ドリリウム

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【これって違反?】煽ってないけど車間距離が狭い車

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煽り運転ではないけど妙に車間距離が近い。

トラックの後ろについて風を避けて走るバイク。

 

そんな車を街中ではよく見かけます。

 

最近流行りの煽り運転ではなさそうだけど、これって違反なんでしょうか?

 

これって違反?シリーズでは交通法規=道路交通法を主体にしていますので、道路交通法の観点で見ていきましょう。その他の刑法に触れるケースなどもありますが、このシリーズ内では道路交通法のみに着目しています。

 

これって違反?シリーズでは、道路上でよく見かける「これってどうなの?」というちょっとお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

こちらのリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

交通法規における該当項目

煽ってないけど車間距離が狭い車は道路交通法における1つの項目に触れる可能性があります。

第二十六条

煽ってないけど車間距離が狭い車が最も該当しそうな項目は道路交通法第二十六条です。

 

第二十六条の条文は以下の通りです。

第二十六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

わかりやすく解説すると、前を走る車が全力急ブレーキを踏んだとしても余裕を持って停車できる距離を取って走行しなければならないということです。

 

道路交通法および施行令では「煽り運転」という定義はありません。

攻撃的な煽り運転であろうと、ただの車間距離が狭いだけの運転であろうとも同じ違反です。

道路交通法に違反しない運転

 

煽ってないけど車間距離が狭いというケースで違反にならない状況はごく稀です。

交差点や赤信号などの停車時とその直前直後は車間距離が近くても許されますが、発進後は常に十分な車間距離が必要です。

また、その距離も速度にあわせて十分距離を確保する必要があります。

罰則について

煽ってないけど車間距離が狭い車は、ここまで解説した通り第二十六条に違反している可能性があります。

 

これらの違反行為に適用される罰則は以下の通りです。

車間距離不保持(一般道)

一般道における第二十六条への違反行為を「車間距離不保持(一般道)」と呼びます。

点数は1点で、普通車や二輪車であれば6,000円の罰金となります。

高速自動車国道等車間距離不保持

高速道路における第二十六条への違反行為を「高速自動車国道等車間距離不保持」と呼びます。

点数は2点で、普通車であれば9,000円の罰金、二輪車であれば7,000円の罰金となります。

 

違反点数について

煽ってないけど車間距離が狭い車が与えられる罰則としては最大で2点になると思われます。

 

過去に運転免許の停止処分を受けたことがない方であればあと4点で30日の免許停止となります。

もし過去3年間で一度でも免許停止処分を受けていれば、あと2点で60日の免許停止となります。

 

気軽に違反しがちな項目とはいえ、しっかりと取り締まられれば軽くない違反点数が付与されることになります。

違反車両を見かけた場合

残念ながら道路交通法の取り締まりは取り締まり中の警察官が現地で直接確認しない限り罰則を与えることができません。

しかし、警察に情報提供することでパトロールや取り締まりが強化されたり、該当車両や運転者に前歴がある場合にはより効果的な対応を取ってもらえる場合があります。

特に整備不良に関しては通報窓口を設けるなど積極的な取り締まりが行われています。

更に危険度の高い車両であればその場で通報した場合には即出動となるケースもあります。

 

道路交通全体をより良くしていくためにも面倒くさがらずに警察に情報提供することを心がけてください。

 

警察への通報手順や流れを以下の記事で解説しています。

以下の記事では煽り運転の被害に遭ったケースを解説していますが、通報自体の流れは同じです。

diy-kagu.hatenablog.com

 

また、以下の記事では危険運転車両を第三者として見かけて実際に通報した時の体験談をまとめています。

diy-kagu.hatenablog.com

さいごに

車は多くのドライバーが思っている以上に危険な道具です。

テロの道具として使われれば、刃物や拳銃以上に簡単に人を死傷しうる道具なのです。

 

あまりにも日常に溶け込んでいるため忘れがちですが、改めてその危険性を再認識し、より安全・安心できる道路交通環境を整えるために安全運転を心がけましょう。

 

今回取り上げた「煽ってないけど車間距離が狭い車」という行為は些細なことと思われる方もいるかもしれません。しかし、そこには意外な危険が潜んでいるものです。

直接的の事故に発展する可能性が極めて高く、危険性の高い運転です。

直接の事故につながらない場合でも、こうしたドライバーは順法意識や安全意識が欠如しており、別の事故を誘発しかねません。

 

当サイトではこれって違反?シリーズと題して、道路上でよく見かけるお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

以下のリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

これって違反?シリーズ カテゴリーの記事一覧

 

【これって違反?】左折時に左に寄らない車・膨らむ車

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左折する時に大きく回って膨らんで曲がる車。

左折前に道路の左側にしっかり寄らない車。

街中ではよく見かけますよね。

 

これって違反なんでしょうか?

 

これって違反?シリーズでは交通法規=道路交通法を主体にしていますので、道路交通法の観点で見ていきましょう。その他の刑法に触れるケースなどもありますが、このシリーズ内では道路交通法のみに着目しています。

 

これって違反?シリーズでは、道路上でよく見かける「これってどうなの?」というちょっとお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

こちらのリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

交通法規における該当項目

左折時に左に寄らない車・膨らむ車は道路交通法における2つの項目に触れる可能性があります。

第二十五条

一つ目はお店や家に入るときにありがちな第二十五条です。

 

条文は以下の通りです。

第二十五条 車両は、道路外に出るため左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、徐行しなければならない。

わかりやすく解説すると、左折して店舗駐車場等に侵入する際には道路の左側に寄って走行し、徐行しながら左折する必要があるということです。

  • 駐車場に侵入する前に車道左側に車を寄せて進む
  • その際に徐行(すぐに停止できる速度)まで減速する

この2点が守られていなければ違反です。

第三十四条

二つ目は通常の道路上で起こり得る第三十四条です。

 

条文は以下の通りです。

第三十四条 車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。

これも前項と同じように、左側に寄って徐行しながら曲がる必要があります。

前項と異なる点としては交差点などの左折時に適用されるのが第三十四条というわけです。

道路交通法に違反しない運転

以上の通り、左折時に左に寄らない車・膨らむ車はすべからく違反ということになります。

しっかりと左に寄ることで巻き込みの可能性を極力減らし、徐行しながら曲がることで万が一の事態に備えることができます。

罰則について

左折時に左に寄らない車・膨らむ車は、ここまで解説した通り第二十五条および第三十四条に違反している可能性があります。

 

これらの違反行為に適用される罰則は以下の通りです。

道路外出右左折方法違反

第二十五条に対する違反行為を「道路外出右左折方法違反」と呼びます。

点数は1点で、普通車も二輪車も4,000円の罰金となります。

交差点右左折方法違反

第三十四条に対する違反行為を「交差点右左折方法違反」と呼びます。

点数は1点で、普通車も二輪車も4,000円の罰金となります。

違反点数について

左折時に左に寄らない車・膨らむ車が与えられる罰則としては最大で1点になると思われます。

 

過去に運転免許の停止処分を受けたことがない方であればあと5点で30日の免許停止となります。

もし過去3年間で一度でも免許停止処分を受けていれば、あと3点で60日の免許停止となります。

 

気軽に違反しがちな項目とはいえ、しっかりと取り締まられれば軽くない違反点数が付与されることになります。

違反車両を見かけた場合

残念ながら道路交通法の取り締まりは取り締まり中の警察官が現地で直接確認しない限り罰則を与えることができません。

しかし、警察に情報提供することでパトロールや取り締まりが強化されたり、該当車両や運転者に前歴がある場合にはより効果的な対応を取ってもらえる場合があります。

更に危険度の高い車両であればその場で通報した場合には即出動となるケースもあります。

 

