BMWを3台乗り継ぎました。
駆け抜ける喜びを突き詰め、その完成系たる5シリーズ(E39)をこの2年で十分に堪能しました。素晴らしい車で、一生乗る車を選ばなければいけないとしたら、この車か同世代のE46を選ぶと思います。それ以降の世代では、よく言われるデザインの変化はともかくとして、あらゆる面で変わってしまい、全く気持ちを動かされる車がなくなってしまいました。
さて、E39を堪能したということで次はどうしようかと悩んでいるのですが、地方移住も現実的になってきた今、生き残れる車をテーマに選択してみることにしました。
都会と違い、地方では何があるかわかりません。
こんな話をよく母から聞かされました。
田舎では何があるかわからない
僕がまだ赤ん坊のころに、雪深い道を僕を乗せて走っていると車が故障。僕を背負って深い雪の中を町に向かって必死に歩いたそうです。周りには一面田んぼ(雪深いので真っ白)で、除雪もされていない雪道を、最寄りの町、というか人家まで必死に歩いたそうです。最寄りの人家までは推定2時間。
せっせと歩いていると、大変運の良いことに車が通りかかってくれたので、なんとか家にたどり着くことができたそうです。
見渡す限り、数km四方何もないわけです。動いているのは舞い落ちる雪だけ・・・。人も車も通りません。
僕の地方のイメージとはまさにこれです。
そのため、生き残れる車が必要だと考えました。
具体的には、最低地上高の高い車で、四輪駆動です。でかくて頑丈なのが望ましいです。どのみち、1年後か2年後にはまた乗り換えるでしょうから、まずは安全策として生き残れる車を選択し、その後危険度の程度に合わせて選択肢を広げようというわけです。
国産車で見てみますと、いわゆる生活四駆と呼ばれる四輪駆動システムであったり、コンパクトカーを背だけ高くしたようなカッコだけの車が大変多いです。少し頑張って走るとドアが開かなくなることで有名なトヨタの新型SUV「C-HR」のことを言っているわけではありませんが、そうしたしょーもない車が多いです。
そんな中で絞り込むと、まずはトヨタのランドクルーザーとランドクルーザープラドが候補に挙がります。しかし、見た目はパッとせず、内装も昭和、乗ってもいまいち。ランクルブランドと言えば大したものですから、一目置いていたのですが、どうも僕には魅力が掴めませんでした。
続いてスズキのジムニーなんてものがありますが、安全性度外視の車は滅びればよいと考えているので除外。
最後にスバルのフォレスターがあげられます。アイサイトに傾倒して車本来の安全性に疑問が持たれるところですが、それでも十分に安全な部類の車といえそうです。車の大きさという意味でもCセグメント以上ですから、ぎりぎり身内を乗せて許容できるサイズ(安全性)です。スバルの四輪駆動といえば大変な評価を得ています。この車体に2Lはあまりに非力でしょうが、ターボという選択肢もあります。見た目も内装もアジアの車を代表するような安っぽさですが、全体としては及第点です。
僕はとても乗りたいとは思えないので、奥さん用には良いかもしれません。
さて、そうするとやはり輸入車に目を向けることになります。
まずは生き残るためにイギリスとイタリアメーカーは除外します。
ドイツもフランスも繊細な部品が多くて故障が多く、その点では生き残れる車と呼べるものがありませんが、一応検討してみます。
しかし、ドイツもフランスもSUVはとってもださいです。1世代前のX5まだ評価できますが、またBMWというのは避けたいです。メルセデスは本当にSUVのデザインが下手なんだなぁという感じ。アウディは相変わらずのぺらっぺらデザインで3日で飽きそう。ポルシェはただでさえ見た目を重視するメーカーでないのに、SUVになると酷さ倍増。フォルクスワーゲンは、そもそも受け付けないです。
背の高い車になると、どう頑張ってもセダンやクーペと同種の美しさを実現することはできません。つまり、その点は諦めてごつさや力強さを強調すれば良いと思うのですが、どうにもドイツ、フランスメーカーはそういう方向性を避けているようです。SUVにセダンやクーペの美しさを求めるばかりに疑問の残るデザインになっていると思います。
ただ、僕は背の低い車が好きなので、ダサいフィルターを通して見てしまっている可能性は否定できません。
セダンやクーペの美しさをSUVに求めず、大味ででかくてごつい車にはまた違った格好良さが有ります。
ごつくて力強い四駆と言えば、トラック大国アメリカです。
デザインは大味でいいんです。
でかい。ごつい。
余計な加飾とかは全くいらないんです。むしろそうしたものがでかい・ごついの良さをスポイルしてしまいます。
つまり、こういう余計なものをつけているのはダメ。
要するに、キャデラックとかリンカーンはダメです。
