出典:アクアクララ - ウォーターボトル
事業用だけでなく家庭用としても普及してきている「ウォーターサーバー」の選び方を紹介します。
近年では水へのこだわりとコストパフォーマンスの良さから、ペットボトルや浄水器に代わって「ウォーターサーバー」を導入する企業・家庭が増加しています。
その一方で、ウォーターサーバーを提供する企業は数が多く知名度が低いものも少なくありません。
例えばここ数年、「クレヨンしんちゃん」を採用したテレビCMを積極的に打ち出している「クリクラ」は、短期間で知名度とシェアを確保しました。
ウォーターサーバー業界はまだまだ未成熟で「ここのウォーターサーバーを選べば無難」という選択肢はなく、入れ替わりも激しい業界となっています。
そんななかで、自分にあったウォーターサーバーを選ぶための基礎知識と選び方を紹介します。
ウォーターサーバーの料金体系
はじめに、ウォーターサーバーを使われたことがない方や詳しくない方に向けて、ウォーターサーバーの2019年現在の一般的な料金体系を紹介します。
3種類の費用
ウォーターサーバーの料金は、主に以下の3種類で成り立っています。
最近の傾向としては、初期費用は無料で月額費用とボトル費用で諸々の費用をカバーするスタイルが増えています。
また、ボトルを使わない水道直結型のウォーターサーバー(旧来の浄水器のイメージに近い)も増えており、その場合にはボトル費用がなくなり月額費用に1本化されるため非常にわかりやすいです。
実際の料金としては月に2000円~4000円あたりであることが多いです。
初期費用とは?
初期費用とは、その名の通りウォーターサーバーの導入時に1度だけ支払う料金です。
ウォーターサーバーの設置のための費用で、現在では多くの企業(特に個人向け)では無料となっていることが多いです。
月額費用とは?
月額費用は、メンテナンス費やウォーターサーバーの機器レンタル料金が含まれます。
ウォーターサーバーといっても、各社ラインナップが存在します。
オシャレで高機能なモデルほど高額になり、安価なモデルの場合は0円であることも珍しくありません。
また、メンテナンス費としてウォーターサーバーの定期メンテナンスや修理代金が含まれている場合もあります。
ボトル費用とは?
ボトル費用とは、その名の通り水が入ったボトルの費用です。
ボトルのサイズは様々ですが、主流なサイズは12Lのボトルです。提供している会社によって、12L1本から購入できる場合や、2本セットの場合など差があります。
その他の費用
ウォーターサーバーを使用する場合、基本的には上記3種類の費用が発生します。
しかし、これ以外にも以下のような費用が発生する場合があります。
これはウォーターサーバーを提供する会社によって差があるため、導入前に必ず各社ホームページにてご確認ください。
移設費用
引っ越し等で、ウォーターサーバーを移設する必要が生じた際に発生する移設費用です。
最近では無料の会社が多いですが、費用がかかる会社もあるため転居の可能性がある場合にはご注意ください。
定期メンテナンス費用
ウォーターサーバーの定期メンテナンスのために発生する費用です。
ウォーターサーバーによりますが、おおむね1年ごとに定期メンテナンスが必要になります。
こちらも最近では無料の会社が多いです。
修理費用
ウォーターサーバーの故障時に発生する費用です。
大抵の場合は、自然故障であれば無料、利用者が破損させた場合には有償であることが多いです。
解約費用
解約時に発生する費用です。
多くの会社では無料ですが、一部有償としている会社も存在します。
短期解約費用
導入後、短期間で解約した場合に発生する費用です。
例えば「導入後1年未満で解約した場合には10,000円」などという風に設定されており、大抵の会社では期間を設定して短期解約費用を設定しています。
他の費用と違って、短期解約費用が無料というケースは珍しいです。
ウォーターサーバーの選び方1 - 供給方式で選ぶ
ウォーターサーバーと言えば、大きな水の入ったボトルを設置するイメージがありますが、実は2つの方式が存在します。
ボトル交換方式