道路交通全体をより良くしていくためにも面倒くさがらずに警察に情報提供することを心がけてください。

 

警察への通報手順や流れを以下の記事で解説しています。

以下の記事では煽り運転の被害に遭ったケースを解説していますが、通報自体の流れは同じです。

diy-kagu.hatenablog.com

 

また、以下の記事では危険運転車両を第三者として見かけて実際に通報した時の体験談をまとめています。

diy-kagu.hatenablog.com

さいごに

車は多くのドライバーが思っている以上に危険な道具です。

テロの道具として使われれば、刃物や拳銃以上に簡単に人を死傷しうる道具なのです。

 

あまりにも日常に溶け込んでいるため忘れがちですが、改めてその危険性を再認識し、より安全・安心できる道路交通環境を整えるために安全運転を心がけましょう。

 

今回取り上げた「左折時に左に寄らない車・膨らむ車」という行為は些細なことと思われる方もいるかもしれません。しかし、そこには意外な危険が潜んでいるものです。

巻き込みを予防できないために直接的な事故の可能性が増す上に、こうしたドライバーは順法意識が低いことは紛れもない事実です。

 

当サイトではこれって違反?シリーズと題して、道路上でよく見かけるお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

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【これって違反?】黄色信号に加速して突っ込む車

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黄色信号になっても停止しない車。

むしろ速度をあげて信号が変わる前に渡りきる車。

 

街中では頻繁に見かける行為ですが、これって違反なんでしょうか?

 

これって違反?シリーズでは交通法規=道路交通法を主体にしていますので、道路交通法の観点で見ていきましょう。その他の刑法に触れるケースなどもありますが、このシリーズ内では道路交通法のみに着目しています。

 

これって違反?シリーズでは、道路上でよく見かける「これってどうなの?」というちょっとお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

こちらのリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

交通法規における該当項目

黄色信吾に加速して突っ込む車は道路交通法における1つの項目に触れる可能性があります。

こうした具体的なルールは道路交通法施行令において定められています。

施行令第二条

特に赤信号で停止線を越える車は施行令第二条に該当します。

 

第二条の条文から赤信号に関する規定について一部抜粋します。

一 歩行者は、道路を横断してはならないこと。
二 車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。
三 交差点において既に左折している車両等は、そのまま進行することができること。
四 交差点において既に右折している車両等(多通行帯道路等通行原動機付自転車及び軽車両を除く。)は、そのまま進行することができること。この場合において、当該車両等は、青色の灯火により進行することができることとされている車両等の進行妨害をしてはならない。
五 交差点において既に右折している多通行帯道路等通行原動機付自転車及び軽車両は、その右折している地点において停止しなければならないこと。

 

 

 続けて黄色信号に関する規定について一部抜粋します。

二 車両及び路面電車(以下この表において「車両等」という。)は、停止位置をこえて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。

 

要約すると、以下の通りです。

  • 黄色信号になった時点で、停止線までに停止可能かどうか判断する
  • 停止可能であれば停止する
  • 停止不可能であれば通過する
  • 赤信号の時点で完全に停車している

このことからわかる通り、黄色信号の時点で停止線前に停止できない場合は通過、可能な場合には停止を判断し終える必要があります。

判断がつかずに停止線を越えて止まってしまった場合、違反となります。

注意深い運転と制限速度の順守が重要ですね。

なお、赤信号になった時点で交差点内にいても許されるのは右左折中の車両のみです。

道路交通法に違反しない運転

以上の解説からもわかる通り、黄色信号になってから加速する車は完全に違反です。

既に交差点直前であればそのまま通過しても構いませんが、それ以外の場合には停止する必要があります。

罰則について

黄色信号に加速して突っ込む車は、ここまで解説した通り施行令第二に違反している可能性があります。

 

これらの違反行為に適用される罰則は以下の通りです。

信号無視

施行令第二条に対する違反行為を「信号無視」と呼びます。

特に赤信号の場合には「信号無視」のうちの「赤色等」という分類になり、点数と罰金は以下の通りです。

点数は2点で、普通車であれば9,000円の罰金、二輪車であれば7,000円の罰金となります。

 

違反点数について

黄色信号に加速して突っ込む車が与えられる罰則としては最大で2点になると思われます。

 

過去に運転免許の停止処分を受けたことがない方であればあと4点で30日の免許停止となります。

もし過去3年間で一度でも免許停止処分を受けていれば、あと2点で60日の免許停止となります。

 

気軽に違反しがちな項目とはいえ、しっかりと取り締まられれば軽くない違反点数が付与されることになります。

違反車両を見かけた場合

残念ながら道路交通法の取り締まりは取り締まり中の警察官が現地で直接確認しない限り罰則を与えることができません。

しかし、警察に情報提供することでパトロールや取り締まりが強化されたり、該当車両や運転者に前歴がある場合にはより効果的な対応を取ってもらえる場合があります。

更に危険度の高い車両であればその場で通報した場合には即出動となるケースもあります。

 

道路交通全体をより良くしていくためにも面倒くさがらずに警察に情報提供することを心がけてください。

 

警察への通報手順や流れを以下の記事で解説しています。

以下の記事では煽り運転の被害に遭ったケースを解説していますが、通報自体の流れは同じです。

diy-kagu.hatenablog.com

 

また、以下の記事では危険運転車両を第三者として見かけて実際に通報した時の体験談をまとめています。

diy-kagu.hatenablog.com

さいごに

車は多くのドライバーが思っている以上に危険な道具です。

テロの道具として使われれば、刃物や拳銃以上に簡単に人を死傷しうる道具なのです。

 

あまりにも日常に溶け込んでいるため忘れがちですが、改めてその危険性を再認識し、より安全・安心できる道路交通環境を整えるために安全運転を心がけましょう。

 

今回取り上げた「黄色信号に加速して突っ込む」という行為は些細なことと思われる方もいるかもしれません。しかし、そこには意外な危険が潜んでいるものです。

これが直接的な原因で事故につながることは少ないかもしれませんが、そうしたドライバーは順法意識が低いことは紛れもない事実です。

また、段々と意識が低下していけば、直接的な事故につながる可能性も高い違反項目です。

 

当サイトではこれって違反?シリーズと題して、道路上でよく見かけるお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

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【これって違反?】一時停止や赤信号で停止線をはみ出す車

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赤信号に余裕をもって停車したのに停止線をはみ出す車。

一時停止で止まりはするけど停止線をはみだしてから停止する車。

 

街中では頻繁に見かける行為ですが、これって違反なんでしょうか?

 

これって違反?シリーズでは交通法規=道路交通法を主体にしていますので、道路交通法の観点で見ていきましょう。その他の刑法に触れるケースなどもありますが、このシリーズ内では道路交通法のみに着目しています。

 

これって違反?シリーズでは、道路上でよく見かける「これってどうなの?」というちょっとお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

こちらのリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

交通法規における該当項目

一時停止や赤信号で停止線をはみ出す車は道路交通法における2つの項目に触れる可能性があります。

こうした具体的なルールは道路交通法施行令において定められています。

施行令第二条

特に赤信号で停止線を越える車は施行令第二条に該当します。

 

第二条の条文から赤信号に関する規定について一部抜粋します。

一 歩行者は、道路を横断してはならないこと。
二 車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。
三 交差点において既に左折している車両等は、そのまま進行することができること。
四 交差点において既に右折している車両等(多通行帯道路等通行原動機付自転車及び軽車両を除く。)は、そのまま進行することができること。この場合において、当該車両等は、青色の灯火により進行することができることとされている車両等の進行妨害をしてはならない。
五 交差点において既に右折している多通行帯道路等通行原動機付自転車及び軽車両は、その右折している地点において停止しなければならないこと。

車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。と明記されていることからわかる通り、赤信号で停止線を越える行為は完全な違反行為です。 

なお、停止位置は停止線上ではダメです。停止線の直前でなければなりません。

 

もし停止線前に安全に停まることができない場合にはどうなんだ?

