大きく差がでます。これはケース内の風の流れ(エアフロー)の影響で、風の流れがある場所は冷え、逆に風の滞留している場所では温度が上がってしまいます。PCケース内に温度センサーが備わっていることはほぼありませんが、マザーボードの温度を知ることでケース内温度をざっくりと知ることができます。

 

マザーボードの温度を確認するにはHWMonitorというフリーソフトを使用する方法が一般的です。

HWMONITOR | Softwares | CPUID

実際にHWMonitorの画面がこちらです。

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マザーボードはASRock Z390M Pro4で温度は35度であることがわかります。

マザーボード温度およびPCケース内温度は概ね室温の+10度程度であれば正常と言えます。+20度を超えると十分にPCケース内の換気(吸気と排気)が行えていない可能性があります。マザーボード温度が室温の+20度を超えている場合、GPU周辺などの高温部は更に高い温度になっていることが推測できます。

 

手っ取り早い方法としては、PCケースのフタを開けてみてください。これでマザーボード温度やGPU温度が下がるようであれば、ケースファンの設定見直しが必要です。冷たい空気を取り入れるための「吸気」、熱い空気を吐き出すための「排気」。このいずれかが不足しているとケース内温度が上昇し、結果的にGPU温度も上昇させてしまいます。

 

まずはPCケースに取り付けられるだけのケースファンを取り付けると良いでしょう。(おすすめしませんが、PCケースのカバーを外したり扇風機の風を直接当てると効果絶大です。)

我が家で使用しているPCケースは格安PCケースの定番ともいえるThermaltake Versa H17です。このケースには4つのケースファンを取り付けることが出来ます。前面に2つ、背面に1つ、天面に1つです。

信頼できるメーカーのファンのなかでもお買い得なのはこちら。

100%回転にするとうるさいですが、80%以下で回す分には静かで良いです。何より安くて無駄に光らない点が魅力です。

ケースファンの電源が足りない場合には、簡易的な速度調整も可能な分岐ケーブルを使用しましょう。こちらの商品はSATA電源で動作し、簡易的な速度調整も可能です。

 

こちらがCorsair ML140を4つ取り付けた我が家のPCの内部です。

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前面にある2つのファンから冷たい空気を吸気して、天面と背面のファンで熱い空気を排気しています。緑の矢印は空気の流れのイメージです。吸気ファンのうち、下側のファンはほとんど電源ユニットに隠れているため、おそらくGPU周りは空気の流れが少ない状態になっています。一方で、CPUは空気の流れ的に非常に理想的な位置にあります。

 

ここでは前面から吸気して、背面・天面から排気しています。

特に決まりがあるわけではありませんが、一般的に前面から背面へ空気の流れを作ることが多いです。これはPCの前面側には人がいることが多いことや、背面の方がより効率良く空気を排出できる荒いメッシュ状になっているケースが多いことに起因します。

同様に底面から天面へ空気の流れを作ることが多いです。これは熱い空気は上へ上へと昇っていく特性があるためです。

ファンの吸気と排気は取り付ける向きを変えることで容易に切替できるため、自身のPCケースにあった吸排気ができるように試行錯誤してみても良いでしょう。

 

ファンを増設したらまずはすべてのファンを騒音が気にならない程度に動作させてみてください。もし今までPCケース内の換気ができていなかった場合、ケースファンを追加して静かに回すだけでもGPU温度が5度以上下がることがあります。

 

もし変化が得られないのであれば排気側のファンを少し高めの回転速度で回してみましょう。我が家の場合、ケースファンは20%程度の速度でゆるゆると回していたのですが、排気側のファンの速度を上げたところGPU温度が5度ほど低下しました。

3.グラフィックボードクーラーを増設する

世の中にはGPUを冷却するための専用の製品が存在します。GPUの隣のスロットに設置できるファンです。

 

価格も安いのでとりあえず試してみても良いかもしれません。

こちらの商品を実際に使用している様子がこちらです。

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GPUの隣に2連ファンがついていますね。

シンプルでアナログな手法なのですが、我が家のPCケースはGPU付近の空気の流れが良くないですから、この2連ファンが強制的に熱気を吹き飛ばすお陰でGPU温度が5度程度下がりました。この2連ファンが広い範囲から空気を集めることで冷たい空気を取り込みやすくなっている説もありますが、たぶん熱を撒き散らす効果の方が高いと思います。

このグラフィックカードファンのお陰でGPU付近の熱気がPCケース内に撒き散らされることになりますから、あわせてケースファンを少しスピードアップさせてやることで、我が家の環境ではGPU温度が劇的に低下しました。

 

ただし、通常の内排気GPUはファンで風を吸い込んで熱気をケース内に撒き散らかす仕様です。すぐ隣にこのようなファンを設置すると逆効果になることもあるので注意が必要です。

4.側面ケースファンを増設する

さて、ここまでの対策で冷たい空気をGPUへ運び、GPUの排熱をPCケース外に排出することが重要だということがわかりました。

それならGPUの真横にファンを付けたら良くない?と誰しもが思うことでしょう。通常の内排気GPUの場合、GPUのファンの目の前に吸気ファンがあれば最高ですね。あるいはGPUの目の前に排気ファンがあっても良いでしょう。

 

私が使用しているThermaltake Versa H17を始めとして安価なケースや小さめのケースはGPUを冷却するためのケースファンが取り付けられないことが多いです。高価なケースや大きめのケースはGPUの横(拡張スロット横)にファンを取り付けられることもあります。

 

そこでケースに穴を開けてGPU真横にファンを取り付けてみました。決しておすすめの方法ではなく、PCケースのカバーを外しているのと大差ない方法ですが、工作好きの方は試してみても良いかもしれません。

こちらの記事で詳しく解説していますが、意外と安く簡単に実践できます。

【ケース加工】ケースファンを追加してグラフィックボードに冷風直撃! - ドリリウム

ドリルなどの工具さえあれば2000円くらい。ホールソーやニブラーを買い足しても3000円くらいで増設できます。ただし、記事内でも解説している通り劇的な効果は見込めません。手っ取り早くカバーを外した方が良いでしょう。

まとめ

GPUの冷却強化について対策をまとめてみました。

GPUクーラー自体に手を加えるような対策は、大掛かりなうえ破損の危険もあります。

また、GPUクーラー周りに手を出そうとすると保証対象外になってしまいます。

(我が家のRTX2060はとっくに分解済みで保証対象外だけど)

 

そこで、GPUクーラーに手を出さずに出来る冷却対策をまとめてみました。

最後のGPU真横にクーラーを増設するという手段はやや難易度が高いかもしれませんが、効果が非常に高く3000円程度の予算で実行可能です。

また、それ以外の3つの手段で大抵の場合は十分な冷却性能が得られるはずです。

 

我が家では、1~3番の対策を施しただけでゲームプレイ中のGPU温度が70度→55度まで低下しました。

追記:ダウンクロックと電力制限で発熱が劇的に抑えられました

diy-kagu.hatenablog.com

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