なんかごてごてして、でかい・ごついの良さを台無しにしています。もちろん美しさを求めてしまっている欧州車もダメ。なんだったら戦車とかトラックみたいなのでいいわけです。
つまり、フォード、シボレーあたりが候補にあげられます。
フルサイズSUVは流通も少なく、サイズが非常識にでかいのでミドルサイズSUVをターゲットにします。ミドルサイズSUVといっても、国産車でいうとランクルと同じ5m×2mくらいのサイズです。
生き残れる車という意味ではドイツ車よりはアメ車の方が丈夫で壊れにくく、部品も手ごろですから安心感があります。とにかくそれぞれの部品がごついですから、馬鹿なカスタムをしない限りは信頼性は日本車に次ぐでしょう。
さて、フォードのミドルサイズSUVといえばエクスプローラーです。
シボレーではトレイルブレイザーですね。
まず、前提としてフォードは日本を撤退しています。メンテナンスは自分で行う上、部品は入手できますから大きな問題はないと思いますが、この時点でシボレーが有利。
続いてエクスプローラーは最近のモデルチェンジで、ダウンサイジングを果たして2Lターボと3.5L V6エンジンのラインナップになってしまいました。アメ車が信頼できるのは、数十年単位で改良を続けた古き良きエンジンがあるからこそです。しかし、一世代前のモデルに目を移せば、4L V6と4.6L V8エンジンがラインナップされています。日本の税制上どちらも税金額は変わりません。信頼性を考えれば小さなV6が有利でしょう。
デザインを見てみましょう。
これはV8モデル。V6とは違ってツートンカラーになります。
更に言うとこっちの方が格好良いですが、際限がなくなるのでやめておきます。
ちょうど良い写真がFlickrでは見つかりませんでしたが、ツートンのV8モデルよりV6モデルの方が見た目も良いです。ツートンは若干軟弱に見えます。
参考までに新型モデルです。
かなり欧州車などに寄せてきていて、欧州車と比較検討する対象になるかもしれませんが、従来のお客さんがこれを選ぶのかは疑問が残ります。
続いてシボレー・トレイルブレイザーです。
日本に導入されていた最後のモデルとなる一世代前では、4.2L 直6エンジンを積んでいます。
直6というのが良いですね。もちろん伝統のエンジンで信頼性があり、メンテナンスも見るからに容易そうです。V6に比べてメンテナンス性が良いのは間違いありません。
オーナーや車屋さんに話を聞いても、信頼性の面ではトレイルブレイザーの方が有利なようです。
デザインはというと、
ダメだこりゃ(^^;
新型です。なんでしょうこれ。
フォードみたいに欧州車に寄せてくるのは理解できますが、これって・・・スズキのやすーい車にありそうなデザイン。当然でかい・ごついの良さなんて微塵もありません。
そもそも日本に導入されていません。
ということで、一世代前はというと、
うーん、これです。
馬鹿っぽいカスタムされている印象があって、すごく印象が悪いです。
大味ででかい・ごついには当てはまりますが・・・。
もちろん綺麗にしてノーマルで乗れば良いだけの話ではありますが。
ということで、今時点の感想はこんな感じ。
デザイン:フォード・エクスプローラー
内装:フォード・エクスプローラー
信頼性:シボレー・トレイルブレイザー
整備性:シボレー・トレイルブレイザー
価格:どっちもくそ安い
デザインは馬鹿カスタムの印象が悪いだけでほぼ同点。ややエクスプローラーが有利。
内装はどっちもお世辞にも良くはありませんが、期待もしていません。信頼性と整備性はトレイルブレイザーが有利そうです。
アメ車メーカーは右ハンドル用部品の供給をすぐ打ち切るので、左ハンドルを選ばざるを得ません。日本国内で左ハンドルは何一つ良いことがなく、恥ずかしいですが、今回はアメ車を選ばなければいけない使命感に駆られています。
僕は車好きとして、できるだけいろんな車に乗りたいと思っています。
もちろん限度というものがあって、それを満たさない車には乗りませんが、生き残れる車を探す中で、いわゆるアメリカンSUVというものも経験してみたいと思うようになりました。
上述の通り、最近は欧州化してダウンサイジングが進んでしまっています。
しかし、ここでいうアメリカンSUVはでっかいエンジンに大味な内外装をした「トラック」のことです。
アメリカンSUVに乗ることで果たしてどんな世界が広がるのか。
所有することで意外と高い満足を得られるかもしれません。
今回、生き残れる車を買う必要性が生まれたというのは、絶好のチャンスです。
通常であれば、背の高い車を選ぼうとはしません。
最終的にどの車種を買うかはわかりませんが、これまで全く体験したことがなく興味もなかったアメリカンSUVに乗ることを考えると、ワクワクが止まりません。