と思われそうですが、その時点で違反行為に該当します。

 

同条から黄色信号に関する記載を抜粋します。

二 車両及び路面電車(以下この表において「車両等」という。)は、停止位置をこえて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。

このことからわかる通り、黄色信号の時点で停止線前に停止できない場合は通過、可能な場合には停止を判断し終える必要があります。

判断がつかずに停止線を越えて止まってしまった場合、違反となります。

注意深い運転と制限速度の順守が重要ですね。

第四十三条

一時停止で停止線をはみ出す車には第四十三条が該当します。

 

第四十三条の条文は以下の通りです。

第四十三条 車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。

 

つまり、停止線を越えて停止した場合であっても違反です。

なお、停止位置は停止線上ではダメです。停止線の直前でなければなりません。

 

「そうは言っても停止線で止まっても左右が見通せない」

なんて思われる方も居られるかと思いますが、まずは停止線で一度完全に停止した後、徐行しながら進んで安全確認を行う必要があります。

 

道路交通法に違反しない運転

一時停止や赤信号で停止線をはみ出す車両は例外なく違反です。

罰則について

一時停止や赤信号で停止線をはみ出す車は、ここまで解説した通り施行令第二条および第四十三条に違反している可能性があります。

 

これらの違反行為に適用される罰則は以下の通りです。

信号無視

施行令第二条に対する違反行為を「信号無視」と呼びます。

特に赤信号の場合には「信号無視」のうちの「赤色等」という分類になり、点数と罰金は以下の通りです。

点数は2点で、普通車であれば9,000円の罰金、二輪車であれば7,000円の罰金となります。

指定場所一時不停止等

第四十三条に対する違反行為を「指定場所一時不停止等」と呼びます。

点数は2点で、普通車であれば7,000円の罰金、二輪車であれば6,000円の罰金となります。

違反点数について

赤信号でジリジリ前進する車が与えられる罰則としては最大で2点になると思われます。

 

過去に運転免許の停止処分を受けたことがない方であればあと4点で30日の免許停止となります。

もし過去3年間で一度でも免許停止処分を受けていれば、あと2点で60日の免許停止となります。

 

気軽に違反しがちな項目とはいえ、しっかりと取り締まられれば軽くない違反点数が付与されることになります。

違反車両を見かけた場合

残念ながら道路交通法の取り締まりは取り締まり中の警察官が現地で直接確認しない限り罰則を与えることができません。

しかし、警察に情報提供することでパトロールや取り締まりが強化されたり、該当車両や運転者に前歴がある場合にはより効果的な対応を取ってもらえる場合があります。

更に危険度の高い車両であればその場で通報した場合には即出動となるケースもあります。

 

道路交通全体をより良くしていくためにも面倒くさがらずに警察に情報提供することを心がけてください。

 

警察への通報手順や流れを以下の記事で解説しています。

以下の記事では煽り運転の被害に遭ったケースを解説していますが、通報自体の流れは同じです。

diy-kagu.hatenablog.com

 

また、以下の記事では危険運転車両を第三者として見かけて実際に通報した時の体験談をまとめています。

diy-kagu.hatenablog.com

さいごに

車は多くのドライバーが思っている以上に危険な道具です。

テロの道具として使われれば、刃物や拳銃以上に簡単に人を死傷しうる道具なのです。

 

あまりにも日常に溶け込んでいるため忘れがちですが、改めてその危険性を再認識し、より安全・安心できる道路交通環境を整えるために安全運転を心がけましょう。

 

今回取り上げた「一時停止や赤信号で停止線をはみ出す」という行為は些細なことと思われる方もいるかもしれません。しかし、そこには意外な危険が潜んでいるものです。

これが直接的な原因で事故につながることは少ないかもしれませんが、そうしたドライバーは順法意識が低いことは紛れもない事実です。

また、段々と意識が低下していけば、直接的な事故につながる可能性も高い違反項目です。

 

当サイトではこれって違反?シリーズと題して、道路上でよく見かけるお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

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【これって違反?】赤信号でジリジリ前進する車

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赤信号で停止したのにジリジリと前進する車。

まだ青信号になっていないのに、少しずつ前進する車。

 

街中では頻繁に見かける行為ですが、これって違反なんでしょうか?

 

これって違反?シリーズでは交通法規=道路交通法を主体にしていますので、道路交通法の観点で見ていきましょう。その他の刑法に触れるケースなどもありますが、このシリーズ内では道路交通法のみに着目しています。

 

これって違反?シリーズでは、道路上でよく見かける「これってどうなの?」というちょっとお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

こちらのリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

交通法規における該当項目

赤信号でジリジリ前進する車は道路交通法における2つの項目に触れる可能性があります。

こうした具体的なルールは道路交通法施行令において定められています。

施行令第二条

赤信号でジリジリ前進する車に最も該当しそうな項目は施行令第二条です。

 

第二条の条文から赤信号に関する規定について一部抜粋します。

一 歩行者は、道路を横断してはならないこと。
二 車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。
三 交差点において既に左折している車両等は、そのまま進行することができること。
四 交差点において既に右折している車両等(多通行帯道路等通行原動機付自転車及び軽車両を除く。)は、そのまま進行することができること。この場合において、当該車両等は、青色の灯火により進行することができることとされている車両等の進行妨害をしてはならない。
五 交差点において既に右折している多通行帯道路等通行原動機付自転車及び軽車両は、その右折している地点において停止しなければならないこと。

 

今回の「赤信号でジリジリ前進」に該当しそうな部分は以下の1文です。

車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。

 

つまり、停止線前でジリジリと前進する行為は道路交通法違反になりません。

 

一方で、停止線を越えてしまうと違反行為となります。

なお、停止線は停止線上ではダメです。停止線の直前でなければなりません。

【参考】第七条

道路交通法においては第七条に信号に関する規定があります。

 

条文は以下の通りです。

第七条 道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第一項後段の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない。

 

道路交通法に違反しない運転

赤信号でジリジリ前進する車のうちで、道路交通法に違反しない車は以下のような運転をしている車です。

  • 停止線前でジリジリ前進する車
  • 青信号に変わるまで停止線に達しない車

この2点が守られていない場合には違反行為です。

罰則について

赤信号でジリジリ前進する車は、ここまで解説した通り施行令第二に違反している可能性があります。

 

これらの違反行為に適用される罰則は以下の通りです。

信号無視

施行令第二条に対する違反行為を「信号無視」と呼びます。

停止線に達して前進した場合には「信号無視」のうちの「赤色等」という分類になり、点数と罰金は以下の通りです。

点数は2点で、普通車であれば9,000円の罰金、二輪車であれば7,000円の罰金となります。

 

違反点数について

赤信号でジリジリ前進する車が与えられる罰則としては最大で2点になると思われます。

 

過去に運転免許の停止処分を受けたことがない方であればあと4点で30日の免許停止となります。

もし過去3年間で一度でも免許停止処分を受けていれば、あと2点で60日の免許停止となります。

 