1つ目は、ごく一般的なボトル方式です。
こちらの写真にあるようなボトルを交換して使用します。
出典:アクアクララ - ウォーターボトル
ボトルは1カ月に2本など、事前に定期配送の設定をすることが多いです。
ボトルの交換や処理が手間であるという点を除けば、設置が簡単なため最も普及している方式です。
ボトルあたりの価格が設定されており、ボトルの数に応じて料金が変動します。
なお、ボトルの代わりに水の入ったパック(袋詰めされた水)を採用している会社も存在します。
水道直結方式
2つ目は、水道から分岐した水をろ過する方式です。
(画像はラピア ネオ:https://waterstand.jp/products/nano_neo.html)
ボトルの受け取り、交換、処理と言った手間がないため普及してきています。
それだけではなく、ボトル代が不要ですから料金は完全な定額制になります。
良いことばかりの水道直結方式ですが、1つ大きな問題があります。
それは、水道の近くでなければ設置できないという点です。
水道直結方式は、水道から分岐させた水を使います。当然設置場所も水道のごく近い場所に限られてしまいます。
ウォーターサーバーの選び方2 - 設置場所や寸法で選ぶ
ウォーターサーバーの選定の第一歩は、設置場所や寸法にあったウォーターサーバーを探すことです。
こちらの記事で、全24種におよぶウォーターサーバーの徹底比較を行っています。
この記事から、ウォーターサーバーごとの寸法の一覧を抜粋します。単位はすべてmmです。
商品名 |
形式 |
幅 |
奥行 |
高さ |
ナノラピア ネオ |
水道直結 |
260 |
505 |
500 |
ナノラピア マリン |
水道直結 |
181 |
420 |
375 |
ナノラピア メイト |
水道直結 |
130 |
403 |
308 |
エコサーバー ネオ |
水道直結 |
300 |
540 |
1200 |
プレミアムラピア ステラ |
水道直結 |
260 |
530 |
500 |
プレミアムラピア S2 |
水道直結 |
260 |
483 |
500 |
プレミアムラピア L2 |
水道直結 |
260 |
448 |
1150 |
プレミアムラピア ネオス2 |
水道直結 |
192 |
430 |
434 |
アクアウィズ |
ボトル交換 |
320 |
320 |
1344 |
アクアファブ |
ボトル交換 |
286 |
350 |
1320 |
アクアアドバンス |
ボトル交換 |
276 |
311 |
966 |
アクアスリム |
ボトル交換 |
275 |
313 |
966 |
アクアスリム S |
ボトル交換 |
272 |
420 |
487 |
スリムサーバーⅢロング |
ボトル交換 |
270 |
337 |
1272 |
スリムサーバーⅢショート |
ボトル交換 |
270 |
354 |
820 |
スタンダードサーバー |
ボトル交換 |
265 |
313 |
1320 |
ウォーターサーバー |
ボトル交換 |
300 |
386 |
1150 |
信濃湧水 エコサーバー |
ボトル交換 |
310 |
330 |
1000 |
信濃湧水 スタンダードサーバー |
ボトル交換 |
310 |
330 |
1000 |
FRECIOUS dewo |
ボトル交換 |
290 |
363 |
1125 |
FRECIOUS dewo mini |
ボトル交換 |
250 |
295 |
470 |
FRECIOUS slat |
ボトル交換 |
290 |
350 |
1110 |
CoolQoo UFろ過サーバー |
水道直結 |
315 |
493 |
1100 |
CoolQoo ROろ過サーバー |
水道直結 |
315 |
493 |
1100 |
この一覧を見てお分かりいただける通り、高さ以外は似たり寄ったりです。
A3用紙(297×420mm)程度のスペースがあれば、大抵のウォーターサーバーは設置可能とお考え下さい。
ポイント1 水道直結方式は水道の近くにしか置けない!