気軽に違反しがちな項目とはいえ、しっかりと取り締まられれば軽くない違反点数が付与されることになります。

違反車両を見かけた場合

残念ながら道路交通法の取り締まりは取り締まり中の警察官が現地で直接確認しない限り罰則を与えることができません。

しかし、警察に情報提供することでパトロールや取り締まりが強化されたり、該当車両や運転者に前歴がある場合にはより効果的な対応を取ってもらえる場合があります。

更に危険度の高い車両であればその場で通報した場合には即出動となるケースもあります。

 

道路交通全体をより良くしていくためにも面倒くさがらずに警察に情報提供することを心がけてください。

 

警察への通報手順や流れを以下の記事で解説しています。

以下の記事では煽り運転の被害に遭ったケースを解説していますが、通報自体の流れは同じです。

diy-kagu.hatenablog.com

 

また、以下の記事では危険運転車両を第三者として見かけて実際に通報した時の体験談をまとめています。

diy-kagu.hatenablog.com

さいごに

車は多くのドライバーが思っている以上に危険な道具です。

テロの道具として使われれば、刃物や拳銃以上に簡単に人を死傷しうる道具なのです。

 

あまりにも日常に溶け込んでいるため忘れがちですが、改めてその危険性を再認識し、より安全・安心できる道路交通環境を整えるために安全運転を心がけましょう。

 

今回取り上げた「赤信号でジリジリ前進する車」という行為は些細なことと思われる方もいるかもしれません。しかし、そこには意外な危険が潜んでいるものです。

これが直接的な原因で事故につながることは少ないかもしれませんが、そうしたドライバーは順法意識が低いことは紛れもない事実です。

 

当サイトではこれって違反?シリーズと題して、道路上でよく見かけるお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

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【これって違反?】邪魔な歩行者や車にクラクションを鳴らす車

2019年12月11日

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邪魔な歩行者や自転車にクラクションを鳴らす車。

進路を妨害されたり、信号が変わったことに気が付かない車にクラクションを鳴らして教えてあげる車。

こんな車、よく見かけますよね?

 

これって違反なんでしょうか?

 

これって違反?シリーズでは交通法規=道路交通法を主体にしていますので、道路交通法の観点で見ていきましょう。その他の刑法に触れるケースなどもありますが、このシリーズ内では道路交通法のみに着目しています。

 

これって違反?シリーズでは、道路上でよく見かける「これってどうなの?」というちょっとお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

こちらのリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

交通法規における該当項目

邪魔な歩行者や車にクラクションを鳴らす行為は道路交通法における1つの項目に触れる可能性があります。

第五十四条

最も該当しそうな項目は道路交通法第五十四条です。

 

第五十四条の条文は以下の通りです。

第五十四条 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
(罰則 第一項については第百二十条第一項第八号、同条第二項 第二項については第百二十一条第一項第六号)

わかりやすく解説すると、見通しの悪い交差点や山道で、標識により指定された場合に限りクラクションを鳴らしても良いということです。

 

つまり、以下のようなありがちなケースはすべて違反行為です。

  • 邪魔な歩行者や自転車がいる
  • 割り込まれて進路を妨害された
  • 青信号になっても気付かずに停まっている車がいる

 いずれの場合でもクラクションを鳴らす行為は第五十四条に違反しています。

 

道路交通法に違反しない運転

邪魔な歩行者や車にクラクションを鳴らす車はすべからく違反となります。

例外はありません。

ただし、円滑あるいは安全な道路交通を妨げる場合には違反行為に対して警察は事実上目をつむることがあります。

これは公然と行われていることです。

こうした事例に照らし合わせると、「青信号になっても気が付かない車両にクラクションで教えてあげる」くらいは例外に該当するかもしれません。

罰則について

邪魔な歩行者や車にクラクションを鳴らす車は、ここまで解説した通り第五十四条に違反している可能性があります。

 

これらの違反行為に適用される罰則は以下の通りです。

警音器使用制限違反

第五十四条に対する違反行為を「警音器使用制限違反」と呼びます。

次に参考までに紹介する警音器吹鳴義務違反と対になっており、使用が許可されていない場所でクラクションを鳴らした場合にはこの「警音器使用制限違反」にあたります。

点数は0で、普通車や二輪車であれば3,000円の罰金となります。

【参考】警音器吹鳴義務違反

第五十四条に対する違反行為を「警音器吹鳴義務違反」と呼びます。

先ほどの「警音器使用制限違反」とは異なり、クラクションを鳴らすべき場所で鳴らさなかった場合にはこの「警音器吹鳴義務違反」にあたります。

点数は1点で、普通車や二輪車であれば6,000円の罰金となります。

 

違反点数について

邪魔な歩行者や車にクラクションを鳴らす車が与えられる罰則としては罰金のみで点数はありません。

一方で、鳴らすべき場所で鳴らさなかった場合にはより重い罰則があります。

 

気軽に違反しがちな項目で、なおかつ点数もありません。

しかし、違反は違反です。

くれぐれもクラクションは適切に使用しましょう。

違反車両を見かけた場合

残念ながら道路交通法の取り締まりは取り締まり中の警察官が現地で直接確認しない限り罰則を与えることができません。

しかし、警察に情報提供することでパトロールや取り締まりが強化されたり、該当車両や運転者に前歴がある場合にはより効果的な対応を取ってもらえる場合があります。

特に整備不良に関しては通報窓口を設けるなど積極的な取り締まりが行われています。

更に危険度の高い車両であればその場で通報した場合には即出動となるケースもあります。

 

道路交通全体をより良くしていくためにも面倒くさがらずに警察に情報提供することを心がけてください。

 

警察への通報手順や流れを以下の記事で解説しています。

以下の記事では煽り運転の被害に遭ったケースを解説していますが、通報自体の流れは同じです。

diy-kagu.hatenablog.com

 

また、以下の記事では危険運転車両を第三者として見かけて実際に通報した時の体験談をまとめています。

diy-kagu.hatenablog.com

さいごに

車は多くのドライバーが思っている以上に危険な道具です。

テロの道具として使われれば、刃物や拳銃以上に簡単に人を死傷しうる道具なのです。

 

あまりにも日常に溶け込んでいるため忘れがちですが、改めてその危険性を再認識し、より安全・安心できる道路交通環境を整えるために安全運転を心がけましょう。

 

今回取り上げた「邪魔な歩行者や車にクラクションを鳴らす車」という行為は些細なことと思われる方もいるかもしれません。しかし、そこには意外な危険が潜んでいるものです。

気軽にクラクションを鳴らすということは気軽に方に触れる行為を行うということです。

クラクションを鳴らしたことが直接的な原因で事故につながることは少ないかもしれませんが、そうしたドライバーは順法意識が低いことは紛れもない事実です。

 

当サイトではこれって違反?シリーズと題して、道路上でよく見かけるお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

以下のリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

これって違反?シリーズ カテゴリーの記事一覧

 

【これって違反?】交差点直前でウィンカーを出す車

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交差点や右左折の直前になってウィンカーを点ける車。

交差点での信号待ちではウィンカーを点けず、信号が青になってからウィンカーを点ける車。

こんな車をよく見かけますよね。

 

これって違反なんでしょうか?

 

これって違反?シリーズでは交通法規=道路交通法を主体にしていますので、道路交通法の観点で見ていきましょう。その他の刑法に触れるケースなどもありますが、このシリーズ内では道路交通法のみに着目しています。

 

これって違反?シリーズでは、道路上でよく見かける「これってどうなの?」というちょっとお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

こちらのリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

交通法規における該当項目

具体的な灯火や合図の使用タイミングについて道路交通法では規定がありません。

そのため道路交通法施行令において具体的な距離や秒数を規定しています。

運転免許を取得する際に勉強した教本などに書かれている内容は、この道路交通法施行令のなかに記載があることが多いです。

施行令第二十一条

交差点直前でウィンカーを出す車が該当しそうな項目は道路交通法施行令第二十一条です。

 

条文は長くなるため後で記載しますが、要約すると以下の通りです。

右左折時は30メートル手前に達した時点でウィンカーを点灯する

 

つまり、直前でウィンカーを点灯する行為は故意であろうとなかろうとも違反です。

また、交差点で赤信号で停止して、青信号になってからウィンカーを点灯する行為も違反です。

ただし、交差点より30メートル以上手前にいる場合にはその限りではありません。

 

右左折時のウィンカーに関しては30メートルという距離が絶対です。

 

繰り返しになりますが、道路交通法においては故意や過失による扱いの差は示されていません。

 

道路交通法施行令第二十一条の条文は以下の通りです。

第二十一条 法第五十三条第一項に規定する合図を行う時期及び合図の方法は、次の表に掲げるとおりとする。
合図を行う場合
合図を行う時期
合図の方法
左折するとき。
その行為をしようとする地点(交差点においてその行為をする場合にあつては、当該交差点の手前の側端)から三十メートル手前の地点に達したとき。
左腕を車体の左側の外に出して水平に伸ばし、若しくは右腕を車体の右側の外に出して肘を垂直に上に曲げること、又は左側の方向指示器を操作すること。
同一方向に進行しながら進路を左方に変えるとき。
その行為をしようとする時の三秒前のとき。
右折し、又は転回するとき。
その行為をしようとする地点(交差点において右折する場合にあつては、当該交差点の手前の側端)から三十メートル手前の地点に達したとき。
右腕を車体の右側の外に出して水平に伸ばし、若しくは左腕を車体の左側の外に出して肘を垂直に上に曲げること、又は右側の方向指示器を操作すること。
同一方向に進行しながら進路を右方に変えるとき。
その行為をしようとする時の三秒前のとき。
徐行し、又は停止するとき。
その行為をしようとするとき。
腕を車体の外に出して斜め下に伸ばすこと、又は車両の保安基準に関する規定若しくはトロリーバスの保安基準に関する規定により設けられる制動灯をつけること。
後退するとき。
その行為をしようとするとき。
腕を車体の外に出して斜め下に伸ばし、かつ、手のひらを後ろに向けてその腕を前後に動かすこと、又は車両の保安基準に関する規定に定める後退灯を備える自動車にあつてはその後退灯を、トロリーバスにあつてはトロリーバスの保安基準に関する規定により設けられる後退灯を、それぞれつけること。

 

【参考】第五十三条

参考までに道路交通法における合図に関する記述を抜粋します。

 

条文は以下の通りです。

第五十三条 車両(自転車以外の軽車両を除く。次項及び第四項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
2 車両の運転者は、環状交差点においては、前項の規定にかかわらず、当該環状交差点を出るとき、又は当該環状交差点において徐行し、停止し、若しくは後退するときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
3 前二項の合図を行う時期及び合図の方法について必要な事項は、政令で定める。
4 車両の運転者は、第一項又は第二項に規定する行為を終わつたときは、当該合図をやめなければならないものとし、また、これらの規定に規定する合図に係る行為をしないのにかかわらず、当該合図をしてはならない。

わかりやすく解説すると、ウィンカーや灯火類を適切に点灯させて周りに知らせなければいけないということです。

もしブレーキランプが切れていたり、ウィンカーが切れている場合には適切に合図を送ることができませんからこの第五十三条に違反することになります。

道路交通法に違反しない運転

交差点や右左折直前でウィンカーを出す車は例外なく違反となります。

ついうっかり右左折する場所を見過ごして、直前になって気づいた場合は行き過ぎる必要があるということです。

罰則について

交差点直前でウィンカーを出す車は、ここまで解説した通り施行令第二十一条および第五十三条に違反している可能性があります。

 

これらの違反行為に適用される罰則は以下の通りです。

合図不履行

特に合図を全く出さなかった場合に適用される違反を「合図不履行」と呼びます。

灯火類が故障している場合には、意図せずとも「合図不履行」に該当してしまう場合があります。

点数は1点で、普通車や二輪車であれば6,000円の罰金となります。

合図制限違反

合図不履行と似ていますが、合図を適切にしなかった場合に該当するのがこの「合図制限違反」です。

例えば交差点直前でウィンカーを出す場合はこれに当たります。

点数は1点で、普通車や二輪車であれば6,000円の罰金となります。

合図不履行と全く同じ点数・罰金が科されますので注意が必要です。

違反点数について

交差点直前でウィンカーを出す車が与えられる罰則としては最大でも1点になると思われます。

 

過去に運転免許の停止処分を受けたことがない方であればあと5点で30日の免許停止となります。

もし過去3年間で一度でも免許停止処分を受けていれば、あと3点で60日の免許停止となります。

 

気軽に違反しがちな項目とはいえ、しっかりと取り締まられれば軽くない違反点数が付与されることになります。

違反車両を見かけた場合

残念ながら道路交通法の取り締まりは取り締まり中の警察官が現地で直接確認しない限り罰則を与えることができません。

しかし、警察に情報提供することでパトロールや取り締まりが強化されたり、該当車両や運転者に前歴がある場合にはより効果的な対応を取ってもらえる場合があります。

特に整備不良に関しては通報窓口を設けるなど積極的な取り締まりが行われています。

更に危険度の高い車両であればその場で通報した場合には即出動となるケースもあります。

 

道路交通全体をより良くしていくためにも面倒くさがらずに警察に情報提供することを心がけてください。

 

警察への通報手順や流れを以下の記事で解説しています。

以下の記事では煽り運転の被害に遭ったケースを解説していますが、通報自体の流れは同じです。

diy-kagu.hatenablog.com

 

また、以下の記事では危険運転車両を第三者として見かけて実際に通報した時の体験談をまとめています。

diy-kagu.hatenablog.com

さいごに

車は多くのドライバーが思っている以上に危険な道具です。

テロの道具として使われれば、刃物や拳銃以上に簡単に人を死傷しうる道具なのです。

 

あまりにも日常に溶け込んでいるため忘れがちですが、改めてその危険性を再認識し、より安全・安心できる道路交通環境を整えるために安全運転を心がけましょう。

 

今回取り上げた「交差点直前でウィンカーを出す」という行為は些細なことと思われる方もいるかもしれません。しかし、そこには意外な危険が潜んでいるものです。

道路交通の安全は自分一人の力で成立させているものではありません。適切に周囲に合図を送ることで、道路交通全体がより良く安全なものになっていくのです。

 

当サイトではこれって違反?シリーズと題して、道路上でよく見かけるお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

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【これって違反?】夜間・トンネルでポジションやフォグランプだけ点ける車

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ポジションランプ、車幅灯、あるいはスモールランプってご存知ですか?

ライトのスイッチをひねると1段階目で点灯する小さなランプです。

(この記事のなかでは、「ポジションランプ」という呼び方に統一します)

 

 

よく夕暮れ時やトンネル内で、このポジションランプだけで走行している車を見かけます。

あるいはポジションランプとフォグランプだけなんていう車も見かけます。

 

 

これって違反なんでしょうか?