先の説明とこの一覧を見てわかる通り、ウォーターサーバーはボトル交換方式と水道直結方式が存在します。
ボトル交換方式であれば、設置場所は問いません。
しかし、水道直結方式の場合には水道の近くでなければ設置できません。
水道直結方式は、料金体系や日頃の運用においても良い所ばかりですが、唯一の問題が水道の近くにしか設置できないという点です。
多くのご家庭ではウォーターサーバーを設置する水周りと言えばキッチンでしょう。
そして、キッチン(特にシンク)のスペースに余裕のあるご家庭は少ないのではないでしょうか?
つまり、ここがウォーターサーバー選定の大きな分かれ道その1です。
ポイント2 卓上か床置か?
ウォーターサーバーは一般的な床に設置する細長いものだけでなく、テーブルや棚の上に設置できる卓上タイプが存在します。
例えば一覧のなかでも特に高さが低いものといえば、ナノラピア マリンです。
非常にスタイリッシュなウォーターサーバーで、高さ僅か37.5cmと棚の中にも収まりそうな寸法です。
ポイント3 料理に使うか否か?
最後のポイントは、ウォーターサーバーを使っていくうちに不満を覚えることも多いであろうポイントです。
ウォーターサーバー、特に水の量に制限のない水道直結方式の場合、料理にも積極的にウォーターサーバーの水を使うことがあります。
特に冷水・温水両対応のウォーターサーバーであれば、温水を使うことでお湯を沸かす時間を短縮出来たり、冷水を使うことで氷を使わずに済んだりと時短にもつながります。
もし、ウォーターサーバーを料理に使う場合には、キッチン付近の料理にも使いやすい場所に設置場所を確保することをオススメします。
ウォーターサーバーの選び方3 - 価格と機能で選ぶ
ウォーターサーバーの機能は少なく、せいぜい「冷水」「温水」「チャイルドロック」くらいのものです。
なかなかメーカーごとの差が出しにくい製品ではありますが、不要な機能を切り捨てることで価格を抑えることができます。
また、お子さんの居られる過程においては「チャイルドロック」は必須の機能といえるでしょう。ウォーターサーバーから出てくる温水は90度前後とかなり高温です。
例えば、温水冷水両対応のナノラピア マリンは月額3,980円であるのに対して非対応(常温の水のみ)のナノラピア メイトは2,480円と小さくない価格差が生まれます。
ただし、一部のウォーターサーバーを除くとほぼすべてのモデルに「冷水」「温水」「チャイルドロック」が備わっています。
各社とも消費電力やコンパクト、デザインなどで差別化を図っていますが、価格差ほどの機能性は備わっていない印象です。
デザインにこだわりがなければ一番安いものを選んでおけば良いでしょう。
ウォーターサーバーの選び方4 - デザインで選ぶ
ウォーターサーバーと言えば白い家電然としたデザインをイメージされることが多いでしょう。
しかし、一般家庭にもウォーターサーバーが普及し始めたお陰で最近ではデザインの凝ったウォーターサーバーが増えてきています。
写真左:プレミアムラピア L2 | 水道直結式ウォーターサーバー スリム | ウォータースタンド株式会社
写真中:アクアファブ | ウォーターサーバー・宅配水のアクアクララ
写真右:cado×PREMIUM WATER ウォーターサーバー | ウォーターサーバーはプレミアムウォーター
まとめ
ウォーターサーバーの基礎知識と選び方を紹介しました。
最後にまとめると、ウォーターサーバー選びのステップは以下の通りです。
- 水道直結かボトル交換方式か?
- 設置場所の広さにあった製品を選ぶ
- 冷水・温水・チャイルドロック機能が必要かどうか?
- デザインへのこだわり
具体的な製品については、以下の記事で比較しながら紹介しています。
diy-kagu.hatenablog.com