 

これって違反?シリーズでは交通法規=道路交通法を主体にしていますので、道路交通法の観点で見ていきましょう。その他の刑法に触れるケースなどもありますが、このシリーズ内では道路交通法のみに着目しています。

 

これって違反?シリーズでは、道路上でよく見かける「これってどうなの?」というちょっとお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

こちらのリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

交通法規における該当項目

夜間・トンネルでポジションやフォグランプだけ点ける行為は道路交通法における1つの項目に触れる可能性があります。

第五十二条

最も該当しそうな項目は道路交通法第五十二条です。

 

第五十二条の条文は以下の通りです。

第五十二条 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。

わかりやすく解説すると、前照灯(ヘッドライト)や尾灯(テールランプ)などの灯火類を適切に点灯しなければならないということです。

ちなみに故障により点灯しない・片方だけ点灯しない場合には自ずとこの第五十二条に違反することになります。

 

ここでいう「前照灯」には残念ながらポジションランプやフォグランプは含まれていません。

 

つまり、まだ明るさの残る日暮れ後であっても、昼間のトンネル内であっても、必ずロービーム(対向車や前走車がなければハイビーム)を点灯しなければなりません。

ポジションランプは車幅灯などと呼ばれることからもわかる通り、車の幅を示すためのものです。前を照らすためのものではありません。

 

なお、道路交通法においては故意(気づいていながら修理しなかった)や過失(故障に気づいていなかった)による扱いの差は示されていません。

道路交通法に違反しない運転

夜間・トンネルでポジションやフォグランプだけ点ける車のうちで、道路交通法に違反しない車は存在しません。

ロービームやハイビームなどの前照灯に該当する灯火類を点灯していない場合には違反行為です。

罰則について

夜間・トンネルでポジションやフォグランプだけ点ける車は、ここまで解説した通り第五十二条に違反している可能性があります。

 

この違反行為に適用される罰則は以下の通りです。

無灯火

第五十二条に対する違反行為を「無灯火」と呼びます。

ポジションランプやフォグランプを点けていても「無灯火」に該当するため注意が必要です。

点数は1点で、普通車や二輪車であれば6,000円の罰金となります。

違反点数について

夜間・トンネルでポジションやフォグランプだけ点ける車が与えられる罰則としては最大でも1点になると思われます。

 

過去に運転免許の停止処分を受けたことがない方であればあと5点で30日の免許停止となります。

もし過去3年間で一度でも免許停止処分を受けていれば、あと3点で60日の免許停止となります。

 

気軽に違反しがちな項目とはいえ、しっかりと取り締まられれば軽くない違反点数が付与されることになります。

違反車両を見かけた場合

残念ながら道路交通法の取り締まりは取り締まり中の警察官が現地で直接確認しない限り罰則を与えることができません。

しかし、警察に情報提供することでパトロールや取り締まりが強化されたり、該当車両や運転者に前歴がある場合にはより効果的な対応を取ってもらえる場合があります。

更に危険度の高い車両であればその場で通報した場合には即出動となるケースもあります。

 

道路交通全体をより良くしていくためにも面倒くさがらずに警察に情報提供することを心がけてください。

 

警察への通報手順や流れを以下の記事で解説しています。

以下の記事では煽り運転の被害に遭ったケースを解説していますが、通報自体の流れは同じです。

diy-kagu.hatenablog.com

 

また、以下の記事では危険運転車両を第三者として見かけて実際に通報した時の他県段をまとめています。

diy-kagu.hatenablog.com

さいごに

車は多くのドライバーが思っている以上に危険な道具です。

テロの道具として使われれば、刃物や拳銃以上に簡単に人を死傷しうる道具なのです。

 

あまりにも日常に溶け込んでいるため忘れがちですが、改めてその危険性を再認識し、より安全・安心できる道路交通環境を整えるために安全運転を心がけましょう。

 

今回取り上げた「夜間・トンネルでポジションやフォグランプだけ点ける」という行為は些細なことと思われる方もいるかもしれません。しかし、そこには意外な危険が潜んでいるものです。

最近ではオートライトが標準装備の車が増え、無灯火の車も減少してきています。

オートライトが搭載されていない車に乗るときにはうっかり忘れてしまうなんて言うこともあるかもしれません。

普段乗らない車両に乗るときにはくれぐれも注意して乗るようにしましょう。

 

当サイトではこれって違反?シリーズと題して、道路上でよく見かけるお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

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【これって違反?】対向車がいてもハイビームの車

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車の前照灯はハイビームが基本です。

最近では自動的にハイビームとロービームを切り替える機構が登場し「ハイビームが基本」ということの認知度が高まってきています。

その一方で、こんな声も聞かれます。

  • 対向車がいてもハイビームを付けっぱなしの車がいてまぶしい!
  • ロービームでもまぶしい車がいて迷惑!
  • 後ろの車のライトがまぶしい!

 

ハイビームを付けっぱなしでまぶしい車、これって違反なんでしょうか?

また、ロービームでもまぶしい車は違反になるのでしょうか?

 

これって違反?シリーズでは交通法規=道路交通法を主体にしていますので、道路交通法の観点で見ていきましょう。その他の刑法に触れるケースなどもありますが、このシリーズ内では道路交通法のみに着目しています。

 

これって違反?シリーズでは、道路上でよく見かける「これってどうなの?」というちょっとお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

こちらのリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

交通法規における該当項目

対向車がいてもハイビームで走行する行為は道路交通法における1つの項目に触れる可能性があります。

第五十二条二項

対向車がいてもハイビームで走行する行為において最も該当しそうな項目は道路交通法第五十二条の二項です。

 

第五十二条二項の条文は以下の通りです。

2 車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。

わかりやすく解説すると、対向車や前を走る車がまぶしく感じる場合にはロービームに切り替えなければいけないということです。

つまり、ハイビーム付けっぱなしの対向車や後ろの車はこの第五十二条に違反しています。

 

また、ロービームであってもまぶしい場合には整備不良が疑われますが、この第五十二条の二項にも適用されます。

道路交通法上ではロービーム・ハイビームを明確に区別していません。

そのため、ロービームがまぶしい車両では適切に「光度を減ずる」必要があります。

しかし、「光度を減じた」結果として適切に前方を照らせなくては第五十二条に違反することになります。

つまりロービームがまぶしい車両は整備不良(第六十三条違反)とあわせてこの第五十二条違反にあたります。

 

なお、道路交通法においては故意(気づいていながら修理しなかった)や過失(故障に気づいていなかった)による扱いの差は示されていません。

 

第六十三条

特にロービームがまぶしい車両についてはこの第六十三条に違反する可能性があります。

また、八項まで続く長い文章ですので条文は最後に掲載します。

 

内容をまとめると以下のようなものです。

  • 警察官は整備不良車を停止させることができる
  • 不良個所の整備や整備完了までの運転を禁じることができる
  • ただし警察官が許可証を交付する場合に限って限定的に運転が許される
  • 整備不良と判断された場合には標章を見やすい場所に貼り付ける必要がある
  • 整備が完了し最寄りの警察署で許可が出るまで標章を取り除いてはいけない

ロービームがまぶしいということは、そのまま走行すれば第五十二条に違反します。

しかし、第五十二条を守ろうとすれば無灯火で走行することになります。

そのためロービームは夜間の走行ができない整備不良車ということができます。

 

参考までに第六十三条各項の条文は以下の通りです。

第六十三条 警察官は、整備不良車両に該当すると認められる車両(軽車両を除く。以下この条において同じ。)が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証その他政令で定める書類の提示を求め、及び当該車両の装置について検査をすることができる。
2 前項の場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図り、又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な応急の措置をとることを命じ、また、応急の措置によつては必要な整備をすることができないと認められる車両(以下この条において「故障車両」という。)については、当該故障車両の運転を継続してはならない旨を命ずることができる。
3 前項の場合において、当該故障車両の整備不良の程度及び道路又は交通の状況により支障がないと認めるときは、警察官は、前条の規定にかかわらず、当該故障車両を整備するため必要な限度において、区間及び通行の経路を指定し、その他道路における危険又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な条件を付して当該故障車両を運転することを許可することができる。この場合において、警察官は、許可証を交付しなければならない。
4 警察官は、第二項の規定による措置をとつたときは、当該故障車両の運転者に対し、当該故障車両について整備を要する事項を記載した文書を交付し、かつ、当該故障車両の前面の見やすい箇所に標章をはりつけなければならない。
5 警察官は、前項の措置をとつたときは、その旨を当該措置をとつた場所を管轄する警察署長に報告しなければならない。
6 警察署長は、前項の報告を受けたときは、当該故障車両の使用の本拠の位置を管轄する地方運輸局長に対し、内閣府令・国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。
7 第四項の規定によりはり付けられた標章は、何人も、これを破損し、又は汚損してはならず、また、当該故障車両の必要な整備がされたことについて、内閣府令・国土交通省令で定める手続により、最寄りの警察署の警察署長又は車両の整備に係る事項について権限を有する行政庁の確認を受けた後でなければ、これを取り除いてはならない。
8 第三項の許可証の様式、第四項の規定により故障車両の運転者に対し交付する文書の様式及び同項の標章の様式は、内閣府令・国土交通省令で定める。
(罰則 第一項については第百十九条第一項第六号 第二項については第百十九条第一項第七号 第七項については第百二十一条第一項第九号)
(運行記録計による記録等)

道路交通法に違反しない運転

対向車や前方に車がいてもハイビームの車のうちで、違反とならない運転方法や車は存在しません。

ただし、近年では光の配分を制御してハイビームのまま対向車がいるエリアだけ減光する仕組みも登場しています。

こうした仕組みを利用する車両はその限りではありません。

罰則について

対向車や前方に車がいてもハイビームの車は、ここまで解説した通り第五十二条および第六十三条に違反している可能性があります。

 

これらの違反行為に適用される罰則は以下の通りです。

減光等義務違反

第五十二条二項に対する違反行為を「減光等義務違反」と呼びます。

点数は1点で、普通車や二輪車であれば6,000円の罰金となります。

 

整備不良

第六十三条に対する違反行為を「整備不良」と呼びます。

罰則は重くなります。

特に重大に事故につながる恐れのある灯火類の故障では2点で、普通車は9,000円、二輪車は7,000円の罰金となります。

それ以外の影響の軽微な灯火類では1点で、普通車は7,000円の罰金となります。

違反点数について

対向車や前方に車がいてもハイビームの車が与えられる罰則としては最大で3点になると思われます。

(実際に複数の異なる違反が重なることはありませんが・・・)

 

過去に運転免許の停止処分を受けたことがない方であればあと3点で30日の免許停止となります。

もし過去3年間で一度でも免許停止処分を受けていれば、あと1点で60日の免許停止となります。

 

気軽に違反しがちな項目とはいえ、しっかりと取り締まられれば軽くない違反点数が付与されることになります。

違反車両を見かけた場合

残念ながら道路交通法の取り締まりは取り締まり中の警察官が現地で直接確認しない限り罰則を与えることができません。

しかし、警察に情報提供することでパトロールや取り締まりが強化されたり、該当車両や運転者に前歴がある場合にはより効果的な対応を取ってもらえる場合があります。

特に整備不良に関しては通報窓口を設けるなど積極的な取り締まりが行われています。

更に危険度の高い車両であればその場で通報した場合には即出動となるケースもあります。

 

道路交通全体をより良くしていくためにも面倒くさがらずに警察に情報提供することを心がけてください。

 

警察への通報手順や流れを以下の記事で解説しています。

以下の記事では煽り運転の被害に遭ったケースを解説していますが、通報自体の流れは同じです。

diy-kagu.hatenablog.com

 

また、以下の記事では危険運転車両を第三者として見かけて実際に通報した時の他県段をまとめています。

diy-kagu.hatenablog.com

さいごに

車は多くのドライバーが思っている以上に危険な道具です。

テロの道具として使われれば、刃物や拳銃以上に簡単に人を死傷しうる道具なのです。

 

あまりにも日常に溶け込んでいるため忘れがちですが、改めてその危険性を再認識し、より安全・安心できる道路交通環境を整えるために安全運転を心がけましょう。

 

今回取り上げた「対向車や前方に車がいてもハイビーム」という行為は些細なことと思われる方もいるかもしれません。しかし、そこには意外な危険が潜んでいるものです。

ハイビームを使うことで快適な夜間の走行が可能となりますが、その運用には十分な注意が必要です。

 

当サイトではこれって違反?シリーズと題して、道路上でよく見かけるお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

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これって違反?シリーズ カテゴリーの記事一覧

 

【これって違反?】ブレーキランプやヘッドライトが片方消えてる車(球切れ)

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ブレーキランプの電球が切れて片方しか点いていない車。

ヘッドランプの電球が切れて片方しか点いていない車。

ウィンカーやポジションランプ、バックランプなど各種灯火類が切れたまま走行している車ってよく見かけますよね。

 

これって違反なんでしょうか?

 

これって違反?シリーズでは交通法規=道路交通法を主体にしていますので、道路交通法の観点で見ていきましょう。その他の刑法に触れるケースなどもありますが、このシリーズ内では道路交通法のみに着目しています。

 

これって違反?シリーズでは、道路上でよく見かける「これってどうなの?」というちょっとお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

こちらのリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

交通法規における該当項目

ブレーキランプやヘッドライトが片方消えたまま走行する行為は道路交通法における4つの項目に触れる可能性があります。

第五十二条

ブレーキランプやヘッドライトが片方消えたまま走行する行為において最も該当しそうな項目は道路交通法第五十二条です。

 

第五十二条の条文は以下の通りです。

第五十二条 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。

わかりやすく解説すると、前照灯(ヘッドライト)や尾灯(テールランプ)などの灯火類を適切に点灯しなければならないということです。

故障により点灯しない・片方だけ点灯しない場合には自ずとこの第五十二条に違反することになります。

 

なお、道路交通法においては故意(気づいていながら修理しなかった)や過失(故障に気づいていなかった)による扱いの差は示されていません。

いずれの場合でも第五十二条に触れる可能性がありますから、日頃の点検や運航前の最低限のチェックは欠かさずに行いたいところです。

第五十三条

同様に違反となるおそれがあるのが第五十三条です。

 

条文は以下の通りです。

第五十三条 車両(自転車以外の軽車両を除く。次項及び第四項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
2 車両の運転者は、環状交差点においては、前項の規定にかかわらず、当該環状交差点を出るとき、又は当該環状交差点において徐行し、停止し、若しくは後退するときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
3 前二項の合図を行う時期及び合図の方法について必要な事項は、政令で定める。
4 車両の運転者は、第一項又は第二項に規定する行為を終わつたときは、当該合図をやめなければならないものとし、また、これらの規定に規定する合図に係る行為をしないのにかかわらず、当該合図をしてはならない。

わかりやすく解説すると、ウィンカーや灯火類を適切に点灯させて周りに知らせなければいけないということです。

もしブレーキランプが切れていたり、ウィンカーが切れている場合には適切に合図を送ることができませんからこの第五十三条に違反することになります。

第六十二条

これまでの第五十二条・第五十三条あわせて違反となる恐れがあるのが第六十二条です。

こちらの方が直接的に違反あるいは取り締まりの対象となる可能性があります。

 

条文は以下の通りです。

第六十二条 車両等の使用者その他車両等の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、その装置が道路運送車両法第三章若しくはこれに基づく命令の規定(道路運送車両法の規定が適用されない自衛隊の使用する自動車については、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第百十四条第二項の規定による防衛大臣の定め。以下同じ。)又は軌道法第十四条若しくはこれに基づく命令の規定に定めるところに適合しないため交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両等(次条第一項において「整備不良車両」という。)を運転させ、又は運転してはならない。

わかりやすく解説すると、危険や他人の迷惑になる故障を放置してはいけないということです。

この第六十二条は極端な改造車などに適用されることもありますが、本来はこうした適切な整備が施されていない車両に適用されるものです。

 

車は多くのドライバーが考える以上に危険な乗り物です。

また、夜間走行における灯火類の重要性は極めて高いです。

日々点検を行うのは難しいかもしれませんが、普段の運転で光の反射などから灯火類の状態を運転席に座ったままチェックすることは可能です。

意識を持つことが重要ですね。

第六十三条

この第六十三条は前項の第六十二条とセットで考えられることが多いです。

また、八項まで続く長い文章ですので条文は最後に掲載します。

 

内容をまとめると以下のようなものです。

  • 警察官は整備不良車を停止させることができる
  • 不良個所の整備や整備完了までの運転を禁じることができる
  • ただし警察官が許可証を交付する場合に限って限定的に運転が許される
  • 整備不良と判断された場合には標章を見やすい場所に貼り付ける必要がある
  • 整備が完了し最寄りの警察署で許可が出るまで標章を取り除いてはいけない

実際にブレーキランプやヘッドライトが片方消えたまま走行していると、このような取り締まりを受ける可能性があるということを示しています。

 

参考までに第六十三条各項の条文は以下の通りです。

第六十三条 警察官は、整備不良車両に該当すると認められる車両(軽車両を除く。以下この条において同じ。)が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証その他政令で定める書類の提示を求め、及び当該車両の装置について検査をすることができる。
2 前項の場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図り、又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な応急の措置をとることを命じ、また、応急の措置によつては必要な整備をすることができないと認められる車両(以下この条において「故障車両」という。)については、当該故障車両の運転を継続してはならない旨を命ずることができる。
3 前項の場合において、当該故障車両の整備不良の程度及び道路又は交通の状況により支障がないと認めるときは、警察官は、前条の規定にかかわらず、当該故障車両を整備するため必要な限度において、区間及び通行の経路を指定し、その他道路における危険又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な条件を付して当該故障車両を運転することを許可することができる。この場合において、警察官は、許可証を交付しなければならない。
4 警察官は、第二項の規定による措置をとつたときは、当該故障車両の運転者に対し、当該故障車両について整備を要する事項を記載した文書を交付し、かつ、当該故障車両の前面の見やすい箇所に標章をはりつけなければならない。
5 警察官は、前項の措置をとつたときは、その旨を当該措置をとつた場所を管轄する警察署長に報告しなければならない。
6 警察署長は、前項の報告を受けたときは、当該故障車両の使用の本拠の位置を管轄する地方運輸局長に対し、内閣府令・国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。
7 第四項の規定によりはり付けられた標章は、何人も、これを破損し、又は汚損してはならず、また、当該故障車両の必要な整備がされたことについて、内閣府令・国土交通省令で定める手続により、最寄りの警察署の警察署長又は車両の整備に係る事項について権限を有する行政庁の確認を受けた後でなければ、これを取り除いてはならない。
8 第三項の許可証の様式、第四項の規定により故障車両の運転者に対し交付する文書の様式及び同項の標章の様式は、内閣府令・国土交通省令で定める。
(罰則 第一項については第百十九条第一項第六号 第二項については第百十九条第一項第七号 第七項については第百二十一条第一項第九号)
(運行記録計による記録等)

道路交通法に違反しない運転

ブレーキランプやヘッドライトが片方消えたまま走行する車のうちで、道路交通法に違反しない車は以下のような運転をしている車です。

  • 警察官から許可証を交付され指示された制限内で走行している
  • 故障車両の標章を貼り付け整備のために走行している
  • 故障した灯火類に変わって手などで適切に合図を行っている

この3点が守られていない場合には違反行為です。

罰則について

ブレーキランプやヘッドライトが片方消えたまま走行する車は、ここまで解説した通り第五十二条、第五十三条、第六十二条および第六十三条に違反している可能性があります。

 

これらの違反行為に適用される罰則は以下の通りです。

無灯火

第五十二条に対する違反行為を「無灯火」と呼びます。

点数は1点で、普通車や二輪車であれば6,000円の罰金となります。

合図不履行

第五十三条に対する違反行為を「合図不履行」と呼びます。

必要な合図を全くしなかった場合に適用されます。灯火類が故障している場合には、意図せずとも「合図不履行」に該当してしまう場合があります。

点数は1点で、普通車や二輪車であれば6,000円の罰金となります。

合図制限違反

合図不履行と似ていますが、合図を適切にしなかった場合に該当するのがこの「合図制限違反」です。

点数は1点で、普通車や二輪車であれば6,000円の罰金となります。

整備不良

第六十三条に対する違反行為を「整備不良」と呼びます。

罰則は最も重くなります。

特にブレーキランプなどの重大に事故につながる恐れのある灯火類の故障では2点で、普通車は9,000円、二輪車は7,000円の罰金となります。

それ以外の影響の軽微な灯火類では1点で、普通車は7,000円の罰金となります。

違反点数について

ブレーキランプやヘッドライトが片方消えたまま走行する車が与えられる罰則としては最大で5点になると思われます。

(実際に複数の異なる違反が重なることはありませんが・・・)

 

過去に運転免許の停止処分を受けたことがない方であればあと1点で30日の免許停止となります。

もし過去3年間で一度でも免許停止処分を受けていれば、即刻60日の免許停止となります。

 

気軽に違反しがちな項目とはいえ、しっかりと取り締まられれば軽くない違反点数が付与されることになります。

違反車両を見かけた場合

残念ながら道路交通法の取り締まりは取り締まり中の警察官が現地で直接確認しない限り罰則を与えることができません。

しかし、警察に情報提供することでパトロールや取り締まりが強化されたり、該当車両や運転者に前歴がある場合にはより効果的な対応を取ってもらえる場合があります。

特に整備不良に関しては通報窓口を設けるなど積極的な取り締まりが行われています。

更に危険度の高い車両であればその場で通報した場合には即出動となるケースもあります。

 

道路交通全体をより良くしていくためにも面倒くさがらずに警察に情報提供することを心がけてください。

 

警察への通報手順や流れを以下の記事で解説しています。

以下の記事では煽り運転の被害に遭ったケースを解説していますが、通報自体の流れは同じです。

diy-kagu.hatenablog.com

 

また、以下の記事では危険運転車両を第三者として見かけて実際に通報した時の体験談をまとめています。

diy-kagu.hatenablog.com

さいごに

車は多くのドライバーが思っている以上に危険な道具です。

テロの道具として使われれば、刃物や拳銃以上に簡単に人を死傷しうる道具なのです。

 

あまりにも日常に溶け込んでいるため忘れがちですが、改めてその危険性を再認識し、より安全・安心できる道路交通環境を整えるために安全運転を心がけましょう。

 

今回取り上げた「ブレーキランプやヘッドライトが片方消えたまま走行する」という行為は些細なことと思われる方もいるかもしれません。しかし、そこには意外な危険が潜んでいるものです。

特にブレーキランプやヘッドランプなど走行において重要な灯火類は日頃から意識して点検するようにしましょう。

 

当サイトではこれって違反?シリーズと題して、道路上でよく見かけるお行儀が悪い運転マナーについて道路交通法の観点から分析しています。

以下のリンクからすべての記事の一覧がチェックできますので是非ご覧ください。

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